ベストセラー作家・湊かなえの集大成と評された同名小説を、「ラーゲリより愛を込めて」「護られなかった者たちへ」の瀬々敬久監督が映画化したミステリードラマ。

 

瀬々敬久監督の社会性のある人間ドラマを期待して観ることにしました。

 

優しい父親を失った母親と15歳の章子、それを見守る担任の先生。

章子は母親が再婚した暴力男に苦しめられるが、30年先の章子からもらった手紙を励みに未来に向かって走り出す。しかし、出会った同級生の亜里沙、彼女も父親の暴力に苦しんでいた。章子と亜里沙は父を殺して誰をも救う夢の国ドリームランドを目指すが・・。30年先の章子は誰か、そこで明かされる驚愕の事実に涙する。

 

期待は大当たりでした!

タイトルの「未来」は“これ、何?”というほどに平凡で意味不明でしたが、実に重い意味のある作品でした。

世代を経ても男尊女卑の考えは変わらない。男は女性を弄び、小さな男の子にさえ手を出す。“これでも未来は明るいと言えるのか”という現代社会の深刻な“闇”に挑んだ作品でした。

 

現在の高市政権にぶつけてきたような作品。

日本初代の女性総理が「皇統は2600年にわたる男系男子で継がれる」と大嘘をつき、愛子天皇への道を断ち、象徴天皇制を破壊して明治の時代に戻し、強い国を起こすため憲法改正を目指す。

 

総理は歴史を全く学ばない愚かな道を進んでいる。

マンガ家小林よしおさんが国を相手に“皇室典範改正”違憲訴訟(10月26日)を起こしています。ここでは未来志向の眞の愛国心が述べられていて、ぜひご覧いただきたい!

 

時と人が周りまわってこうなる、この廻る面白さ、ミステリーさ。

湊さなえさんの性犯罪の輪廻のようなストーリー展開、これを生々しくしく現実的に伝える瀬々敬久監督の演出が見どころです。

 

監督:瀬々敬久、脚本:加藤良太、原作:湊かなえ、未読です。撮影:俵謙太、編集:今井俊裕、音楽:安川午朗。

 

出演者:黒島結菜、山﨑七海、坂東龍汰、細田佳央太、近藤華、玉置玲央、野澤しおり、吹越満、カトウシンスケ、利重剛、中村優子、黒沢あすか、三浦誠己、木竜麻生、宮川一朗太、松坂桃李、北川景子。

 

物語は、

複雑な家庭環境で育ちながらも、祖母の期待に応えて教師になる夢をかなえた篠宮真唯子(黒島結菜)。ある日、彼女の教え子である佐伯章子(山﨑七海)のもとに、「20年後のわたし」と名乗る人物から手紙が届く。

半信半疑のまま返事を書くことで、父を亡くした悲しみや心を閉ざした母・文乃(北川景子)との孤独な日々に耐える章子だったが、母の恋人・早坂(玉置玲央)からの暴力や、いじめ、そして信じがたい事実が彼女を追い詰めていく。

深い絶望のなか、章子は唯一の友人である亜里沙(野澤しおり)と「親を殺す」という禁断の計画を企てる。そんな章子を救おうとする真唯子は、社会の理不尽さに押しつぶされそうになりながらも手を差し伸べるが……。(映画COMより)

 

 

あらすじ&感想:

〇冒頭、2024年9月の奈良・櫻井市。章子と亜里沙は東京ドリームランド行きのバスの中にいた。

章子が「先生がいる、隠れて!」と声を掛け、深夜バスに飛び乗った。彼女たちにとってドリームランドはいつか行きたい未来の象徴、“ここへ行けば幸せ”になれると思っていた。

 

章子にはここに行きたい理由があった。

章子に誰か分からない人から送られてきた“未来の手紙“を受け取っていた。そこには”10歳の章子へ。20年後のあなた30歳の章子です。あなたは誰かの悪戯かもしれないと思っているかも。でも本当の未来からの手紙です」と書かれていた。

