人は、そもそも性善説なのか性悪説なのか!
我々には、両親や先人から受け継いできたDNAがあります。
同時に生まれてきた双子でもそれぞれ個性があって性格が違います。
また育ってきた環境が人に影響することは間違いないとは思いますが、その結論は出ていません。
実態を知りたかったからです。
少年犯罪は年々増加して凶悪化しているという話を聞いたことがあります。
この本によると「少年犯罪は、2013年以降減少して戦後最少を記録している。凶悪化もしていない。イメージが一人歩きしている。過半数を占めているのは、万引きなどの窃盗罪である」
2022年4月からの18歳成人に合わせて少年法も変わりました。
少年法の第1条には、
「この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする」とあります。
少年の健全な育成、矯正、保護処分などの文字からすると、犯罪に対する刑罰を与えるのが目的ではなく、少年が立ち直るための諸手続きが進められていることがわかります。
前半は、3人の事例を通じて少年院送致、保護観察などの少年法の手続や処遇の違いなどについて説明がありました。
後半は、「「万引き」は犯罪ですか?借りたものを返さないのは犯罪ですか?うそをついたら犯罪ですか?」など、Q&A形式で学生が質問しそうなことを取りあげてわかりやすく回答しています。
親から必要な家事や育児をしてもらえない。
家族から暴力をふるわれている。
家にお金の余裕がなく、友達と満足に遊べない。
家族の介護をしている。
いじめられている。
不良仲間しか信じられる人がいない。
障害があるのに十分な支援を受けられていない。等々。
罪を犯してしまう少年たちの多くが困難な環境におかれてきています。
少年の一部を除いて、多くの少年を大人と同じように厳しく扱うことは、彼らの未来や社会にとって望ましいことなのかどうかは自明なことなのでしょう。
起こした犯罪内容、育ってきた環境事情等を総合的に斟酌して判断すべきですが、立ち直る可能性がある少年にはその機会を奪うことがないように十分に配慮する方向性が間違っていないものだと思います。
<目次>
はじめに
第1章 少年法ってなに?(法律は一人ひとりを大切に守るためのルール、刑罰の内容や裁判の手続きも法律に定められている、刑罰を与えるのではない「少年法」 ほか)
第2章 ストーリーで学ぶ 少年法のしくみ(少年事件の主な流れ、STORY1 保護観察―家に帰りたくない ケイタの場合 STORY2 少年院送致―不良グループの中で コウスケの場合 ほか)
第3章 少年法Q&A(「万引き」は犯罪ですか?借りたものを返さないのは犯罪ですか?うそをついたら犯罪ですか? ほか)
少年法全文
山下敏雅
弁護士。永野・山下・平本法律事務所。東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する特別委員会、東京都児童相談所協力弁護士、東京都児童福祉審議会委員
牧田史
弁護士。アリエ法律事務所。東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する特別委員会、一般社団法人若草プロジェクト・理事、子どもの未来を考える若手弁護士ネットワーク
西野優花
弁護士。早稲田リーガルコモンズ法律事務所。東京弁護士会子どもの人権と少年法に関する特別委員会、NPO法人ストップいじめナビ、福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)事務局次長
