★里山の麓の田は、もう稲刈りの時期ですが、田の道際にはさまざまな植物が生えています。稲刈りでコンバインが入ったら、踏みつぶされてしまうことになるでしょう。だから、それまでに花を咲かせ、種を準備しなくてはなりません!



この植物もその一つ。ピンクの花、そして、実になりはじめたところもあります。



ホソバヒメミソハギです。



ミソハギ科ですね。


名の通り、葉は、細い。この仲間には葉の幅が違う種があります。



花は、葉の脇から出ます。



小さいのであまり目立ちませんが~

いい花ですよね。



種は土中で発芽の時期まで待ち続けます。こういうことを繰り返しながら生物たちは毎年、命を繋いでいます。


~もう、稲刈りを終えた田も増えてきました~

花びらを持たない植物は、あまり魅力的とは、言えないかも知れません。第一、素敵な色の花弁がないのですから。しかし、それは必要性がないからですね。花弁で昆虫たちを誘わなくても受粉ができる方法を持っているからでしょう。今日のイネ科はその仲間ですね。風によって花粉を飛ばし、受粉させるという植物たちです。


このイネ科の植物は背が低いです。



コブナグサと言います。



イネ科の植物の同定は苦手ですが、これだけは解りやすい。

葉が、イネ科の植物にしたら、短くて幅が広い。



葉のつけ根は、茎を抱いて毛も多い。

縁が色づいているものが多かったです。



穂は、まとまっていて可愛い。



茎の節から次々と穂をを立ち上げてきます。



コブナグサの名は、葉の形が小鮒に似ているからついたそうです。


イネ科の植物の雄しべや雌しべを観察しましょう!

花弁がない花ですが、ちゃんと雄しべや雌しべがあることを確かめておきましょう。ルーペを使ったらよく分かります。

なんと美しい花でしょう~




「名は体を表す」が当てはまらない典型だと思いませんか~



イボクサです。




ツユクサと同じ仲間。そう言えば似ています。




花びら3枚。萼も。



ブルーの葯=雄しべ3本ですが、仮雄しべというのも3つあります。

(仮雄しべは、機能していないのでしょうか、短いです。)




茎の先や葉の脇から花が出ています。



茎は、横に這います。



それに、少し色がついていますね。




この草を使うと、いぼが取れるということで、名前がつけられたようです。




ツユクサ科イボクサ。



田のような湿地に生える素敵な野草です。

★秋の実(種)の中には、よくくっつくものがあります。その一つが、センダングサです。このセンダンは、「センダンは、双葉より芳し」(これには間違いがあるのですが)の樹木のセンダンに由来しています。その葉に似た形をしていることからついた名前です。


毎年、この線路際のフェンス沿いにコシロノセンダングサが生えます。



そして、いつも刈り払われるのですが、また、脇芽を伸ばし、花をつけ、結実して翌年も、こうして花を咲かせます。



白い舌状花と黄色の筒状花



すっきりとしたいい花ですね。



この園芸品種もありますね。



若い果実~センダングサは、くっつくので有名ですね。



葉は、いくつかの小葉からできています。



花は、葉腋から出ます。


★センダングサの近縁種には、いくつかの種類があります。みなさんの身近なところにあるセンダングサは、どんなセンダングサでしょうね~。



★植物の名前にカラスやスズメが付くものがあります。こちらのケースは、大きさの違いを表しているのでしょうね~。


毎日歩く道の脇からブーラブラ~




ウリ科スズメウリです。



「カラスウリ」に対してスズメウリなのでしょう。



まだ、熟していませんが、熟すと白い実になりますよね。カラスウリは、歌にもあるように「真っ赤だな~」です。



まだ、花も咲いていました。雄花です。



葉の形。こういうハート形。



白い実になったら、その可愛さが一層、引き立ちます。



★秋にはいろいろな実ができます。それらの実を観察するのも楽しいですね。

「むしろ / ござ」というようなものは、今も使われているのでしょうか?

