これは、イヤミスや黒湊じゃなくって白湊の作品だ。
湊かなえさんのこういうのも好きだな。
被災者一人一人にそれぞれの思いがあって、同じ苦しみや悲しみはありません。
一本のお話をいくつかの人の視点から描いています。
最近の湊さんらしい書き方ですね。
阪神淡路大震災ですべての物語がつながっています。
東日本大震災だけではなく、あの大震災のこともけっして忘れちゃいけないと彼女が教えてくれています。
南の島のとびっきりの笑顔や素敵な歌声でこころが癒されましたよ。
楽園 5
約束 75
太陽 141
絶唱 199
◎広島県生まれ。2007年「聖職者」で第二十九回小説推理新人賞を受賞。同作を収録する『告白』が2008年に刊行され、同年の「週刊文春ミステリーベスト10」で国内部門第一位に選出、2009年には第六回本屋大賞を受賞した。2012年「望郷、海の星」で第六十五回日本推理作家協会賞
73P
「わたしたちも、今いるこの場所が楽園だと、本当に思えるのは、日本での日常生活に戻ってからじゃないかな。楽園、ってそういう場所のことだと思う」
線香花火の最後の瞬間のような、じくじくと燃える太陽が水平線に触れると、空も海もわたしも裕太もすべて同じ色に染まり、楽園の中へ溶け込んだ。
196P
子どもは太陽だ。
子どもたちが輝かない場所に、作物は実らない、人は集まらない、町はできない。だけど、どんなに絶望的な出来事が起きても、子どもたちが輝いている限り、そこに未来は必ず訪れる。