朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -89ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

今野敏さんは、警察官を描くことにかけては天下一品だと思う。

 

名言をひとつ。

「警察官は、仕事には慣れなくてはならない。だが、決して事件や事故に慣れてはいけないのだと、樋口は思っている。警察官にとっては日常でも、被害者や遺族にとってみれば、一生に一大事なのだから。」

 

警視庁強行犯係の係長、樋口顕はこういう人物だ。

「係長になって決めたことがある。思いついたこと、やらなければならないことは、すぐにやるということだ」

 

本部、所轄、マスコミ、遺族の間で苦悩する樋口の様子が丁寧に描かれていた。

彼は、所轄で一旦判断した自殺ではなくて、他殺でないのかと調べれば調べるほど疑念が湧いてきた。

本部と所轄との間で葛藤し一部の上司の命令に背いて懲戒免職までも覚悟して信念に基づき行動するのだった。

そんな彼を信頼していて見ている人はちゃんと彼のことを見ていた。

 

政治家の秋場康一にかけられたこの言葉で気持ちを新たにして、彼は難局を乗り切るのだった。

「味方がいないなんてはずはない。どんなときも、必ず味方はいるものだ。政治の世界にいるとね、それこそ、本当に四面楚歌の状況に追い込まれたりする。だがね、そんなときこそ、味方を見つけて大切にするんだ。私はそうしてきた」

 

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年、「怪物が街にやってくる」で第4回問題小説新人賞を受賞。東芝EMI勤務を経て、82年に専業作家となる。2006年、『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞を受賞。08年、『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞ならびに第61回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。17年、「隠蔽捜査」シリーズで第2回吉川英治文庫賞を受賞。著書多数

長生きするためにワクワク感を持つこと、老化を減退させる効果があろうと意識して背筋を伸ばすこと、今の自分より10歳年下の体力を維持していくこと、合わない人とは無理にして付き合う必要はないこと、頼まれたことは積極的に引き受けてみること。等々人生を整える秘訣がいくつも書かれてあります。

 

そもそも幸せに生きていくために、いますべきことはなんでしょうか!

その答えは、先輩たちが書かれた本の足跡にあります。

少し前を歩いている人がやっていることのなか、自分に合うことを見つけて自分がやりたいことをまずは真似していけばよいのです。

しばらくやってみて合わなければやめればよいし、よかったら続けていけばよいと思っています。

197P

「私は、人生は明るく、楽しいのが一番だと思っています。

足りないものを数えたらキリがありません。

自分にあるものを、見つけることが、幸せな人生を送る秘訣とも言えます。

不安がいっぱいのときこそ、自分にあるもの、足りているものを整えていきましょう」

 

いまから第二の人生を楽しみにしています。

読書、朝活、資格取得、仕事などで、自分の好きなことをして生きていこうと考えています。

8P

「90歳の私でも、これからの楽しみがあるのですから、私より若いあなたであれば、これからがそれこそ、楽しみです」

 

「見た目」「体」「心」「人間関係」「働き方」「環境」「お金」の7つの章に分けて、70歳から櫻井さんが実践してきた人生の整え方を紹介しています。

 

 <目次>

はじめに 70歳になったら、人生を整えることを始めましょう

第1章 「見た目」を整える―いくつになっても、若々しい人!

第2章 「体」を整える―自分のリズムを守って、健康を保つ!

第3章 「心」を整える―何事もプラス思考で、乗り越えよう!

第4章 「人間関係」を整える―少しずつ、つき合い方を変えていこう!

第5章 「働き方」を整える―いまだからできることを、やっていこう!

第6章 「環境」を整える―動きやすさを、優先しよう!

第7章 「お金」を整える―残すお金についても、考えておこう!

