朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -122ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

70年間逮捕なしで家族全員そろって誘拐稼業を続けてきた浅井家。

四代目の父が次の跡目を決めるために出した課題は、宗教団体「天鳳教」の幹部の兄妹をそれぞれさらってきて、教祖である彼らの父から身代金10億円を奪ったほうが五代目とするというものだった。

武装する者もいてあまりに強大で危険な宗教団体を相手にして繰り広げられる、熱血感溢れる太陽と冷静沈着で冷酷な吹雪との兄弟・骨肉を争う闘いだった。

誰が敵か味方なのかわからなくなるくらい相手と身内との裏切りに次ぐ裏切りがあった。

最後に笑うのは誰なのか?

結局すべてを計画したのは誰だったか?

終盤は、決して目が離せず展開が早い犯罪サスペンスでした。

 

1966年、大阪生まれ。98年『血塗られた神話』で第7回メフィスト賞を受賞しデビュー。感涙の純愛小説から裏社会を描いたノワール小説まで作風は幅広く、多くの読者の支持を得ている。ほかの著書に「無間地獄」「極限の婚約者たち」など。

若衆、男伊達、女伊達、粋人、通人、芸妓、色子、陰間、引込新造、年増、遊女、花魁等々。

時代劇や大河ドラマで言葉を聞いたり見たことがある容姿端麗な姿が描かれた江戸服飾図鑑。

 

着物を描くときには、浮世絵を見ればよいという。

浮世絵からたどってくる江戸の服飾文化の豊かさに感激します。

江戸時代の様々な身分の男女の着こなしをカラフルなイラストで紹介されています。

袋物、装身具、帯結び、着物の文様、被り物、武士の髷、聞き慣れない日本髪の種類など多種多様にあり驚愕するくらいに素晴らしいものです。

日本のよき文化であり芸術品でもあります。

時代劇や大河ドラマで見るときに、人物だけでなくこれらの服装、風景などにも目を行き届かせて愉しみたい、

また後世にもこれらの記録を残していきたいものです。

 

他人から普通に見えない着物の裏に、高価な布を使い達磨が描かれるなど趣向が凝らし自己主張しているところを知って考えると、ああこれが江戸の「粋」なんだよと思いました。

 

 <目次>

はじめに 

第一章 市井の人々

第二章 武家の人々

第三章 芸に生きる人々

第四章 花街の人々

あとがき 

参考文献

 

1984年千葉県生まれ。イラストレーター、画家。著書に「大人の教養ぬり絵&なぞり描き歌舞伎」がある。

 

【No.710】イラストでわかる お江戸ファッション図鑑 町娘・若衆・武家・姫君・役者・芸者・遊女など 撫子凛 マール社(2020/12)

人生100年時代になって、還暦・耳順でも不惑でも、天命を知っても、いつでも今が一番若くて、すぐにやり始めたほうがよい、「一生学び続けなければならない」、出口さんの考えに同感です。

時間の無駄だから、迷ったら行動するにも賛成です。

眺めているだけでやらなければわかりません。

やってみてよければ続ければよいしよくなければやめればよいことなのです。

これからこの「迷ったらやる」を取り入れてやっていきます。

233P「迷ったらやる。迷ったら買う。迷ったら行く」

仕事一辺倒の「飯・風呂・寝る」の生活から脱却し勉強しなければならない、勉強するのは子供や学生だけでなく、大人になっても一生学び続けなければいけない。

知は力であり、その力は「人・本・旅」で勉強しなければ身に付かない。

(中略)

要するに、メリットとデメリットがはっきりしていたら、人は選択に迷いません。迷うということは、どちらもよいところがあり、悪いところがあるから迷いのです。そういうときにいくら時間をかけて考えても、答えはでてきません。ただ時間が過ぎていくだけです。答えがでないのに迷うのは時間の無駄だから「迷ったらやる。迷ったら買う。迷ったら行く」で行動したほうがずっといいのです。

 

ぼくは、読書会で語り合うなど好きなことをするために生きていると言っても過言ではありません。

57P 人生で大切なのは好きなことをする時間

人生で大切なのは、何といってもパートナーや気の置けない友人たちと過ごす時間であり、自分が好きなことをする時間です。

僕が日常で好きなことは、食べる、本を読む、眠るの3つです。だから食べる時間はたっぷりとり、寝る前の1時間は本を読み、眠る時間もたっぷりとります。

 

