McBAIN
監督:ジェームズ・グリッケンハウス
音楽:クリストファー・フランケ
出演:クリストファー・ウォーケン、マリア・コンチータ・アロンゾ、マイケル・アイアンサイド、スティーヴ・ジェームズ、ジェイ・パターソン、T・G・ウェイツ、ヴィクター・アルゴ、ヘッチャー・ウバリー、ラッセル・デニス・ベイカー
1991年 アメリカ映画
「エクスターミネーター」のジェームズ・グリッケンハウス監督がメガホンをとったアクション映画。
遥か昔にビデオで見て以来の鑑賞になりますが、配信の映像はビデオに比べるとかなり画質が良くなっています。
今回再見してみてつくづく思いましたが、内容についてはほとんど記憶がない 笑。
B級アクション映画なのですが、爆発シーンの火薬の量が凄まじく、「ブワッ」と盛り上がる火の手がすごい。
この監督、ベトナム戦争帰りが好きなようで、「エクスタミネーター」同様ベトナム戦争からお話が始まります。
ストーリーは、ベトナム戦争の終戦によりヘリで帰還途中の兵士が、処刑寸前の米軍兵士を発見し救出します。
命拾いした男は、救出してくれた恩人にいつか借りを返すことを誓い、
1枚のドル紙幣を2つに破ってお互いに持ち帰ります。
その後、恩人は南米の革命に身を投じますが、独裁政権の転覆に失敗し
大統領自らの手によって処刑され、その様子がニュースに流れます。
救出された男は、かつての戦友とともに恩人の妹が引き継いだ革命の支援に向かう・・・というお話。
マイケル・アイアンサイドが出てきますが、元兵士でお金持ちという設定。まともな役です。
戦争の後遺症で精神に異常を来したシリアルキラーを期待したのですが、ちょっと残念😁
映画のスケールに比べて、爆発の規模がすごいという、
予算のほとんどを爆薬に使ったんではないかと思ってしまう程、バランスが悪いです 笑。
ラスト終わり方も、ありゃりゃ、そうやって終わるの?と思ってしまいます。観ていてちょっと恥ずかしい。
でも、B級映画だからこれでいいのです。
音楽は、元タンジェリン・ドリームのクリストファー・フランケ。
ブラスやストリングスもシンセで代用するシンセサイザースコアだと思ってたら、ちゃんとオケが入ってました。
演奏はベルリン・シンフォニック・フィルム・オーケストラ。指揮は、Brynmor jonesという人がやってます。
冒頭のベトナム戦争のシーンでは、オケをバックにロックギターや尺八が登場し、
次第に盛り上げる感じのスコアでなかなかいい感じです。
ドラムは打ち込みの部分もあるようで、低音のシンセがジョン・カーペンターの「ザ・フォッグ」を彷彿とさせます。
劇伴のうち、アクションシーンのスコアは結構カッコよく、スリリングなシーンではタンジェリン・ドリームを思わせるシーケンスパターンのシンセスコアも登場します。このスコアはおっさん世代にはウケるかも。
劇中、変なタイミングで女性ボーカルのポップスが挿入されますが、この入れ方にはちょっと違和感があります。
これは、スコア担当ではなく監督の責任だな。
らしくない甘美なストリングスチューンもあります。
クライマックスは、ちょっと感動的なスコアが用意されています。
劇中、何曲か歌モノが挿入されますが、ダイアー・ストレイツの”Brother In Arms”を
Ann Corfieldが歌った歌や、クリストファー・フランケが作曲したJocelyn B. Smithが歌う”Christina’s Song”、
Lami-Gが歌う”Bloodsucker”という2曲が流れます。
サントラは、クリストファー・フランケの音楽集”New Music For Films Vol.1”に本作のスコアが収録されています。