おわりに 足るを知ることで、70歳からが楽しみになる

 

1931年、東京生まれ。東京外国語大学を卒業後、光文社に入社。遠藤周作、川端康成、三島由紀夫、松本清張など文学史に名を残す作家と親交をもった。31歳で女性週刊誌「女性自身」の編集長に抜擢され、毎週100万部発行の人気週刊誌に育て上げた。55歳で独立したのを機に『女がわからないでメシが食えるか』で作家デビュー。以来、著作は210冊を超える

古事記は、日本人ならば知っておくべきおはなしでないかと。

しかし、難しい名前の神さまがたくさん出てくるのでなかなか覚えきれません。

(覚える気がないのです(笑))

 

伊勢や熱田の神宮にお参りしたとき、アマテラスなどそこに由緒ある説明として固有名詞を聞いたことがあったり、目に入ったりしてきた程度の浅はかな知識です。

 

ときどきあのストーリーがどうだったかと忘れてしまい首を傾げたりしていました。

児童向けの本を読んだりして、それぞれどんなお話だったのかを頭の片隅においておければしめたものかと思います。

 

イザナギやイザナミから、天の岩戸、ヤマタノオロチ、因幡の白兎などおなじみの有名な神話がわかりやすく描かれています。

 

小学生だけでなく、おとなの僕でも読みたいためになる物語でした。

 

 <目次>

物語ナビ

古きことの始まりのお話

イザナギとイザナミ

黄泉の国

天の岩戸

ヤマタノオロチ

いなばの白ウサギ

根の国の物語

小さな神さま

コノハナサクヤひめ

ウミサチとヤマサチ3

おしまいの話

物語について 那須田淳

日本の名作にふれてみませんか 加藤康子

 

那須田 淳

1959年静岡県浜松市生まれ。早稲田大学卒業。著作に『ペーターという名のオオカミ』(小峰書店、産経児童出版文化賞)など多数。日本ペンクラブ会員。ドイツ・ベルリン市在住。青山学院女子短期大学非常勤講師

 

加藤康子

愛知県生まれ。東京学芸大学大学院(国語教育・古典文学専攻)修士課程修了。中学・高校の国語教員を経て、梅花女子大学で教員として近代以前の日本児童文学などを担当。その後、東海大学などで、日本近世文学を中心に授業を行う

 

よん

新潟県生まれのイラストレーター

 

【No.1101】古事記 日本の神さまの物語 10歳までに読みたい日本名作 那須田 淳 Gakken(2022/01)

「備えあれば患いなし」

亡くなる前から万が一のことについて、想定しておくべきではないかと思います。

 

財産が多くない場合でも、残った財産を巡って家族同士でもめるケースが増えています。

相続が争族とならないためにすべきことがあります。

親の遺産を相続する権利は、法律的にはすべての子に均等に与えられています。

財産を築いた親自身の意思が尊重されるべきだと思います。

この意思を明らかにして効果をもたらせるための手段が自筆証書遺言や公正証書遺言などの遺言書なのです。

 

さて、2018年に民法の大改正がありました。

・残された妻が自宅に住み続けるやすくなった-配偶者居住権の創設(登記)、配偶者短期居住権(6ケ月間)

・残された妻が自宅以外の財産を受け取りやすくなった-婚姻期間20年以上の場合で自宅を生前贈与したら遺産分割から除外できる。特別受益の持戻し免除の意思表示の推定。

・遺言書の作成と保管が便利になった-自筆証書遺言のうち財産目録はパソコンでの入力や預貯金の口座の通帳コピー可となった。法務局で自筆証書遺言を保管してもらえることなど。

・遺言で権利侵害された側が話し合いをしやすくなった-遺留分侵害額請求権

・親族のなかの相続人以外が行った介護が報われやすくなった-特別寄与分の請求権

・故人の預金が引き出し可能となった-家庭裁判所の判断がなくても相続預貯金額の3分の1まで引き出せる。金融機関ごとに150万円が上限。等々。

 

生命保険金の非課税枠活用、貸家建付地に対する小規模宅地等の特例、配偶者控除、障害者控除、未成年者控除、相次相続控除、養子縁組、事業承継などの相続税の対策もあります。

税務署では納税が少ない場合は厳しく追及されますが、納めすぎはほとんどチェックされません。

また申告前に節税のアドバイスはしてくれないそうです。

 

知っていれば得する話です。

知らなければそのままで損をしてしまう可能性があるってなんかおかしいなと。

餅は餅屋でしょう。

身近にいるファイナンシャルプランナーや、行政書士、社労士、弁護士、税理士などに相続してみるべきかなと。

節税などのお得な情報をたくさん持っている専門家に相談してみるのが得策であり上手な生き方だと思います。

 

 <目次>

はじめに 

序章 相続と遺言はこう変わった!40年ぶりの相続法大改正

第1章 親子で一緒に考える!円満相続の準備

第2章 これで安心!相続のキホン

第3章 これで万全!遺言書のキホン

第4章 “争族”トラブルを回避する!遺言書作成のポイント

第5章 元国税調査官が教える!相続税対策のポイント

第6章 相続対策は自分でできる?専門家活用のポイント

あとがきにかえて

 

ベンチャーサポート相続税理士法人

全国18拠点展開する「相続サポートセンター」の中核である、相続税専門の税理士法人。年間申告1500件は2021年現在、全国第4位の実績。相続サポートセンターは税理士のほか、弁護士、司法書士、行政書士、社労士、不動産売買などの専門家と連携し、相続に関するあらゆる悩みにワンストップで対応している。相続税申告、生前対策、遺言書作成、登記変更、不動産売買、遺産分割協議、事業承継などの業務を専門とする。

 

【No1100】親子で知っておきたい はじめての相続と遺言 相続争いを回避し、相続税を節税するためのポイント〈令和版〉改正相続法対応!ベンチャーサポート相続税理士法人 合同フォレスト(2022/01)

目から鱗が落ちました。

うすうす気づいていました。

ただ多くの本を読んでいるだけでは、決して頭が良くならないのです。

読書はあくまでも他人の考えを知るための行為であって、むしろ読書をしすぎることは自分の思考停止につながるのだと。

 

前半には思考の大切さとその方法が、後半ではその手順と応用力について書かれていました。

 

現在の教育は、生徒に対して知識を与えるだけで、思索があまり重要視されていないことを指摘していました。

コンピュータの普及により人が必要とするものは単なる知識の蓄えではなく、知識を道具として発展させる思考力向上なのです。そのように変化していくのです。

知識を生み出す思索、自分の頭で考える力を身に着けるためには、読書時に、対話する、問いかけるなどの大切さを確認することができました。

 

31P 読書は他人の思索の痕跡をなぞっているだけ

読書は言ってみれば自分の頭ではなく、他人の頭で考えることである。絶えず読書を続けて行けば、仮借することなく他人の思想が我々の頭脳に流れ込んでくる。ところが少しでも隙も無いほど完結した体系とはいかなくとも、常にまとまった思想を自分で生み出そうとする思索にとって、これほど有害なものはない。

 

37P

他人の残した足跡だけを追いかけるという思考の様態は、極めて従属的な性格を有しているものです。これは、知識によって思考が支配されている状態であると言えます。こうした状況になってしまっている人の頭を「他人の思想の運動場」と表現したショーペンハウアーの洞察は、まさに慧眼であると言えるでしょう。

 

40P

私たちは、知識を獲得するプロセスと、自分の頭でものを考えるプロセスを分けて考えなければなりません。言い換えれば、「知識」を収集することが本質ではなく、そうした知識を生み出す思索を自ら行うことこそが、人間の知性にとって最も本質的なのです。

 

43P

書物から知識を受容するという一方的な読書法ではありません。そうではなく、書物に対して問いを投げかけながら読書するという双方的な読書法こそが、思索する精神には求められているのです。

 

 <目次>

はじめに 答えなき時代に求められる「独学」力

「考える」とはどういうことか?―ショーペンハウアー『読書について』から考える

第1部 原理編―五つの「考える技術」(問いを立てる力―思考の出発点を決める、分節する力―情報の質を見極める、要約する力―理解を深める、論証する力―論理を繋げて思考を構築する、物語化する力―相手に伝わる思考をする)

第2部 応用編―独学を深める三つの「対話的思考」(「問い」によって他者に寄り添う―対話的思考のステップ1、「チャリタブル・リーディング」を実践する―対話的思考のステップ2、他者に合わせた「イメージ」を用いる―対話的思考のステップ3)

おわりに

 

1994年、東京都生まれ。2017年、上智大学文学部史学科卒業。2019年、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(比較文学比較文化分野)修士課程修了。現在、同大学院博士課程、および日本学術振興会特別研究員DC1、「東京大学共生のための国際哲学研究センター(UTCP)」リサーチ・アシスタント。専門は哲学(とりわけポール・リクールの思想)。2019年、日本哲学会優秀論文賞受賞。2021年、日仏哲学会若手研究者奨励賞受賞

