イレッサが「効くvs効かない」「耐性があるvs無い」の内訳を大雑把に分類してみる。
前提として、
・一般論として癌腫瘤はホモジェネティック(一様)では無く、遺伝子的に混在がある。
・750delや点突然変異があるとイレッサは作用し、成長抑制もしくは細胞死をもたらす。
(細胞死の機序は不明であるが)半減期2ヶ月程度で細胞数は「減る」と仮定する。
・T790Mなど、ゲフィチニブ耐性細胞とそもそも遺伝子変異が無い癌細胞は成長を続ける。
成長速度は腺癌なので遅めで、大体2ヶ月で倍増ペースと仮定する。(画像上は半年で倍)
・血漿中のイレッサトラフ濃度が200ng/mL程度以上あれば一応は効く。
など仮定する。
通常の遺伝子解析では検出感度は5%ぐらい?で、対立遺伝子(変異なし)に対し100:5
程度の変異が存在すると「変異あり」と判定される。「是非イレッサで!」となるが、
「変異無し」に対し半分以下程度の場合、恐らく焼け石に水という感じかも知れない。
また、殆どが「遺伝子変異あり」でも耐性遺伝子が半分程度を占めてくると、減少と増加の
ペースが釣り合い、「現状維持」や「なんとなく濃淡の位置が変わる?」といった感じに
なるかも知れない。こうなると2~4ヶ月後にはぐっと悪くなる可能性があるので、
イレッサを使い切る以前に、早めに他の薬に移行した方が良いかも知れない。
現在の遺伝子分布が判らない場合の判断材料の1つは血漿中の薬剤濃度。「足りてない」
なら増量をやってみるべきであるし「既に充分」だとしたら変更を考えるべきかも知れない。
(前回記事の1症例では肝機能や副作用から間接的に「足りてないのでは?」と想定した)
遺伝子解析は外注になる?かも知れない、、1例を挙げると、
・EGFRファミリーの750del,L858R,T790Mなどの10遺伝子に対し変異の「有り」「無し」
の判定を2万円でやるそうである。一回に限り保険も効き、患者負担は7千円程度?
ただし、定量性と精度が不足なのでリアルタイムPCRを依頼すると、
・1目的遺伝子あたり7万5000円、高感度測定では13万2000円など、、。
治療前の針生検や胸水が出てきた場合、私なら必ず遺伝子解析を依頼する。内容は、
1.10遺伝子のスクリーニング :保険承認。自己負担分7千円
2.750del, L858Rの定量測定 :7万5000円×2遺伝子=15万円
3.T790Mの高感度定量測定 :13万2000円
T790Mは感度0.1%まで頑張ると治療前でも3%の患者から出てくるという報告もある。
自分がそのグループに入った場合、全てが理想通りに進んでも1年半ぐらいで自動的に
耐性遺伝子が支配的になると計算される。イレッサが順調そうに進んでも「早めの継投」
が必要になるので準備する上で有用と思われる。
また、トラフ濃度の測定は治療開始2週間目と最低でも3ヶ月に1度は行うべきで、
普通の大学病院やがんセンターなら院内でやれるとは思う。恐らく保険は効かない
と想像するが、イレッサやタルセバを用いる場合には必須事項であると考える。
前提として、
・一般論として癌腫瘤はホモジェネティック(一様)では無く、遺伝子的に混在がある。
・750delや点突然変異があるとイレッサは作用し、成長抑制もしくは細胞死をもたらす。
(細胞死の機序は不明であるが)半減期2ヶ月程度で細胞数は「減る」と仮定する。
・T790Mなど、ゲフィチニブ耐性細胞とそもそも遺伝子変異が無い癌細胞は成長を続ける。
成長速度は腺癌なので遅めで、大体2ヶ月で倍増ペースと仮定する。(画像上は半年で倍)
・血漿中のイレッサトラフ濃度が200ng/mL程度以上あれば一応は効く。
など仮定する。
通常の遺伝子解析では検出感度は5%ぐらい?で、対立遺伝子(変異なし)に対し100:5
程度の変異が存在すると「変異あり」と判定される。「是非イレッサで!」となるが、
「変異無し」に対し半分以下程度の場合、恐らく焼け石に水という感じかも知れない。
また、殆どが「遺伝子変異あり」でも耐性遺伝子が半分程度を占めてくると、減少と増加の
ペースが釣り合い、「現状維持」や「なんとなく濃淡の位置が変わる?」といった感じに
なるかも知れない。こうなると2~4ヶ月後にはぐっと悪くなる可能性があるので、
イレッサを使い切る以前に、早めに他の薬に移行した方が良いかも知れない。
現在の遺伝子分布が判らない場合の判断材料の1つは血漿中の薬剤濃度。「足りてない」
なら増量をやってみるべきであるし「既に充分」だとしたら変更を考えるべきかも知れない。
(前回記事の1症例では肝機能や副作用から間接的に「足りてないのでは?」と想定した)
遺伝子解析は外注になる?かも知れない、、1例を挙げると、
・EGFRファミリーの750del,L858R,T790Mなどの10遺伝子に対し変異の「有り」「無し」
の判定を2万円でやるそうである。一回に限り保険も効き、患者負担は7千円程度?
ただし、定量性と精度が不足なのでリアルタイムPCRを依頼すると、
・1目的遺伝子あたり7万5000円、高感度測定では13万2000円など、、。
治療前の針生検や胸水が出てきた場合、私なら必ず遺伝子解析を依頼する。内容は、
1.10遺伝子のスクリーニング :保険承認。自己負担分7千円
2.750del, L858Rの定量測定 :7万5000円×2遺伝子=15万円
3.T790Mの高感度定量測定 :13万2000円
T790Mは感度0.1%まで頑張ると治療前でも3%の患者から出てくるという報告もある。
自分がそのグループに入った場合、全てが理想通りに進んでも1年半ぐらいで自動的に
耐性遺伝子が支配的になると計算される。イレッサが順調そうに進んでも「早めの継投」
が必要になるので準備する上で有用と思われる。
また、トラフ濃度の測定は治療開始2週間目と最低でも3ヶ月に1度は行うべきで、
普通の大学病院やがんセンターなら院内でやれるとは思う。恐らく保険は効かない
と想像するが、イレッサやタルセバを用いる場合には必須事項であると考える。