ドリームスケープ

テーマ:

DREAMSCAPE
監督:ジョセフ・ルーベン
音楽:モーリス・ジャール
出演:デニス・クエイド、マックス・フォン・シドー、クリストファー・プラマー、エディ・アルバート、ケイト・キャプショー、
デヴィッド・パトリック・ケリー、ジョージ・ウェント、クリス・マルケイ
1984年 アメリカ映画

本邦劇場未公開作品ながら、斬新なアイデアと豪華すぎるキャスト(笑)のおかげで、
カルトで良質なSFに仕上がった珍しい作品。
ストーリーは、特殊な超能力を持ちながら定職も無くブラブラしていた青年が、
悪夢の根絶を研究していた組織に誘われ、他人の夢の中に入り込む実験に参加します。
青年は見事に他人の夢の中に侵入することに成功しますが、
その組織はその力を使ってある人物の暗殺を計画していた・・・・というお話。
その昔、レンタルビデオショップで見かけて、何気なく借りて観たのですが、
他人の夢の中に入り込んで、夢を使って人を抹殺しようとする暗殺者と主人公の戦いが
当時としては、なかなかのアイデアで面白かったという記憶があります。
今観ると、そうでもないかも知れませんが・・・笑。
主人公を演じたデニス・クエイドも、「ライト・スタッフ」や「ジョーズ3」の頃の作品なので、
ツルンとした顔立ちでまあ若いこと。
テレビ放映時には、「ドリーム・スケープ/悪夢の殺人鬼 」なんていう副題がつけられてました、





音楽は、モーリス・ジャール。
未公開映画ながら、キャストも凄ければ音楽も巨匠を起用するなどなかなかの力の入れようです。

この頃の巨匠はシンセに凝っていたようで、全編ほぼシンセによるスコアです。

巨匠は、この後「第五惑星」や「刑事ジョン・ブック/目撃者」といった作品でもシンセ・スコアを披露しています。
夢の中を表現するスコアが多いせいか、つかみどころのないモヤモヤしたシンセ音が支配するアンダースコアがメインです。
メインとなるモチーフらしいものはなく、幻想的な雰囲気を重視した作りになっています。
所々に、「スター・トレック」でジェリー・ゴールドスミスが使ったあの「ボワ~ン」ていう音がここでも使われています。
そんな混沌としたスコアの中にあって、かろうじてDavid Angelという人のアルト・サックが奏でるメロウなメロディがモチーフといえばモチーフか。
ちょっぴりフュージョンっぽいエンド・タイトルでも、しっかりこのメロディが出てきます。
しかし、ほぼシンセで作ったスコアは、巨匠の風格をすっかり奪ってしまった感があり、
いかにもなB級ホラー・スコアと紙一重な危うさがあります 笑。
サントラは、本国の公開に合わせてLPが発売され、CDも怪しげなレーベルから発売されました。
その後、長らく廃盤の状態でしたが、2013年になって米IntradaレーベルからLPと同内容のものが発売されました。