朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -26ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

現代は大衆迎合的な姿となっているのかどうか。

賞味期限が切れたものは、廃棄されることが多い。

民主主義が進んでいくなかで危険性のあるひとつの面があろうかと思う。

 

14P 民主主義には賞味期限があるという現実 民主主義と独裁制は矛盾しない、相性がよくなる場合がある。

古代ギリシャの例より、僭主政→寡頭政→民主政→衆愚政(ポピュリズム、大衆迎合主義)→王政、独裁政へ。

現在は衆愚政となってきている。衆愚政に傾いたとき、国民の不満は、強い権力、権威、カリスマ性を求める方向へ進みます。

アメリカのトランプ人気、ヨーロッパでの極右政党の躍進といった現象を見ても、このことが理解できます。

こうした現象を言い表すならば、民主主義の賞味期限が切れつつあるということです。

それが本書で一番訴えたいことの一つです。

 

 

 <目次>

序章 私たちの民主主義、その限界に気づいているか?(そもそも、民主主義って何だろう?民主主義には賞味期限がある、という現実 ほか)

第1章 民主主義を蝕むものとは何か?(自由と平等をつなぐ「友愛」、民主主義に政党は必要なのか? ほか)

第2章 経済は民主主義を救えるか?(古典的自由主義と新自由主義は何が違う?新自由主義が生み出す「格差」の罠 ほか)

第3章 民主主義はグローバリゼーションと共存できるか?(「生産する国」と「消費する国」グローバリゼーションって結局どういうこと? ほか)

第4章 ITは民主主義をどう変えるか?(インターネット投票がもたらす危険とは?民主主義を分断しかねない「情報過多」 ほか)

引用・参考文献・ウェブサイト一覧

「民主主義の危機」を理解するための10冊の推薦図書 佐藤優選

「民主主義の危機」あとがき

 

佐藤優さん

1960年、東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官。1985年、同志社大学大学院神学研究科修了。外務省に入省し、在ロシア連邦日本国大使館に勤務。その後、本省国際情報局分析第一課で、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴され、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月、執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞。大宅壮一ノンフィクション賞受賞

 

【No1715】民主主義の危機(学び直しの時間) 忍び寄るポピュリズムと強権主義 佐藤 優 Gakken(2024/10)

 

表紙に描かれた雷のような奇抜で色とりどりの美しい犬の絵に惹かれる。

 

番犬のローデシアン・リッジバックの「虎」。

一歩間違えば本能をむき出して攻撃して人を大怪我を負わせてしまうような危険性のある怖い猛獣だった。まどかといるときには可愛らしくおとなしく従順だった。

アフリカと推測される治安の悪い異国。鉄格子を嵌めた家の中だけが安心してゆったり過ごせる異空間。まどかは父の赴任先の海外で幼いころいっしょに「虎」と暮らしていた。

彼女は大人になっても「虎」のことを引きずっていて忘れることができない。

78P

犬の躰の、みっしりとした感触が手に残っていた。こんがり焼けたパンのような明るい茶色の毛皮。ひさびさに触れた犬の体温と匂いに懐かしさを覚えた。全身で伝えてくる愛となんの曇りもない信頼のまなざし。犬が人に向ける愛情は、他の生き物では代えがたい。その切なさが息を苦しくさせる。

 

まどかが帰国にあたり「虎」を日本に一緒に連れて行けずに別れる結果となったのを後悔しているのがよくわかる。

いまだに夢の中に出てくる、心の傷はなかなか払拭できない、満たされない気持ちがいっぱい伝わってきた。

113P

ただ、一度だけ、「姉ちゃん、生き物を大事にするのはどうしてかわかる?」と訊いてきたことがあった。私はなにも答えなかった。

「答えが返ってこないからだよ。幸せかと尋ねても人間以外の生き物は答えない。だから、日々最善を尽くす。幸せにできているだろうかと常に自分に問うしかない。それができないと永遠に悔いが残るんだ」

そう和は言った。罪滅ぼしをしないのかと問われている気分になった。

 

その一方で、まどかは彼氏から子供が出来たら結婚しようと言われつつ陰でこっそりピルを飲んでいた。幼少期の犬の出産でよくない記憶が残っていればそうトラウマになるのだろうか。

