癌治療に関する最も重大な間違いは「2人に1人は癌になる。だから地域医療の拡充が必要」
という曲解。(勿論、一部の圧力団体はこれがウソである事は先刻ご承知の事とは思うが、、)
2人に1人が癌を経験し、3人に1人が癌で死ぬのは事実である。が、決して癌は
「罹患しやすい病気」とは言えない。1年間に新たに癌を罹患するのは60万人に
過ぎず、人口の0.5%。それも殆どが60歳以上の高齢者である。
むしろ「癌という珍しい病気にかかる程、長生きする人が増えた」というのが
正しい見方で、癌患者数は概ね100~150万人と推定されている。
専門性が求められ、治療困難な、しかし国民の約1%しか罹患していない癌の治療を、
水虫や花粉症を扱うのと同様に「均てん化」するのは救いようの無い誤りである。
そもそも国内の医療機関は水虫や花粉症の治療ですら適正には程遠い。
・約10万施設が夜間救急も大手術もしない医師数1~数人の小規模「開業医」。
・残り1万施設が「病院」だが平均医師数12~15人体制で事実上の崩壊状態。
・診療科格差も地域偏在も無秩序に放置され、科ごとの専門性すらノーチェック。
高齢化した島国の医療の限界が医師数30万人、医療費30兆円だとすれば、ドイツに倣い
・「病院」は3000施設、常勤医師は70人。24時間、365日のアクセスを原則とする。
・「開業医・診療所」は3万施設、常勤医師3人。介護、ターミナルケアも分担する。
・専門医師数、開業医数の地域調整は5年程度はドイツ医師会からの専門委員で決定する。
その後は5年間の実績で専任された45歳以下の勤務医による「新医師会」が決める。
・開業医資格は20年以上の勤務医実績もしくは10年以上の救急外来勤務が必要。
などの「適正化」を行う以外、恐らく物理的な解は無い。
人口4万人に1病院。歩いてアクセスできない場合もある。が、車で15分移動すれば、
24時間ほぼ確実に対応可能な診療体制が実現できる。タクシー制などを併用すれば、
役に立たない病院が近所に30軒あるより遥かに確実で、安上がりである。
原則として癌治療は、この3000の病院で全症例を扱い「専門化」と「症例集約化」を諮る
べき技術である。手術さえ済めば、殆どの癌治療は数日から数週間毎のフォローで済む。
ターミナルケアを除けば通院は容易い。「均てん化」は癌治療には最悪のアプローチである。
放射線治療の1つのゴールは2020年時点で全国100カ所の重粒子線治療施設を建設し、
年間30万人の需要の大半を扱う姿である。1施設で年間2000人が目標患者数となる。
その為には2017年頃に建設費5千億円の国家プロジェクトを決断する必要がある。
「人口120万人に1台、コストもかかるが、照射した部位はほぼ確実に制御できる」
この確実さと有益さを知り尽くす為には2017年頃までに2~3万症例が必要であり、
2015年頃までに新たに先行機10施設程度を建設し治療を開始する。
加速器を用いる粒子線治療の場合、第III相試験を完遂する為には国家的な主導が
不可欠である。それだけのコストを投入する価値がある事は、既に実証されている。
という曲解。(勿論、一部の圧力団体はこれがウソである事は先刻ご承知の事とは思うが、、)
2人に1人が癌を経験し、3人に1人が癌で死ぬのは事実である。が、決して癌は
「罹患しやすい病気」とは言えない。1年間に新たに癌を罹患するのは60万人に
過ぎず、人口の0.5%。それも殆どが60歳以上の高齢者である。
むしろ「癌という珍しい病気にかかる程、長生きする人が増えた」というのが
正しい見方で、癌患者数は概ね100~150万人と推定されている。
専門性が求められ、治療困難な、しかし国民の約1%しか罹患していない癌の治療を、
水虫や花粉症を扱うのと同様に「均てん化」するのは救いようの無い誤りである。
そもそも国内の医療機関は水虫や花粉症の治療ですら適正には程遠い。
・約10万施設が夜間救急も大手術もしない医師数1~数人の小規模「開業医」。
・残り1万施設が「病院」だが平均医師数12~15人体制で事実上の崩壊状態。
・診療科格差も地域偏在も無秩序に放置され、科ごとの専門性すらノーチェック。
高齢化した島国の医療の限界が医師数30万人、医療費30兆円だとすれば、ドイツに倣い
・「病院」は3000施設、常勤医師は70人。24時間、365日のアクセスを原則とする。
・「開業医・診療所」は3万施設、常勤医師3人。介護、ターミナルケアも分担する。
・専門医師数、開業医数の地域調整は5年程度はドイツ医師会からの専門委員で決定する。
その後は5年間の実績で専任された45歳以下の勤務医による「新医師会」が決める。
・開業医資格は20年以上の勤務医実績もしくは10年以上の救急外来勤務が必要。
などの「適正化」を行う以外、恐らく物理的な解は無い。
人口4万人に1病院。歩いてアクセスできない場合もある。が、車で15分移動すれば、
24時間ほぼ確実に対応可能な診療体制が実現できる。タクシー制などを併用すれば、
役に立たない病院が近所に30軒あるより遥かに確実で、安上がりである。
原則として癌治療は、この3000の病院で全症例を扱い「専門化」と「症例集約化」を諮る
べき技術である。手術さえ済めば、殆どの癌治療は数日から数週間毎のフォローで済む。
ターミナルケアを除けば通院は容易い。「均てん化」は癌治療には最悪のアプローチである。
放射線治療の1つのゴールは2020年時点で全国100カ所の重粒子線治療施設を建設し、
年間30万人の需要の大半を扱う姿である。1施設で年間2000人が目標患者数となる。
その為には2017年頃に建設費5千億円の国家プロジェクトを決断する必要がある。
「人口120万人に1台、コストもかかるが、照射した部位はほぼ確実に制御できる」
この確実さと有益さを知り尽くす為には2017年頃までに2~3万症例が必要であり、
2015年頃までに新たに先行機10施設程度を建設し治療を開始する。
加速器を用いる粒子線治療の場合、第III相試験を完遂する為には国家的な主導が
不可欠である。それだけのコストを投入する価値がある事は、既に実証されている。