28P 老後ひとり難民の問題の現状を知り危機感を共有する。現状で取りうる対策を考える。今後社会が進むべき方向を考える。
いまは家族が一緒に暮らしていても配偶者が先に亡くなりひとりになる可能性はあります。おひとりさまを含めて心の準備はいまからしておくべきかと思います。
配偶者や子どもなどの身元保証人がいない高齢者を「老後ひとり難民」と呼んでいます。
将来起こるべきトラブルを回避する方法や安心して老後を送れるやり方などを検討していました。
例えば、老後ひとり難民と呼ばれる人が、介護施設にお世話になったときに、お金の管理、アパートや携帯や公共料金の支払い、ペットの世話、庭木の手入れ等々はその後どうなるのでしょうか。
年金制度もそうなのですが、介護保険は社会の変化に応じても変わっていくべきです、そうしないとどこかにひずみがでてきています。現状のままではいつか対応ができなくなるのです。それをカバーするためにはケアマネージャーや施設や行政かどこかにしわ寄せが必要となってきて実際にそうしなければ制度が動いていきません。
この世の中は世代間での同居が少なくなり核家族が進行しています。法律を作ったときには想定しなかった「老後ひとり難民」問題が起きているのは当然のことなのです。
45P 介護保険は「面倒を見られる家族がいること」を前提に作られている
在宅介護が望ましいとされてきたのも、あくまで家族が介護をある程度担うことが前提となっていたからです。介護保険制度は、家族がいることを前提にその負担を軽減するために外部サービスの利用を想定して作られたものだったといえます。
介護を担える家族がいないケースにおいて、要介護者の方にどのように対応するのか、十分に想定していなかったとも言い換えられます。
多くの問題が想定されます。
122P 老後ひとり難民が亡くなるとどんな問題が生じるか
・病院や介護施設の費用の精算
・亡くなったあとの家の片づけ、家財の整理処分
・公共料金、各種サービスなどの停止手続き
・遺体の引き取り
・火葬と埋葬の問題 等々
その人ができるような形で、できればずっと社会とつながっていくことです。
たとえひとりになってもなんとかなるのではないかと思われますが、大きな課題の解決にはならないのかなと。
201P 老後ひとり難民にならないために最も大切なこと
ボランティア活動や趣味のサークル参加など近隣や地域社会とのつながりがあると気づいてくれる可能性が高まる。働けるのなら働く、顔見知りを増やすなど。
<目次>
プロローグ 老後ひとり難民とは何か
第1章 高齢者を支える制度は、何を見落としてきたのか(2000年まで「介護」の概念は一般的ではなかった、保険料を払っているのに「介護保険を使いたくない」という人たち ほか)
第2章 公的制度からこぼれおちる「老後ひとり難民」たち(普通に暮らす高齢者がある日、突然「老後ひとり難民」になる、認知症の人は症状を隠そうとすることも多く、気づかれにくい ほか)
第3章 「老後ひとり難民」が“死んだあと”に起きること(「老後ひとり難民」が亡くなると、どんな問題が生じるか、「老後ひとり難民」が亡くなった場合、誰が死亡届を出すのか ほか)
第4章 民間サービスは「老後ひとり難民」問題を解決するのか(身元保証や死後のあと始末を行う民間サービスはどのようなものか、「身元保証等高齢者サポート事業」の実態 ほか)
第5章 「老後ひとり難民」リスクの高い人がすべきこと(終活のポイントを整理し、一つずつ取り組む、いつ、何を、どう始めるか? ほか)
おわりに
沢村香苗さん
日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト。精神保健福祉士、博士(保健学)。東京大学文学部行動文化学科心理学専攻卒業。東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻博士課程単位取得済み退学。国立精神・神経センター武蔵病院リサーチレジデントや医療経済研究機構研究部研究員を経て、2014年に株式会社日本総合研究所に入社。2017年よりおひとりさまの高齢者や身元保証サービスについて調査を行っている