おわりに、穏やかに優しく理解してくれる彼氏と別れず婚約ができたのはよかった。

 

千早 茜さん

1979年生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作で09年に泉鏡花文学賞を受賞。13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で直木賞を受賞

この本のテーマです。

1 自分が探している情報を明確にする。情報収集の計画と情報の特定方法

2 探したい情報を入手する。情報源の種類と使い分け、効率的な抽出方法

3 情報を整理し、アウトプットにつなげる。収集した情報整理とアウトプット方法の実際

 

各章ごとのまとめや図解、ポイントの説明があり、図書館の司書講習で習う内容までの専門的すぎない内容であるため読みやすくてわかりやすいものでした。

司書資格で学んだ国会図書館利用など一部その部分を含んでおり、知らないことやわからないことを調べるための基本的で重要な部分をすべて網羅して十分説明がなされている良本です。

 

4P

この本では、情報収集の基礎スキルや情報リテラシーについて、筆者が実際に大学図書館で話していることをお伝えします。

情報収集の計画を立てることから始め、資料の種類と収集の方法、図書館の使い方など、情報収集と情報リテラシ―に関する基礎的なスキルを網羅的に学んでいただくことができます。

 

時間は有限です。仮説を決めてから情報収集は参考になります。

26P 仮の結論(仮説)を決める

アウトプットに必要な情報を割り出してから情報収集に着手する。

明治大学の齋藤孝氏は、「調べ物をするときはアウトプットを前提にすることが大切」と述べています。「膨大な資料を調べてから論文を書く方法」から、「論文の骨子を決めておき必要な資料を集める方法」に切り替えた結果、1年で6本の論文を発表できるようになったそうです。

情報収集はアウトプットを前提とし、必要な情報を逆算して収集することが有効です。

アウトプットを意識しないと、使わない情報まで集めてしまい、時間を無駄にしてしまいます。

 

 

玉石混交の中から選べる目を養うのは簡単ではありません。

正確性ならば公立図書館で選定された図書のなかからまずは収集します。

80P インターネットで情報を収集する

インターネットのコンテンツは、本や雑誌、新聞などと違い編集や校正・校閲を経ずに発信されることもあるため、情報の質は玉石混交です。正しい情報・有用な情報もありますが、誤った情報・悪意のある情報もあります。

発信者(執筆者)や発信元(公開しているサイト)が信用できるか、内容に誤りがないか、などに注意を払う必要があります。

どんなサイトを選ぶか?

・官公庁及び官公庁に準じる団体のサイト

・企業の公式サイト

・大学のサイト

・研究所(シンクタンク)のサイト

 

調べる人の姿勢が問われているものだと理解しました。

268P 引用された情報は、出来る限り一次情報(オリジナルの情報)まで遡って確認する。情報が切り取られたり、伝えた人の解釈が加わっていたりします。元のオリジナルの情報とは違った情報として伝わることがあるので、出典の情報から情報を確認します。

事実を調査するときには、複数の情報源をチェックする。

統計データを見るときは、全数調査か標本調査課に注意する。など

 

 

 <目次>

はじめに AIもインターネットもあるのに、なぜ情報がすぐに見つからないのか?

第1章 情報収集をする前に(情報収集の3つの要素、情報収集の計画を立てる ほか)

第2章 情報の集め方(情報源の種類と特性、どんな情報を集めるかを調べる ほか)

第3章 図書館を使いこなす(情報収集の場としての図書館、図書館の使い方の基本 ほか)

第4章 情報を吟味する(得られた情報がすべて正しいとは限らない、情報の信頼性の見極め方(基本編) ほか)

第5章 情報のまとめ方(情報は使える形でストックする、引用元と参考文献リストを明示する)

おわりに 

 

 

中崎倫子さん

昭和女子大学図書館司書、昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員、NewsPicksトピックスオーナー

 

 

【No1713】大学図書館司書が教えるAI時代の調べ方の教科書 中崎倫子 中央経済グループパブリッシング(2024/08)

スマホ1台さえ持っていれば、電車や飛行機などを使ってどこにでも行けるし、モノも買えるし食事もできる。相手との連絡もすぐに取ることができるなどとても便利な時代。

西暦2000年のころのIT革命からみると、DX、デジタル化がものすごく格段に進んでいます。スマホやタブレットなどのデジタルデバイスの進化でそれを使った毎日の生活が豊かになってきていることを肌で感じています。

 

団塊の世代が後期高齢者となるときには高齢者比率が際立って目立ってきますし、あわせてデジタルを活用していく後期高齢者が増えていきます。

人生100年時代を見据えて、少子高齢社会で高齢者数やその比率が増えることを悪いと考えるのではなく、それが勝機、チャンスなんだと捉える思考が良い。また、デジタルを使う高齢者ほど、幸せとなり健康的で使えるお金もあるんだという調査結果には納得がいくものでした。

 

1P 2025年は問題ではなく好機だ。

75歳以上、五人に一人が後期高齢者となる。

史上最高、世界最大級の後期高齢者マーケットが誕生する。

高齢者とデジタルの関係について、調査結果を基に考察して、その結果ら高齢者マーケティング攻略の答えを導きだした。

 

43P 令和のシニアマーケは大きく7世代(約5年から10年ごと刻む)

昭和一桁時代、戦後焼け跡時代、キネマ時代、団塊の時代、しらけ時代(昭和25年から35年、ポパイ、JJ世代)、新人類世代、バブル世代の7つ

76P 

高齢者マーケティングでは、高齢者をひとくくりにせず、世代論に基づき、各世代の特徴やトレンド、考え方、価値観などを踏まえたうえで施策を考えることが重要である。

 

115P デジタルの壁の向こう側に市場があり幸福があり

PCやスマホなどデジタルを個人保有し、日常的に使うデジタル高齢者であるほど、人付き合いが多く、頻繁に外出し、生活満足度が高いという結果が出た。また、デジタル高齢者であるほど、健康で、可処分所得も大きくなる傾向がみられた。デジタル高齢者であるほど、お金、健康、退屈、孤独という4大ペインを悩みつつも克服できている。

 

275P デジタルの壁こそが、健康や可処分所得、幸せか否かを隔てる重要なファクターであると分かったことがこの本で一番伝えたい発見だと考えています。

 

 

 <目次>

はじめに 2025年は問題ではなく好機

第1章 アクティブシニア信仰はなぜ崩壊したのか

第2章 高齢者世代論 タモリはキネマ、たけしは団塊、さんまはしらけ

第3章 高齢者調査から見えたのは“デジタルの壁”

第4章 高齢者は「8パターン」アプローチ法決定版

第5章 デジタル高齢者マーケティング実践編

第6章 “特別対談”「80歳の壁」から見た、シニアにおける「デジタルの壁」の重要性(和田秀樹×原田曜平)

おわりに

 

 

原田曜平さん

マーケティングアナリスト。芝浦工業大学デザイン工学部教授。1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年に退職し、マーケティングアナリストとして活動。芝浦工業大学デザイン工学部教授、信州大学特任教授、レイヤーズ・コンサルティング顧問を務める。03年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。19年1月より渡辺プロダクションに所属し、フジテレビ「新・週刊フジテレビ批評」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、NHK「有吉のお金発見 突撃!カネオくん」などに出演

 

【No1712】「シニア」でくくるな!“壁”は年齢ではなくデジタル 原田曜平 日経BP(2024/10)

 

戦争をしないように、過去の歴史からなにか大事なことを学ばないのかと。

たとえ歴史を学んでいても、宗教、民族、領土など簡単に理解できない難しい問題があるのだ。

 

イスラエルの国是は「われわれは全世界に同情されながら滅亡するよりも、全世界を敵に回してでも戦い生き残る」。

ガザのハマスの内在的論理はどうなのか。またロシアやウクライナはどうなのか。

それぞれにはそれぞれに至った理由や大義があるものだろう。

ある一方だけの偏ったニュースや情報から物事の良し悪しを判断する危うさを知った。

 

19P

オルテガ・イ・ガセット「大衆は政治家を評価する際、誰かの意見を参考に賛成か反対かを述べる」

ジグムント・フロイト「人間から攻撃的性格を取り除くことなどできない」

アルベルト・アインシュタイン「教養のない人より知識人のほうが、致命的な行動に走りやすい」

 

