5月12日夕方の東電記者会見を聞きました。1号炉の水位が予想より低い様です。
恐らく正確には誰も判らないと思いますが、現在の炉心状態と燃料溶融などについて
私が想像している内容や関連する図などを羅列してみます。

①まず炉内の圧力と水温(蒸発温度)の関係のグラフです。運転時は70気圧なので
 水温や蒸気温度は280℃まで上がります。ですので設計値は302℃になっています。
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②炉心内部の構造を示した模型の写真です。燃料棒の下側の空間は実際には「制御棒案内管」
 というステンレスのパイプ(直径30cm、3号機の場合137本)がぎっしり詰まっています。
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③例えば3号炉で気になるのは炉心下部の温度が100℃より高い事です。容器温度は
 普通は水温で決まる訳ですから1気圧の今は100℃以下になって欲しいです。つまり
 どこかの構造物から熱が伝わってきてるとすると、おおもとはかなり高温な事が疑われます。
 同じ「280℃」でも通常運転時の「水温」とは意味が違います。イヤな事だと思います。
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④熱源(溶融燃料)と構造物の様子が全然判りませんので排熱ルートと温度分布を
 計算するのはムリです。が、どの程度の熱伝導がありえるか?想像してみます。
 炉心下部に向かっての排熱として一番大きいのは「制御棒案内管(のパイプの肉厚)」
 かも知れません。
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⑤次が円筒状の「炉心支持板の足?」ぐらいでしょうか?
 福島第一原子力発電所3号機安全上重要な建物・構築物及び機器・配管系の耐震安全性評価
 http://www.tepco.co.jp/nu/material/files/fk10071601.pdf

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⑥例えば3号炉の場合、本当の水温や除熱がどの程度か判りませんが、構造物が残っており、
 また約2メガワットの崩壊熱の0.1~1%でも熱伝導で逃げていると仮定すると、
 温度計の読み値よりも実際に溶けている付近の温度はかなり高温かも知れません。
 重要な事は「それがステンレスを溶かす1400℃まで達したか?」ですがそれは判りません。
 ただ1号炉の履歴で「400℃を越えた事がある」という事実は個人的には気にしていて、
 それくらいになると「内部の構造物が崩壊する可能性はあるかも?」と懸念しています。

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炉心の温度?圧力?とこれまでの経過など全体的に眺めて想像すると、
 http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/

 1号炉:水も燃料も大部分が炉心の外(格納容器に留まっているかは謎?)に出たか?
     あるいは格納容器の冠水?がある程度温度を下げている?可能性がありそうです。

    ※「津波以前」に地震の震動だけで炉心容器の底が損傷し水が漏れ始めていたと
     すると今後の原発の立地等についてもかかわる大問題でもあると考えます。


 3号炉:炉心底の水漏れは1号炉と同様かもしれませんがもしかすると「再循環系」に
     水がたまっており、その水位くらいは維持しているかもしれません。
     僅かな水位変化で炉心上部の胴フランジの温度が大きく変化するのは、
     燃料もしくは構造物が「水を被ったり、剥き出しになったり」する変化に
     対応している様な気もします。
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 1号炉で燃料が外界に露出しているとすると勿論それは悪いニュースです。ですが仮に、
 「狭い隙間から徐々に燃料を流出」させる事で崩壊的な水蒸気爆発を回避できる可能もあると
 すれば今後の方針を考える上で重要な知見になるかもしれません。