★純喫茶「一服堂」の四季 東川篤哉 講談社(2014/10)★ | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。




春・夏・秋・冬の四季に関わる安楽椅子探偵によるミステリー短編集




珈琲店タレーランの事件簿などもそうですね!




珈琲には、軽快なミステリーが似合いますよ。





 <目次>

第一話 春の十字架 60

第二話 もっとも猟奇的な夏 61120

第三話 切りとられた死体の秋 121185

最終話 バラバラ死体と密室の冬 187259



◎1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒。2002年「密室の鍵貸します」でデビュー。「謎解きはディナーのあとで」で本屋大賞を受賞。ほかの著書に「魔法使いと刑事たちの夏」など。






168-169P

珈琲は漆黒の闇を思わせる黒。俺は恐る恐るカップを手に取り、その液体をひと口啜る。たちまち、むせ返るような強烈な味が口の中に広がり、俺は思わず椅子から立ち上がった。


「むうぅ!なんという濃厚で深みのある味わい。コクがあるのにキレはない!」


「ホンマや!たったひと口飲んだだけの珈琲の味が、いつまで経っても口の中に纏わりつくように残っているわ!」





178P

「いいえ、残念なのは、あなたのほうですわ、東山敦哉さん」


「なにい」東山が目を剥く。「どういうことだ!」


「わたくし、中原冴子さんのことなど、最初から問題にしておりませんの。わたくしが申し上げているのは、あなたの心から愛する女性についてのことですわ。あなたに最高の安らぎを与え、あなたの心と身体を癒し、その日々に潤いをもたらした最愛の女性。にもかかわらず、あなたは自らの犯した殺人を隠ぺいするために、つまりは自分の保身のためだけに、その最愛の女性の首をハネた。そのことについて、あなたの良心は傷まないのか。わたくしはそのことを聞いているのですわ」