村上ポンタさんも

ゲストで出てくれる

6年ぶりのソロライブ、

 

8日前に急に

音響エンジニアさんがNGに

なって

 

どうしよう!

 

と思って

グラウンディングしたら

頭にふと浮かんだ一つの名前

 

 

山中浩郎さん
(こーろーさん)

 

 

彼はUAやホフディランの

発掘者で事務所の社長

 

私はスチャダラパーの事務所の

社長

 

というつながりで

ゆるくつながっていた、

 

というところからでしたね。

 

私が40歳を過ぎて

歌い始めるてここに来るまでの

ことを

 

あちこち彷徨いながら

お話ししています。

 

第1話 私はコレで会社をやめました!〜私が歌うことの意味
第2話 私はコレで会社をやめました!〜私が歌うことの意味
第3話 歌を忘れたカナリヤ〜私が歌うことの意味
第4話 あのフジロックの〜私が歌うことの意味
第5話 こんなことがあっていいのか!?〜私が歌うことの意味
第6話 ピンチはチャンスに続くのか?〜私が歌うことの意味
第7話 武道館〜白いベンツ?〜私が歌うことの意味
第8話 アレサ? 記憶の曖昧さの中で〜私が歌うことの意味
第9話 ゆるい繋がりを辿ったら〜私が歌うことの意味
第10話 自分の価値を信じること〜私が歌うことの意味

ご感想はLINE@でどうぞ!必ず読みます!

 

 

さてこーろーさんは

お願いしたらすぐにエンジニアさんの

手配をしてくれた。

 

某大手音響会社の

金澤さんだ。

 

彼をご紹介していただく

やりとりの中で

こーろーさんは私に、

 

「リハーサル顔出しましょうか?」

 

言ってくれた。

 

 

 

人を紹介するからには

自分も立合う、

 

そんなモチベーションからの

お申し出だったと思う。

 

 

 

しかしながら

その親切なお言葉に対しての

私の反応は

 

 

 

「来て欲しくない!」

 

「昔の私を知っている人に

自分の歌を聴いて欲しくない」

 

 

だったのだ!!!!

 

 

 

今考えてみるとマジで

笑える反応だ。

 

 

そして一度はこーろーさんの

お申し出をお断りする。

 

 

「昔の知り合いに歌を

聴いていただくのはなんだか

気恥ずかしくて、、」

 

 

みたいな言い方を

したと記憶している。

 

 

 

それが数日のうちに

気が変わり、

 

いや、気が変わったのではない、

 

本当は見て欲しかったし

聴いて欲しかったのに

 

ジャッジされるかも知れない

ことが怖くて

断ってしまったことが

わかったので

 

 

今度は

 

「ぜひいらして欲しい」

 

と言う撤回メッセージを

送ることに。

 

 

(笑)

 

 

 

もうその時には

すでに彼にはその日の予定が

入ってしまっていたのだと思う。

 

 

だが結局都合をつけて

リハーサルに現れてくれた。

 

 

マンダラの階段を

降りてくる人の気配に気づくと

それは20年ぶり以上に

お目にかかる

 

こーろーさんの姿だった。

 

 

目深にかぶった

紺色のつばのある帽子。

 

 

それでもそれが誰だかは

すぐにわかった。

 

人の容姿は

そうすぐに変わるわけでもない。

 

 

 

軽く挨拶をして

私がリハーサルのために

ステージに戻ると

 

ステージから

遠い奥の席に一人座った。

 

 

それからじっと黙って

彼はそこにいた。

 

軽く腕を組み、目を閉じて

リハーサルの様子を

聞いていた。

 

 

 

例え目を閉じていても

その人が音を聞いているのか

考え事をしているのか

 

それくらいの違いは

エネルギーワーカーの

私にはすぐわかる。

 

 

「彼がそこにいる」

 

 

「そこで確かに

耳を傾けて音を聞いている」

 

 

そのことだけで私は

自分の歌が深まっていくことに

気づいていた。

 

 

 

人が他人にどのような

注意を向けるのか、

 

が、向けられる人に

与える影響を

人は軽んじ過ぎていると思う。

 

 

私たちがもっとエネルギーの

感知能力を発達させていけば

人や自分の持つその力、

 

世界に与える力に

気づくことだろう。

 

 

それはそのまま

他の人の出す音に

どのような注意を向けるのか、

 

が演奏をする側の人間に

無意識のうちにも与える影響

と言うことにつながる。

 

 

つまり

聞く人がどう聞くか、

どのような注意を向けて

音を聞くのか、

 

で音楽は変わりうる

 

と言うことだ。

 

 

 

こーろーさんが

現れて黙って

私の歌や演奏に耳を

傾けると

 

それだけで場がさらに

深まり

 

私の歌も

深まっていくのを感じた。

 

 

私は同じことをここ

マンダラで10数年前に

はじめて経験していた。

 

 

いやこれまで体感していたことが

はじめて意識化されたのだ。

 

 

それはポンタさんが

私たちのリハーサル中に

入って来たときのことである。

 

 

ポンタさんが

私たちの音楽に深く

耳を傾けるごとに

 

私たちはいつもよりも

ずっとノリノリになった。

 

ライブなどは

例えば二時間やれば

終わりぐらいには

どんなバンドでもそれなりの

フロー状態に入れている。

 

しかしトップのプロフェッショナルたちは

それを最初の一曲どころか

1音目から紡ぎだす。

 

 

 

ポンタさんが現れただけで

私たちはリハーサル中だったのに

フローに入った。

 

ゾーンという言葉でも

表されるその状態。

 

 

あのマンダラで

ポンタさんが現れたリハーサルの

ときのことを

 

私は一生忘れないだろう。

 

例えあのメモが

残っていなかったとしても、、、。

 

(第5話参照)

 

 

 

そうしてこーろーさんは

リハが終わるまで

黙って目を閉じて

静かに私たちの音を聞いていた。

 

 

そしてリハーサルが終わり

彼が帰るというので

 

すでに以前お仕事を

したことがあったとは思われるが

一応ポンタさんをご紹介し、

 

それからお礼を言って

別れを告げようとしたところ

彼がポツリと

 

まるで捨て台詞のように

こう言った。

 

 

 

「この先どうしたいの?」

 

 

 

私はドキッとして

言葉を失った。

 

 

私の脳はこの言葉が

どのような意図で、意味で

発せられたかを探ろうとしながら

 

いや、

それをキャッチしている部分と

抵抗する部分が同時進行で

起きては

 

私に言葉を失わせたのだった。

 

 

 

そして私たちは

 

「ライブが終わったら

改めてお話ししましょう」

 

 

と軽く

 

約束なのか

社交辞令なのかわからないままに

さよならを言った。

 

 

(続く)

 

 

第1話 私はコレで会社をやめました!〜私が歌うことの意味
第2話 私はコレで会社をやめました!〜私が歌うことの意味
第3話 歌を忘れたカナリヤ〜私が歌うことの意味
第4話 あのフジロックの〜私が歌うことの意味
第5話 こんなことがあっていいのか!?〜私が歌うことの意味
第6話 ピンチはチャンスに続くのか?〜私が歌うことの意味
第7話 武道館〜白いベンツ?〜私が歌うことの意味
第8話 アレサ? 記憶の曖昧さの中で〜私が歌うことの意味
第9話 ゆるい繋がりを辿ったら〜私が歌うことの意味
第10話 自分の価値を信じること〜私が歌うことの意味
第11話 人の向ける注意の持つパワー〜私が歌うことの意味
第12話 少し背伸びをしてでも〜私が歌うことの意味

 

 

 

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