Studio Forest ・・・ 森に暮らす -6ページ目

冬至

$Studio Forest ・・・ 森に暮らす



一年でいちばん陽の光の弱い日

薄ら寒い空に どろどろとした太陽が見えた

On My Own


目を閉じれば

いつもそこで優しく笑ってる

二人で明日の光を待つの

あの人のぬくもりを感じながら


それでも 私は一人



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かなり意訳しました(汗

ミュージカル「レ・ミゼラブル」の中の名曲、エポニーネの歌う 

On My Own

切ない歌詞です。
相手を恋しいと思う気持ちと、相手を思いやる気持ち。

自分の心に必死に折り合いをつけようとしてる。

悲しいほどいじらしい。

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近々映画が公開されることを知って、久しぶりにDVDを観ました。
我が家にあるのは、舞台の10周年を記念してロンドンのロイヤル・アルバートホールで行われたコンサートのDVDです。
私の知る限り、舞台その物の映像はDVDなどになってないとおもいます。
コンサートといっても、曲や曲順は舞台で上演されるのと同じ。ちょうど「よびかけ」みたいにキャストが入れ替わり立ち替わりマイクの前に立って歌うのです。
ロンドンのパレスシアターでの、実際の舞台の映像も織り交ぜながらだし、結構楽しめます。

レ・ミゼラブルは、ぼくにとってミュージカルの素晴らしさを教えてくれた作品でした。
なにしろ、はじめてパレスシアターで観たときは
「貧しくてパンを盗んで投獄された男の話」
ぐらいにしか思っていませんでしたが、実はお話しはここからはじまるんでした!(笑

この程度の予備知識の僕でも、しかも英語の歌なんかほとんど聞き取れない僕でも、エンディングで思わず涙が出てしまいました。
ミュージカルって、音楽のちからってすごいな、と心底おもわせてくれた作品です。




On my own
Pretending he's beside me
All alone
I walk with him till morning
Without him
I feel his arms around me
And when I lose my way I close my eyes
And he has found me

登行

よく晴れた冬の日

粉雪を蹴りながらの登行は楽しい


ぱっと舞い上がるところもあれば ウインドクラストして雪片が飛び散るところもある

斜面に差し込んだピッケルの軋む音をアクセントに

少しずつ高みへ向かう感触

これから登る尾根につけらたトレースに

ファイトが沸いてくる


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久しぶりに山に行ってきました。天女山から権現岳を往復しました。
ずいぶん身体がなまってたみたいで、いっぱい汗をかいちゃいました。

下から眺めてても日に日に雪の量を増やしている八ヶ岳。
平日だし、ラッセルがあるかもと思って入山しましたが、昨日から入っている先行パーティーがあって、トレースはついてました。

このコースは、冬山の一般コースとしては問題になるようなところはありません。眺望もいいし、基本的な冬山の技術があれば、かなり楽しめるコースだと思います。
ただ、冬場の日帰りは条件の良いときに。前日に森林限界あたりまでいってビバークして、翌日頂上アタックというのが一般的な登山計画のようです。

冬山の匂い

風も収まりかけた夜

灰を捨てようと 暗い外に出た

ふっと感じる 匂い

すえたような 黒くて

ずんとくるような 空気


ああ 冬の匂いだ

人里の冬にはない 山の冬

誰もいない森

人臭い気がするのは なぜだろう


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まだ遠くで風に騒ぐ木の音がしますが、今回の寒波も峠を越えた気がする八ヶ岳南麓です。
冬山の夜、息を大きく吸い込むと、ちょっと酸っぱいような匂いがします。汗臭いような、キジ臭いような独特の匂い。人の営みがまったくないような稜線上でも、風のない晩はこんな匂いを感じます。











晴れ着


おかあさんとおばあちゃんが、着付けをしています。

「ちょっとそこ持ってて」

「あれとって」

あうんの呼吸と衣擦れの音


着付けてもらってるのは、来春成人式を向かえる娘さん

時々スマホでメールを打ったりしてるけど

着せ替え人形みたいに黙って立ってる




できました~の声に、カメラを持って立ち上がり

振袖姿の彼女に庭に出てもらいました


はにかんだような笑顔 まだ幼さを残す表情

冬の光線に着物の柄が映える


乾いたシャッター音に解きほぐされるように

彼女はファインダーの中で 笑う

無償の愛を一身に受けて育ったものだけが持つ 屈託のなさ


晴れ着を着るって 家族の愛情をまとうということなんだ



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昨日は来春成人式を向かえる若い娘さんの、晴れ着の撮影をさせていただきました。
スタジオできっちり撮るのではなく、自宅のお部屋や庭で自然なスナップのような写真をというご要望で、ごくフランクな雰囲気の撮影でした。