 

ここから章子、章子の母親、真唯子先生、亜里沙の回想が語られ、章子と亜里沙が東京ドリームランドに行くことになった経緯がミステリアスに描かれます。

 

〇5年前(2019年)、章子は父の死を契機に真唯子先生と深い関りを持つようになった。

章子は入院中の父親・良太(松坂桃李)に「篠原先生がパパに見せてあげてと言った」と手紙を入れる箱を見せると「章子の好きな先生か?」と聞かれた。章子は「手紙を書くとドリームランドへ行ける」と約束した。

 

突然、父が亡くなり葬儀の後で、章子は“30歳の章子”から手紙を受け取った。

母はすっかり意気消沈、そこに手紙が届いた。

 

そこには「ドリームランドはあなたが生まれた年に出来た。これは未来の手紙です。悲しみの先には光のある未来が待っている。それをあなたに伝えたい。この手紙があなたの人生のささやかなエールになりますように」と書かれ、証拠として30周年記念シオリが同封されていた。

 

章子は30歳の章子に「助ける人になりたい」と返事を書いて“ハーフ成人式“で発表、喝采を浴びた。

 

篠原真唯子先生の章子家庭を訪問したことで、依怙贔屓という問題が生起した。

章子の家庭状況を知った真唯子先生が「支援が受けらえます」と尋ねてきた。部屋の中が散らかっており、公園で話すことになった。母の文乃はスマホも持たず、真唯子先生が準備してくれた。母が木を見てめまいで倒れかけ、これを真唯子先生が支えた。この光景を章子のクラスの生徒に見られ依怙贔屓として訴えられた。

 

〇ここで大学生の頃の真唯子のことに触れる。

2012年12月8日、真唯子は東京の大学生だった。

貧しいアパートに住んでいて、ひょんなことから原田優輝(坂東龍汰)とつい合うことになった。この日、ふるさと奈良の祖母から“きしめん“が送られてきて、それを運んでいるときに手伝ってくれたのが原田だった。お礼にと”きしめん一袋“を差し出すと映画チケットを渡された。原田は映画館の技師だった。

 

ふたりで映画を観て意気投合。その帰り原田の部屋に寄った。原田は幼い頃バイオリンを弾くおぼっちゃまだった。きしめんがそのまま置かれていたので、真唯子は嫌気がしてそのままアパートに戻った。

 

真唯子は祖母が倒れたとの知らせで、奈良の病院に駆け付けた。

そこに男を作って家を出た母親が現れ、「祖母の家の鍵を寄こせ」と迫った。「渡さない」と揉み合ったが、母親が鍵を持ち去り、祖母が真唯子のために貯めたお金を持ち去った。

 

東京に戻った真唯子は原田に「大切なものを失って生きていける映画を紹介して!」と頼んだ。ふたりで小津監督“東京物語”ビデオを観た。真唯子は「祖母も自分の人生を生き切った」と満足した。原田がきしめんを作って、ふたりで食べた。

 

真唯子はレストランでバイトしていて、女性リクルーターからAV出演に誘われた。

リクルーターから「ドラマではなくPVとかAVに出演しない?お金になる」と誘われた。真唯子は金の額を聞いて、その女性の手に沢山の傷があることが気になったが、出演することにした。

 

〇2020年2月、奈良・櫻井市。真唯子先生は学生時代のAV出演が原因で小学校を去って行った。

真唯子先生が章子の家庭訪問したことで生徒から“章子に依怙贔屓”とひつこく詰め寄られ、先生は生徒に手を出した。このことで生徒の母親たちから「教員不適切」と真唯子が学生時代に撮ったAVビデオの写真を突き付けられ、退職に追い込まれた。

章子は30歳の章子に手紙「真唯子先生は学校を止めないといいながら居なくなりました。大好きなパパと大好きな先生が消えました」を書いた。

 