 <目次>

序章 なぜ人間は戦争をやめられないのか?(戦争を煽るのは大衆ではなく知識人、戦争は外交で回避できるのか? ほ)

第1章 ロシア・ウクライナ紛争の行方(ロシアの内在的論理とは何か?ウクライナ側の内在的論理 ほか)

第2章 ガザ戦争にひそむ殉教と報復の論理(パレスチナ問題のそもそもの発端とは?イスラエルの内在的論理 ほか)

第3章 東アジアの有事の可能性を読む(アジアのパワーバランスの行方、台湾有事にアメリカはどう動くか? ほか)

第4章 戦争と平和―日本の国防と未来(自由・平等・平和をめぐる寓話、相互主義がギリギリの平和を保つ? ほか)

引用・参考文献・ウェブサイト一覧

「戦争と有事」を理解するための10冊の推薦図書 佐藤優選

「戦争と有事」あとがき

 

佐藤優さん

1960年、東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官。1985年、同志社大学大学院神学研究科修了。外務省に入省し、在ロシア連邦日本国大使館に勤務。その後、本省国際情報局分析第一課で、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕、起訴され、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月、執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞。大宅壮一ノンフィクション賞受賞

 

【No1711】戦争と有事(学び直しの時間)ウクライナ戦争、ガザ戦争、台湾危機の深層 佐藤 優 Gakken(2024/10)

小学校で教わった漢字のなかで、大人になって読めない漢字があります。

読み間違えやすい漢字を少し取りあげてみます。

その言葉の前後につながる文章があれば、前後関係の意味から読みが推測できるかもしれません。

「文る」→かざる、「活る」→よみがえる、「案る」→かんがえる、「利い」→するどい、「動もすると」→ややもすると、「禁める」→とどめる等々。

見たことがあるけれども読むことが難しい漢字を取り上げていました。

なかなか面白い視点から作られた本だと思います。

4P 教育漢字を含む熟語には、複数の読み方があることが多いため、生涯、文脈に応じて、正しく読み分ける判断力が必要になるのです。

漢字の誤読の多くは、簡単と思われがちな教育漢字で発生しています。

「真の難読漢字」は、小学校で習う教育漢字なのです。

 

 <目次>

まえがき

第1章 小学校で習っても読み間違える「熟語」の罠

第2章 なぜか大人が読み間違える「熟語」の罠

第3章 「漢字力」のカギをにぎる言葉の読み方

第4章 「成句」を正しく使いこなすのが、大人の日本語

第5章 「形容詞」「動詞」は、読めない漢字の宝庫です

第6章 人と暮らしをめぐる漢字の話

第7章 身の回りの言葉を読みこなすコツ

第8章 ニッポンの四季と自然にかかわる言葉

第9章 歴史、地理、宗教、文化…教養が試される日本語

 

「思うがままにならないことを、思うがままにしようとして、人は苦しむのです」

 

他人は変えられませんが、自分は変えられます。自分を変えることです。

自分の希望が通らなかったり、頑張って努力しても自分の思う通りにならないことはままあります。

その時にどう思っているのかです。

生きているとろんなことがあります。

事前に心の準備をしておくとか、期待値を下げておくとか、他人と比較をしないとか、想定外のこともあったりしてうまくいかないことがあることなどを心構えしていることが良いのではないかと思います。

ほとんどのことはなんとかなります。

「生きているだけでまるもうけ」こんなようなキャッチフレーズをかつて聞いたことがあります。

あなたはこれまで何とか乗り越えてきたのではないでしょうか。

 

212P だれしも悩みを避けられない

人生には避けられる悩みもあるはずです。くだらないこと、些細なこと、忘れてしまえば問題ないことなどで、そのような日常的なことで悩むのはもったいないと思います。

思い通りにいかないとか、うまくできないとか、傷ついたとか、ムカつくとか、嘆かわしいとか、当人にすれば問題でも、他人からすればそれほどでもないことも多いでしょう。だったら、当人にとっての重大さを減らせば、悩みも軽くなるのではないでしょうか。

 