静かに 雪が降る

冬の始まりを告げる 投げやりな淡雪でもなく

厳しい季節の冷然とした 白魔でもなく

ただ音もなく 空から降りてくる

秋の名残りに そっと白い毛布をかけるように

静かに 優しく 雪が降る



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天気予報通り、今夜は雪になりました。
この冬はもう何度か降っていますが、今夜のように音もなく降り積もる、そんな降りかたをするのは初めてです。そろそろ3センチくらい積もったかな。
さっき、長坂駅まで行ってきましたが、街は雨。このログハウスのテラスも、それほど寒くはありません。

なので、今夜のお供はドライジンのオンザロック。
グラスを傾ける度に氷がカランと音を立てて、松脂の香りがします。
この松脂の香り、僕達山ヤにとっては、ハイマツの匂いを思い出させる、馴染み深い香りなのです。
ハイマツに潜り込んでビバーク(野宿のこと)すれば一晩中嗅ぐことになるし、ヤブを漕げばいつの間にか手にヤニがついて、下手すれば数日この匂いとお付き合いです。

僕はこの香り、好きです。だからジンも好き。いやお酒なら何でもいいんですけどね。




12の月のはじまり


今日は薪にする木をもらいに、森に入りました。

間伐された木を、チェーンソーで車に乗る長さに切って運び出すのです。

かたっぱしから切って、車の入るところまで転がすのは、けっこうな重労働ですが

これをやらないと、冬を越せない・・・


チェーンソーをとめてふと目をあげると、すぐ先に鹿の群れがいました。

別に逃げるふうでもなく、じっとこちらを見るわけでもなく

ごく自然に 森にたたずむ数頭の鹿たち。


ああ、そうだった。ここは君たちの領分だったね。邪魔してごめんね。




もうこんなもんでいいだろうと、車に戻って振り返ると

すっかり下草は枯れて落ち葉ばかりになった森に

真新しいチェーンソーの切れ子が見えました。




夜になって、雪が降り出しました。

薪ストーブをつけて、赤々とした熾をながめています。

森の恵みに 感謝




今日の八ヶ岳

久しぶりに聞く アイゼンの軋む音

ギュッ ギュッ


耳元でヒューと風が鳴ってる

ガスに混じって 細かな雪が吹きつけてくる


ポケットを探り チョコレートを口に放り込む

凍てついて しばらく味がしないのに閉口しながら

奥歯で思い切り噛み砕く


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明日の朝、星が出ていたら山に入ろうと決めて、布団に入りました。

明け方の天窓は お星様キラキラ
布団をはねのけて起きたまでは良かったんですが、テーブルの上には昨夜飲み食いした残骸が出っぱなし・・・
そうだった、深酒してそのままだった。
大急ぎで片付けて、ご飯を炊いておにぎり作って、家を飛び出しました。

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今日は低気圧が北にあるので、八ヶ岳は甲府盆地からの風で雲ができやすい日でした。
下界は晴れていましたが、標高1600メートルから上は雲がかかっていました。
稜線に出て、ガスの切れ間を待つこと10分。数十秒だけガスが切れました。









夜になって北寄りにかわった風は

必死にしがみついていた葉っぱたちを枝からふるい落とし

それだけでは気が済まないのか

朝早くでかける人々を待ち構えていたかのように

頬を切るように通りすぎていきました


北風が運んだ湿り気は

八ヶ岳を越えるときに 

それはちょうど

狭い流れに殺到する水のように

扇のような雲を作ります

まだ明けきらぬ空に

地平線の彼方からやってくる朝の光に照らされて

美しい色を奏でています

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長坂バス停から眺めた雲。

ほぼ貫徹明けの目に染みる、美しい朝の雲でした。
栄養剤のお世話にならないと徹夜できなくなった自分が情けない
そんな気分で眺めたからでしょうか、茜色がいやに懐かしく、寒さも忘れて見入ってしまいました。

赤は今の僕の課題のようです。
ちょうど水星も順行になったし、明日は月食を伴うスーパー満月だし、どうなることやらです。



日溜まりハイク


昨日までの北風も止んだ

冬枯れの森を歩く


すっかり葉を落としたカラマツ林

空に向かって伸びる幹の先の

青空


音もなく森を包む陽の光は

はりつめた朝の冷気を

緩やかに解きほぐしていく



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今日はお客様と一緒に、八ヶ岳の裾野を歩いてきました。
ログハウスのまわりはまだ「最後の一葉」状態ですが、上のほうはすっかり葉っぱを落としています。
夏の間、涼しげに流れていた小さな沢もほとんど枯れて、青々としていた苔はすでに色を失っていました。

このあたりは、雪はそう多くないのですが、一旦雪が降ると気温が低いだけにがなかなかとけません。
なので、枯葉を踏みながらの「日溜まりハイク」は今の時期だけの特権。
今日は霜柱もたくさんあって、あれを踏むときのクリスピーな感触も満喫してきました。