作詞:山川啓介 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
「恋のハッスル・ジェット」のB面曲。
通常、歌には1番、2番といった歌詞の単位がある。童謡や校歌ではそれが明確である。1コーラス、2コーラスとも呼ばれる。
昔の大衆歌謡は1コーラスあたり一部形式(8小節)、二部形式(16小節)のようなシンプルな規模であったが、時代とともに形式が自由化、複雑化してゆき70年代には1コーラスあたり24~50小節くらいの規模になったと思われる。
そんな中、なんと!
♪さよなら二人の夏 さよなら昨日の夢♪
という歌詞だけで1コーラスが終わる曲がある。「カリブの夢」である。長さは8小節と短い。

8小節といえば、♪お馬の親子は仲良しこよし~♪の童謡「おうま」と同じなのである。
しかし実際には、後に続く歌の無いBメロ(8小節)と合わせて1コーラスを形成していると考えられる。
もしかしたらBメロにも歌が入るはずだったかもしれない。それをあえて歌無しにしたとも考えられる。いずれにしても挑戦的なアイデアである。
全体的には Aメロ(歌)+Bメロ ×4回 という構成になっているが、歌詞カードには番号は振っていない。この頃はもう1番2番という形式なんて崩壊しているのだろう。
一見、単調になりそうな構成だが、Bメロのアレンジが毎回違うのが心憎い。しかもカッコいい! 3回目以降には半音高く移調もする。
B面にしておくのはもったいないくらいの良曲である。
youtube動画 シェリー 「カリブの夢」