さすがに右足の筋力低下や怠さがある。(原因はまあ、いろいろ)
先日泊まったビジネスホテルに小さいマッサージチェアがあり、
ちょっとやってみるとまあまあだった。

で、今日ヤマダ電機に見に行くと最近の機種の高機能ぶりに驚愕。
店員にイヤな顔をされるかと思いきや、「どうぞ、どうぞお試し下さいパー
という感じ。「何時間でもお試し下さい、、、」という勢い。

で、御言葉に甘え、3台ほどフルコースでテスト。結果は、多分
「フジ医療器製CYBER-RELAX AS-840」が最高レベルの出来映え。素晴らしい。
衝動買いしそうになるが、ギリギリ我慢し、今日は購入に至らず。

ただ帰ってカタログをよ~~く読むと
■次の方は医師とご相談のうえ、ご使用ください
・悪性腫瘍のある方
・背骨に異常のある方
・知覚障害のある方
・かつて治療した、もしくは疾患部へ使用する方
・安静を必要とする方、、、とのこと。

!っう、今度病院で相談してみようかな。笑。

ついでに3Dビエラを見てみる。が、完全に期待外れ。
こちらは全然ダメ。昔の紙芝居か人形劇をみてる感じ。
寝転んで見れないのも病人には致命的。検討に値しない。

ただ、3台で1時間近くマッサージチェアにかかったせいか、
死ぬ程怠く、今日1日何もできずぐったり。しまった、、。
2007年3月13日:事実上のステージIV診断。
     4月 9日:抗癌剤治療開始。
ふと気づいたら今年4月に3年を経過していた。

あまりに転移が多いので詳細は省くが、現状は
・原発  :制御中(10cm以上→1mm以下?)
・肺内転移:右肺下葉1.5cm×1カ所。他は制御中
・骨転移 :制御中
・肝転移 :なし
・脳転移 :なし
・その他 :なし

肺内転移は3~5cm大の患部が3つ、5mm大が数個、1mm大が数十個。
骨転移は1cm以上の患部が7個以上確認されてきた。抗癌剤や放射線で、
あるいは、いくつかは「勝手に消えたり?」しつつ制御してきた。

比重を1とすると3年前の治療開始時に合計1kg近くあった癌は現在2g程度。
と、言うとゴール間近の様に聞こえるが実際には白金系の抗癌剤を使い切り、
確実に追い詰められつつある。本当に厳しいのはここからであろう。
ただし3年経過の現段階で脳と肝に転移の兆候が無いのは予想よりは少し良い。

副作用は、
・抗癌剤による手足の痺れ。10段階で言ってレベル3程度。
・2009年11月の重粒子照射による肺炎。レベル2程度。
・骨盤への粒子線照射による痺れ、歩行障害。レベル4程度。

服用している薬剤無し。健康食品無し。サプリメント無し。体調は良いが、
ロスタイム(余命)が1ヶ月か1年かは判らない。が、今後の目標を少し変更する。

1つは癌治療用中性子源の開発:
 FFAG 以外の方式での大強度イオンビームの加速と高効率ターゲットの開発。
 そういえば中性子を真面目に取り扱った経験は意外と無いかも?知れない。
 が、まあ、どうせやれば出来るだろう、、、。

2つめは科学的な癌治療装置の開発目標の策定:
 現状の目標は「各病院に設置する」「均てん化」であり、誰も何も考えていないか、
 あるいは意図的にミスリードした政策目標が掲げられている。科学的・医療統計的
 に最適な医療装置の開発目標を示す。こちらは技術的には難しい事ではないが、
 各方面からの抵抗は強いと予想される。

本当はどんなに急いでも10年程度を要する開発目標の様な気がするが、
私のロスタイムが余りにも短いこともあり、5年後に試験機の運転許可申請、
7年後に臨床試験申請が出来るぐらいの勢いで進めたい。

今小児癌で何とか頑張っている子供や分子標的剤が良く効いた人が将来再発した
ときに「臨床試験第1号」に入って頂き、実質的な完治を目指してもらう。
(恐らくその段階では私はこの世に居ない。自分には間に合わないのが残念だが、笑)

先ずは数人の方々の協力が必須なので、説得用の資料つくりかな?
また、「金食い虫」と皆さんに嫌われそうですが、、、、(笑)。
イレッサ耐性などについて幾つかの推定を記載したが、最後に補足等述べる。

1.タルセバ150mg/dayは用量的に「まあまあ」な気がするがイレッサ1日1錠はやはり
用量不足なケースが多いと想像する。しかしながら勿論、体質によってはイレッサ1錠
でも厳しい場合もある。

典型的には服用を始めて1ヶ月以内ぐらいにGOT/GPTなどが上昇するケースで、
イレッサ(薬剤)を処理できずに肝細胞が壊れて血中に流れでてくると思われている。
この状態が続くと肝機能低下が慢性化し恐らく癌治療において致命的なダメージを与える。

先ずは休薬、もしくは隔日投与などであろうが、プロへパールという補助剤で肝機能
を多少は守れる?場合もある様である。毎食後1~2錠服用。副作用は軽微とのこと。


2.イレッサと言えば間質性肺炎であるが、むしろタルセバの方が用量的に「適当?」
なせいか、肺炎等の副作用リスクも高い?と想像する。イレッサ、タルセバ使用者は
KL-6を採血の検査項目に加えるべきと考える。


3.イレッサ、タルセバに知見の無い私が上記の様な印象を持つに至った論文などを
下記に紹介する。イレッサ経験者としてIntelligenceの高い患者ブログを書かれている
ミューさんtamyさん、及び治療経過を提供頂いた方々のご協力に感謝致します。

イレッサ第I相試験の報告
http://www.jco.ascopubs.org/cgi/content/abstract/20/18/3815
・投与量150mg/dayから1000mg/dayまでの7水準全体に対して肺癌のn数は39人。
・ドロップアウトした人の治療前歴など詳しい推移は個々には不明だが、やはり
 600mg/day~1000mg/dayだと投与が厳しくなる人が出てくる。血中濃度も上がらない。
・主な毒性はやはり、ニキビ様皮膚疾患、下痢、衰弱、吐き気、食欲減退、、など。
 逆に言えば通常の抗癌剤の様に、白血球や肝機能やクレアチニンでグレード3になる人は
 1000mgまでの投与量でも余りいない?
・血漿中の薬物動態は個人差、及び(同一患者の)経時差ともに、かなり大きい。
(イレッサは繰り返し投与なので血中濃度は上がったり、下がったりノコギリ型を描きながら
 上昇してゆくが、7日程度で定常状態に達し、その時期の投与直前に採血し、谷間(トラフ)
 濃度で評価する)
・2人の患者はこの濃度が1週目と3週目で2~3倍も変化したので、評価から除外。
・各投与量グループの被験者数名のgeometric mean=全データの相乗積の同次乗根
(平たく言えば、統計的平均値の様な値)で比較して、600mg/day辺りまでは投与量に
 だいたい比例して血中濃度もあがる。
・とはいえ血中濃度の分布は(恐らく標準偏差で言って?)±50%程度のバラツキがあり、
 個体差がかなりある。イレッサのカタログ値とも大体矛盾しない。
・同じ患者の中で比べても、(投与後3週までに?)4%から40%程度の変化がある。
 血液動態はかなり動く。この変動自体にも個体差がある。
600mg/day程度はトライする価値があるし、第二相試験が250mg, 500mgで行われたのは合理的
だったと考える。(本当は200mg, 400mg, 600mgぐらいの三水準程度が適切だったかも??)

イレッサ第II相試験の報告
http://www.jco.ascopubs.org/cgi/content/abstract/21/12/2237

タルセバ第I相試験の報告
http://jco.ascopubs.org/cgi/content/full/19/13/3267
・3つの臨床試験をコンバインした内容。かつ、まとめた筆者が薬剤開発担当なせいか?
 実際の患者に接してないか、あるいは間接的な情報を基に論文を書いた?という印象。
・毒性などの評価に使えるのは実質30人ほどのn数。それを50mgから200mgの4水準に
 3人から6人程度ずつ割り付けた試験(それも3週投与後1週休薬)、150mgの連日投与、
 休み無し試験(10人ほど)を混ぜ合わせて評価しようとしており、偏りがある?
・ただ、血液動態の結果fig.5などでは50mg/dayから200mg/dayまでの範囲でおおよそ、
 投与量に比例して血中濃度は増えており、中外の公表データに矛盾はしない。
・ただし、150mg/dayの連日投与のデータ郡に引きずられている。一方で、「比例性」は
 3週投与+1週休薬のデータ郡で得られている。このデータのみから「連日投与」の
 スケジュールを考えるのは困難?。
・何れにせよイレッサ同様、「同じ投与量でも血中濃度は非常に個体差が大きく、データから
 類推すると概ね50%~70%程度?はありそう」という事だと思います。論文の文章の中では
 バラツキが30%程度であるかの様に主張しようとしていますが、そんなに揃った結果で無い
 事は生データ(は、一応信じておきますが、、、)を見れば類推できる。

この論文や、実際のタルセバの使われ方、中外の薬理データなどから感じる私の印象では、
・あくまでも毒性を見ながらだが、タルセバも同じ投与量でも血漿中の薬剤濃度は非常に
 個体差が大きく、患者によっては200mg/day程度までは試す価値はありそう。
・ただし、400mg/dayあたりに行くとイレッサで言うところの800mg/day前後の毒性より強い?
 かも知れず、上限はその辺り以下になりそう、、。

また、増量して半年~年のレベルで長期使用した場合の毒性は(私の調査能力が低い為)
殆ど判らず、イレッサ1日2錠、タルセバ400mg/dayレベル等の増量は慎重を要する。
イレッサが「効くvs効かない」「耐性があるvs無い」の内訳を大雑把に分類してみる。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-iressa_case

前提として、
・一般論として癌腫瘤はホモジェネティック(一様)では無く、遺伝子的に混在がある。
・750delや点突然変異があるとイレッサは作用し、成長抑制もしくは細胞死をもたらす。
 (細胞死の機序は不明であるが)半減期2ヶ月程度で細胞数は「減る」と仮定する。
・T790Mなど、ゲフィチニブ耐性細胞とそもそも遺伝子変異が無い癌細胞は成長を続ける。
 成長速度は腺癌なので遅めで、大体2ヶ月で倍増ペースと仮定する。(画像上は半年で倍)
・血漿中のイレッサトラフ濃度が200ng/mL程度以上あれば一応は効く。
など仮定する。

通常の遺伝子解析では検出感度は5%ぐらい?で、対立遺伝子(変異なし)に対し100:5
程度の変異が存在すると「変異あり」と判定される。「是非イレッサで!」となるが、
「変異無し」に対し半分以下程度の場合、恐らく焼け石に水という感じかも知れない。

また、殆どが「遺伝子変異あり」でも耐性遺伝子が半分程度を占めてくると、減少と増加の
ペースが釣り合い、「現状維持」や「なんとなく濃淡の位置が変わる?」といった感じに
なるかも知れない。こうなると2~4ヶ月後にはぐっと悪くなる可能性があるので、
イレッサを使い切る以前に、早めに他の薬に移行した方が良いかも知れない。

現在の遺伝子分布が判らない場合の判断材料の1つは血漿中の薬剤濃度。「足りてない」
なら増量をやってみるべきであるし「既に充分」だとしたら変更を考えるべきかも知れない。
前回記事の1症例では肝機能や副作用から間接的に「足りてないのでは?」と想定した)

遺伝子解析は外注になる?かも知れない、、1例を挙げると、
・EGFRファミリーの750del,L858R,T790Mなどの10遺伝子に対し変異の「有り」「無し」
 の判定を2万円でやるそうである。一回に限り保険も効き、患者負担は7千円程度?

ただし、定量性と精度が不足なのでリアルタイムPCRを依頼すると、
・1目的遺伝子あたり7万5000円、高感度測定では13万2000円など、、。

治療前の針生検や胸水が出てきた場合、私なら必ず遺伝子解析を依頼する。内容は、
1.10遺伝子のスクリーニング  :保険承認。自己負担分7千円
2.750del, L858Rの定量測定  :7万5000円×2遺伝子=15万円
3.T790Mの高感度定量測定   :13万2000円

T790Mは感度0.1%まで頑張ると治療前でも3%の患者から出てくるという報告もある。
自分がそのグループに入った場合、全てが理想通りに進んでも1年半ぐらいで自動的に
耐性遺伝子が支配的になると計算される。イレッサが順調そうに進んでも「早めの継投」
が必要になるので準備する上で有用と思われる。

また、トラフ濃度の測定は治療開始2週間目と最低でも3ヶ月に1度は行うべきで、
普通の大学病院やがんセンターなら院内でやれるとは思う。恐らく保険は効かない
と想像するが、イレッサやタルセバを用いる場合には必須事項であると考える。
「イレッサ耐性後タルセバ奏効中」の方から採血などの治療経過をご提供頂いた。
一般的な治療データから何が判り、また判らないのかを記載してみる。

現在アバスチンとTS-1を併用し制御中とのこと。標準治療とは異なる経過を辿っているが、
経過は良好。タルセバ後のイレッサ再奏効の可能性があり得るか?等を探るのが目的。

・50代、女性、非喫煙者。
・肺腺癌、左上葉にφ34mmの原発、肺内転移、リンパ節転移。胸水。ステージIV
・2007年7月:ドセタキセル1コース。骨髄抑制の為中断。
・2007年8月:イレッサ服用開始。奏効(著効?)。1年5ヶ月継続。アバスチンも上乗せ。
・2009年3月:イレッサ耐性の為、アリムタ+ジェムに移行するも無効。
・2009年4月:タルセバ開始。6ヶ月程度は現状維持。
・2009年8月:タルセバにアバスチンの上乗せ再開。CEA減少傾向確認。
・2010年2月以降:タルセバ単剤でテスト中。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-iressa_2010_2_1

転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-iressa_2010_2_2

・イレッサを1年以上継続後の2008年12月頃にGOT/GPTの上昇が見られる。が、投与量を
 減量することなく肝機能が持ち直している。とはいえCEAマーカーは上昇を始めており、
 イレッサの効き目が落ちていることは示唆されている。

・その「きっかけ」か?判らないが同年9月頃からゾメタの併用も始めており、正常値ながら
 GOT/GPTの上昇傾向がスタートした時期に重なる。(ベースにアバスチンも併用)

・アバスチンもゾメタも肝代謝とは考えられていない?が、ゾメタの副作用にはGOT/GPT上昇も
 時々見られる。通常副作用は問題にならないし、ALPが下降していることを見ても、ゾメタの
 意義はあると思われる。が、イレッサと併用することで肝機能に一時的に負担を与えた結果、
 薬剤代謝酵素(シトクロムP450 3A4/CYP3A4という薬物代謝酵素)が増強された、、
 というシナリオも想像される。

・治療前後の遺伝子変異とその割合などは不明。イレッサによる2次耐性がついたのか?
 あるいは元々T790Mなどの成分が含まれていたのか?など判断できない。

・イレッサの血漿中濃度も不明。で、あるが投与を続けると副作用の皮膚、爪疾患が軽減
 するとのこと。濃度低下を示唆する現象とも考えられる。

・LDHにやや高値があるが、γーGTP、T-Bill、クレアチニン等に全く問題は無い。
 電解質やアルブミンも正常値かつ安定している。

イレッサ投与前後の本症例について、採血、CTなどの通常検査から知り得た事は、
・吸収、体重     :(多分)あまり変化無い?
・肝臓代謝      :イレッサ投与後1年程で増強?
・血漿タンパク質   :変化無し?
・細胞膜       :変化無し?
・細胞分裂周期    :恐らく遅い(2ヶ月程度)?
・遺伝子変異分布・割合:不明
・遺伝子変異までの期間:不明
・薬剤トラフ濃度   :不明

PETのSUVmaxは注射2時間後の「レイトフェイズ」でも5~9程度と低い活性度を呈しており
(胸膜癒着術を施した患部はSUVmax=11程度だが治療による炎症と考えられる)、
細胞殺傷系抗ガン剤よりも分子標的剤の方が有利な様に思える。

「血中の薬剤濃度」と「遺伝子変異の割合」という直接的な判断材料が無い為、強く推奨は
できないが、皮膚などの副作用と肝機能を見ながらイレッサ増量を検討する価値はあると
考える。(追い打ちのタルセバが奏効している事も1つの傍証かもしれない?)

増量の程度は第I相試験の結果から500mg/day(1日2錠)が上限になると考えるが、
マーカーや血漿中薬剤濃度等を見ながら1000mg/3day(3日で4錠)や750mg/2day
(2日で3錠)、あるいは「14日間は500mg/day+14日間は250mg/day」などの
投与スケジュールが試験されるべきと考える。

ただしいずれの場合も、イレッサは血中濃度が安定するのに7日間程度を要すると
考えられる為、最低2~3週間は様子を見る必要がある。
EGFR遺伝子変異をもつ肺癌患者に対するイレッサ(ゲフィチニブ)の効果は
・「縮小:現状維持:無効」が「1:1:1」ぐらい、
・日本では肺癌患者の3割がEGFR変異を持つので縮小する人は肺癌患者全体の約1割程度。
・奏効例でも半年~2年程度で薬剤耐性がつく。と推定されている。

イレッサはEGFR遺伝子変異がある患者に選択的に投与され、現状維持以上なら治療継続。
増幅に転ずれば治療は終了。タルセバ、アリムタあるいは抗癌剤治療に変更されている。

私自身はEGFR変異が無くイレッサもタルセバも選択肢に入らない。またイレッサ患者は
外来が主で、あまり接点が無く、私は殆ど知見を持っていない。が、作用機序と耐性、
再奏効の可能性などについて私の理解(したと思っている事)を整理しておく。

下図に示すように経口投与されたイレッサが癌細胞に到達するまでには少なくとも
・肝臓代謝(平均4割は無効化される)
・血漿中での蛋白質との結合(9割は不活性な平衡状態に維持され少しずつ消費される)
・細胞膜の透過(pHや電解質、化学物質排出チャネルなどの兼ね合いで決まる?)
などの各過程を経る必要がある。さらに血量(体重)により血漿中の濃度には個体差が生じる。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-iressa_01

試験管レベルの知見ではおよそ50~100ng/mL程度?の薬剤濃度を保てれば癌の増幅を抑制
できるとの事である。公表されているイレッサの血中濃度のデータを示す。
(「トラフ濃度」とは反復投与時のノコギリ型の波形の「谷間」での数値の事)
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-iressa_02

ある程度の濃度がある程度の時間(24時間?)以上維持されないと「当然効かない」。
「ある程度」とは平均的にはトラフ濃度で200ng/mL以上ぐらい?の様に見えるが、細胞膜
の出入りの効率や毛細血管の流速などにより、個人差と変動があると思われる。

