朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -175ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。



合格した人のやり方を真似て咀嚼して自分に合ったやり方で勉強すればよいのです!



ぼくが今までやってきた勉強法が間違っていないなと。



年月を経ても変わらない普遍的な原則を踏まえて書かれていると気づきました。




 


宅建、行政書士、社労士など、同じ合格者であることや、


30年以上にわたって資格試験の講師を務めていることに興味がありますね。


 







4P「資格取得のために必要なのは、長時間の勉強ではなく、短い時間でも成果をあげる『勉強のテクニック』です。」




24P「合格するために必要なのは、効率のよい勉強法を知り、毎日わずかな時間でも継続する努力だけなのです」



46P「モチベーションを高めて合格の確率をあげるためにも、まずは『なぜ、一生懸命勉強して試験に合格する必要があるのか』『資格を取得することで自分はいったい何を得たいのか』を徹底的に考えておく必要があります」



248P「難関といわれる資格に短期間で合格された方たちが共通して持っていたのは、やる気(モチベーション)と技術(テクニック)だけでした」








 


まさにこのとおりだと思います。


合格するためには満点を取らなくてもいいのですよ!




合格するための点数を取るためにどうすべきなのか!




どうすれば合格できるのか等がわかったうえで勉強をすることが合格への最短距離にいるものだと思いますね。




 <目次>

はじめに

第1章 「勉強時間がない」はただの言い訳(長時間勉強しないと結果が出ないというのは大間違い、勉強が得意かどうかは合格にまったく関係ない、高学歴ほど「落ちるパターン」にはまりやすい ほか)

第2章 忙しい人の資格取得は“学習計画”で決まる(忙しい人こそ、計画が重要、アメとムチ作戦でやる気を起こす、モチベーションを高めることが合格への近道 ほか)

第3章 短時間の勉強でも合格できる学習テクニック(勉強のやり方を決める、まず全体像をつかみ、それから細部を理解しよう、薄いテキストを繰り返し読む ほか)

おわりに




◎1962年生まれ、名古屋大学法学部卒。大手資格受験予備校を経て、難関資格受験予備校フォーサイトを設立。DVD学習を主軸とした独創的な受験勉強法を導入し、自らも宅建、行政書士などの難関資格を多数保持




ぼくは稀代の名俳優 高倉健さんに惹かれます。



年輪を経て滋味が出てきているようで、これからもずっと映画に出ていてほしかったという人も大勢いるのではないかな。



石原裕次郎さんや三船敏郎さんらの映画俳優と並び称されるほど、いや!それ以上のすごみのある大スターだ。




彼は、私生活をあまり語っていません。


その私生活は、いわゆる映画俳優の「高倉健」を演じていなかったから。


素は、仕事とは全く別にしていて大切にしていたからではないかな。


背中だけで語れる、言葉を発しなくても、言いたい意味が伝わってくる俳優。




こういう人はなかなかいませんよ。






この本の中にたくさんの名言がありました。



俳優道を究めた人だからこそ、綴られた言葉の意味がとても重たく感じています。







プライベートは、いたって饒舌な人。



数少ない言葉やそのしぐさ、後ろ姿などの演技で、我々に何か言いたいことを強く訴えてくる感性を持っているプロフェッショナル。



50年以上、200本以上もの映画に出演されてきました。



納得できる映画しか出演しない。



これからもまだまだ映画に出たいとおっしゃっておられましたね。



愛おしい男だ。


彼にとても惹かれます。



本名、小田剛一さん。



映画俳優、高倉健さんのご冥福を心からお祈りします。





 <目次>

その日のことを中心に―「はじめに」に代えて

1ご一緒したいと思います

2「人を想う量が人生」の一文、心に刻みました

3疲れないのかといわれるほど饒舌です

4叶うなら、一度授業をお受けしたいと思いました

5「何の利害関係もない人とのつながり」印象に残りました

6爽やかな風に吹かれたいと思います

7経済優先の付けが回ってきた時代、これからの世代には心の追求をして欲しい

8重い言葉、胸に刻んで過ごしております

9次回作は「何を求める風の中ゆく」の心境です

10幸せを感じる最中を届けさせていただきます

11気象が警鐘を鳴らしているように思えてなりません

12僕が死ぬまで死なないで下さい

13健さん、精一杯書かせていただきました

凛とした文の庭「おわりに」に代えて




◎早稲田大学政治経済学部卒業。ジャーナリスト&コラムニスト。毎日新聞客員編集委員。早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコースで「文章表現」を教える。






◎7P「一生懸命生きている人の役しか僕はやりません」





◎42P

「人を想うことの量が人生なんでしょうか」





◎52P

「言葉というのはいくら数多く喋ってもどんなに大声を出しても、伝わらないものは伝わらない、そういう思いは自分の中に強くあります。言葉は少ないほうが、自分の思いはむしろ伝わるんじゃないかと思っています。」





◎53P

「いい人と出会うことですよ。人との出会いは人生の宝物になります」





◎68P

何かを得れば何かを失う。また逆に何かを失えば何かを得るものだが、定年で失った地位や名誉やお金の代わりに得られるものは何であろうか。おそらくそれは何の利害関係もない人とのつながりであろう。

新しい人間関係に恵まれれば、第二の人生も第一の人生になるかもしれない。





◎94P

「映画は作家や監督やいろんな人の想いが積み重なってできあがるんですね。お金で人が集まっても、想いがこもっていないと映画はできないんじゃないでしょうか」

「言葉は人の想いがこもると違うものに変わっていく。言葉の力は凄いんです」





◎94-95P

「僕は一生懸命に生きている人しか演じられません。僕にどんな役をやらせたいか、みんなも考えてください。ビートたけしが今一番狙っているのは、みなさんの世代のお客さんです。彼がやりたいと思う脚本で彼が演出するものだったらいつでもやります」





◎125P

「愛するということは、その人と自分の人生をいとおしく想い、大切にしていくことだと思います」




















なぜ外国人の女性がカバーの表紙なのだろうか?とふと疑問に思います。



「気ままなひとり暮らし。これを優雅と言わずしてなんと言う」



悠々自適な生活を過ごしてみたいな。



40代後半の男性がかつて振られた女性と再会する物語。



淡々と動いている文章がとても心地がいい。



起伏のない日常を送る読者にも感情移入をゆるしてくれます。



いかにも静かな身辺小説だ。




文章の書き方も主人公の「匡」の生活観も共感できます。



また、もうひとりの主人公の「佳奈」の心理や二人を巡る情景がリアルにわかるように描写されています。



ものごとを説明している「」のような文書の書き方も上手!



141P「死に隣り合わせのものほど快楽に近いものはない。」



ときどき名言のような言葉が含まれるのがとても気に入りました。



この物語は、中年男性の幻想という気がしてならないのです。



流れるような美しい文体で描かれる松家さんの作品をまた読んでみたい。


こんな衝動に今も駆られています。





◎1958年生まれ。大学卒業後、新潮社に勤務し、海外文学シリーズの新潮クレスト・ブックス、季刊誌『考える人』を創刊。「火山のふもとで」で小説家としてデビュー、読売文学賞を受賞。






9P

ぼくは年寄りの話を聞くのが好きだ。

仕事でインタビューした老人は数知れない。小説家、哲学者、ピアノ調律師、料理研究家、彫刻家、杜氏、助産師、聖書の研究家、外科医、質屋、などなど、一部の例外を除けば、経験してきたことの総量と話のおもしろさは比例する。定年間際の地味な男性アナウンサーを聞き手に、しんしんと降りつもる雪のような老人の話に耳を傾けるラジオ番組があれば、ぼくなら間違いなく聴く。すぐに眠ってしまうかもしれないけれど、それはそれでいい。



19P

結婚は親族を二倍にし、荷物を二倍にし、もめごとを四倍にする。






130P

こころの奥深くから湧きあがり、いきいきと輝く表情もあれば、相手の胸に響き、深くしみてゆく言葉もある。でも、日常にはつねにそのような言葉や表情が溢れているわけではない。その場をやりすごし、とりあえずつないでおく知恵としての言葉や表情もある。いまの佳奈の父からは、それすらも奪われているようだった。




141P

「死に隣り合わせのものほど快楽に近いものはない。」



219-220P

アリだったら触覚をふれあい、犬だったら匂いをかぎあい、鳥だったらさえずりを聞いて、おたがいを確認し、判定するだろう。人間はそもそも、相手がほんとうはなにを考えているのかわからないのだ。たとえキスをしていたとしても、抱きあっていたとしても、わからない部分は残る。ことばを使ってものを考え、ことばで伝えるようになってから、つまり人間が人間という風変わりな生きものになってから,伝わるものが伝わらなくなった、と言えないだろうか。ことばは頭のなかで勝手に物語をつくり、あらぬことを想いえがかせ、見当違いの解釈をさせる。ことばを超えた直観もあるけれど、直感だって当たることもあれば外れることもある。

いや、わからないというのは、自分の都合に近い見かた、言いかただろう。佳奈にはたぶん「こうしないほうがいい」という判断があるのだろう。その判断をぼくに伝えないのは、佳奈の遠慮なのか、ためらいなのか。

いっぽうで、父親と暮らす様子を間近で見ていると、しだいに佳奈が自分の手から遠ざかってゆく気がしてくるのも事実だった。




「珈琲とミステリー小説は、似合ってるよ」




小説を読む楽しみの一つに、自分の知らない世界を知ることが含まれます。



喫茶店には、珈琲を飲みに行くがそこで働かない限り、その業界の諸々を知ることは難しいもの。




軽快で小気味良い話しの進み方が美星の性格にあっていると思います。




推理とエピソードがうまい具合にブレンドされていて、甘酸っぱさを醸し出しています。




 <目次>

午後三時までの退屈な風景 

パリェッタの恋 43

消えたプレゼント・ダーツ 123

可視化するアール・ブリュット 171

純喫茶タレーランの庭で 223

リリース/リリーフ 253




◎1986年、福岡県生まれ。京都大学法学部卒業。第10回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉として、『珈琲店タレーランの事件簿また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』(宝島社)でデビュー。同書は、2013年第1回京都本大賞に選ばれた。







115P

「よう見たら、容姿は別に全然似ていないねんけどな。ただ意志の強さいうか、これと決めたら障害をものともせず突き進もうとするところなんか、やっぱり似てると思うんや。まあなんやそういう空気みたいなんを、あの日道ばたでへばってるあんたから感じ取ったんやろな。自分でもようわからんけど、たぶんそんなこっちゃろうと思うねん」





168P

そのときになってオレは、やっと思い知らされたのだ。ダーツでも、知恵でも、そして女との関係に対する挑戦においても、初めからオレは何ひとつ、彼に勝ってなどいなかったことに。

「だって、言えるわけないじゃないですか―あなたにもらった大事なダーツをなくしてしまいました、だなんて」






265P

シャルルがわたしの首元に頭をすりつける。その目が再びこちらを見上げても、わたしは自分の意志で逸らさなかった。その線をなぞるように降り始めた雫を、毛が吸ったぶんだけ重みの増した猫を抱くとき、わたしはこの両腕の感触を生涯忘れまい、と心に誓った。









これは、イヤミスや黒湊じゃなくって白湊の作品だ。



湊かなえさんのこういうのも好きだな。



被災者一人一人にそれぞれの思いがあって、同じ苦しみや悲しみはありません。



一本のお話をいくつかの人の視点から描いています。



最近の湊さんらしい書き方ですね。




阪神淡路大震災ですべての物語がつながっています。



東日本大震災だけではなく、あの大震災のこともけっして忘れちゃいけないと彼女が教えてくれています。




南の島のとびっきりの笑顔や素敵な歌声でこころが癒されましたよ。











楽園

約束 75

太陽 141

絶唱 199







◎広島県生まれ。2007年「聖職者」で第二十九回小説推理新人賞を受賞。同作を収録する『告白』が2008年に刊行され、同年の「週刊文春ミステリーベスト10」で国内部門第一位に選出、2009年には第六回本屋大賞を受賞した。2012年「望郷、海の星」で第六十五回日本推理作家協会賞







73P

「わたしたちも、今いるこの場所が楽園だと、本当に思えるのは、日本での日常生活に戻ってからじゃないかな。楽園、ってそういう場所のことだと思う」

線香花火の最後の瞬間のような、じくじくと燃える太陽が水平線に触れると、空も海もわたしも裕太もすべて同じ色に染まり、楽園の中へ溶け込んだ。








196P

子どもは太陽だ。

子どもたちが輝かない場所に、作物は実らない、人は集まらない、町はできない。だけど、どんなに絶望的な出来事が起きても、子どもたちが輝いている限り、そこに未来は必ず訪れる。







春・夏・秋・冬の四季に関わる安楽椅子探偵によるミステリー短編集




珈琲店タレーランの事件簿などもそうですね!