4P

「幸せな老後」を実現するのに、何より大切なことは、精神的に満たされること、すなわち「精神の健康」です。

 

 

 <目次>

はじめに 

第1章 他人事ではない高齢者うつ

第2章 うつだけではない高齢者の悩み

第3章 中高年の心の危機

第4章 大人になってからの危機

第5章 困難な青年期

第6章 悩ましい思春期

第7章 ハードな学童期

第8章 油断できない幼児期・乳児期

第9章 現代を悩まずに生きるには

おわりに 

参考資料

 

久坂部羊さん

1955年大阪府生まれ。小説家・医師。大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院の外科および麻酔科にて研修。その後、大阪府立成人病センター(現・大阪国際がんセンター)で麻酔科医、神戸掖済会病院で外科医、在外公館で医務官として勤務。同人誌「VIKING」での活動を経て、『廃用身』(幻冬舎)で2003年に作家デビュー。2014年『悪医』(朝日新聞出版)で第3回日本医療小説大賞を受賞

 

国家資格キャリアコンサルタントは、名称独占資格です。働くこと、仕事の悩みや不安を解消する補助をする人だとありました。

 

キャリコンという言葉は資格技能取得を目指しているとよく耳にします。知り合いにも資格取得を目指している人がいます。また士業の方でこれとダブルライセンスを取得している人もいます。社労士の知り合いがぜひキャリコンは学ぶべきだ取得すべきだと言っていた意味を知りたくてこの手引きに興味を持ちました。

 

キャリアコンサルタントの仕事や試験内容、国家資格の取得方法、取得後のキャリアプランや独立開業までを丁寧にわかりやすく解説していました。

 

読んでいて興味を持ったのは、この業務は、定型化できないし定型化が極めて難しくてほかに代替性がないために、例えば精神科医や外科医、助産師、教員などのように、AI時代が発達していっても決してなくならない仕事だということでした。

 

ハローワークなどの就労支援施設や障害者や高齢者への就労支援、学生の就職支援のキャリアセンター、派遣・人材紹介業、職業訓練校、人事、総務などの企業内でも多くの活躍の場があります。

自分のキャリアを見つめなおして、セカンドライフへ生涯現役生涯学習に活かすことができます。

さらに資格を学んでよいと思うのは、「傾聴」と「質問力」です。相手のニーズをしっかりと聞き取る能力が身に付き、人間関係がよくなりお互いによい信頼関係を築けます。

 

 

 <目次>

はじめに 

第1章 キャリアコンサルタントという仕事

第2章 キャリアコンサルタントは取得しやすい国家資格

第3章 資格試験の内容と効果的学習法

第4章 多彩なキャリアコンサルタント活躍の場

第5章 資格取得者(キャリアコンサルタント)の具体的プロフィール

第6章 キャリアコンサルタントに向く人、向かない人

第7章 キャリアコンサルタントへの最短の道

 

 

柴田郁夫さん

国家検定1級および2級キャリアコンサルティング技能士/国家資格キャリアコンサルタント。一般社団法人地域連携プラットフォーム代表理事(共同代表)。株式会社志木サテライトオフィス・ビジネスセンター代表取締役社長。早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。青森大学経営学部助教授、准教授、客員教授、日本テレワーク学会会長などを歴任。株式会社では公的職業訓練(ハロートレーニング)を実施。キャリアコンサルティング歴は20年超に及ぶ。一般社団法人地域連携プラットフォームでは、平成30年度から厚生労働大臣認定の「キャリアコンサルタント養成講座」および「更新講習」(技能講習、知識講習)を実施。「組織キャリア開発士」資格を設け、OD(組織開発)分野にも精通した実践家(プロセス・コンサルタント、組織キャリア開発ファシリテーター)の養成を行う

 

 

【No1708】働く人を幸せにする援助職 国家資格キャリアコンサルタントになるには!?資格取得後も役立つ情報満載!(第2版)柴田郁夫 秀和システム(2024/06)

203P 赤の他人の家に、当たり前のように入っていき、その人のすべてを受け止めて、時に感情をぶつけられて、その記憶の中に住み着く、そんな仕事、なかなかない。

 

介護とはいえほとんど糞尿の処理や後始末があった。セクハラとパワハラ、物盗妄想、被害妄想等介護ヘルパーの過酷な現場に圧倒され続けました。

認知症の親と障害を持つ息子の介護に奔走する一方で、「他人の暮らしに入り込む仕事」訪問介護員を勤める著者の悲喜こもごもと笑いもあった記録集でした。

 

 

 <目次>

まえがき 気がつけば毎日!

