1985年5月8日のワイツゼッカードイツ連邦大統領の演説全文を再掲します。

「荒れ野の40年」ワイツゼッカー連邦大統領演説全文(1985年5月8日)
http://ameblo.jp/study2007/entry-10236801513.html

いま私たちは
・立場も見識もある者が条件さえ整えばどんな嘘でも重ね、
・医療に携わる者が子供や胎児に平然と人体実験を行う。

のを目の当たりにしています。


知恵や技術が誰の為にあり、またそれを持つ者がどうあるべきかを再確認するために
5月8日の今日読み返すことにしました。以下に演説のいくつかを抜粋いたします。

ーーーーーーーーーーーーーー<以下、演説からの抜粋>ーーーーーーーーーーーーーーーー

良心を麻痺させ、それは自分の権限外だとし、目を背け沈黙するには多くの形がありました。
 戦いが終り、筆舌に尽しがたいホロコースト(大虐殺)の全貌が明らかになったとき、一切
 何も知らなかった、気配も感じなかった、と言い張った人は余りにも多かったのであります。

 人間の罪には、露見したものもあれば隠しおおせたものもあります。告白した罪もあれば
 否認し通した罪もあります。充分に自覚してあの時代を生きてきた方がた、その人たちは
 今日一人ひとり自分がどう関り合っていたかを静かに自問していただきたいのであります。


問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。
 後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。
 しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を
 心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです。



※われわれ年長者は若者に対し、夢を実現する義務は負っておりません。われわれの義務は
 率直さであります。
心に刻みつづけるということがきわめて重要なのはなぜか、このことを
 若い人びとが理解できるよう手助けせねばならないのです。


人間は何をしかねないのか——これをわれわれは自らの歴史から学びます。でありますから、
 われわれは今や別種の、よりよい人間になったなどと思い上がってはなりません。


※ヒトラーはいつも、偏見と敵意と憎悪とをかきたてつづけることに腐心しておりました。
 若い人たちは、たがいに敵対するのではなく、たがいに手をとり合って生きていくことを
 学んでいただきたい。民主的に選ばれたわれわれ政治家にもこのことを肝に銘じさせて
 くれる諸君であってほしい。そして範を示してほしい。

ーーーーーーーーーーーーーー<以上、抜粋>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー