朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -123ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

男女の別はありますが、主人公の行動から将来の自分が行く道が透かして見えてきます。

ぼくが彼女の立場だったらどうするのか、どう行動するのかなと考えながら読んでいきました。

1P

無防備に眠りこけている夫の寝顔を見た時、私はつぶやいていた。

「今度生まれたら、この人とは結婚しない」

「終わった人」「すぐ死ぬんだから」そして「今度生まれたら」の三部作。

今度生まれたら?

ぼくならどうするだろうか。

 

都内の一軒家で成績が良い息子2人を育て上げて義母の介護も経験して、いまは夫の和幸と二人暮らしの70歳の女性、佐川夏江が主人公。

はたからは何も不自由や不満がない老後に見えます。

しかし、彼女自身の人生を振り返ってみると、良かれと思って行った短大進学、安定を求めた就職先と結婚など、その時その時の選択や判断が正しかったのかどうか、よかったのかどうか、別の道を選ぶやり方もあったのではないかと悔やみつつ悩むのです。

何かをやりはじめるのには年齢は関係ないとは言われますが、やり直しがきかないような70歳の齢となって、夏江は、若い頃得意であった園芸技術を活かして、人に役立つことをやり始めるのです。

 

過去の生きざまを振り返るのは、誰にでもよくあることです。

あれをやっておけばよかったなどど後悔をするでしょうが、頭の中だけではなく、少なくとも調べ物をしたり、読書をしたり、見に行ったり探したりして、今できることを何かしらして動いてみたらその時の結果が出てくるでしょう。

思い立った今の年が一番若い。

やれることが限られていますが、気づいたできるだけ若いうちにして、やらない後悔をするよりやってみた後悔のほうがモヤモヤしないのではないでしょうか。

ほかの誰かからこんな相談があったら、自分で気づいたとしても、とりあえずやってみれば!と肩を押すようなお節介なアドバイスをしたいものです。

 

118P

「人間は死ぬ日まで、何が起きるかわからないんです。そりゃ、悪いことも起こりうる。でも、それを考えて絶望していることこそ、人生の無駄です。とにかく楽しんで生きるためには、自分から動く。何かを始める、年齢は関係ない。耳にタコでもこれなんです」

その通りだ。だが、何の参考にもならない綺麗ごとだ。

「佐川さんにも皆さんにも、そして私にも、加齢と共に、楽しいことや変化やドキドキすることは、やって来なくなります。少なくなります。これは確かです。ならばこちらから行けばいい。それだけのことなんです」

会場の女たちは、さらに深くうなずいた。こういう言葉が、高齢者を勇気づけるのだろう。高梨は私を温かい目で見た。

 

279P あとがき より

「今度生まれたら」

と口をつく。むろん、

「また同じ人生がいい」

と笑顔で言い切る人も少なくはない。

「人間は幾つになってもやり直せる」「人間には年齢は関係ない」と言う人はいる。それは理想的なことだが、私はやり直すには年齢制限があると思っている。以前はそうは思っていなかった。だが、私自身が「お年を召した方」になってみると、口当たりがよく「人間には年齢は関係ない」とは言い難い。

ただし、たとえ(70)を過ぎても、人生の一部を、また生活の一部分を、やり直すことはできる。

だが、若い頃に夢見た人生を(70)以上からやり直すのは難しい。むろん、あくまでも私個人の考えである。

 

281P タイガーウッズのマスターズでの優勝から

「昔のウッズが、そのまま帰ってきたわけではない」

と書く。ウッズには、以前にはなかった冷静さと攻め方の知識が備わっていたという。

コラムは次のように結ばれている。

「人は甦ることができる。ただしかつての姿を追うのではなく、何者かに変身しなくてはならない。これがウッズから受け取る、あらゆる分野に通じる教訓かもしれない」

 

1948年秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業後、13年半のOL生活を経て、1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本に「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「てやんでぇッ!」(1995年文化庁芸術作品賞)、「私の青空」(2000年放送文化基金賞)、「塀の中の中学校」(2011年第51回モンテカルロテレビ祭テレビフィルム部門最優秀作品賞およびモナコ赤十字賞)など多数。1995年には日本作詩大賞(唄:小林旭/腕に虹だけ)を受賞するなど幅広く活躍し、著書多数。武蔵野美術大学客員教授、ノースアジア大学客員教授、東北大学相撲部総監督、元横綱審議委員、元東日本大震災復興構想会議委員。2003年、大相撲研究のため東北大学大学院入学、2006年修了。その後も研究を続けている。

話し上手は、聴き上手とよく言われます。

信用があり信頼感を持って聴き手に率直に話ができるなら、話し手は安らかな気持ちになってこころが癒されます。

悩み多きこの頃、ぼくは、そんなカウンセラーが切に望まれている世の中だと思います。

 

傾聴とは、話し手が表現していること、伝えたいことを、できるだけ話し手の身になって理解し、理解したことを言葉で返すことです。相手の気持ちを相手の身になって理解して相手を尊重するのです。

傾聴の技術を生活の中で生かせれば、人間関係が良好になり大切な人との関係をさらにうまく構築して信頼を得ることができます。

コミュケーションが欠かせない毎日の職場はもちろんのこと、普段の家庭の日常生活の中でも活かすことができます。

 

新聞を読んでいると、近頃、孤独を感じている人が多く、昨今のコロナ禍により働けなくなって収入がなくなり、最悪として自死に至る人も出てきています。

そんなことがなくなるように、相手心に寄り添える傾聴の機会が、ぼくはこの時世には強く求められているのではないかと思います。

 

「話し手のことを共感的に理解する」「そのままの話し手を受容する」「自分の心に素直であること」など、実用的に傾聴の基本的特徴を知って使えれば、相手の立場になって考える自分の成長にも繋がる機会になるものと思います。

 

 <目次>

1 傾聴の基本(なぜ傾聴が大切か、「聞く」と「聴く」はどう違う?)

2 私たちの心の成り立ち(自己実現を求める衝動、無条件の愛を求める衝動 ほか)

3 傾聴に必要な3つの特徴(話し手のことを共感的に理解する、そのままの話し手を受容する ほか)

4 傾聴のしかた(傾聴技法の基礎、傾聴におけるボディー・ランゲージ ほか)

5 難しい場面の対応(沈黙が生まれてしまったらどうすればいい?、話し手が本音を話さないとき ほか)

おわりに~聴き手の成長について~

 

米国・メリーランド州立フロストバーグ大学大学院カウンセリング心理学大学院修士課程主席卒業。米国・州立ミズーリ大学コロンビア校より心理学博士号(PhD.In Psychology)取得。米国にて、州立カウンセリング室子ども課で常勤心理士、病院精神科で心理士として勤務する。また、州立ミズーリ大学コロンビア校心理学部で非常勤講師として教鞭を執る。日本に帰国し、大阪経済大学人間科学部(臨床心理士養成第一種指定校大学院・公認心理師大学院)教授、ニュージーランド国立オークランド工科大学心理療法学大学院客員教授、および心療内科医院でカウンセラー、(NPO)ストレス・カウンセリング・センターで開業カウンセラーなどを経て、現在は神戸市にてカウンセリング・ルーム輝の室長を務める。

 

No.701】一生使える!プロカウンセラーの傾聴の基本  古宮 昇 総合法令出版(2020/10

片山善博さんは、地方自治の専門家。

総務大臣も経験されて、都道府県の実情をよく理解しておられると思います。

鳥取県知事時代には、県議会と真剣勝負の議論をし、予算査定の透明化を図り、県西部地震時の住宅再建への補助導入を行うなど改革派の知事として名を馳せたのです。

 

新型コロナ対応における各都道府県知事の言動が注目されていますが、そこに焦点をあてて自らの知事体験を基にして知事の真贋を見分けています。

 

パフォーマンスより実績を!

キャッチフレーズよりも中身を!

スポットライトよりも行動を!

キャッチフレーズや話題づくりに熱心なパフォーマンス知事だと小池東京都知事に対して片山さんは厳しい意見があります。

また、営業自粛要請ができる条項からは、思い付きではなく誤った解釈ではない、民主主義を守るために法的な裏付けがある行動をすべきだったともありました。

 

国からの依頼をそのまま受け止め流すのではなく、他県で行われた政策にただ追従するだけでなく、現場の実態に基づき臨機応変に対応してほしい。

大所高所から客観的な視野を持ち、地域の民には何をしたらベターよりベストなのかを判断して、強いリーダーシップで先手必勝の行動をしてほしいと思います。

 

 <目次>

はじめに 

第一章 知事たちの虚を突いた感染症

第二章 法的根拠を欠いた知事の自粛要請

第三章 各都道府県知事の閻魔帳

第四章 問われる全国知事会の役割

第五章 東京都政と大阪府政を診る

第六章 ポストコロナ時代の首長と議会

 

1951年岡山県生まれ。鳥取県知事、慶応義塾大学教授、総務大臣等を歴任。早稲田大学公共経営大学院教授。著書に「片山善博の自治体自立塾」「民主主義を立て直す」など。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」

254P 

自然科学に関するリテラシーがほとんど醸成されていない。

新型コロナウイルスの基礎知識を持たずに、他人からの不確かな知識提供(耳学問)に頼って動いている。

ウイルスの特性が十分に理解されていない。

私はこんな状況ではないでしょうか。

基本的な知識を得ることが必要です。

 

コロナウイルス用のワクチンや治療薬が早く世間に行き届くように願っています。

これまでの医療従事者の経験をもとに、新たなコロナ禍対処法やコロナウイルス治療法が開発されている途中です。

私たちは、マスクをする、三密を避ける、対人距離を取る、送風・換気を行うなどの有効な基本的な対策をとれば、この感染症に対応できます。

楽観視までとはいきませんが、天然痘やスペイン風邪などの過去の事例から見ても人間はこれらの困難を克服してきた実績があり、それから文明もさらに発展してきたことも考慮すると暗くない未来があるのです。

新型コロナウイルス禍の非日常から、かつての普通にあった日常に戻れるように緊張感を持って期待をしています。

 

第3波の感染拡大など局面がどんどん変化している状況下。

この新型コロナの正しい知識を得られるという意味で充実した一冊です。

そもそも細菌とウイルスの違いとは、自然と獲得免疫とは、パンデミックとは何なのかなどというような基本的な知識を素人にもわかりやすく書かれていました。

免疫のメカニズムの解説は難解でした。

コロナウイルスに関わる話を広く取り扱っているので全ては理解できずにたくさんある内容を消化しきれていない感はありました。

科学的なエビデンスに基づいてわからないことはわからないと書かれてあるところは信頼できて共感ができて良心的な本だと思います。

 

 <目次>

プロローグ

第1章 風邪ウイルスがなぜパンデミックを引き起こしたのか

第2章 ウイルスはどのようにして感染・増殖していくのか

第3章 免疫vs.ウイルス なぜかくも症状に個人差があるのか

第4章 なぜ獲得免疫のない日本人が感染を免れたのか

第5章 集団免疫でパンデミックを収束させることはできるのか

第6章 免疫の暴走はなぜ起きるのか

第7章 有効なワクチンを短期間に開発できるのか

エピローグ

索引

 

大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授。1947年長野県生まれ。京都大学医学部卒業、オーストラリア国立大学大学院博士課程修了。金沢医科大学血液免疫内科、スイス・バーゼル免疫学研究所、東京都臨床医学総合研究所等を経て、大阪大学医学部教授、同大学大学院医学系研究科教授等を歴任。2007~08年日本免疫学会会長。医学博士・PhD

 

【No.699】新型コロナ7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体 宮坂昌之 講談社(2020/11)

エッセイストの酒井順子さんは、充実して歳を重ねる素敵な50代女性だ。

「男尊女子、源氏姉妹、センスオブシェイム」、そして「このガラスの50代」。

彼女は30代のころから男性パートナーがおられますが、独身者としての思考や女性の生態、社会の鋭い目線でその時代を表現しているところは、現代の(枕草子を著した)清少納言のような女性と思います。

2004年の流行語大賞にノミネートされた「負け犬の遠吠え」30代以上、独身、子なしが有名です。

僕なりに考えると高学歴で高収入の美人なのでしょうか。

結婚をしないでそのまま楽しめばよいと曲解されたというが、実は結婚を推進する派だったのだ。

バブル時代を経験して虚構のうえで狂喜乱舞した「セクハラ意識低い系世代」。

男性たちからのセクハラごとを柳のようにしなやかにたおやかにかわし、暖簾のように受け止めずにさっとうまくすりぬけてきました。

ぼくは、酒井さんに真近くでお会いしたことがあります。

目の前を通りすぎてしまいそうなくらいに普通の女性であり丸いメガネが印象的でした。

相手を偏見で眺めてはいけません。

勝手に上目遣いで判断してはいけない。

外見ではなく内面が大切なのです。

書かれた本を読んだり、話をしていくうちに内に入って対話してみるとわかるのです。

50代からは「異性愛から人間愛へ」と変化していくことと。

50代の女性に必要な3つの「キン」があること、お金と筋肉と近所の友達を大事にしていくなど、

酒井さんから大切なアドバイスがてんこ盛りのエッセイでした。

 

巻末に「50代読者大アンケート」結果を収録されていました。

そのなかから、ぼくにも役に立つようなことや参考にできること、面白い内容を取りあげてみました。

「今、ハマっていることを教えてください」

 体幹トレーニングによるボディ改革。この年でもちゃんと成果が出るので、ますますやる気に。

 ホットヨガ。腸活レシピ。ウォーキング。ボルダリング。オンラインゲーム。能楽。テレビ体操。ウクレレ演奏。K-POP。英語の勉強。断捨離。中学生レベルの勉強。

 人生後半に向けての生活シフトチェンジ。衣類や家財道具などのシンプル化

 

「これから挑戦してみたいことを教えてください」

 社交ダンスの個人レッスンを受けて、パーティのデモンストレーションに挑戦したい。

 身辺整理して身軽な暮らしにシフトしていきたい。

 FP2級資格取得

 仕事に関係ない、自己満足のための資格挑戦

 忙しくて読めず積んである本を読破

 本格的にヨガを習いたい。

 

「誰にも言えない秘密を教えてください」

 ずっとコロナ世界であればいいと思っている。

 野菜を洗わずに料理している。

 40代は肉食系だった。

元彼が逮捕された。

実年齢。小学生の息子にも知らせていない。

 

「性生活はありますか」

定期的にある18.3%、たまにある21.7%、全くない51.7%

 

「今、悩んでいることを教えてください」

 目が疲れやすくなった。朝からずっと活字を追っていると、夜には疲れてしまう。

体力の衰え。無理が利かなくなった。

老後生活は大丈夫か。

リモート会議の自分が美しくない。ライトニングで誤魔化す技を知りたい。

法事の手配。親族呼ばないで自分だけとか駄目なのか。

 

「50代までにしておいてよかったと思うことを教えてください」

 若いうちに異性と派手に交遊しておいてよかった。

離婚、子育て、親の介護、看取り、孫の誕生など望んでいないことをひたすらこなす日々だったので、しておいてよかったことは浮かばない。

何度もくじけそうになりながら、子育てと両立してなんとか仕事を続けたこと

 

「50代になったらやめた方がよいと思うことを教えてください」

 人に迷惑をかけなければ、やめなくてはならないことは基本的にはないと思う。

 甘いものの食べ過ぎ。年齢とともにやせにくくなるので運動量は増やした方がよい。

腐れ縁の友人やグループと、自分を偽って付き合うのはやめた。初めて自分一人で考え生きていく覚悟ができ始めた気がしている。

 

「50代でできなくなったこと、嫌いになったものを教えてください」

 夜更かし。昼まで寝る。異性の目を気にする。広く浅い付き合い。SNSは面倒くさくなってきた。人と群れる。愛想笑い。くだらない集り。脂っこい食事。

 

50代でできるようになったこと、好きになったものを教えてください

 人に対して寛容になった。期待をしなくなった。自分一人の時間。他人と比較して落ち込まなくなった。四季の移り変わりを観察することが好きになった。自分と異なる価値観、考え方の人を受け入れられるようになった。芸術に関心が高くなった。いらないものを断れるようになった。怒りをコントロールできるようになった。幅広い年代とコミュニケーションできるようになった。

 

 <目次>

三度目の成人式

若見えバブル崩壊

働くおばさん

「懐かしむ」というレジャー

昭和と令和

感情は摩耗するのか

母を嫌いになりたくないのに

朽ちゆく肉体、追いつかぬ気分

性人生の晩年を生きる

50代独身問題

再会と再開の季節

初孫ショック

「エモい」と「無常」”

セクハラ意識低い系世代

自分がえり

3つの「キン」

コロナと50代

好きなように老けさせて

付録・ガラスの50代 読者大アンケート

 

1966年生まれ。東京都出身。高校生のときから雑誌にコラムの執筆を始める。立教大学卒業後、広告代理店勤務を経て執筆に専念。2003年に発表した『負け犬の遠吠え』はベストセラーとなり、婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞を受賞

藤原和博流の発想法と実現する方法。

藤原さんは、とにかく熱い人だ。

時計、氷マシン、学生服、公立校の講堂、キャリーバックの制作等々で熱く語る姿が伝わってくる。自分も熱くなるのだ。

何か新しいものを生み出すには、一割の時間を投資して熱い思いを絵や形にする。

どんどん人に会いに行って対話をすると仲間ができて協力者が生まれてくる。

相手にとって断れない提案をして、業界下位の会社と組んで下剋上を狙うのだ。

場の空気を換える力を持って人をより良く感化させることができる。

藤原さんの行動に対し周りの人たちが同調してぜひとも協力したくなるくらい強い統率力がある。

 

幸福感の源泉として実践するための3つの提案が藤原さんからあった。

やれることがあれば今すぐやる。

もう既にしているならば、さらにそれを極めるように!とぼくは解釈した。

282-283P

1 なんでもいいから「現役」であること。いくつになっても将来を見据えた現役話に花を咲かせよう。

2 自分が「成長」している実感があること。あらゆる場所で学習機会を増やすことが求められており読書が大事。

3 会社や役所のような勤め先の組織とは別の「コミュニティ」における居場所が確保されていること。多様なコミュニティで柔らかく交流する。人はコミュニティの仲間同士の間に生まれる物語が増殖することで幸福を実感できる。

 

この「情報編集力」がこの本の肝だった。

23-24P 多様化・複雑化する現代社会では「情報編集力」が大事になる

「情報編集力(思考力、判断力、表現力)」-コミュニケーション、ロジカルシンキング、シミュレーション、ロールプレイ、プレゼンテーションの各リテラシー

「情報編集力」というのは、明快な正解がない問題に対して、仮説をたくさん出し、その中で自分が納得し、しかも関係者をも納得させられる仮説(納得解)を、アタマを柔らかくして縦横無尽に紡ぎ出す力のこと。正解はないわけだから、「納得解」は状況に応じて割りださなければいけない。

やさしく言うと、要素を掛け合わせる掛け算の力でもある。AとBという要素を単純に足すのではなく、掛け算をすることで付加価値を画期的に上げたいときに使う力だ。だから、これを「つなげる力」とも呼んでいる。

(中略)

ところが、現代社会は非常に多様化・複雑化していて、正解が1つという問題はどんどんなくなっている。日々取り組んでいる仕事も、正解がないか、正解が複数あるという問題ばかりではないだろうか。

そこでは、仮説を数多く出して、そのなかで自分が納得し、かつ関わる他者を納得させることのできる仮説、すなわち「納得解」を求めて知識・経験・技術をすべて組み合わせる「情報編集力」が重要になる。

組み合わせるから編集という言葉を使っているが、とにかく1つの正解を出すだけなら「情報処理力(正解を早く正確に言い当てる力、つまり基礎学力を指す)」を高めればいい。しかし、今のような成熟社会でビジネスの問題を解いていくには、課題設定を含めて情報を編集する力が大事だ。

 

 <目次>

序章 己に眠る「狂気」で、沈滞を突き破れ

第1章 「ないのなら、つくればいい」藤原和博は、時計も“編集”する

第2章 1台300万円。奈良で生まれた「型破り」のかき氷マシン

第3章「子どもたち」の未来を作ろう。大金持ちでなくてもできる世界貢献

第4章 スマホから発注できる学生服「ichijo」 

第5章 史上初、隈研吾が設計した「公立校の新講堂」 

第6章 「背負える」キャリーケースで作る新しい常識

あとがきにかえて

 

教育改革実践家。元リクルート社フェロー/杉並区立和田中学校・元校長/奈良市立一条高等学校・元校長。2021年、「朝礼だけの学校(あさがく)」開校予定。1955年東京生まれ。1978年東京大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。メディアファクトリーの創業も手がける。1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校の校長を務める。2008年から2011年、橋下徹大阪府知事の教育政策特別顧問。2016年から2018年まで奈良市立一条高等学校の校長を務めた。著作は『10年後、君に仕事はあるのか?』(ダイヤモンド社) 、『35歳の教科書』(幻冬舎)、『坂の上の坂』(ポプラ社)など累積150万部。ちくま文庫から藤原和博の「人生の教科書」コレクション刊行中。年間100回の講演で累積1500回を超える超人気講師。YouTubeののライブ講演動画は200万回超視聴されている。

 

※藤原和博さんは、講演会の時に「教育界のさだまさし」と名乗るというが、さだまさしさんというよりも、ぱっと見では、俳優の竹中直人さんのほうが似ていると思うがどうかなと。

 

【No.697】革命はいつも、たった一人から始まる 壁なんて「ない」と考える藤原和博流発想&実現法 藤原和博 ポプラ社(2020/11)

生まれたときも死ぬときも、自分以外の人の世話になるのは間違いありません。

例えば、食べ物。購入するにしても、作ってくれるにしても。どのようにしてお店に運んでくるのか!車で自分で運ぶとしても、その車はどうやって製造されたのか?燃料のガソリンはどこから?電気やガスが通っている、道路の整備は?病気になったときのお医者さん。お薬はどうやってもらうのか?

いずれにしても、日々の生活では自分だけではなく他の人が関わる部分がほとんどなのです。社会のみんなで責任と役割を分担しているのです。

健康なときには目を背けているけれど、病気になったときやからだの都合が悪いときにやっと気づきます。

人は決して独りでは生きていけないし、一人でも生きていないのです。

東日本大震災や度重なる災害、そして新型コロナ禍、不安と孤独に蝕まれる現代の日本の情勢から考えると、高齢の単身世帯が増えてきているから、必然的に孤独で亡くなる方、いわゆる無縁死がこれから増えていくように感じています。

若くて体が丈夫なときにはあまり思わないかもしれない。

病院で亡くなるような場合でなく、特殊清掃をしなければならないように大きな迷惑をかけないためにも、他人に気づかれるように今から世の中とできるだけ繋がっていくようにすべきです。

たとえば、共通の趣味や町内会、ご近所さんなどと付き合う等、もちろん肉親や家族とつながり続けるほうが良いと思います。

生まれてきたとき普通に祝福されてきたのに、死ぬときにはたった独りでは!

ぼくは心残りで淋しくて素直に旅立てないと思うのです。

 

著者が特殊清掃の仕事を通じて気づかれたことが、イキイキとして過ごしている人生の先輩たちが行き着いた世界と同じようだったのは、ある意味普遍的な悟りのような境地だったからでしょうか。

 

良く死ねるためには、いまを良く生きることです。

死ぬときに「よい人生だった」と思えるように生きていきたい。

そのために、友人や仲間、家族などといっしょに、ワクワクドキドキしながら、いまのこのときを、正に楽しく愉しく面白く、イキイキとして歩んでいきたいものです。

 

212P 生きることの意味

人が生きた価値は、その長さだけでは測れません。

(中略)

その人生が長くても短くても、生まれてから死ぬまでの間に、いかに愛し、愛されたのかという実感をもてるかどうかが大切だと思います。少しでも「幸せだ」と思えた瞬間があったか、死を迎えるその瞬間に「いい人生だった」と思えたか。それこそが、その人にとっての人生の価値となるのだろうと思うのです。

 

12P ある事件現場にて

殺人事件、死亡事故、自殺、病死。

さまざまな理由で住人が亡くなり、遺体が発見されないまま相当期間放置されると、その部屋は凄惨をきわめた状況となることが少なくありません。私は、人の命が失われ、遺体搬送後に死の痕跡が色濃く残された現場を清掃し、再び人が住める状態にまで完全に復旧することを生業とする「事件現場清掃人」です。遺族や、物件を所有する家主から依頼を受け、一般の清掃業者では手に負えない、いわゆる特殊清掃の現場に日々立ち会っています。

 

 <目次>

プロローグ 事件現場清掃人の仕事

第1章 誰ひとり偲ぶ人がいない孤独な死―関りを拒絶した無縁社会の姿

第2章 自ら命を絶つ人々―からだの寿命とこころの寿命

第3章 生きづらさの果てに―繊細すぎる魂と不安が命を奪う

第4章 遺族たちの愛―与え続けた者が死後与えられるもの

第5章 死後の世界―相続、供養、お墓…遺族の現実

第6章 生まれくる命―故人から子どもたちへの恩送り

エピローグ 日本から孤独死がなくなるとき

おわりに 

 

1971年沖縄県生まれ。料理人、内装業者、リフォーム会社等を経て、自殺・孤独死・殺人などの現場の特殊清掃、遺品整理、不動産処分を行う「事件現場清掃会社」を設立。著書に「事件現場清掃人が行く」

 

煩悩を鎮めるというよりも煽っている面があるのではないかと思う。

AVの内容を真実と思うのは間違いであり、男性目線で作られたファンタジーかエンターテイメントの一種だ。

 

カンチョ―やスカートめくりをしたこと。

保険会社などから配られた女性写真が載ったカレンダーを机上に飾っていたこと。

クラブで女性にダンスを強いてお願いしたこと。

相手の気持ちを考慮せずに、いわゆるセクハラな行為をしていたことなどは、今となったらとても若気の至りだった。

女性の視点や他者の立場に立って考えていなかったことを恥じるとともにお詫びしたい。

こんなことは決してあってほしくはないが。

たとえば電車のなかで痴漢に遭っている人を見かけたときに、間に割って入って防ぐような行動を取りたい。

 

254P 社会は変えられると知ってほしい

自分で動いて「変えられる」ものだということを、女の子も男の子もぜひ知ってください。

これはもちろん、性差別や性暴力のみについて言えることではありません。どんなテーマについても言えることですが。自分がマジョリティ側に立っている問題でも、その時どきに自分ができる方法で、積極的に動くことができるような大人になってほしいと願っています。

 

257-258P 「新しい常識」をつくって、一緒に社会を変えていきたい

正直なところ、性暴力・セクハラ事件を数多く見てきた経験から、加害者が根本的に悔い改め、変わることができるかにはかなり懐疑的になってしまっています。人はなかなか変えられません。でも、社会の常識はアップデートし変化させていくことができ、それによって人の行動様式や考え方が変わっていく、ということはあると思います。そのためには、若い世代への適切な教育、情報提供が必要です。性別や世代をこえて意見交換を重ね、性差別的ではない「新しい常識」を少しずつつくっていくことは、これからもできるのではないでしょうか。

(中略)

ならば、私たちの世代が次世代にレガシー(遺産)として残せるものはなんだろうと考えるなら、とくに男の子を育てている者としては、「わが子を差別的な男性にさせないこと」と同時に、「性差別や性暴力に怒り、一緒にたたかってくれる男性をもっと増やすこと」なのではないか。

そんなことを考えて、この本を書きました。

 

 <目次>

はじめに

1章 男の子の日常にかかるジェンダーバイアスの膜

2章 男の子にかけられる呪い

清田隆之さん(桃山商事)に聞く 男子って、どうしてああなんでしょうか?

3章 セックスする前に男子に知っておいてほしいこと

星野俊樹さん(小学校教員)に聞く 多様性が尊重される教室をつくるには?

4章 セクハラ・性暴力について男子にどう教える?

5章 カンチガイを生む表現を考える

小島慶子さん(タレント・エッセイスト)に聞く 母親として、息子・娘たちに何を伝えられますか?

