読書会の課題本であり、2月に映画にもなるだろうと聞いたので手に取ってみた。
LGBTや東日本大震災など現代に影響を与えている鏡のような話があった。
日記文学的に淡々と文字が綴られてく。
風景描写や釣り場の情景などは絵画のような美しい筆致で描かれていた。
今野が語り手であり、日浅典博がその友人。
副嶋和哉は今野の昔の彼女。
西山さんは、今野の会社のパート職員だった。
「影裏」という題名が気になった。
理解するために大事な要素だと思った。
今野は連絡を取りたくて、行方不明の日浅の実家を訪問する。
70P 電光影裏に春風を斬る。不意にさげすむような冷たい白目をこちらに向ける端正な楷書の七文字が、何か非常に狭量な、生臭いものに感じられた。
今野はその家の南側の壁に「電光影裏斬春風」と滴るような墨痕で書かれた模造紙が四隅を画鋲で留めてあるのが奇妙に目を引いた。
「電光影裏斬春風」とは、中国の宋の僧、祖元禅師が能仁寺で元の兵に襲われたときに唱えたとされる「電光影裏、春風を切る」という経文の一句。
人生は束の間であるが、人生を悟った者は永久に滅びることがなく、存在するというたとえ(三省堂 新明解四字熟語辞典より)
「この世のすべては空である。剣で斬るならそうしなさい。しかし斬るといっても空を斬るのだから、電光が光るうちに春風を斬るようなもので手ごたえはないだろう」
見事な禅師の見識と度量に元の兵が逃げ去ったという逸話。
二度目でようやくこの一句との話のつながりがつかめるのではないかと思った。
再び読んでしまったが、実はよく意味がわからなかった。
1978年北海道生まれ。西南学院大学卒業後、福岡市で塾講師を務める。
現在、岩手県盛岡市在住。本作で第122回文學界新人賞受賞しデビュー。第157回芥川賞受賞作品