〇2023年5月、章子は中学2年生になった。

手紙に「中学生は最高!学級委員に選ばれ、次々に友達が出来た。最近ママが働き始めました」と書いた。

 

文乃はホテルで働き始め、恋人・早坂が出来た。早坂は結婚を契機に自分の店を持った。

早坂は口の立つ男で家にやってきて文乃を口説いた。シェフ仲間の須山(カトウシンスケ)が一緒のこともあった。

 

早坂はホテルを辞め、自分の店を持った。章子は「母は気が抜けている感じ。パパが好きだから、早坂はどうかな」と思っていた。章子は帰校すると店を手伝った。

 

ある日、客から「口に合わない」とクレームをつけられ、早坂が「もう少し大人になってご来店ください」と断り、客に帰ってもらった。このとき章子が口出しした。次第に店の雲行きが怪しくなってきた。

 

章子は早坂の暴力の標的になりだした。

章子は生理が始まり、このことで学校で虐めに遭うことになった。章子が落とした整理パットが机の上に置かれ、男子生徒たちに「臭い!臭い!」と騒ぎ立てられた。先生から消臭剤と口臭剤が渡された。

 

章子が店に戻るとホテルのオーナー・森宮が来ていた。

森宮(利重剛)が「腕がいいんだからうちに戻れ」と早坂を誘いに来ていた。

早坂は章子のバックの中を探し生理パットを見つけ、「これだ!料理が台無しだ」と怒り出した。これをみて森宮が「先ほどの話はなかったことに。うちのホテルはこんなことするシェフには任せられない」と店を出て行った。早坂は「お前のせいだ!」と激しく章子を殴った。これを文乃は見ていたが口を出さなかった。

 

文乃は章子を連れてここを逃げ出した。が、また早坂に捕まった!

章子は「あんなに走るママを見たことがない。それも引越し先のアパートまで見つけてきた。しかし、頑張り過ぎたのかまたoffになった」という。そこに早坂がやってきた。文乃は章子を抱き早坂の暴力を庇った。章子は未来の章子に「私はあなたなんか信じない!あなたが本物なら知ってるよね」と書き襖の中に荷へ込んだ。そこに「駅前の駐車場で待ってる」というメモが届いた。

 

夜、章子が駐車場に出掛けるとメモの書き主はクラスの須山亜里沙だった。

亜里沙は男の子を連れていて「私はほとんど学校に行っていない。こいつは弟の健人」と紹介した。亜里沙はタコ焼きを出し「食べて!」と勧め、「あいつらは幼稚だよ」と言った。そこに車で須山がやってきて「章子ちゃん、亜里沙の同級生だったな、健人来い!聞かれたら転んだと言え!」と健人を連れ去った。

 

次の日、亜里沙が登校しクラスを恫喝して章子を連れ出した。

亜里沙はクラスメイトに「用済みの血のやつ出せ!お花畑の匂いかいたら土下座してやる。くだらない変わり番んこにターゲット変えて、章子を突き合わせるな!次は誰の番だ」と脅し、章子を連れて教室を出た。

 

※真唯子が章子と亜里沙の関係を証言(モノカラーの真唯子像、警察での証言)。

「小学校のころから変わった子でした。急にとっぴなことをする。佐伯さんとは境遇が近くソールメイトの関係だった」と証言した

 

〇アダルトビデオ出演後の真唯子と原田との関係、

2013年3月、東京。原田が「どんなことがあっても守る」と真唯子を訪ねてきた。

真唯子は原田をピンクサロンに誘い自分が出演しているビデオ“寒椿隠れ宿”を観せた。原田は「撮られてどうなるか想像できなかったのか、俺のことを思い出さなかったか」と悔やんだ。真唯子は「止めてくれると思った。こんな体で」と部屋から逃げ出した。原田は「東京物語のように生きると決めたならそれでいい」と追った。真唯子は「原田君を思い出せなかった。だから映画は関係ない」と逃げた。

 

この後、真唯子はAV出演を止め大学を卒業し教員になった。

 

〇章子は亜里沙の部屋に入り浸り、亜里沙の生い立ちを聞いた。

「お母さんは親父に殴られてばかりだった。親父は殴った翌日は果物を買ってくる。それを嬉しそうに母さんは食べていた。ガンが見つかってからは殴らなくなった」と亜里沙が泣く。そこに健人が「お母さんの命日だ」とマスカットを買って来た。亜里沙は健人をとても可愛がっていた。

 

章子はアパートに戻り父の日記を読んだ。

父はマドレーヌを作って私たちに食べさせワープロに向かっていた。章子は何を書いていたのか読んでみた。

「章子へ、ある物語を書き残しておきます。いつか君が読んでくれる。墓場まで持って行くのは登場人物だけだと思っていた」とまえがきがあった。

 

〇父・良太が章子のために書き残した物語、

1999年9月、三重・鳥羽市。樋口良太はこの町の高校3年生だった。

樋口(細田佳央太)は友人たちと鳥羽水族館を見学していた。樋口は友人たちと別行動でどんどん先に進んで水族館を見て回った。大きなプールで泳ぐ女性を見つけた。まるで人魚のようで美しかった。

 

教室の窓から海岸を見ると、プールで見た女性が海を見つめていた。友人に「2年生の森本真珠(近藤華)に気があるのか?」と聞かれた。樋口は否定した。

 

森本真珠の親父さん・森本総一郎(吹越満)は国会議員選挙の真っ最中だった。

 

樋口は友人に真珠を紹介してもらった。真珠は「私には近づかない方がいい」と言った。

 

樋口は「台所を貸してくれ!」と真珠の屋敷を訪ね、マドレーヌを作って食べさせた。真珠が「お母さんが作ってくれるものに似ている」と喜んだ。

 

ここまでくると「樋口と真珠は何者か」と感づきますよね!それは置いといて続けます。

 

そこに父親の総一郎が戻って来て「お前は誰だ?」と聞く。「学校の友だちです」と答えた。真珠がビデオを見せて「男の子がいたの。本当に可愛い子だった。4才の誕生日、母と遊んでいて海に溺れ10日後に亡くなった」と言った。

 

真珠が「もう遅いからから」と樋口に帰宅を促した。樋口は献杯させて下さい」と酒を一気飲みして倒れ込んだ。目が覚めると二階に上がる真珠の背中に引っ掻き傷があるのを見た。

樋口はこの地方に繋がるある伝説を思い出していた。「野郎びくは人魚の肉を食べて不老不死の命を貰う。でも周りの人は次々に死んで行き、その命だけ体に傷が残っている(親父は真珠を凌辱している)」と見た。

 

〇2024年4月、奈良・桜井市。章子は中学3年生になった。

未来の章子に「私もこの4月で中学3年生になりました。ママと早坂さんは須山が始めた介護の仕事を手伝っている」と手紙を書いた。

 

章子は文乃と早坂が出て行ったあと、亜里沙と健太をアパートに呼びドリームランドに遊びに行く話をした。健太が行きたがった。

 

米真唯子がドリームランドについて警察に証言した。

真唯子が「ドリームランドはあの街に住んでる子供たちの最高の夢でした」と証言した。警官が「ふたりの約束はよく理解できる」と言った。真唯子は「佐伯さんはお父さんとの約束がかなわなかったから。そこに希望を託したいと思います」と章子を養護した。女性警官が「受験前の彼女たちは絶望的な毎日を送っていたようです。知っていましたか?」と聞いた。真唯子は「知らなかった」と答えた。

 

〇2024年6月、奈良・桜井市。健人が団地に屋上から飛び降り自殺した。

健人は「おねえちゃんドリームランドに行けなくなってごめん」と手紙を残していた。健人の葬儀では父親の須山が激しく泣いた。亜里沙が「誰が犯人か分った」と章子に告げた。

 

亜里沙は「親父だよ、森宮会長が少年を可愛がっていたから。早坂がどうしても森宮の弱みを握りたくて健人を差しだせと父親に迫った。最初は知らんふりしたが結局は金。それからあいつらは介護事業とか言ったがホテルで商売を始めた」と話した。

 

亜里沙は「父親の須山を殴った。初めて父親を殴った。“健人は身体が弱い、助けて!”と母さんが言った言葉を叫びながら須山を殴り続けた」と泣いた。

 

章子は亜里沙が見つけたという集合アパートを見に行った。

そこで見たのはベランダで母の文乃が男に抱きしめられ部屋に消えるところだった。亜里沙が「変態先生が章子のママが気にいったみたいだ。ママはベッドに押し倒され売春をやらされている」と言った。章子はこれを聞いて身体から血が噴き出しそうになった。

 

章子は早坂を殺すと決めた。亜里沙が「父親を殺したいがどうやってやるの?」と聞いた。

 

〇章子の父・良太の物語の続き、

1998年9月、総一郎が真珠をベッドに寝かせ愛撫をはじめた。真珠は最後には、何もせず死ぬことを選んでいた。ひとりで生きていくのは難しいから。母と弟が海岸で遊んでいるビデオを見る総一郎を見て、「あの人はお母さんを憎み続けた。お母さんが息子を死なせたと思い続けていたから」と憎んでいた。

 

樋口は真珠を桟橋に呼び出し話を聞いた。

真珠は「跡取りとなったのが女の私。それからは復讐し続けた。樋口が「あれが復讐か?」と聞くと「嫌がったら壊れてる。あの日、お母さんと待ち合わせた。ドリームランド行きのバス停で。でも来なかった、私が待っている間にひとりで死んだから」と話した。「お葬式が終わって帰って冷蔵庫を開けるとマドレーヌが入っていた。お母さんの手作り、それを父が踏みつけた」と話す。樋口は「ドリームランドに「行きたいか?」と聞くと「行きたい、お父さんがいなければ」と答えた。樋口と真珠は総一郎を殺すことにした。

 

〇2024年8月、奈良・桜井市。章子と亜里沙が父親を殺すための毒を作った。

ふたりが「本で読んだ」と煙草のニコチンで毒を作り、お茶の瓶に詰めた。章子が「最後に火を点けて証拠を消す」と殺した後の処置を話した。

 

米このシーンに連動するように樋口と真珠の父親殺しのシーンが挿入される。

樋口は真珠から「その時間、バス停で見たというアリバイを作って」と依頼され「分った」と答えた。

 

〇2024年9月、奈良・桜井。章子がそうめん工場を訪ねた。

従業員の女性から「そこは誰も住んでいませんよ、あなたもしかして真唯子ちゃんに?」と声を開けられた。章子は「いいえ」と返事してここを去った。

 

幼稚園で働く真唯子にそうめん工場の女性から「あんたのクラスで気にかけていた子がいたろう。その子、あんたの家に近付き、声を掛けて行ってしまった。真唯子ちゃん、東京に行くとき何かあったら知らせてくれと言ったよね」と電話が入った。真唯子が駆け出した!!

 

章子は図書室で未来の章子に手紙を書き帰宅中、真唯子に出会った。

章子は「あなたから手紙を受け取り5年が経った。あなたがいる希望に満ちた未来はまだ来ていません。返事するのを終わりにします。私は本当にあなたの歳まで行きますか?」と書いて亜里沙と帰宅途中に、真唯子先生に出会った。

 

真唯子が「今どこかで話せない」とふたりに声を掛けたが、ふたりは「何で今ですか」と逃げ出した。途中でふたりは「今夜、バス停で会おう」と約束して別れた。

 

章子は帰宅してドリームランドに行く準備をしていた。

そこに母・文乃と早坂が戻って来た。早坂が冷蔵庫から毒入りのお茶を取り出して飲み、苦しみ出した。そこに真唯子先生が訪ねてきた。文乃が外で対応し「あの子には未来があります。あの子は私がまもります」と返事して帰ってもらった。

