再臨界と水蒸気爆発に関して私が想像していることを記載してみます(4月17日現在)。

結論から言うと
・再臨界を疑う現象はあるかも知れない?が確証はない。
・再臨界しても冷却されている限り大事故には至らないだろう。
・水蒸気爆発が起こると燃料体が外界に散乱する。
 海水汚染よりも冷却を最優先にすべき。
・100km付近での避難可能性もあるが数日程度の猶予はあるだろう?

と考えます。

①再臨界とは「中性子が連鎖反応で継続、もしくは増幅する現象」です。
 そもそも燃料が違うので核爆弾のような反応は起こりません。
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②再臨界は起こらないと信じていますが溶けた燃料の状態は判りません。結局誰にも
 肯定も否定もできない状態だと思います。(癌治療でもしょっちゅう有ることですがw)
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③あくまでも原子炉燃料ですので再臨界が起きても臨界条件は短時間で崩れ、部分的、
 かつ一時的な反応だろうと考えられます。(くすぶり続けるのは好ましくないですが)
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④硝酸ウラニル水溶液ですので条件は異なりますが、東海村JCOの臨界事故の
 再現実験のイメージが近いかもしれません。
 http://www.jaea.go.jp/04/tokai/chiiki_forum.html
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⑤しかしCl38の検出を東電が発表しました。これは再臨界を疑う核種です。
 ※4月20日に原子力保安院は誤報であるとの再評価結果をだしました。
  http://www.meti.go.jp/press/2011/04/20110420006/20110420006.html
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⑥1号炉に海水を注水しました。福島沖だと1kgの海水に約34gの塩が含まれます。
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⑦ただしCl38のペアとしてNa24が検出されるはずですがそれは発表されていません。つまり、
 「再臨界があったとしたらNa24を検出しないのはおかしい」ですし、
 「再臨界がなかったとしたらこれほど減衰の速いCl38を検出するのは不自然」です。
 どちらにせよCl38の核種データから再臨界はあるとも無いとも言えません。

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 ※4月20日の保安院の再評価も同様の考えに基づいています。
  生データを見ると確かに何かのノイズの様にも見えますが、サンプリング採取から
  測定まで8時間以上?経過している事やカウント時間を長めに取るとか応用が無い
  ことがイマイチに感じられます。

  そもそも「たまり水」は何日も前からの水が混ざっているので減衰の速い核種は
  極めて捉えにくいという認識が測定者にも報告を聞く側にも必要だと考えます。
  (報告では海水は3月23日~25日となっていますが
   別資料では12日からのはずですhttp://atmc.jp/plant/detail/


⑧むしろ私が気にしているのは1号炉の炉心温度です。思った程下がりません。
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⑨いまのところ冷却は保っていますが圧力容器下部(底?)の温度監視は特に重要です。
 また炉心上部も設計耐温度(302℃)を越えないか注意が必要です。
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⑩冷却がはかどらない理由として塩の堆積を考えましたが、真水に戻して3週間経っても
 温度が下がらないところを見ると断続的な発熱機構(再臨界?)も排除できません。
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⑪理由が再臨界であれ塩や余震であれ、冷却ができずに圧力容器内の燃料がこぼれるのは
 絶対に防がなくてはなりません。状況から格納容器には水が存在すると予想します。
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⑫水蒸気爆発の規模は水やこぼれる燃料の量にかなり左右されそうです。爆発の直接的
 な被害は数kmは越えないと想像します。が、燃料が外界に出るのは恐らく間違いありません。
 http://www.aesj.or.jp/publication/TAESJ2007/No.3/6_3_289-297.pdf
 燃料の残量から想像すると現在の放射能汚染をもたらした
 ドライベントの数十~百倍ぐらい?になると予想します。

 海水汚染も懸念されますが、より大きな被害を防ぐため、
 今は可能な限り冷却を進めるべきと考えます。

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