この植物は、そのムシロをイメージできると命名の意味が伝わるのですが~、みなさん、どうでしょう?地面にむしろを敷くように面となって、生え広がっている―その様を表しています。


キキョウ科に属するアゼムシロ

        ~私のお気に入りの一つです。




ミゾカクシ(私の図鑑)という名もありますが、アゼムシロの方がいい~なぜって、この野草の美しさが少しは伝わる気がするから




ムシロ⇒花ござを敷いたように思えるのです~




花の姿は、とても個性的ですよね。




葉も花と同じように小さく1cmほどで互生している。




キキョウ科アゼムシロです。


★じつは、去年、生えているところがしっかりと地面の土が出るばかりに刈られ、その上に除草剤を撒かれてしまいました。いつも、夏になる頃には花が見られたのですが、今年は、さっぱり姿が見えなくて、「ああ~、とうとう・・・・。」と残念に思っていたのですが、復活していました!!!

それで、早速、ブログに上げた次第です。

心配ですから、畑の方に移植することにします=今のうちに。

そして、畑のグランドカバーにならないか挑戦してみます。多年草です。

まずは、水辺のビオトープのそばの湿り気のあるところに植えました。花ござを広げたように生え広がったところの写真が撮れるように、ぜひ、増やしたいです。

野の草が人々の暮らしと密接な関係にあったことを教えてくれる植物がたくさんあります。


この植物もその一つ~

タンキリマメです。



ヤブツルアズキ・ヤブマメなどと同じようにつる性のマメ科です。



花は、黄色



毛が多い



実もできています。



2個ずつ入っています。次第に鞘が赤くなっていきます。



熟すと、真っ黒でつやのある実が爆ぜた鞘にくっついた状態で剝き出します。


★名前の通り、薬として使われたのでしょう。野草には、漢方薬などとして使われて来たものがたくさんあります。私などは、子どもの頃によく煎じて飲まされた薬草などがありましたし、そういう思い出も数多いです。最近は、野草のそうした活用は少ないのかもしれませんが、植物と人間の長い関係に思いをはせるのもいいのではないでしょうか。おじいちゃんやおばあちゃんがいれば野草が暮らしに生かされていたようなお話を伺えるかもしれませんね~

また、また マメ科にもどりますが
巻き付いて伸びているのはヤブマメです。



このヤブマメの花は



淡い紫色と白色の蝶形ですが



とても美しい色合いをしています。



覗きこんでも、しべがなかなか見えません。



葉の陰になって咲いている花もあり



咲き始めの花には、毎年、気づきにくく

気づいた時には、もう、ずいぶんたくさん咲いています。



葉は、三小葉からなります。


様々なマメ科植物がありますが、その共通したところと、異なるところを見つけながら見分けていく楽しさがあります。

明日は、もう1種のマメ科の紹介をします。台風前に写真に収めて来なくては!!!

毎日、愛犬(琴&甚)と共に遊びに行くため池の岸辺に



キク科サワヒヨドリが咲いています。



さほど、高くなりません。



管状花ばかりが集まった花。



ピンクがかっているものもあります。



花柱が二つに分かれて外に飛び出しています。



葉には、葉柄がほとんどありません。



秋を感じさせてくれる野草です。



「でんぶ」のような花にも見えますが、近づいてよく見ると味わい深い花です。


★名前のヒヨドリは、鵯(ひよどり)から、ついたものです。ヒヨドリは、里山でも公園などでも見られる鳥です。ヒーヨ、ヒーヨと鳴き、飛び方にも特徴があることなどをサワヒヨドリやヒヨドリバナを見ながら語り合うといいですね。

初夏に白い花をつけていた枝先に





、見事な赤い実が



スイカズラ科のガマズミです。



背があまり高くならないので目につきやすい木です。



実は、つやがあって光っています。



今はまだ酸っぱいですが、冬に入るとやや甘味が~



葉の表面は、葉脈により凸凹しています。



対生しています。





果実酒などに使われますが、漬けておくと美しいワインカラーの果実酒ができます。


この赤い実を見ると、里山に秋が来ていることを実感します。


★実を見たら、雌しべの跡を確認しましょう!

このカマズミの実を見たら、実の真ん中にポチッと出た色の違う箇所があります。これが、雌しべの花柱の落ちた跡なのでしょうね。これから、いろいろな美味しい果実が出回りますね。その実のどこに雌しべが着いていたのか、気をつけるようにしましょう。「花から実へ」を想像しながらいただきましょう。私たちが生物(植物)の命をいただいていることを実感することができます。私たちは、つねに自然界の恩恵の中でこそ生きていけることを知るのです。