犬も歩けば棒に当たります。行動しましょう。

84P 運をつかむカギは「適応」にあり

繰り返しになりますが、適当な時期に場所にいることが運であり、走って大きな口を開けることが適応です。好みの問題はあるにせよ、何らかもチャンスを得たいと思う人であれば、家にこもっていても仕方がないのです。どんどん外に、広い世界に出ていくしかありません。

 

桃李自ずから径を為す。

87P 人とのつながりは「自分」というコンテンツ次第

自分に魅力や面白いところがあれば、人は向こうから集まってきてくれます。その人と一緒にいると面白かったり楽しかったりすると、人は自ずと寄ってくるのです。

 

なぜ勉強するのかという問いに対し、「ものごとを自分の頭で考えて自分の言葉で意見を表明するため」という答えがありました。これはいただきたい解答でした。

151P 教育は若者のためだけのものではない

山本義隆さんはあるインタビューで、「人は何のために勉強するのか?」という質問に対し、「専門のことであろうが、専門外のことであろうが、要するに物事を自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため。たったそれだけのことです。そのために勉強をするのです」と答えています。

つまり人は「考える葦」になるために、自分の頭で考え自分の言葉で自分の意見をいえるような人間を育てることが、教育の根源的な目的ということです。

そして「考える葦」としての人間の成長には完成も終わりもありませんから、この目的のためには子供の時期だけに限らず、大人になっても一生勉強し続ける必要があるのです。

 

152P 教養は「おいしい人生」を楽しむためにある

 

自分を冷静にして客観的に見ることができること、直言や諫言を受け入れる器量を持てるのは、社長から部長、課長、平社員など、どの位置にいたとしても役に立つ処世術だと思います。

240P

唐の第二代皇帝で、中国史上最高の名君の一人とされる太宗の言行録である「貞観政要」には、「三つの鏡(三鏡)」という話が出てきます。三つの鏡とは太宗が意思決定の際に大事にしていたもので、具体的には「銅の鏡」と「歴史の鏡」、「人の鏡」です。

銅の鏡で自分を映し、自分の心身の状態をチェックする。将来は予想できないので歴史の鏡で過去の出来事を学ぶ。人の鏡で部下の直言や諫言を受け入れる。人はこれら三つの鏡によってのみ、よりよい意思決定を行えるという話です。だからカッカしやすい人は、怒った自分の顔を鏡で見ることを習慣にづけるといいかもしれません。

 

出口さんが強調したかったところだと思います。

「人・本・旅」で自分の好きなことを見つけてやっていくのです。

242P 年齢の縛りから自由になる

いいたいのは、必ずしも自分の好みではない誰かが決めたパターンにわざわざ自分からはまりにいく必要はない、人間は一所懸命自分の好きなことをするのが一番幸せだ、ということです。

好きなことをやる、あるいはやれること。人間の幸せは、それに尽きます。「人・本・旅」でいろいろな人に会い、いろいろな本を読み、いろいろなところに出かけて行って刺激を受けたらたくさんの学びが得られ、その分人生は楽しくなります。

誰と会い、何を読み、どこに行くかは皆さん次第。人の感性はさまざまなので、自分が面白いと思う「人・本・旅」に出会い、好きなことにチャレンジしていけばいい。還暦だろうが古希だろうが、年齢など関係ありません。しかもしれは「世界経営計画」のサブシステムを担う行為となり、世界をよりよくしていくことにもつながっていくでしょう。

幸せな社会とはみんながそれぞれ他人に気兼ねなく、自分の好きなことに打ち込める世界です。私たちがつくり、次世代に引き継いでいくのは、そういう社会でなければなりません。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 社会とどう向き合うか(「何歳まで働くのか」を考えても意味がない、高齢者が生かされている歴史的、生物学的意味 ほか)

第2章 老後の孤独と家族とお金(「老後の孤独」の本質は歪んだ労働慣行にある、死んだら星のかけらに戻るだけ、恐れても仕方がない ほか)

第3章 自分への投資と、学び続けるということ(80歳でもチアリーダーになれる、DJになれる、「昔取った杵柄」と、新たな物事への「没入」 ほか)

第4章 世界の見方を歴史に学ぶ(日本が鎖国できたのは「世界商品」がなかったから、阿部正弘は明治維新の父 ほか)

