私の過去シリーズ復刻版をこれまで4回に渡ってご紹介してきました。

 

第1弾『俳優を目指した私の青春』12話

第2弾『私の結婚と離婚』14話

第3弾『私と糖尿病』11話

第4弾『私の旅日記』30話

 

好評につき第5弾をお送りします。タイトルは『私と煙草の45年』です。

 

糖尿病なのに、還暦を迎えようとしている現在も煙草を吸い続けている私。

 

全くのダメ人間であることは自覚していますが、今回はこの喫煙人生を反省も含めて振り返ってみたいと思います。

煙草を吸わない人にも、何気に面白い内容になっていると思います。それではスタートです。

 

 

第1話 高校デビュー

 

私が最初に煙草を吸ったのは、遠い記憶では確か小学生の頃だった。

といっても、親父が吸っていた煙草をちょっと拝借し、2個上の兄貴とふざけてちょっと吸っただけだ。

銘柄は「新生・しんせい」

 

 

今は廃止となってしまったこの「しんせい」は、今と違ってフィルターなどなかった。

 

煙草の葉っぱが直接口の中に入ってきて、正直ただ気持ち悪いだけだったのを覚えている。

私が本格的に煙草を吸い出したのは、高校一年生になってからのことである。

 

私は県内でも有数の進学校に通っていたが、茨城県民なら誰でも一度は目覚めるツッパリ少年になってしまったからだ。

高校1年生の最初のクラスで出会い、すぐに意気投合し大の親友となった奴の素行がとにかく悪かった。

彼は中学生の頃に他県から転校してきたらしく、勉強は嫌いだが頭だけは良かったためにこの高校に進学してきた。

高校は基本的に宿題などないので、授業の復習や予習をしないとあっという間に置いていかれてしまう。

私と悪友は、中学時代も家で勉強をするタイプではなかったので、当然のように落ちこぼれになった。

 

中学までは授業さえきちんと受けてれば、だいたい頭の良い人はそれなりの成績を残せたものだ。

私の高校は​進学校だったが、なにせ茨城県なので先輩の中にもツッパリは結構いた。

 

今ではツッパリはヤンキーと呼ぶのが普通だが、私たちの時代はまだツッパリと呼んでいた。

 

リーゼント頭にボンタン姿、まさに「ビー・バップ・ハイスクール」の世界だ。

 

 

この漫画は、実は私が高校を卒業した1980年代から連載が開始された。

 

私たちの時代は矢沢永吉と暴走族がツッパリの代名詞で、当時は「時間よ止まれ」が大ヒットしており、悪友と2人でキャロルや矢沢永吉の曲を聞きまくっていた。

ツッパリグループが放課後に集まる場所は、決まって近くの喫茶店である。

学校の周りにも3つか4つくらいは行きつけの喫茶店があって、だいたいそこを順番に回っていた。

尾崎豊の歌には「ピンボールのハイスコア競い合った」などという歌詞が出てくるが、当時の田舎の街にはゲームセンターすらなかった。

 

TVゲームの時代でもなく、アーケードゲームが流行りだした頃、あの一世を風靡したインベーダーゲームが喫茶店に登場した。

 

 

正式名称は『スペース・インベーダー』という。

喫茶店にもテーブルゲームとして数台が導入されていた。

 

​1回100円のゲームだったが、夢中でやりまくっていたのを思い出す。

私の高校は市内の駅前にあったので、喫茶店ではたまに他校のツッパリと顔を合わせる。

その人たちは、農業高校とか工業高校で頭が良くない(失礼)学校なので、ツッパリ方も私の高校とは気合が違っていた。

高校1年生の僕らは、そういう輩が喫茶店に来ると、すぐにインベーダー席(当時はこう呼んだ)を譲って普通のテーブルに移動したものだ。

弱肉強食という言葉は、そういうことで学んだ。

 

 

制服を見れば大体どこの高校かわかるので、こちらがいかにツッパッた恰好をしていても、進学校の制服では当然なめられる。

 

圧倒的にツッパリの総数そのものが違うのだから。

ビー・バップ・ハイスクールの城東高校と桜が丘学園みたいな構図だ(わかる人にはわかる)。

 

また、喫茶店ではコカ・コーラはレモン入りのコップにストローを刺し、190mlの瓶で提供されていた。

 

それまでコーラにレモンを入れて飲んだことがなかった私にとって、それはある意味お洒落な体験だった。

 

 

こうして喫茶店に通うようになり、やはりそこには煙草がないとツッパっている感じが出ない。

 

ツッパリ​=喫茶店=煙草 なのである。

今でこそ喫茶店で高校生が煙草を吸うなんて許されるはずもないが、あの時代は店側はお金さえ払ってもらえばそれで良かった。

それでも​マスターやウェイトレスのお姉さんには気を使い、学ランの上着はきちんと脱ぐのがツッパリ達の共通のルールとマナーだった。

こうして私は高校1年生の15歳で、煙草を吸い始めることになるのである・・・。

第2話「セブンスター」へつづく。