漠然とアナウンスしているだけでは……
立秋過ぎても暑い日が続く。
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【地震速報】神奈川県西部で震度5弱 津波の心配なし
9日午後7時57分ごろ地震がありました。
この地震による津波の心配はありません。
震源地は神奈川県西部で震源の深さは10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5.3と推定されます。
(後略)
NHK NEWSWEB 2024年8月9日 20時02分
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南関東を震源とする地震があった。
水戸も少し揺れた。
NHKはオリンピック放送をやめて東京駅などから中継をしていたが、震度5弱はともかく、4程度ならば関東の人は慣れているから……。
昨日起きた宮崎県日向灘での地震で、
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南海トラフ地震の臨時情報を発表 宮崎で震度6弱、関連を調査
(図、毎日新聞より。南海トラフ巨大地震の想定震源域)
8日午後4時43分ごろ、宮崎県で最大震度6弱を観測する地震があった。気象庁によると、震源は日向灘で、震源の深さは30キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・1(速報値)と推定される。これを受け、気象庁は東海沖から九州沖にかけての震源域で発生が懸念される「南海トラフ巨大地震」との関連性について調査するとして「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表した。被害が想定される地域の住民に対し、個々の状況に応じて身の安全を守るよう呼び掛けている。
臨時情報の発表は初めて。専門家による臨時の評価検討会が、南海トラフ巨大地震との関連性を検討し、気象庁はさらに臨時情報を出す。
臨時情報は4種類。気象庁は最初に「調査中」を出し、その引き金となった事象の観測から最短2時間程度で「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」のいずれかを発表する。
「調査中」は、南海トラフ巨大地震の想定震源域や周辺でM6・8以上の地震が発生したり、岩盤の伸び縮みを観測する「ひずみ計」に特異な変化があったりした場合などに出される。
東西に延びる想定震源域の片側のプレート(岩板)の境目でM8以上の地震が起きると、連動して反対側の領域で巨大地震が発生する可能性が比較的高いとされている。このため気象庁は、詳細な解析により起きた地震がM8以上と判断されれば、今回の地震の震源域とならなかった領域を含め、後発で巨大地震の発生する可能性が普段よりも高まったとして、「巨大地震警戒」の臨時情報を発表する。
この場合、自治体は後発地震が発生してからでは津波からの避難が間に合わない「事前避難対象地域」には避難指示を、高齢者など要配慮者の避難が困難な対象地域には「高齢者等避難」を発令し、それぞれ津波に備えて1週間の避難を呼び掛ける。
起きた地震の規模がM7級だったり、岩板の境目がゆっくりとずれ動く「ゆっくりすべり」が通常と異なる形で起きたりした場合には「巨大地震注意」の臨時情報を発表する。政府は避難場所や避難>経路、備蓄など日ごろの備えを再確認するよう求める。
巨大地震発生の可能性が高まっていないと判断されれば、気象庁は「調査終了」の臨時情報を発表する。【島袋太輔、安藤いく子】
毎日新聞 8/8(木) 17:24
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政府はこんなものを発出してくれた。
本市もこの対象に入っているのだが、「初めて聞いた」「なんだろう?」と思っている人も多いだろう。私もそうだ。
官房長官会見を見ていたが、法学畑出身の林氏は「科学の言葉」を持っていないので基本的に「説明は気象庁の担当官に」というし、その担当官は逆に「一般人にわかりやすく説明する言葉を持たない」上に、科学者の特性として「ゼロ断定をしない」人だったので言葉が分かりにくい。
毎日新聞がもう少し詳しく解説してくれているものを見ると、
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気象庁が初発表「南海トラフ地震臨時情報」とは? 宮崎で震度6弱
8日に日向灘を震源として起きた地震で、気象庁が初めて「南海トラフ地震臨時情報」を発表しました。どんな仕組みなのでしょうか。解説します。
Q 8日に九州で大きな地震があったね。
A 日向灘でマグニチュード(M)7・1の地震があり、最大震度6弱を観測しました。震源地の日向灘は、南海トラフ巨大地震で想定されている震源域内だったので、注目を集めました。気象庁は異常な現象を観測するなどしたら、「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表することになっているんですよ。
Q 「臨時情報(調査中)」って何?
A 南海トラフ地震は、東海沖から九州沖に延びる溝状の地形周辺で起きると考えられ、東日本大震災と同程度のM9級になる恐れがあります。このため、気象庁は監視しているエリアでM6・8以上を観測するなどしたら専門家の検討会を開き、調査を始めたことを国民に知らせるために「臨時情報(調査中)」を30分以内に出すんです。検討会の結果を受け、第2号も発します。
Q 第2号はどんな内容になるの?