章子がこれまで書いた手紙を取り出し火を点けようとすると文乃が「ここは私に任せなさい!あなたは行きなさい!あなたはここに居なかった」と言った。章子はバッグを持って駆け出した。

 

〇章子の父・良太の物語の続き、真珠と樋口の最後。

真珠は総一郎に毒を飲ませ苦しむのを見ていた。そこに樋口が現れ、総一郎の選挙ビラに火を点け、逃げ出した。樋口は引返し火の中に飛び込んで嫌がる真珠を救出した。その後真珠は政治家である父親の虐待や性犯罪を証言した。火を放った樋口は誰にも真実を語ることなく護られた。

 

樋口は大学を卒業後市役所・市民課に勤務。真珠を探し続け、友人の知らせでソープランドで再会した。その後二人は結婚、佐伯は樋口の祖父の苗字、文乃はパパがつけた名だった。章子が生まれた。

 

〇2018年4月、奈良・桜井市。真唯子は病床の佐伯良太を見舞い、手紙を書くよう依頼されていた。

真唯子は教師になりそうめん工場に挨拶に戻ると、原田から手紙が届いていた。手紙にはあ「宛先はそうめん工場にする。ドリームワールドで働いており、ここは誰かを救える場所だ。30周年記念グッズを送ります」と書かれシオリが同封されていた。

 

2019年4月、真唯子は章子の担任となり病床の佐伯良太を見舞った。

良太から「章子をドリームランドに連れていくのは無理かもしれない。夢の国なんですか?」と聞かれた。真唯子は「夢の国というより私の未来です」と答えた。良太から「章子に“あなたにも幸せな未来が待っています”と手紙を書いてください」と依頼された。真唯子はこれ受けた。

 

〇冒頭シーンの続き。章子と亜里沙はドリームランドに着いた。

章子は「ドリームランドに入るのは今日ではない。助を求めよう、助けてくれる大人は必ずいる。私はママを殺した」と泣いた。亜里沙は「父親を殺せなかった」と言った。ふたりで未来に向かって「わお!」と大声を上げた。

 

章子は警察に出頭、拘置所に送られた。真唯子はここを訪ね、章子の手を取り励ました。

 

まとめ:

ランダムに年月を変化させミステリアスに描かく登場人物のエピソード。

これら断片エピソードを繋げてラストで明かされる登場人物の人となり・関連性に驚かされ、“めんどくさい!”これが湊かなえ流ミステリーかと楽しみました!(笑)

章子の父母・良太と文乃が若い頃は樋口と真珠で、文乃が章子の運命に重なるストーリー展開、また真唯子が未来の章子となる経緯に驚きました。

 

要約すると、とんでもない男尊女卑の話でした。

章子は母・文乃の恋人早坂を毒殺したが、その際母が全ての罪を引き受けた。ところが文乃が章子を救おうとしたのは彼女自身が章子と同じ運命、父の暴行・性被害の犠牲者だったいう結末。また章子を援助した真唯子先生はアダルビデオで男性の玩具にされた経験を持っている。亜里沙の父親は母親への暴力、売春斡旋、息子を幼児売春に差し出すというこれも酷い話だ。全てが男尊女卑に結び付く話で、2世代に渡って繰り返される現代社会の深刻な“闇”を訴えた作品でした。

 

未来に生きる章子、

ドリームランドに入園することなく、毒殺を自白し罪を償って未来を受け入れる結末、こういう世界になって欲しい。

 

黒島結菜、山﨑七海、坂東龍汰、細田佳央太、近藤華、沙野澤しおりさんら若い人がしっかりがんばりましたね。

 

大阪高裁の元検事正、一転して無罪主張=「抵抗や拒否はなかった」―部下への準強制性交罪・大阪地裁。これを見るにつけ、この国は狂ってる!と思う。日本は男女平等視点で世界に後れをとり、国連から男系男子皇位継承について勧告されている。まずはこれを受け入れるところから始めないといけない。

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