 

92P「額装は高名な画家や美術館だけのものじゃない。ごく普通の一般家庭で、もっと日常的に楽しめるはずなんだ。子どもの描いた絵でも好きな人からもらったポストカードでも、気持ちいいなと素直に思えるものがいつもそばにあるって、すごく豊かなことだよ。額の良さを、その技術を、できるだけたくさんの人に見せて伝えていきたいって思うんだ。世間一般にとって、もっと身近な存在になるように知らせていきたいんだ。それが、俺の夢だね。人の営みと共に絵があり続ける、真の豊かな生活」

 

エスキースといっしょに癒されました。

「お探し物は図書館まで」もよかったけどこれもよい作品です。

安心して読めて、やさしくほっこりする物語が好きです。

おわりにはほろっと涙がこぼれるような温かい気持ちになりました。

 

表紙の裏には、エスキースがありました

長い髪の毛と赤のブラウスが四分の一ほどのサイズで見えてきます。

青味がかったシックなゴールドの額縁の四隅には、瀟洒な羽根の線刻があります。

 

このエスキースが毎回出てきます。

各章を繋げる重要な役割を果たしています。

エスキースとは、下絵のこと。

本番の前に構図を取る目的として描かれるものです。

 

一枚のエスキースを軸にして、さまざまな二人の関係が描かれています。

各章の語り手となる人物とその人物に対するもう一人の関係を深く堀り下げていきます

 

赤と青、レイとブー、茜と蒼の対比は、素晴らしい仕掛けだと思いますね。

 

35P「生命力って、生きる力じゃなくて、生きようとする力のことだよ」

 

 <目次>

プロローグ

一章 金魚とカワセミ

二章 東京タワーとアーツ・センター

三章 トマトジュースとバタフライ

四章 赤鬼と青鬼

エピローグ

 

1970年生まれ、愛知県出身。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。第28回パレットノベル大賞佳作受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。『お探し物は図書室まで』が2021年本屋大賞2位に選ばれる。

 

読んでいて頭に残った「(人との)繋がり」や「マイノリティ」のほかには、「多様性」が状況を理解するための重要なワードだった。

最初に出逢った文章で、途中で戻ってきてもう一度読み返したところだ。

6P

「多様性、という言葉が生んだものの一つに、おめでたさ、があると感じています。

自分と違う存在を認めよう。他人と違う自分でも胸を張ろう。自分らしさに対して堂々としていよう。生まれ育ったものでジャッジされるなんておかしい。

清々しいほどのおめでたさでキラキラしている言葉です。これらは結局、マイノリティの中のマジョリティにしか当てはまらない言葉であり、話者が想像しうる“自分とは違う”にしか向けられていない言葉です。

想像を絶するほど理解しがたい、直視できないほど嫌悪感を抱き距離を置きたいと感じるものには、しっかり蓋をする。そんな人たちがよく使う言葉たちです。」

 

「正欲」

正しい性欲とは何か?

異性に対して性的な欲望を抱くことだけが正しいとされている世界に対して疑問を投げかけているように思う。

 

想像の外にある人々に対して、得も言えぬ違和感があった。

思いもよらない考え方や性癖、文化を持っている人がいた。

安寧な場所から眺めている、安住の地にいるものから、あまり変にしゃべらないほうがよいと思うところで、自分が理解できる想像しうる最大の範囲内で、この多様性のようなものにどう対処すればよいのかと考えてみた。

 

例えば、読書会の参加時のように対応すればよいのではないか。

「こういう考え方の人がある。

そういう思いがあることは認める。

自分の考えと反する相手の考えは否定しない。

自由な意見を発表できることを歓迎する。」

 

普通の恋愛、異性愛など、多数派としてのマジョリティ。

少数派のLGBTQ等のマイノリティ。

マジョリティのなかのマイノリティ。例えば、年齢の高低差など

マイノリティのなかのマイノリティ。特殊で異常な性癖。この物語の事例だ。

 

