女性用風俗、略して女風。
以前のような有閑マダムではなく、一般の大学生や専業主婦、会社員のような普通の女性たちが顧客だという。
また、女風の男性従業員を男娼ではなく「セラピスト」と呼んでいる。
ことばで癒しのイメージチェンジを図っているように見受けられた。
女風を利用した女性たちに対して、著者が体当たり的に取材したレポ記だった。
女性がどんな状況や動機でこういう買う側に至ったのか。背景はどうなっているのか等一体この日本で何が起きているのか興味を持ったのだった。
30P 自分と向き合うのは自分しかいないのだ。
122P「女性用風俗を利用するお客様の目的は、性欲やストレスの解消、寂しさの解消、経験豊富なセラピストに触れてみたいという興味ですね。心を満たされたいという方が七割で、純粋な性欲解消が三割といったところです。一番は、心の安定だと思います。」
130P 現代社会が女性にとって逃げ場のない戦場であること、女性たちが心身両面での救いを切実に求めていることの、残酷な証なのかもしれない。
190P 私も、女風の利用者の女性たちを取材していて、ある共通点があることに気づいた。彼女たちは、誰もが羨むような豊かな感受性と美しさを持ち合わせていた。彼女たちには、時には刹那的な危うさや無防備さを感じるときもあった。それでも自分の内側から湧き上がってくる純粋な衝動に真っ向から向き合う女性たちは皆どこか突き抜けていて、輝いて見えた。
ひとはそれぞれ個性が違うし考え方も違うのは当たり前だ。
人知れず悩みを抱えているものであり。
光の箇所だけでなく陰の部分もある。
別にいいんじゃないか。
他人に迷惑を掛けなければ。
心が満たされない、寂しさの解消のためにというのがとても印象深く残った。
救いのようなものを求める方法は、各人それぞれ違っている。
方法はどれが正しくて、それがよいのかどうかは疑問。
世の中になにかしら深い病巣があるのではないかというように見えてきたのだった。
<目次>
まえがき 買う女たちの背景に何があるのか
第1章 処女と女性用風俗
第2章 妻として母としての人生では満たされない欲望
第3章 女風を提供する人々の思い
第4章 セラピストたちの思い
あとがき 現代社会を生きる彼女たちへのラブレター
巻末対談 「同じ世界に入る」ことの享楽(宮台真司;菅野久美子)
性と死をみつめるノンフィクション作家。1982年、宮崎県生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒









