【No.600】合唱 岬洋介の帰還 中山七里 宝島社(2020/05) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

(心神喪失及び心神耗弱)

第39条 心神喪失者の行為は、罰しない。

2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

 

高砂幼稚園で幼児や先生らを惨殺した直後に、自らに覚醒剤を注射した凶悪犯の仙街不比等。

彼の担当になった天生高春検事は、刑法第39条によって仙街に無罪判決が下ることを恐れていた。検事取調べで仙街の殺意が立証できないかと苦慮していた……。

 

これは読まずにはいられません。

サービス精神旺盛な内容でした。

中山さんの他の作品のキャラクターたちが登場してきます。

埼玉県警の古手川、渡瀬刑事から始まって、東京高検の岬恭平、“死体配達人”弁護士の御子柴礼司、浦和医大法医学教室の光崎教授、警視庁刑事の犬養隼人などが次々と出てきます。

主人公たちの物語が頭の中で錯綜してキャラが自然に動くのです。

この題名の『合唱』とは、こういうことを意味するのかと一人納得しました。

 

平成30年9月に中山七里さんを囲んでの読書会がありました。

その席で「2020年を楽しみにしてほしい!本を通じて何か面白いイベントを考えているから。」とお話しされていたことを思い出しました。

これが、中山七里作家生活10周年記念12ヵ月連続刊行だったのかと。

 

凶悪犯の仙街は、なぜこの幼稚園を狙ったのでしょうか!

読み進めると分かってきます。

やはり期待通りの展開がありました。

中山さんは、流石!どんでん返しの帝王だ。

 

 

文章のつながりが音楽的に滑らかで素敵でした。

146P

「方法とチャンスと動機。導き出される容疑者、そして自白。ところが一連のハーモニーに濁りを感じた場合、どこかに不協和音が潜んでいるものです。」

 

ほかの事例にも当てはまる名言だと思います。

224P

「専門的な職業に求められるのは技術と情熱だと思います。技術だけが優れていても先進性がなければ世界が拡がらない。情熱があっても技術が伴わなければ空回りをしてしまう。それは、どの分野にも共通していることではないでしょうか」

 

 <目次>

アレグロ マ ノン トロッポ、ウン ポーコ マエストーソ

モルト ヴィヴァーチェ

アダージョ モルト エ カンタービレ-アンダンテ モデラート

プレスト-アレグロ アッサイ

合唱 「おお友よ、このような音ではない」

エピローグ

 

1961年岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。ほかの著書に「おやすみラフマニノフ」など