マジョリティ以外は、簡単に理解することができない。

第三者の目や客観的に見ても、そう簡単にはわからない。

それぞれの境界を越えて理解し触れ合うための緒に、誰かおせっかい焼きが必要となろうかと。

 

諸橋大也と神戸八重子との話し合いの例がヒントとなった。

違う意見を持つ者同士が、感情を込めて直接対決させる大切さを。

互いの言い分をどう受けとるのか。

そこから発展して何を感じとるのか。

立ち止まっていっしょに考えるよい機会となると思う。

重要な点は、「対話」にあった。

 

人々に関わり会わなければ、何も業際で火花が散ることがない。

その半面、何も関係がないのならば、同じものを抱えた人々をそのままにしておいてよと。

できれば、諸橋大也や佐々木佳道の発言にあったとおり「ほっといて」

そっとしておいてあげればよいのではないかなと思ったりする。

 

マジョリティとマイノリティは、かなりの度合いで決して分かり合えるものではない。

マジョリティ間でも同様だが、他人同士では同じものを見ているようでじつは見ていないのだ。見ている視点が違うし感じ方が微妙に違うからだ。

だから、両者間では、かなり共感や同感できるものでもない。

自分とは違う人々がいるということだけを、まずは第一段階で認識したい。

 

「反社会的でない限り」、

「公序良俗に反しない限り」、

「社会福祉の範囲内において」、

行動をするように!とできれば最後に付け加えて伝えたい。

 

寺井啓喜、桐生夏月、神戸八重子の3人の随筆が長くて、一回目は途中で読むのを挫折してしまった。

読書会の課題本のために再び読みなおした。

人から人への章を渡るときの文中のつながりの楽しい仕掛けに気づいてから、今度は最後まで一気に読み通すことができた。

 

表紙のカモは、何を意味しているのか?

カモの足には、銀色のリングがつけられている。

ワイヤーに吊るされて、下に伸びていくかのように見えた。

表紙から物語全体にどんな暗示をしているのか考えるのも一興だ。

 

登場人物のなかでは、どちらかというと、検事の寺井啓喜のように自分の考えが正しいという堅い生き方をしてきたように思える。

読書会に参加したときのように、自分とは違う意見に聞く耳を持てるように対応していければ、自分には更に成長の変化が訪れると思った。

 

1989年、岐阜県生まれ。小説家。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で第148回直木賞、14年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を受賞

今も続くウクライナとロシアとの戦いを頭の中でなんども重ねた。

映像で残骸を何回も見ることがあった。

兵士同志だけでなく、民間人を巻き込んだ殺戮状態。

読みながら頭から離れない映像。

戦争においては当たり前の光景なのだろうが慣れることができない。

 

ウクライナ人とロシア人は先の大戦では、ナチスドイツに対してともに戦った同志だ。

この物語のなかに気になる表現を見つけた。

これが事実だったとしたら!?

根は深いものとなる。

78P

思わずオリガの顔色をうかがった。

いつもの愛想のいい笑みを浮かべて、彼女は話した。

「ウクライナがソヴィエト・ロシアにどんな扱いをされてきたか、知ってる?なんども飢饉に襲われたけれど、食糧を奪われ続け、何百万人も死んだ。たった20年前の話よ。その結果ウクライナ民族主義が台頭すれば、今度はウクライナ語をロシア語に編入しようとする。ソ連にとってのウクライナってなに?略奪すべき農地よ」

 

上手い表現だ。

実際に射撃を実践してみないと分からない感覚のように思える。

134P

アヤがセラフィマと目を合わせた。漆黒の瞳に吸い込まれそうな気配がした。

「お前も猟師だったなら覚えがないか。射撃の瞬間の境地。自分の内面は限りなく無に近づき、果てしない真空の中に自分だけがいるような気持ち。そして獲物を仕留めた瞬間の気持ち。そこから、いつもの自分に帰ってくる感覚」

セラフィマは息をのんだ。自分だけが知るものと思っていた、言いようのない感覚を、他人に言語化されたことに衝撃を覚えた。

 

