行動経済学という学問の入門書として読みやすい。
例えば、モノの購入にあたって選択する際など何かをするときに、広告媒体や宣伝材料などには何かしらのバイアスがかかっていることを前提にして、現代の複雑なものごとの判断や自らの行動に反映していたいな。
327P
本書は、「マーケティング理論」と「行動経済学」、それに「データサイエンス」を用いて、ヒットした商品・事象・人の背景に隠されている「悪と欲望」を読み解く試みです。
「悪」=「ダメなこと」「許されないこと」だという「イメージ」で捉えられがちですが、人間の心には「悪」が必ず潜んでいて、それを認めない限りは人間を理解しているとは言えないんだ、ということこそ本書でもっとも伝えたかったテーマです。
偉人などの成功者が語る言葉と凡人とでは意味の重みが違うが、その凡人が一つのことを“継続”してやり遂げていったならば、同等とはならずともその発言内容に理解が増すものと思う。
142P 同じ発言でも説得力がある人とない人がいるのは、結局、私たちは言った内容だけでなく、「誰が言うか」をもとに判断しているからです。発言の意味を、内容ではなく、人に求めているのです。
「情弱」にならないように。
できるだけ関連する情報を仕入れて理解すること。
客観的に自分の姿を見て判断できること。
賛成、中間、反対など他者の意見に耳を傾けられること。
最後には、自分の決断する力。
206-209P 「情弱」はカモにされやすい
自分が「情弱」かどうか、そもそも関心がない人も多いかと思いますが、あやしい業者に不当に搾取されないためにも、今日の消費者は一定程度の「リテラシー」を持っていることが否応なしに必要な時代になっているのは間違いありません。
ある情報を私たちが信じてしまう背景には、おもに3つの理由が関係すると言われています。
・「専門家」と呼ばれる人によって解説されている
・具体的なデータが「証拠」として提示されている
・ネットを含むメディアによって、多くの人に伝達されている
(中略)
大切なのは、どの情報についても頭から鵜呑みにせず、クリティカル(批判的)に検討していく思考の癖をつけることだと思います。
クリティカルという言葉の本来の意味は「規準に照らして判断する」です。つまり、本来の「クリティカル・シンキング」とは「適切な規準や根拠に基づいて思考し、バイアスに依存しない」ことではないかと思うのです。
つぎの3つを守るように心がければ、「煽られて」「騙されて」搾取されるのを防げるのではないでしょうか。
・専門家の意見だけでなく、自分の頭で考える
・専門的な情報を仕入れ、それが正しいかを確認する
・データが正しいかどうか、クリティカルに考える。
<目次>
序章 ヒット商品には必ず“悪”の顔がある
第1章 人は「強欲」な存在である
第2章 「怒り」が人を動かす
第3章 人は「怠惰」な動物である
第4章 言葉は人を騙す
第5章 嘘は真実より美しい
第6章 人は「矛盾」に満ちている
おわりに
1984年生まれ。データサイエンティスト。龍谷大学法学部卒業後、多摩大学大学院で統計学・データサイエンスを“学び直し”。デジタルマーケティングや消費者インサイトの分析業務を中心にさまざまなデータ分析を担当するほか、各種媒体にAI・データサイエンス・マーケティングに関する記事を執筆、テレビ番組の企画出演も多数。SNSを通じた情報発信には定評があり、noteで活躍しているオピニオンリーダーの知見をシェアする日経COMEMOメンバーとしても活躍中。著書に「データサイエンス「超」入門」など。