さらに、イレッサの「効き具合」を想像する為にはEGRF遺伝子変異と作用機序を考える必要
がある。遺伝子レベルのイレッサの作用機序と耐性のシナリオは散々言い尽くされているが、
あくまでも「不確定である」というのが現状の理解。以下には最も有名な「推定」を記す。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-iressa_03

イレッサは細胞増殖などの信号伝達を担うEGFRファミリーに取り付き、信号をカットしよう
とするが、細胞膜内のある部分に「750del」や「L858R」等の変異があれば作用し易く、
反面「T790M」の変異が発現すると(イレッサが結合しても)効かなくなるというシナリオ。

T790M耐性説の1つの根拠は
・感度1~5%?で計測し、イレッサ投与前の患者の遺伝子からは発見されない。
・が、耐性がついた患者の約半分の症例からは発見される。というものである。

が、耐性の議論をするには少なくとも以下の点が不足している様に思える。
1.耐性が付いた患者から検出されるT790M遺伝子の占有比が不明な事。
2.感度0.1%のPCR法では3%程度の患者から検出されており、イレッサによる二次耐性
  だけがT790Mの由来とも言えない。すなわち治療前の患者のT790M占有率の測定が
  (通常の遺伝子解析では)耐性の議論をするには精度不足な事。

癌細胞は一般的には一様では無く、750delやL858R、T790MなどのEGRF遺伝子に
変異がある細胞と無い細胞が「ある割合」で混在していると想像している。

現状の判断基準は殆どが「5%?」以上か?以下か?というレベルに過ぎず、例えば750delが
5%の患者と90%の患者では効き具合が違うかも知れない。反対に、T790Mがどの程度の割合
を占めるか?いつ頃発生したのか?という事も耐性の度合いを左右すると思われる。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-iressa_04

イレッサが「効くvs効かない」「耐性があるvs無い」には様々なケースが混在していると考える。
ここで挙げた基本的な要因だけでも、少なくとも、
・吸収、体重
・肝臓代謝
・血漿タンパク質
・細胞膜
・遺伝子変異分布・割合
・細胞分裂周期
・遺伝子変異までの期間など、
で、全て個体差があり、かつ同一人物においても変動する。何をどう見れば判断材料に
成り得るのか?、どの様な治療指針・考え方があり得るのか?引き続き整理してみたい。
統計的には私が5年後も生きて治療を受け続ける確率は0%である。従って、
放射線治療装置の将来計画に対して最も公平な立場から言及できると考える。

患者、医師・病院、研究者、メーカー、厚労省など、各立場の思惑を一切排除し、
ただ医学的なメリットと高齢化社会が進む社会背景を鑑み1試案をまとめてみる。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-放射線装置

2020年頃までは治療装置環境のドラスティックな改善は恐らく見込めない。
ただ、放射線技師や医師を確保できない病院が自動化と省人数化の一環で
高性能リニアックに切り替える動きがでるぐらいと思われる。

希望としては10年後には重粒子線で年間2万人程度治療出来るようにすべきである。
コスト的にも医療制度の部分的な改善で対応できると思われる。
技術的なハードルは殆ど無い。し、この段階で大きなジャンプは必要ない

2030年頃、重粒子が台数を増やすと記述しているが、高勾配加速器や超電導マシンなど
新規アイデアに置き換わっているかもしれない。建設コストは恐らく数分の1で、
もしかすると重粒子よりも多くの患者を扱っているかも知れない。

ただし同時期にBNCTもかなりの台数が普及している可能性がある。この時期の成果で
その後の方向性が決まると思える。癌という病気の特性を考えた場合、恐らくBNCTの
方が「便利」で2040年までには放射線治療の大半はBNCTが担う気がする。

さらに2030年代以降は、癌治療と言えば「まずBNCT」という感じになってもおかしくない。
PETで検出できる程度の患部は一発で掃除でき、再発や転移はよほどイヤな場所で、尚かつ
長期に見逃さなければ繰り返し照射可能。「数年間に数日」治療をするだけで済む。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-治療分布

「IV期と診断されても10年から20年ほぼ死なない」。治療は簡単。大半はそのまま完治。
癌患者から見ると夢の様な未来であるが、技術的にはそれほど大げさな革新が必要とは
思えない。コスト的にも無駄なダム1つか2つ程度(5000億円/20年)だろうと考える。

携帯電話やGPSに比べ遥かに簡単で安価な事ができない理由の一つは「ニーズの違い」。
・患者・国民は、最低のコストで最高の医療・サービスを受けたい。
・病院・医師は、最低の労力で最大の利益を上げたい。
・行政・政治は、医療費は下げたい、しかし圧力団体の利益は確保したい。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-治療ニーズ

