大阪晃生の次は同じく大阪の東洋ショー劇場の思い出を語ろう。
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今、ストリップ界にひとつの変化が現れている。それは『2006年組の台頭/活躍』。
この4月、5月は新宿ニューアートでの大阪東洋ショーの3人娘が大人気を博した。4月前半1~15日は純名ももさん、後半16~30日は春乃霞さん、そして5月前半1~12日は稲森しほりさんと続いた。
3人共、典型的な美少女。純名ももさんと春乃霞さんは可愛い笑顔がピチピチと弾け、お客の心を清清しい気分にさせてくれる。それに対して、稲森さんは全身から匂いたつような色香を放ち観客の心を悶々と魅了する。稲森さんにはストリッパーのオーラがある。透き通る肌、均整のとれたプロポーション、伏目がちな眼差し、金魚のようにパクパクする口元、その全てが艶やか。若い稲森さんがなぜこんな色香を出せるのか衝撃的であるが、きっと天性のものだろう。だから彼女こそ「ストリップの申し子」と言えそうだ。
3人共、2006年にデビューしたばかりの一年生ではあるが、まさにアイドル・ストリップの王道を行く彼女達の存在感は今のストリップ界に大きな波紋を投げている。
新しい変化はむしろ彼女たちのファンの方にある。
彼女たちは大阪東洋ショー出身のため、人気は大阪から火が点いた。ご存知のように、大阪東洋ショーではタンバリンやリボンがないため、応援は手拍子のみ。たくさんの応援隊がそろって手拍子で応援しているのは素朴でいい。関東ではタンバリンやリボンの応援が中心で華やかなために、手拍子の応援は付け足しの感がある。その点、大阪東洋の手拍子のみの応援には劇場全体の一体感が味わえる。そのせいか、彼ら応援隊には不思議な連帯感が感じられる。
ストリップというのは本来、根暗の遊びだと私は思っている。よく飲んだ勢いで徒党を組んで四回目のステージあたりに劇場に流れ込んでくるお客がいる。彼らはわいわい騒いで明るく盛り上がっており、中には「いや~、すごい、すごい」と感激の声を出している客もいるが、彼らの殆どはリピートしない。むしろ1人でこそこそと来る客の方がリピートしている。ストリップというのは本来は個人の遊びであり、温泉場などの例外を除いて団体で楽しむものではないと思う。エロいなぁ~いいなぁ~と思いながらいじいじ楽しむのがある意味本当のストリップと私は思う。
リボンさんにしても個人的に好きだから特定の踊り子さんに奉仕している。リボンさんの順位付けを1番客、2番客というのも、他のリボンさんへの遠慮であり、みんなで仲良く盛り上げようと考えれば順位なんてなくなるはず。一見、タンバリンやリボンが場全体を盛り上げようとしているものの、それは個人プレーがまとまっただけに過ぎない。ある特定の踊り子さんのために必ずリボンを投げに来なさい等という応援の強制はない。「応援の自由」はストリップの良さでもある。
その点、大阪東洋の応援隊はまとまりがある。特に先の3人娘については熱狂的。4月、5月は新宿ニューアートにたくさんの大阪東洋の応援隊が来ていた。
一方、関東のストリップ・ファンには、大阪東洋に出演する踊り子さんの評判を聞きつけ、しかも関東にはのらない娘もいて、わざわざ大阪まで足を伸ばす方も多い。そのため、彼女たちを追いかけて、多くのファンが東京と大阪を行ったり来たりしている。
3人まとめて応援しているファンも多い。次の6月頭は、稲盛しほりさんが大阪東洋、純名ももさんが渋谷道劇、春乃霞さんが仙台ロックと、3人が見事にばらばらに出演する。そんな中、土日に3人をハシゴしようと考えているファンがいるのには驚き。
私のストリップ仲間にも彼女達のファンとして大阪に通っている方が多く、今回の公演期間中に、彼らを通じて、私も大阪東洋の常連さんと仲良くなった。ストリップ終了後に何度も一緒に飲みに行った。深夜2時3時はざら、時に4時半の始発まで付き合ったこともある。私もこの二ヵ月間でいっきに交友関係が広がった。
関西・関東と繋がった彼女達のファンはお互い連絡を取り合い、お互い遠征時には宿の世話なんかしている。何日の何時ごろに劇場に集まってくるか、お互いが知っている。驚くべき連帯感である。
彼らと話していると、好きな踊り子さんをみんなで応援したいという気持ちが前面に感じられる。俺が俺がという感じではない。個人的な遊びと思っていたストリップが随分変わってきているようだ。これはストリップにおけるニュー・ウェーブなんじゃないかな。
さて、大阪東洋の3人娘の話をしたが、2006年組はもちろんロック系にもいる。
ちょうど同じ5月前半のGW、ロック系の2人、さいとう真央さんと水野美香さんがデビュー一周年を迎えた。
さいとう真央さんは新宿ニューアートで稲森しほりさんの前の香盤だった。しほりさんの評判も聞いていたろうし、周年でもあったので、相当気合が入っていたと思う。それもあってか、久しぶりの真央さんのステージに目を見張った。周年に合わせてピエロの出し物を持ってきたとのことで、いろんな姐さんにアドバイスをもらいながら作りあげてきたと話してくれた。この2曲目のピエロのコミカルな動きがとてもいいため、そのあとのベッドがとてもしっとりとまとまっていた。最後におもわず溜息が出るほど非常にいいステージだった。
川崎ロックでは水野美香さんがトリを張っていた。こちらも久しぶりにステージを拝見したが、彼女の成長ぶりに感嘆させられた。「ポーラスター」も「異邦人」の出し物も素晴らしかった。彼女も本物になっていた。172cmの長身がダイナミックなステージを演出していて、その迫力・熱気に圧倒させられた。
2人ともデビュー当時から応援しているが、最初の頃は当然ながらステージもぎこちなさがあり、上手く踊ろうとする気負いともどかしさを感じていた。
今回2006年組ロック系2人の成長を目の当たりにして、ロック系も負けていないなぁと思えて嬉しくなった。ストリップ・ファンとして、ロックも東洋も、全ての踊り子さんが切磋琢磨し、競演しながら、ストリップ界全体を盛り上げていってほしいと心から願っている。
2007年5月