統計的には私が5年後も生きて治療を受け続ける確率は0%である。従って、
放射線治療装置の将来計画に対して最も公平な立場から言及できると考える。

患者、医師・病院、研究者、メーカー、厚労省など、各立場の思惑を一切排除し、
ただ医学的なメリットと高齢化社会が進む社会背景を鑑み1試案をまとめてみる。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-放射線装置

2020年頃までは治療装置環境のドラスティックな改善は恐らく見込めない。
ただ、放射線技師や医師を確保できない病院が自動化と省人数化の一環で
高性能リニアックに切り替える動きがでるぐらいと思われる。

希望としては10年後には重粒子線で年間2万人程度治療出来るようにすべきである。
コスト的にも医療制度の部分的な改善で対応できると思われる。
技術的なハードルは殆ど無い。し、この段階で大きなジャンプは必要ない

2030年頃、重粒子が台数を増やすと記述しているが、高勾配加速器や超電導マシンなど
新規アイデアに置き換わっているかもしれない。建設コストは恐らく数分の1で、
もしかすると重粒子よりも多くの患者を扱っているかも知れない。

ただし同時期にBNCTもかなりの台数が普及している可能性がある。この時期の成果で
その後の方向性が決まると思える。癌という病気の特性を考えた場合、恐らくBNCTの
方が「便利」で2040年までには放射線治療の大半はBNCTが担う気がする。

さらに2030年代以降は、癌治療と言えば「まずBNCT」という感じになってもおかしくない。
PETで検出できる程度の患部は一発で掃除でき、再発や転移はよほどイヤな場所で、尚かつ
長期に見逃さなければ繰り返し照射可能。「数年間に数日」治療をするだけで済む。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-治療分布

「IV期と診断されても10年から20年ほぼ死なない」。治療は簡単。大半はそのまま完治。
癌患者から見ると夢の様な未来であるが、技術的にはそれほど大げさな革新が必要とは
思えない。コスト的にも無駄なダム1つか2つ程度(5000億円/20年)だろうと考える。

携帯電話やGPSに比べ遥かに簡単で安価な事ができない理由の一つは「ニーズの違い」。
・患者・国民は、最低のコストで最高の医療・サービスを受けたい。
・病院・医師は、最低の労力で最大の利益を上げたい。
・行政・政治は、医療費は下げたい、しかし圧力団体の利益は確保したい。
転移性肺癌の1寛解例に関する研究、のブログ-治療ニーズ

投資者の国民の意見は医療行政には全く反映されず、医師会や厚労省は都合の良い時
に都合の良い様に「患者様の利益」や「患者会の意見」を建て前として利用する。

結果、医療はこれ以上ないほどの非効率・非合理状態が続き、もはや誰にも改善できない。
1つのチャンスは10年後ぐらいに訪れるであろう医療の「完全破綻」。

国民の30%が無保険者になり、地方の病院は壊滅、医療に全く貢献しない開業医が
都市部に溢れ、癌の手術をこなせる医師と施設が激減。ぐらいの状況になれば、
「当たり前の技術水準」を反映した医療装置のニーズが適正にまとまる可能性がある。