6章 これからの男の子たちへ

あとがき

 

弁護士。神奈川県弁護士会所属。明日の自由を守る若手弁護士の会メンバーとして「憲法カフェ」を各地で開催。

 

【No.695】これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン 太田啓子 大月書店(2020/08)

たとえば「対話」について。

これができる人との出会いは、千載一遇の貴重な機会です。

本当の意味を分かって、話し合いながらコトバを深く分かち合えることを願っています。

相手に対して自分の心を開きあい分かり合える行動をしていきたいものです。

147P 対話・会話・雑話

会議と会話が似ているように、雑談と会話も似ています。雑談も同じ意味で「雑話」という表現もあります。「対話」「会話」「雑話」という三つの「話し合い」があるわけです。

 

153P 対話の条件

対話の相手をどう見つけるか、ではなく、どうしたら、よき対話の相手になることができるか、なのです。そのためには、よく「話す」人になるよりも、よく「聞く」人になることです。

154P

対話が実現しているとき、言語はあまり役に立たないこともあります。たとえば、皆さんが好きな人といっしょにいるときなどを思い浮かべれば分かります。そうしたとき人は、言葉より先に、その場の空気にさえ意味を感じるものです。

いかに深くコトバを分かち合うことができるか、それは対話の条件です。人は本当のことは口に出さない。むしろ本当のことは言葉にならない。

 

167P 他者に自分を聞く

「対話」とは、他者に向かって自分を開こうとする営みです。自分だけで問題を解決しようとする、そうした場所から離れることでもある。自分の問題を自分だけで解決しようとするとき、私たちは自分の可能性をどんどん小さくしているかもしれないのです。

 

 

6P はじめに

この本を読もうとしている若い人たち、あるいは内なる若者の眼で読もうとしている大人の人たちによって、この本がさらに豊かに育っていくことを願わずにはいられません。

 

 <目次>

はじめに

第1講 おもう

第2講 考える

第3講 分かる

第4講 読むと書く 1

第5講 読むと書く 2

第6講 対話する 1

第7講 対話する 2

おわりに

 

1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、2019年に第十六回蓮如賞を受賞。

春夏秋冬の風景の変化や季節の移ろい、いつもの街のなかでの奇抜な面白い建築物の発見、草木や生花への興味の集中さなど自分のなかにも変化があったことに気がついていました。

読書で文字を読むことが、私たちの視覚体験の糧になっていたことが身をもってわかります。

121P 読書はなぜ大切なのか?

ドゥァンヌ博士らはさらに重要な発見をしています。文字の認識が上手な人は、文字だけでなく、顔や日常用具や建築物への視覚反応の精度も高いのです。さらに、見た対象物が左右対称か否かを判断するテストの成績も優れていることがわかりました。

文字には単に形状が似ている組み合わせがあるだけでなく、「本」や「文」のように左右対称な文字や、「さ」と「ち」のように鏡像で意味が変わるペアさえあります。

こうした微妙な差異に気づく能力が、無意識のうちに、文字以外の広範な対象全般に汎用化されています、文字を読むことは、「読書」という枠を超え、私たちの豊かな視覚経験の糧になっていたのです。

 

人類の初期には、仕方がなく近親交配が珍しくなかったようです。

そうすると、ヒトの染色体に異常が起きて障害が出現する確率が高くなります。

猿の姿からヒトへの進化状態からパッと推測してみると、人類は奇形であったであろうか説は、まったくの荒唐無稽ではないような気がします。こういう視点の発想は面白い。

148P 近親婚か禁止される理由

さて、私たちヒトの「姿」を今いちど冷静に見てください。木を登るには力不測の腕、生肉を噛み切るにも力不測の顎、体温を保護するには薄すぎる体毛、私たちにとって当たり前すぎるヒトの特徴は、霊長類界では「奇形」です。これは近親交配で生じた身体障害であった可能性があります。

 

池谷さんは、科学者が人生を懸けて取り組んだ実験や調査を発表した、神経科学や生命科学などに関する学術論文を毎日チェックするそうです。

それらの論文の中から興味深い発見があった選りすぐりを分かりやすく簡単にしてエッセイにしたためて紹介しているのです。

 

 <目次>

はじめに 

1 だから人はおもしろい

2 計り知れない脳

3 感性を刺激する

4 愛の不思議

5 未知なる力

6 明日のために

初出一覧

 

1970年、静岡県生まれ。薬学博士、東京大学薬学部教授。神経の可塑性を研究することで、脳の健康や老化について探求している。2013年、日本学士院学術奨励賞を受賞。著書に「進化しすぎた脳」「メンタルローテーション」など。