投資者の国民の意見は医療行政には全く反映されず、医師会や厚労省は都合の良い時
に都合の良い様に「患者様の利益」や「患者会の意見」を建て前として利用する。

結果、医療はこれ以上ないほどの非効率・非合理状態が続き、もはや誰にも改善できない。
1つのチャンスは10年後ぐらいに訪れるであろう医療の「完全破綻」。

国民の30%が無保険者になり、地方の病院は壊滅、医療に全く貢献しない開業医が
都市部に溢れ、癌の手術をこなせる医師と施設が激減。ぐらいの状況になれば、
「当たり前の技術水準」を反映した医療装置のニーズが適正にまとまる可能性がある。
究極の癌治療は「飲み薬を1週間から1ヶ月程度服用すれば完治する」という姿。
「副作用は軽微で肺も肝臓も消化管も脳も全部一発で治る」。そんな立花隆氏が夢見る
「最後の新薬」は設計方針すら立ってなく、恐らく30年後にも現れないと想像する。

しかしその一歩手前の状態「重粒子並の効果と、部位・数によらず繰り返し照射可能」
な放射線治療は場合によると20年後ぐらいには一般に普及できるかも知れない。
これは一部の緊急手術が必要な症例を除き、「事実上ほぼ治る癌治療」とも言える。

癌は原因も治療も非常に難しい病気である。その「難しさ」にまともに取り組むのは志は
立派だが要領が悪すぎる。当面は自然界のウラをかく「裏技」でごまかすべきである。

生体内RI治療の1例はスイス・バーゼル大などで行われているPRRT療法。
Peptide Receptor Radionuclide Therapyの略で、膵内分泌腫瘍に集積しやすい
「Peptide DOTATOC」という物質とベータ(β)線放出核種の「Yttrium-90(Y-90)」
を使った、癌細胞1粒を個々に狙った「ミクロな」放射線治療。

イットリウム90は癌細胞に集積されβ崩壊する。2.28MeVの電子線を放出。
半減期は64.1時間。注射で注入し2~3日安静にしたら治療終了。たったそれだけ。

費用は60~100万円程度?、数ヶ月間隔で2~3回行い経過観察。腎機能などに
副作用が出ない限り、何回でも繰り返せる。オクトレオスキャン:111In-DTPAOC
(Octreoscan) SPECTでソマトスタチン受容体が有意に発現していれば検討に値する。

現状、癌腫が限られることや薬剤の集積度合いから「完治」する例は少ないとの事だが、
こういった内部RI治療の延長上に放射線治療の目指すべきゴールがあると思われる。

恐らく、そのゴールに最も近いのがホウ素中性子捕獲療法(BNCT療法)だと考える。
この治療法のスジの良さ、は放射線にも薬剤にもあまり難しい事を要求しない点。
PRRTは薬剤に難しい事を期待し過ぎ?また従来の放射線は基本的に単独治療である。

BNCTの原理。中性子線は「起爆装置」に過ぎない。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-BNCT1

少し高い中性子エネルギーを使うことで体深部に届く。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-BNCT2

1粒の「捕獲」で発生する内部線量。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-BNCT3_F

BNCT目標パラメーター。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-BNCT4

腫瘍細胞への照射線量。1回照射でこれだけ掛ければ殆どの癌は制御できそう。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-BNCT5_F

中性子による放射線量。1時間照射でも正常細胞のダメージは平均1.8GyE程度。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-BNCT6_F

従来の放射線治療とは根本的に異なり、癌治療の全体像を変える程のインパクトがある?
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-BNCT7_F

ホウ素誘導体DDS製剤の見通し。動注法やヒアルロン酸による固定などと組み合わせれば、
(分布、濃度的に理想的では無いとしても)比較的早期に実現できる様に思える。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-BNCT8

加速器はFFAGが有力とされているが、ΔP/P補償とビーム冷却がうまくできれば、
より簡単なシステムの可能性もあるかも?
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-BNCT9

DDS製剤はBNCTに関わらず「金のなる木」であることは明白。それなりのインセンティブが
働いているが、少なくとも加速器に関しては「業界の本気」を出していないことは明らか。
(やってる人は極めて真剣ではあるが、、笑)今後、資源と人をより投入する価値はある。
20年を要する理由の殆どは「技術」では無く、政策的・医療的な決心の遅さだと感じる。
がん放射線治療の将来計画を試案する為、先ず外部照射に関する機器・手法についてまとめる。

リニアックによる電子線をターゲットの当て、発生するX線(光子)を癌に照射する方式は、
所謂「放射線」の代名詞とも言える。が、最近は色々な機種や製品名が氾濫する様になって
きたので、高性能リニアックについて私の理解する範囲で整理してみる。

従来、リニアックでは分布を再現する「原体照射」と線量を集中させる「定位照射」
の大きな2つの流れがあったと考える。

1.3次元原体照射
 体内をスカスカに通り抜けるX線で強い効果を狙う為、真っ先に考えたのが原体照射。
多方向から照射して患部に線量を集中させる。私が高知大で受けた放射線装置もこのタイプ。