A 「想定している震源域内の岩板の境界でM8以上の地震が発生した」と評価されたら「臨時情報(巨大地震警戒)」を、「岩板の境界面の断層が通常と異なって動いた」などと評価されたら「臨時情報(巨大地震注意)」を発表します。「警戒」「注意」に当てはまらなければ「臨時情報(調査終了)」になります。「警戒」の場合、津波に備え沿岸の避難対象の地域では1週間程度、避難が呼びかけられ、「注意」なら日ごろの備えを再確認することになります。
Q 全然知らなかったよ。
A 国は、2017年11月に臨時情報の運用を始めました。ただ、広く知れ渡っておらず、発表した場合は混乱が予想されています。防災情報の確認を含めた日ごろからの備えが大切です。【垂水友里香】
毎日新聞 8/8(木) 17:53
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こういうもののようなのだが……一般の人からすれば、知りたいのは「どれぐらい危険度が上がっているの?」であり「本当に一週間程度で済むの?」であろう。
気象庁の会見でも記者たちはそこが知りたく、「一週間でいいのか?」とストレートに聞く者もいたようだが、上でも書いたように担当官が「断言しない人」なのでよくわからない。「とにかく気を付けて」という言葉しか返ってこない。
それでいて「普段と違うことをするほどではない」ともいうし。
なんだかなぁ、である。
(2024/04/19の記事、地殻を物性的に見ていこう)で取り上げた愛媛・高知地震の時には「南海トラフは関係ない」といっていたのに今回は、と思う人もいるだろう。
会見ではそのあたりを「活動帯の西の端でゆっくり滑りが起きている可能性があるから、なにかが誘発される可能性がないでもない」と説明していたが、やはりわかりにくい。これでは逆に人々の恐怖心を煽るだけになる。漠然と「危険度が上がっている」という言い方はそれに油を注ぐ。
定量的な説明ができないのは、地震学がまだそこまで地震のメカニズムを理解できていないということでもある。
これでは(2024/07/30の記事、SNSに人生を支配されないように)で書いた豪雨の話で「ハインリッヒの法則がー」などとただのジンクスをウィキペディアに載っているというだけで「真理」であるかのように持ち上げてしまう人間は引っかかって頭を沸騰させるだろうが、きちんと勉強してきた者は逆に疑問が膨らむだけ。
ここはやはり(2016/05/30の記事、素人にきちんと話せてこその専門家)で取り上げた「歪を数値で表す」研究と、それを説明できる西村氏のような人間に出てきてもらうべきだ。
そういう方面に触れたニュースもあるが、そこで「普段と歪みなどに変化はない」というのではこれまた「では今いわれていることはなに?」となるばかり。だから「それをきちんとやっている人間」に説明してもらう。
「京都大学防災研究所教授は政府の人間じゃないから難しい」などというくだらない縄張り意識があるならば、そんなものは捨ててもらって。
まあ、本当は政府に「学術スポークスマン」という「中学生ぐらいの人からわかるように説明する」役職を整備すべきなのだが。
まあとりあえず、今のところは「『なにかあってもあわてない』心構えをしておいて」という程度のものということだ。
自分の住んでいる自治体の出しているハザードマップをチェックして避難経路を確かめておいたり、持ち出すものをまとめておくとか。
くれぐれも、
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「雲は地震の前兆にはなりません」気象庁の主任研究官がネットデマへの注意呼びかけ「雲は愛でましょう」
宮崎県沖の日向灘を震源とするマグニチュード(M)7・1の地震が8日午後4時43分に発生し、気象庁は「南海トラフ臨時情報(巨大地震注意)」を発した。関連し、SNSではデマが投稿されており、内閣府の防災アカウントは「災害時には、インターネット上に根拠のない不確実な情報いわゆるデマが投稿されることがあります。公共機関の情報を確認するなど、こうした情報に惑わ>されないよう注意してください」と注意を呼びかけている。
デマの1つは、地震雲が見られた、というもの。気象庁気象研究所主任研究官の荒木健太郎さんは、自身のX(旧ツイッター)に「何度でも言いますが、雲は地震の前兆にはなりません。巷で『地震雲』と呼ばれることの多い雲は全て気象学で説明できる子たちで、雲の見た目から地震の影響等を判断するのは不可能です。地震が不安なら日頃からの備えを確認しましょう。雲は愛でましょう」>と投稿。恐怖から謝った情報を投稿、拡散したり、信じることはやめるよう求めた。
気象庁のホームページには「世間一般で地震雲として騒がれている雲は,実は日常的によくある雲で,全て気象学で説明できる雲です」「世間一般ではどのよう雲が地震雲と呼ばれてしまっているのかを見てみると,最も多いのが飛行機雲です」「普段から空を見上げていれば頻繁に出会える雲ばかりです」などと荒木さんの解説文が掲載されている。
中日スポーツ 8/8(木) 21:28
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こんなデマの吹聴に引っかかってパニックにならないこと。
中日スポーツですら注意喚起しているぐらいなのだぞ。
本日のゆらゆら。
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瓶の中、タコクラゲゆらゆら 高知県黒潮町の道の駅で人気の土産物
(写真、朝日新聞デジタルより。瓶の中を漂うタコクラゲ=2024年7月30日、高知県黒潮町浮鞭、笠原雅俊氏撮影)
海水の詰まった瓶の中を、小さなクラゲがゆらりゆらりと動く。その姿はタコのよう。高知県黒潮町の道の駅「なぶら土佐佐賀」に今夏も名物のお土産が並び、涼しげでかわいらしいと観光客の人気を集めている。
傘の直径が1〜3センチのタコクラゲが6匹ほど入り、容器代を含めて900円(税込み)。飼い方の説明書もついている。
町内に住む斉藤和美さん(71)が20年ほど前から作っている。小学生だった孫娘と砂浜を散歩中に「おばあちゃん、タコクラゲを瓶に入れて売ったらかわいいかもね」と言われたのがきっかけだ。
1日約10個並べられるが、すぐに売り切れる。
(中略)
今年は7月21日から販売を始めた。斉藤さんは「天気次第ですが、8月いっぱいは続けたい」と話している。(フリーライター・笠原雅俊)
朝日新聞 2024/08/08 10:30
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えっ? これは模型が入っているんじゃなくて本物?
タコクラゲは見ていて面白いので好きだが、こんな環境ではすぐ死んでしまうのではないのだろうか。
クラゲは抗議のプランクトン。自己遊泳ができないので、水流を作ってやらないとダメだと聞く。
水槽とか用意してやらないとダメなんじゃないのかなぁ。
一応「飼い方説明書」はついているようだが……