動画が面白すぎるので、まずは動画を見てきてほしい。
【解説】
まずは用語の解説。
重要なのは「スクラントン現実錨」と「SCP-3001」、「草薙」の3つだけ。
スクラントン現実錨
「ワカラントン現実豹」は「スクラントン現実錨」のもじり。
「スクラントン現実錨」はスクラントン博士が開発した、ヒューム値を固定する装置である。
(厳密には、スクラントン博士とその妻アナ・ラング博士が共同開発した「ラング・スクラントン安定機」(通称LSS)を、後述するSCP-3001の事件後に発展・完成させたのが「スクラントン現実錨」(通称SRA)。
LSSとSRAについては「SCP-3241 - 蒸気船ゾンマーフェルト号」という面白い記事があるのでこっちもオススメ。)
ヒューム値はSCP世界における重要な概念で、ザックリ言うと、
「現実の確からしさ」を表す数値である。
ヒューム値の高い人間は、自分よりヒューム値の低い現実を、思うままに改変することができる。
自分のルールを世界に押し付け、それを現実として成立させてしまう。
これが現実改変能力者。
型月の「固有結界」や「空想具現化」、とあるの「自分だけの現実」、呪術の「領域展開」などもこの能力の一形態と言える。
基底現実のヒューム値は1なので、現実改変能力者には、
「スクラントン現実錨」を用いて周囲の現実(または本人)のヒューム値を1に固定してやれば何もできなくなる。
この記事において重要なのは、「ヒューム値は高ければいいというものではない」ということ。
よく現実改変のイメージとして
「『硬い物質』を『柔らかい物質』に押し当てたら『柔らかい物質』が歪む」
「水は高い方から低い方へ流れる(水が低い方を侵食する)」
といった表現が使われるが、こういった「高い方」が主眼の表現では
後述するSCP-3001 レッド・リアリティの脅威が分かりづらいのだ。
ヒューム値は現実の「確からしさ」。
であれば、ヒューム値の低さとは即ち……。
SCP-3001 レッド・リアリティ
このSCPが何かというと、「極めて現実性が希薄な並行世界」である。
ロバート・スクラントン博士がブロークン・ワームホールから偶発的に接続してしまったこの世界は、
ヒューム値が0.032しかなく、「私達の世界の法則」が極めて微弱にしか機能しない。
具体的に言うと、この世界に巻き込まれたスクラントン博士は、
脳の40%が残っている限り、肉体の70%以上を失っても死ねない状態にある。
詳細はこの記事に絡んでこないので省略するが、
体がゆっくりと溶け出しバラバラになっていくスクラントン博士の悲痛な録音記録は以下から閲覧できる。
草薙
「草薙」はSCP-1000-JPに登場するサーバーの名前なのだが、
SCP-1000-JPは背景が複雑すぎるので、草薙の概要だけまとめる。
「草薙」はK-クラスシナリオの発生……つまりは人類が滅んだ場合に備え、人工衛星に積み込んだ「財団職員549人分の情報をコピーした記憶サーバー」である。
これが人間549人分+アンノウンのヒューム値550という規格外の現実改変能力を持ち、
財団職員の記憶に合わせて周囲の環境を日本化し始めたというインシデントから着想を得て練られたものが、
動画本編で語られていたZKクラス-現実不全シナリオへの対抗策なのである。
アンノウンの正体は以下を参照。
要するに?
「SCP-■■■-JP-J ワカラントン現実豹」とは、
私達の世界がレッド・リアリティに溶け出していることが発覚したので、
その対抗策として、「草薙」が小惑星を日本化したインシデントを参考にし、
元あった正しい世界である「けもフレ世界の記録」を面白い動画で全人類に記憶させ、
人類70億人の脳を「疑似的な情報保存サーバー」として用い、ヒューム値7,000,000,000の現実改変能力でもって
薄れゆくこの世界に「けもフレ世界」の現実性を維持し、レッド・リアリティに対抗しよう
ということである。
けもフレ世界こそが本来の基底現実であり、
「ジャガーマンシリーズ」や「わかるマーン」は財団が大真面目に作った「世界滅亡への対抗策」であり、
流行に乗って量産されたジャガーマンシリーズは、実は財団がそうなるように仕向けた意図的なミーム汚染の産物である、という事実が発覚する………という、
しょうもないタイトルの割に内容が壮大すぎるこの動画。
普通に整合性が完璧で、私的にはSCP-001の中ではトップクラスに好き。