2.IMRT(強度変調照射装置)
 癌の形状が素直な「丸」や「四角」なら3Dでもまあまあ良いが、例えば癌が正常細胞を
抱き込んだ腰椎・脊椎などでは神経などが「人質」になり、3Dでは緩和的照射がせいぜい。
そこで考え出されたのがIMRT。マルチリーフコリメータを制御しビームに濃淡をつける。

きめ細かい照射野を再現できるが、治療計画に時間がかかる事と、照射誤差も大きかった。
3Dが2~4門なのに対し、IMRTも4~5門なので線量集中性は大して変わらない。制御が下手
なIMRTをやるくらいなら3Dで「がっつり」射つ方がまだ確実?
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-原体照射


3.定位照射
 一方で、コバルト60によるγ線を線源として脳疾患に対し特化され発展したのが、
ガンマナイフ。定位照射の代表例。リニアックからのX線(6~10MeV)とはエネルギー(波長)
が少し違い1MeV程度。「γ」と呼ばれるのは発生機構が核種崩壊に拠る為で同じ光の仲間。

「集中させる」のが長所で201門のビームを集める。集中度が高いので位置精度が重要。
分割照射では再現性に誤差が生じるので通常は「1回照射」でケリをつける。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-定位照射


4.サイバーナイフ ブレインラボ社製ノバリス 装置価格 5.25億円
 「集中させる」定位照射と「形状を再構成する」原体照射の両立を目指したのがノバリス。
360°のどこからでも(ノン・コプラナー)照射できる。イメージガイド(IGRT)も付属して
おり治療間、治療中の誤差も少ない。体幹部への分割照射(数回から10回)も可能。
ビーム本数は通常は40~200程度で計画される。(最大は1000ぐらい?)

2009年5月の段階で体幹部にも保険適応範囲が拡がった。が、殆どの施設で体幹部は受け
付けていなかった。呼吸変動も追尾できる機能があるが、マーカ自体が保険承認されて
なく、国内では宝の持ち腐れ。(私はイリジウムマーカーが肺に入っており「やれるかも」
という話になったが、治療経過の流れで抗癌剤を挟んだのでキャンセルになった。)

自由診療の病院もあるが、費用と技術的な面を考慮し、私は回避。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-ノバリス


5.トモセラピー 装置価格 5億円
 原体照射であるIMRTをより便利にし、かつ周回照射させることでビーム本数を増やす。
定位照射としての集中性も5門程度のIMRTよりは遥かに良いが、ノバリスの半分程度?
呼吸変動に追従できないので、動く範囲を丸ごと撃つ。イマイチではあるが、国内では
ノバリスも保険の関係で「追尾照射」できないので、結局良い勝負?2009年の段階で
殆どの施設が前立腺専用機。一部緩和的な骨照射など(8Gy×1回や3Gy×8回など、、)。

こちらも自由診療の病院もあったが、費用と技術面を考慮し、結局回避。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-トモセラピー


6.MHI-TM2000 装置価格 12.5億円
 国内メーカによる高性能IMRT機。トモセラピーに加えビーム照射源に首振り機構が付加
されている。衛星軌道上「前後」からも照射できるので定位性でやや勝ると予想される。

2008年実質配備・保険申請がなされたばかり。イメージガイドに直行2軸CTを採用している。
照射源の支持も高剛性化しており照射精度は高いとのこと。装置価格がノバリスの倍以上。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-mhi-tm2000


以上、現代っぽい技術をコミコミに折り込んで高性能化をはかってきたリニアックで
あるが、どんなにコリメートしても、また照射源のリニアックをX-バンド(11.424GHz)
で軽量化しても、フォトンの生物学的効果は変わらない(エネルギー依存は無い)。
100本のビームに分割し、正常細胞の被爆を1Gy以下に抑えたとしても低線量被爆の
体積が100倍増えるだけでありトータルとして安全になる方向とは言えない。

ノバリスをさらに高精度化した機種ならば、癌腫や患部の位置、大きさによっては有益かも
しれないが、それ以外のリニアック装置を将来的に多数配備する方針は医学的に間違い。

患者のニーズは「治ること」、「治らないとしてもより合理的な治療を受けること」である。
現在のリニアック高性能化の流れは「便利なこと」と「より多くの台数を配備すること」を
目指しており、それらはあくまでも病院や医師、メーカー側のニーズでしかない。
医療に関連する全ての問題は、結局「病院数を3000施設に集約化する」事なしには解決
できないと思われる。
同様に放射線治療施設についても最大200施設以内と考える。
その半分を重粒子線施設に置き換えるとしても、全国に100施設以下。

人口と癌罹患率、医師を含む医療体制の最適な配分という観点からすると、加速器研究者
が目指している「会議室に入る粒子線治療装置」は当面それほど重要な境界条件では無い。
体育館を建てるぐらいの土地は各県に2つや3つ、確実に確保できる。

レーザー加速や超電導シンクロトロンによる照射装置は確かに素晴らしい未来ではあるが、
数人の医師+スタッフとメーカーメンテナンスで管理・運転ができ、価格が5億円以下、
という時代は恐らく20年程度以上?先になるのではないだろうか?