第1章 あなたも女優になれますか?(某月某日 掃除のポリシー:誰に注意されようとも、某月某日 クビ案件:女優にならないと ほか)

第2章 身内に泣かされる(某月某日 パワハラ娘:5ミリのズレも許しません、某月某日 ペットのお世話は…:鳥好きと犬好き ほか)

第3章 タダより高いものは…(某月某日 守銭奴:それぞれの宝物、某月某日 たった2億円:アカナベの裏の顔 ほか)

第4章 まだ、やめたくない(某月某日 身内の介護、他人の介護:親だから腹が立つ、某月某日 さよならも言わずに:「わしが逝くときは」 ほか)

あとがき この恰好で胸を張って

 

 

佐東しおさん

1963年、広島県生まれ。51歳のとき、地元の訪問介護事業所に籍を置いて、登録ヘルパーに。「週3日くらい自分のペースで」働くつもりだったが、人手不足で仕事はどんどん増える。現在は、認知症の親、障害を持つ息子のケアに奔走しながら、月1回ずつカープとサンフレッチェの試合を現地観戦する現役訪問介護員。まだしばらく仕事を辞める日は来そうにない

 

 

【No1707】介護ヘルパーごたごた日記 当年61歳、他人も身内も髪振り乱してケアします 佐東しお 三五館シンシャ フォレスト出版(2024/09)

和田秀樹さんは、毎月のようにいつも本を出されています。見かけるとすぐ手に取ってしまいます。気づかなかったことや得られること、参考になることが彼の本からはとても多いのです。

 

「日本人は、逃げなくちゃいけないところでなぜ逃げないないのか」という課題を精神科医として患者さんを診てきて痛感しているとおっしゃっておられます。

日本人の多くは真面目なので物事のよい塩梅やいい加減を知らないんじゃないかなと感じていました。

人生には逃げるという選択肢があることに気づくことを、また決してそこから逃げられないという決めつけからフリーになることをまずは知ったらよいのではと思いました。

 

4P「これはもう無理だ」いや「無理だ」と思う前に、上手に逃げて欲しいのです。

25P 逃げればラクになります。「楽しちゃいけない」「がんばらなければいけない」という決めつけから自由になってください。楽していいのです。楽な人生は、楽しいものです。つらい場所から逃げて、自分らしく生きる道を選択し、自分の人生を思いきり楽しんでください。

 

その場から離れずに逃げる方法や距離を置いて逃げる方法として、10個の事例が紹介されていました。

 

自分ではなかなか気づくことができない場合、家族や友人、周りの人や上司からアドバイスができればよいのですが……。

産業医やカウンセラー、臨床心理士、心療内科医などの専門家に相談することも頭の隅に置いておいて、酷くなる前にそれらを選択することも、「逃げる」ために必要なのかなと思います。

 

書く、認知療法、課題の分離、完璧主義を手放す、戦わない、味方2割に注目する、染まったふりをする、考えない、とにかく逃げるなら休職、労災保険申請をする。

 

 

 <目次>

まえがき

序章 危険からは、いますぐ逃げなさい

第1章 「逃げる」とはどういうことか(がんばっていることに気づかない理由、逃げることはポジティブな戦略 ほか)

第2章 なぜ、逃げられないのか(弱音は吐いていい。吐き出すべきもの、弱音を吐けない4つの不安 ほか)

第3章 逃げる技術(逃げるためのインフラは整ってきている、夏目漱石はどのように神経症を克服したか ほか)

第4章 逃げたいのに逃げられない人をサポートする方法(15人にひとりが一度はかかるうつ病、うつ病のサインを見逃さない ほか)

終章

あとがき

 

和田秀樹さん

1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神科医。立命館大学生命科学部特任教授、一橋大学経済学部非常勤講師、東京医科歯科大学非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長、川崎幸病院精神科顧問