大切なのは、命だ。

修羅場を乗り越えた人でしかないとわからないもの。

犠牲を払ってやっと気づいた。

間違った行為は、歴史から切に学ばないといけない。

477P

セラフィマが戦争から学び取ったことは、800メートル向こうの敵を撃つ技術でも、戦場であらわになる究極の真理でも、拷問の耐え方でも、敵との駆け引きでもない。

命の意味だった。

失った命は元に戻ることはなく、代わりになる命もまた存在しない。

学んだことがあるならば、ただこの率直な事実、それだけを学んだ。

もしそれ以外を得たと言いたがる者がいるならば、その者を信頼できないとも思えた。

アヤと、オリガと、ユリアンやボクダン、マクシム隊長と出会い、死によって別れた。

そして自らが百人の敵の命を奪った。

それを語ることができるのならば、彼女に会いたいと思った。

 

第二次世界大戦時の独ソ戦の戦いの記録。

読み手には、手に汗握る緊張感や臨場感を容赦なく伝えてきた。

生死の狭間にすっと引き込んできてくれた。

当時のソ連に実在した女性狙撃手を題材とした史実を絡めた重厚で凄みのある物語だった。

 

 <目次>

プロローグ

第一章 イワノフスカヤ村

第二章 魔女の巣

第三章 ウラヌス作戦

第四章 ヴォルガの向こうに我らの土地なし

第五章 決戦に向かう日々

第六章 要塞都市ケーニヒスベルグ

エピローグ

主要参考文献

謝辞

推薦のことば

第11回アガサ・クリスティー賞謝辞

 

1985年生まれ。明治学院大学国際学部国際学科卒、『同志少女よ、敵を撃て』で、第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー。埼玉県在住。

人は、そもそも性善説なのか性悪説なのか!

我々には、両親や先人から受け継いできたDNAがあります。

同時に生まれてきた双子でもそれぞれ個性があって性格が違います。

また育ってきた環境が人に影響することは間違いないとは思いますが、その結論は出ていません。

 

実態を知りたかったからです。

少年犯罪は年々増加して凶悪化しているという話を聞いたことがあります。

この本によると「少年犯罪は、2013年以降減少して戦後最少を記録している。凶悪化もしていない。イメージが一人歩きしている。過半数を占めているのは、万引きなどの窃盗罪である」

 

2022年4月からの18歳成人に合わせて少年法も変わりました。

少年法の第1条には、

「この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする」とあります。

少年の健全な育成、矯正、保護処分などの文字からすると、犯罪に対する刑罰を与えるのが目的ではなく、少年が立ち直るための諸手続きが進められていることがわかります。

 

前半は、3人の事例を通じて少年院送致、保護観察などの少年法の手続や処遇の違いなどについて説明がありました。

後半は、「「万引き」は犯罪ですか?借りたものを返さないのは犯罪ですか?うそをついたら犯罪ですか?」など、Q&A形式で学生が質問しそうなことを取りあげてわかりやすく回答しています。

 

親から必要な家事や育児をしてもらえない。

家族から暴力をふるわれている。

家にお金の余裕がなく、友達と満足に遊べない。

家族の介護をしている。

いじめられている。

不良仲間しか信じられる人がいない。

障害があるのに十分な支援を受けられていない。等々。

罪を犯してしまう少年たちの多くが困難な環境におかれてきています。

少年の一部を除いて、多くの少年を大人と同じように厳しく扱うことは、彼らの未来や社会にとって望ましいことなのかどうかは自明なことなのでしょう。

起こした犯罪内容、育ってきた環境事情等を総合的に斟酌して判断すべきですが、立ち直る可能性がある少年にはその機会を奪うことがないように十分に配慮する方向性が間違っていないものだと思います。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 少年法ってなに?(法律は一人ひとりを大切に守るためのルール、刑罰の内容や裁判の手続きも法律に定められている、刑罰を与えるのではない「少年法」 ほか)

第2章 ストーリーで学ぶ 少年法のしくみ(少年事件の主な流れ、STORY1 保護観察―家に帰りたくない ケイタの場合 STORY2 少年院送致―不良グループの中で コウスケの場合 ほか)

第3章 少年法Q&A(「万引き」は犯罪ですか?借りたものを返さないのは犯罪ですか?うそをついたら犯罪ですか? ほか)

少年法全文

 