第5章 持続可能性の高い社会を子供たちに残すために(男女差別が日本を衰退させている、男性が子育てすると家族愛が高まる科学的理由ほか

おわりに 

 

1948年、三重県に生まれる。立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命保険株式会社創業者。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命保険株式会社に社名を変更。2012年、上場。社長、会長を10年務めたのち、2018年より現職。

御子柴弁護士シリーズの第5弾。

14歳時、少女を惨殺した園部信一郎だった。

30年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士の御子柴礼司の罪は、けっして消えるわけでもなく、その憎しみも関係者のこころから消えるものでもない。

御子柴の弁護士資格を剥奪するべく、「この国のジャスティス」と名乗る人物が書いたブログを読んだ大勢の人から御子柴に対して懲戒請求を求めてくる。

事務員の洋子が殺人事件の容疑者として警察に捕まった。

御子柴の失墜の為に仕掛けられた罠なのか、

これまであまり詳細が触れられてこなかったが洋子とは一体何者なのか?

現在から過去にさかのぼって、この二つを軸として物語が展開するのだ。

 

これまでの作品と比べると、描かれた犯罪の派手さがないが事務員を弁護する御子柴の人間らしさがちょっと垣間見えるようになっている。

おわりの犯人がわかる展開はとてもスピードが早くてついていかれず、あっけなく終わりに届いた感があった。

中山七里さんのどんでん返しは、いつもよりはすこし控えめだったけれども、最初に衝撃を受けたので最後までもう一気読み。

彼の小説は読むこと自体が楽しみであり、知識や情報を得ることが目的ではないのだ。

例えば、半沢直樹シリーズなど池井戸潤さんの小説をあなたはなぜ読むのか?と聞かれたときに、ぼくは素直にこう答えます。

「面白いから!」

小説を読む姿勢として、まさに言い得て妙だと思います。

37P どんな本を選び、どの順番で読むか

小説というのは、読むこと自体が楽しみです。決して知識や情報を得るのが目的ではありません。

読んでいる間が、一種の夢を見ているような時間。夜寝ている間だけではなくて、私たちは小説を読むことで、起きている間も夢を見ることができるのです。

 

ここも絶妙な巧みな言い回しです。

本は人との出合いと同じで大切にしています。

ネットで注文や予約するよりも、実際に書店や図書館に足を運ぶメリットは大きいものと考えています。

運命的な本との出合いと共に、

もしかしたら本の専門家である書店員さんや図書館司書さんとの偶然的な出会いもありますから。

79P 本との出合いは一期一会

本は人と同じで、出合いなのです。思いがけない場所で、思いがけない縁が生まれてくるように、本もまた出合いです。

本来の目的とは違ったものが、書店という場を通じて目に入り、買ってしまう。それが運命的な出合いである場合が往々としてあるのです。

書店全体も一つの情報です。書店をブラブラと歩くだけで、いまの世の中でどんな本が売れているか、どんな分野が売れ筋かがわかります。

本の装丁やタイトルをチェックすれば、そのときどきの流行りのスタイルがあることに気づいたりします。

また、集まっている客層を見ているだけで、どんな層がどんな分野や本に興味があるか、察しがついたりします。

とにかく、書店はさまざまな情報や社会の動きがそのまま表れる場所なのです。その空気に触れるだけでも、書店に足を運ぶ価値があると思います。

 

 <目次>

はじめに 

第1章 なぜ、「読む順番」が大切なのか?(「読む順番」を間違えていませんか、音楽や絵画は順不同でいい ほか)

第2章 最初の1冊をどう選ぶか?(新書を読書の入り口にする、1時間で新書3冊の要旨をつかむ ほか)

第3章 「哲学」から「歴史」、「科学」まで“ジャンル別”本物の教養が身につく3ステップ読書術(思想・哲学ジャンル―難解で長大な作品が多いので、やさしいものから読み始めたい、科学・宇宙ジャンル―まずは通俗本で基礎を固めてからエッセイや教科書で知識を深化させる ほか)

第4章 ニーチェから夏目漱石、太宰治まで“作家別”本の理解力が上がる3ステップ読書術(ニーチェ―ニーチェの過激さ、凄みは、この順番で読まなければ理解できない、プラトン―ソクラテスとプラトン。二大哲学者の固い絆と思考がわかる3ステップ ほか)

第5章 読む順番と同じくらい大切なこと(アウトプットすることを前提に読む、要約力と引用力の二つが大切 ほか)

 

1960年静岡県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。著書に「声に出して読みたい日本語」など。

 

【No.707】本には読む順番がある「最初の1冊」から「仕上げの1冊」まで 齋藤 孝 クロスメディア・パブリッシング(2020/12)

全国の書店を取材して書かれた『本屋さんで本当にあった心温まる物語』を先に読みました。

30P

「不思議なことに、本の話になると、年齢を超えて語り合うことができます。

不思議なことに、本の話になると、立場や職業を超えて共感し合えます。

不思議なことに、本の話は、一気に人々の距離を縮めます。

それが本の持つ力です。

友達、家族、会社の仲間、学校の仲間、誰でもいいです。

もっと本について、語ってみませんか。」

本のことを語り合うのに併せて、自分の想いも含めて語り合うのです。

胸襟を開いた自分の芯の姿を知ってほしいのです。

ぼくという人物がここにいることを知ってほしい。

それが読書会に参加する意味であり醍醐味であると思います。

 

尼崎の小さな本屋さんの小林さんから、売れないならどう売るのか、人を見て考える、変化への対応など仕事とは何か考えさせられました。

彼女の旦那さんの言葉からは、仕事に関わる人やお客様への感謝の心が汲み取れました。

 

与えられた場所や選んだ仕事にしばらく従事してみたらどうかと思います。

時間や労力が勿体ない。

せっかくやるなら好きになった方がよい。

そのなかに好きなことを見つけることが続けていくためのコツです。

「まずは、仕事のことでも会社のことでもまわりの人のことでも、ひとつずつでもええから、ええところを探してすきになってみ。そしたら自然ともっと知りたくなってくるもんや。何でもええやん。せっかく縁あって大販に入ってんから、仕事のことも会社のこともまわりの人のことも、好きにならんともったいない」

 

読書など共通の趣味があり熱く語る人には、面白いから人が集まってきます。

特にイベントでは、せっかくならば熱くなって関わりたい。

そうならないと動きたくないしやりたくないのだ。

アドレナリンがほとばしる熱のある場所で自分も盛り上げたいのです。

257P

書店の名前は「本座・原宿」。

コンセプトは「プロジェクト参加型の書店」

ここでは、書店員さんもお客さんも一緒になってプロジェクトに参加して店を盛り上げていくのが決まりになっている。

大阪で一番学んだのは、人は「熱」がある場所を「快」と感じるということだ。逆に「熱」がないところに人は集まらない。「熱」を生み出すためには、人の気持ちが乗っかる必要がある。もちろん店舗のスタッフの気持ちも大切だが、お客さんの「本気」がそれに乗っかると、さらに店は熱くなる。

だから「本座」では、お客さんに自ら主体的に参加してもらうことで、「熱」が生まれる仕掛けをいくつも考えた。

 

大阪市阿倍野出身のコピーライター。広告代理店勤務を経て独立。2008年からはビジネス書を中心に作家活動を開始。著書多数。その多くが海外にも翻訳されている。書店好きとして知られ、全国の書店を取材して執筆した『本屋さんで本当にあった心温まる物語』(あさ出版/冒頭の『1冊のジャンプ』のエピソードは中学三年生の道徳の教科書に採用)などの著作もある。

 

【No.706】仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ 川上徹也 ポプラ社(2020/12)

きちんとお互いに向かい合えれば、その思いはちゃんと相手に伝えることができるのだと思う。

この物語に出てくる主な人物たち。

直井玲斗(クスノキの番人)

直井富美(玲斗の祖母)

直井美千恵(玲斗の母。柳澤千舟の腹違いの妹)

栁澤千舟 (玲斗の伯母、全国にホテル展開するヤナッツ・コーポレーションの顧問)

佐治寿明(クスノキに祈念に訪れる優美の父)

佐治優美(寿明の娘)

佐治喜久夫(寿明の兄)

大場壮貴(和菓子メーカー「たくみや本舗」の御曹司)

人の願いが叶うと言われているクスノキ。

突然にその番人を任された直井玲斗とクスノキの元へ祈念に訪れる人々と織りなす物語。

「秘密」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の流れを汲む心が温まるファンタジーSF的なお話。

 

念じると親族に言葉を伝えることができるとしたならどんな言葉を残したいか?