珈琲には、軽快なミステリーが似合いますよ。





 <目次>

第一話 春の十字架 60

第二話 もっとも猟奇的な夏 61120

第三話 切りとられた死体の秋 121185

最終話 バラバラ死体と密室の冬 187259



◎1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒。2002年「密室の鍵貸します」でデビュー。「謎解きはディナーのあとで」で本屋大賞を受賞。ほかの著書に「魔法使いと刑事たちの夏」など。






168-169P

珈琲は漆黒の闇を思わせる黒。俺は恐る恐るカップを手に取り、その液体をひと口啜る。たちまち、むせ返るような強烈な味が口の中に広がり、俺は思わず椅子から立ち上がった。


「むうぅ!なんという濃厚で深みのある味わい。コクがあるのにキレはない!」


「ホンマや!たったひと口飲んだだけの珈琲の味が、いつまで経っても口の中に纏わりつくように残っているわ!」





178P

「いいえ、残念なのは、あなたのほうですわ、東山敦哉さん」


「なにい」東山が目を剥く。「どういうことだ!」


「わたくし、中原冴子さんのことなど、最初から問題にしておりませんの。わたくしが申し上げているのは、あなたの心から愛する女性についてのことですわ。あなたに最高の安らぎを与え、あなたの心と身体を癒し、その日々に潤いをもたらした最愛の女性。にもかかわらず、あなたは自らの犯した殺人を隠ぺいするために、つまりは自分の保身のためだけに、その最愛の女性の首をハネた。そのことについて、あなたの良心は傷まないのか。わたくしはそのことを聞いているのですわ」




ある古書店で篠川栞子さんと本について語りあえたら楽しいだろうね。




「第一巻」にも出てきた太宰治の『晩年』を巡って何とも言えず込み入った展開が続きますよ。




事実に深く考えさせられたり、過去のいろんな出来事を反芻しながら読み進める必要がありますね。




次の「第七巻」が面白い!




最終巻!?をすぐにでも見たくなるような強烈的な終わり方がとてもにくいです。





 <目次>

プロローグ 5

第一章『走れメロス』 13

第二章『駈込み訴へ』 115

第三章『晩年』 203

エピローグ 302





◎古書にまつわる謎を解いていく、ビブリオミステリ『ビブリア古書堂の事件手帖』がベストセラーとなる。ホラーからファンタジーまで、幅広い作風で縦横に活躍中。




51P

「お前はきりょうがわるいから、愛嬌だけでもよくなさい。お前はからだが弱いから、心だけでもよくなさい。お前は嘘がうまいから、行いだけでもよくなさい」




56P

「自信モテ生キヨ 生キトシ生クルモノ スベテ コレ 罪ノ子ナレバ」




110P

「セリヌンティウスよ、ゆるしてくれ。君は、いつでも私を信じた。私も君を、欺かなかった。私たちは、本当に佳い友と友であったのだ。いつどだって、暗い疑惑の雲を、お互い胸に宿したことは無かった。いまだって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう」





283P

「好きなものがあって、もっと好きになりたいけど、どこから手を着けていいか分からない……もっとできる人には絶対追いつけないって気持ち、栞子さんには分からないでしょう。自分は口下手で不器用で、本のこと以外なにもできないって思いこんでたけど、わたしから見たら違うんだよ。栞子さんは自分を信じてる……駄目な自分も素直に認めてる。つい嘘をついて、自分を大きく見せたりしない……」