山下敏雅

弁護士。永野・山下・平本法律事務所。東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する特別委員会、東京都児童相談所協力弁護士、東京都児童福祉審議会委員

牧田史

弁護士。アリエ法律事務所。東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する特別委員会、一般社団法人若草プロジェクト・理事、子どもの未来を考える若手弁護士ネットワーク

西野優花

弁護士。早稲田リーガルコモンズ法律事務所。東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する特別委員会、NPO法人ストップいじめナビ、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)事務局次長

小川さんは、公認会計士であり、彼の経験から「英語、IT、会計」のスキルがこれから必要だという。

会計の知識と会計思考(21世紀を生きる社会人の教養)で、学びのフローとストックの流れを止めず、レバレッジをきかせて、さらに「プロフェッショナルな自由人」として成長していくつもり。

 

会計の知識は、生きているときに超強力な武器となります。

突出した一つのスキルを持っていればかなり強い。

だから、荒波のなかでも人生を自分の思うように描いて生きてゆける。

144P 

世の中で活躍するマルチクリエイターと呼ばれる人たちって、実は「人には負けない、なにか突出したスキル」を最低でも一つは持っている。すべてが中途半端だと、器用貧乏にはなれるけど、ただ時間だけ無駄に消費するおそれがあります。

 

税理士や公認会計士などの会計思考が豊かな人は、3つの視点が得られます。

この3つの視点が身につくならば、世の中での選択の幅が広がって人生最幸となります。

58P 会計を学ぶと自由な思考が手に入る

会計を勉強していくと、会計思考が身につきます。

会計思考で身につくのは、

①  長期的視点。②複眼的視点、③客観的視点の3つの視点です。

視点が増えることで選択肢が増えたり、選択肢を決めるときの精度が上がることがメリットです。

 

会計でいちばん大切な3点。

・会社の外に儲けを報告しよう! (財務会計)

・数字を見て、経営の目標を決めよう! (管理会計)

・お金を集めてこよう! (ファイナンス)。

 

財務会計、管理会計、ファイナンスなどの会計の「超」入門書です。

会計のことを広く浅く俯瞰して眺められました。

・P/L、B/S、C/Sってなに?

・単式簿記と複式簿記のちがいはなにか?

・決算書のどこを読めばよいのか?

・あの会社は儲かっているのか?

・黒字だと経営は安心だが、赤字になるとどうなるのか?

・FPや簿記、税理士など、お金系の資格は、人生に有利なのか??

 

投資、簿記、会計についてわかりやすく書かれてあります。

なにより簡単で砕けた内容で読みやすいのがよい。

これからの資格取得のほか、毎日の生活のなかで会計知識を活用していきたいと思っています。

 

 <目次>

ふだんの生活にも!資格取得にも!超役立つ「会計」のヒミツ

1 会計ってなんですか?ザックリ!会計の「全体像」をつかむ!(そもそも「会計」ってよくわからん!、なんのために会計ってあるの? ほか)

2 知識ゼロでもサクッと!決算書を読めるようになろう!(P/LとB/Sは「フローとストック」の関係、財務会計のキホン1 「記録」の大きな流れを見てみよう! ほか)

3 ゆる~く!簿記のキホンを学ぼう!(「借方」「貸方」ってなに?「借方」と「貸方」は常に同額! ほか)

4 スルッと!管理会計の定番手法を覚えよう!(「経営改善」のための分析テクニックを知ろう!、いろいろな種類がある「収益性分析」 ほか)

5 らっくらく♪ファイナンス理論のキホンを知ろう!(かならず覚えたい!「貨幣の時間的価値」、「DCF法」で投資判断をしてみる ほか)

 

 

YouTuber会計士。税理士法人小山・ミカタパートナーズ代表。同志社大学卒業後、最大手監査法人デロイト・トウシュ・トーマツで勤めたのち、独立。「型破りな会計士」としてYouTubeでは熱狂的なファンに支えられ、再生回数は異例の1000万回を超える。母校でもある資格の学校TACで人気講師として活躍中。

 

 

【No1094】ぶっちゃけ会計のことがまったくわかりません…―YouTuber会計士がゆるーく教える会計「超」入門 小山晃弘 飛鳥新社(2021/09)