全国の小規模病院で粒子線治療を行う目標設定は、あくまでも医師会が固執し続ける現在の
医療体系の延長上の考え方であり、破綻確実なパラダイムに足を引っ張られた考え方である。

症例を蓄積し、レーザー加速など究極の技術革新の開発を後押しする意味でも、むしろ、
・少ない施設数で多くの患者を受け入れる。線種は取りあえずカーボン。
・ガントリーでなく22.5°刻みの照射室を2室ずつ10室。患者のチルトで微調整。
・固定と位置調整を行うのは4人×5チーム体制。1チームが30分で1人の患者を担当。
・8時~15時と15時~22時の2交代制。14時間×2人×5チーム=140照射。
・年間200日稼働し28000照射。1人平均10回とすると年間最大2800人。
・常勤医師3名、外勤5人程度が週1~2日担当。医師が患者と毎日会う必要など無い。

最も近々に求められる加速器側への要請は、
・ビーム行き先制御の簡便化、ビームダンプ、モニターシステムの信頼性アップ。
・3日程度のメンテナンス×数回で通年運転可能な予備品・消耗品のデータベース化。
・照射シミュレーションと位置確認に寄与できる人材育成。(その前提として規制緩和)
といった実際的な開発課題だろうと考える。

厚労省や医師会が唱え続ける「均てん化」とは正反対のアプローチである。

将来的には各地のがんセンターや大学病院に「付属」(併設である必要は殆ど無い)
の施設として100拠点という事であるが、その先行機として10台程度を開発する。
先行機10台の設置場所として最も面白い案は「空港」(できれば国際空港)。

・電気、水、敷地などの施設インフラが整っている。
・アクセス、(送迎すれば)宿泊、食事、買い物などの集客インフラも備わっている。
・国内の患者需要をバランス良く調整できる。例えば「新千歳空港粒子線センター」が
 2ヶ月待ちなら1週間待ちの高知空港粒子線センターで治療し週末は自宅で休憩。
・取りあえずの候補は新千歳、仙台、羽田(有明と豊洲)、名古屋、関空、福岡、
 広島、高知、那覇。など。韓国、中国からの海外需要も見込める。
・職員は100人規模だが、地元枠を設け研修後に照射補佐員として技術職も採用。
 医師は常勤2名+外勤5人。オンライン診断、管理のモデル事業とする。
・症例、治療データベースは一元管理し、辻井先生や菱川先生クラスが統括する
 粒子線治療症例検討委員会で整理、評価し知見を蓄積する。(実作業は外注で充分)
・各施設は年間2000人の受け入れ体制だが、ネットワーク化する事で実質的に
 年間2万人の患者治療とデータ収集を行う世界最大?の放射線治療病院となる。

2015年に「空港粒子線センター」が治療を開始し、2017年までにデータを蓄積すれば
恐らく癌治療の景色は一変する。放射線治療の約10%が粒子線に移行。腫瘍が見る見る
小さくなり、再発しない。絶大な効果を多くの国民が目の当たりにする事になる。

建設費は70億×10台?、費用負担はおおよそ、
・医療と切り離した設備使用料を設け、全額患者負担で40万円。
・診療報酬負担分が180万円。患者負担は3割なら60万円。
・2度目以降の照射は設備使用料は無し。といったレベル?
・1施設の収入は年間2000人治療した場合44億円。
・ただし保険料負担は120万円×2000人×10拠点=240億円/年の増加。
・人件費、電気代を含めると10拠点で年間概略400~500億円の事業規模。
ぐらいで想定してはどうだろうか。

日本製の車やテレビが飛ぶように売れた70年、80年代にダムや道路建設や農地整備に
資産をばらまいた結果、全員が満足する医療はもはや不可能な状態。

粒子線癌治療装置の先行機配備(500億円)や「医師確保、救急・周産期対策の補助金等
(NICUなど)」事業(570億円)、UFTなどの効果の無い抗癌剤とそれを処方する医師に
300億円払い続けるか?といった事を社会的優先度など鑑みて再編する必要がある。

最も簡単で不利益が発生しない案は、10万人の開業医の平均年収2500万円を1000万円ずつ
削減し、約1兆円を削減する事(ドイツ並みの水準)。
議論の余地無く即断すべきと考える。
これも「病院3000施設」が実現すれば自然に解決できる。