嘘というのは栞子さんの「相談に乗ることがある」と自慢するようなことだろう。自分を大きく見せたかったのだ。

「あなたはなんでも持ってる。自分の欠点ごと、ちゃんと好きになってくれる彼氏まで……自分がどれだけ勝ち組か、自覚していないだけ」








ページをめくるにつれて面白さが増してきて物語に引き込まれますね。



古本への惜しみない愛情があり、読書の素晴らしさをみんなに伝えたいという熱意がすごくて、こころにじんじんとその意味が伝わってきますよ。



主人公の篠川栞子さんは、部類の本好きで清楚な人だな。



日ごろは極度の人見知りなのに、書物に関しては人格が変わったように饒舌になって並はずれた知識をみんなに教えてくれています。



また古本に対する推察力や洞察力を惜しみなく披露しながら周囲の人間をびっくりさせていますね。



実際に篠川栞子さんに会いたいくらいに引き込まれますよ。



この本には、とても人気があって続きがあるのはうなづけますね。




 <目次>

プロローグ 5


夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店) 12


小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫) 89


ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』(青木文庫) 167


太宰治『晩年』(砂子屋書房) 217


エピローグ 296



電撃文庫『ダーク・バイオレッツ』にてデビュー。ホラーからファンタジーまで、幅広い作風で縦横に活躍中






9-10P

一応、前置きをしておく。

これは何冊かの古い本の話だ。古い本とそれをめぐる人間の話だ。

人の手を渡った古い本には、中身だけではなく本そのものにも物語がある。人からの受け売りだが、正しい言葉だと思う。ただ一つ付け加えるなら、その「物語」が美しいものとは限らない。目を背けたくなるような醜い内容もあるかもしれない。この世に存在するあらゆるものと同じように。

俺の名前は、五浦大輔。今年で二十三歳になる。俺に関係している古い本―それはもちろん『漱石全集』だ。

まずはその話から始めることにする。




54P

「わたし、古書が好きなんです……人の手から手へと渡った本そのものに、物語があると思うんです……中に書かれている物語だけでなくて」





169P

ベッドの上で篠川さんは丁寧に頭を下げる―が、本当に気を付けられるのかはだいぶ怪しい。この美人はどうしようもない「本の虫」で息をするように本を読む。








襟音ママエ(私立探偵)は、「なんでも知ることができる鏡」を持っています。



これっていきなり反則ツールじゃないのって。





グランピー・イングラムは、ママエの助手で小人、七人兄弟の末っ子です。




白雪姫の登場人物をもじっていて、おとぎ話的な舞台設定。






緋山燃(私立探偵)と三途川理(私立探偵)の二人も絡んできて、


矢継ぎ早のトリックがあってこのミステリーは面白いぞ。






 <目次>

第1部 襟音ママエの事件簿

CASEⅠ ハンケチと白雪姫

CASEⅡ 糸と白雪姫

CASEⅢ 毒と白雪姫


第2部 リンゴをどうぞ

第一幕 私が殺したい少女

第二幕 完全犯罪

解説 法月綸太郎




◎1984年、香川県生まれ。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。京都大学推理小説研究会出身。


2010年、『キャットフード―名探偵三途川理と注文の多い館の殺人』でデビュー。

’14年、『スノーホワイト―名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ』で第14回本格ミステリ大賞を受賞







58P

「-さっきの推理というのは、わからなくもありません。たしかに、私の盲点でしたからね。その先の論理の糸を追うことはできました。盲点となっている部分を怪しんだのは妥当ですし、盲点から導きだされる説を経験的に真相とみなしたのにも納得できます。けれども、正直にいわせていただくと、糸口がまったく見えません」

やっぱり、そうだろうなァ。ぼくは彼女に同情した。






どこかにいていそうななにかダメな男女たち。



適度に軽妙な筆致が素晴らしいわ。



それぞれの主人公の内面がうまく描かれています。




だから楽しく読むことができますよ。





 <目次>

ヒット・アンド・アウェイ 43

冷蔵庫を抱きしめて 4579

アナザーフェイス 81115

顔も見たくないのに 117149

マスク 151182

カメレオンの地色 183210

それは言わない約束でしょう 211246

エンドロールは最後まで 247282




◎1956年6月30日生まれ、埼玉県生まれ。成城大学経済学部を卒業。広告制作会社を経て、1997年「オロロ畑でつかまえて」でデビュー。







67―68P

チーズの臭いのげっぷを吐き出して、直子は背の高い冷蔵庫に抱きつくようにもたれかかる。けっして裏切らない恋人にそうするように。押し当てた頬の冷たさに気づくまで。

誰かこれに鍵をかけてくれればいいのに。





166P

マスクが俺に教えてくれた。

人間というのは、常に人の視線を気にして生きているってことを。

そして、それがいかに馬鹿馬鹿しいかってことを。




266P

「アフリカに行こうと思う」

「え?なに?」

「アフリカに病院をつくるプロジェクトに参加するんだ」

いきなり言われても、なんて答えればいいの。男ってセックスのすぐ後に、どうしてあんなに冷静に話ができるんだろう。すぐ後だからだろうか。

見つからなかった探しものだと思っていた男は、壊れやすいガラス細工で、しかも千帆の手の届かない場所への配送品だった。