クスノキに新月の時に預念をして、満月の時にその念を受け取るという特別な出来事があった。その現象の詳細はストーリーが進められていくうちに徐々に明らかになっていくが、それを解いていくのに人や家族の繋がりを感じられずにはいられなかった。

柳澤千舟に呼び出されて、クスノキの元で偶然出逢った少女の佐治優実と絡んでいき、だんだんクスノキの秘密やその番人の役割を知っていくのだ。

玲斗の感情が徐々に変化していき、彼の成長の大きさにそれがプラスされていく。

終わりに、玲斗が子どもの殻を破って、堂々と大人びていく姿を見ることができてよかった。

半年前から読むのを待ちに待った本。次に続く展開が見たいような終わり方だった。

 

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学工学部卒業。85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、12年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第7回中央公論文芸賞、13年『夢幻花』で第26回柴田錬三郎賞、14年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞

大人の嗜みとして知っていたら楽しい!

教養となり日頃の会話の中で使うことができれば、ちょっとピリッとした胡椒のような刺激となります。

食べ物、動物、歴史、偉人、有名人、スポーツなど多様な分野に渡っています。

思わず「へえ〜」と唸るような豆知識が豊富に紹介されています。

その中から一部取り挙げてみました。

詳細はよかったら本をご覧ください。

 

意外な「毒」生物

ジャガイモ 芽がついていたり、未熟な芋を食べると腹痛や下痢を起こす

水仙 ニラと間違える事例が多く、葉を食べると吐き気や頭痛に襲われる

紫陽花 付け合わせに多用される葉には毒が。種も強力な下剤作用がある

インゲン豆 加熱が不十分な場合、4から5粒でも胃腸の粘膜に急性炎症を起こす

アロエ 葉肉に有毒成分があり、外用、内服ともに皮膚炎を起こす場合も

 

コンビニに歴史あり、意外と知らない店名の由来

サンクス 「太陽」のSUNと客への「感謝」を表すTHANKSをかけて生まれた

ファミリーマート 企業と客が家族のような関係で共に成長する願いが込められている

ポプラ POPULAR(人気)と、生き生きと育つポプラの木をかけて生まれた

セーブオン SAVE ONを直訳すると、「節約」。安く買い物できる店を目指して命名

ローソン アメリカオハイオ州で街の牛乳屋さんだった。店の看板のロゴ中央にミルク缶がある。

 

ベートーヴェンの生涯。変人?はたまた天才?

「汚れ熊」というあだ名だった。コーヒー好き、強い癇癪持ち、引っ越し魔、重度の鉛中毒だった。

 

偉人たちの背比べ(cm)

徳川綱吉 124

豊臣秀吉 140

徳川家康 159

上杉謙信 161

淀君 168

坂本龍馬 169

織田信長 170

千利休 178

西郷隆盛 178

聖徳太子 180

宮本武蔵 185

豊臣秀頼 197

 

徳川家康のトリビア

大便を漏らした姿の絵がある、実はムキムキ、健康オタク、熟女好き、死因は胃癌。

 

意外と古いあの若者言葉の由来

江戸時代から使われていた。モテる、キモい、ヘコむ、キレる、ヤバい、ビビる、マジ、ムカつくなど

 

現代医学が解明!偉人が苦しんだあの病気

藤原道長(糖尿病)、平清盛(マラリア)、源頼朝(歯周病、誤嚥性肺炎)、石田三成(過敏性腸症候群)、加藤清正(梅毒)

 

歴史の裏にはエロがある。性のエピソード

春画は花嫁道具の一つだった。日本人の淫乱ぶりに激怒したペリー、盆踊りの後に乱交やスワッピングが行われていた。女性用オモチャは奈良時代からある。

 

動物園の人気者たち

パンダの中国へのレンタル料(雌雄ペア1億円)、ゾウの一日の食事量(林檎、牧草、麦、竹など150Kg、水100L)、ラッコは手を繋いで眠る、キリンの鳴き声は「モー」、コアラは、ユーカリの葉には毒があり解毒にエネルギーの大半を費やしている。

 

意外すぎる公務員だった有名人たち

役所広司(千代田区役所職員)、山村紅葉(大阪国税局国税調査官)、藤井フミヤ(旧国鉄・門司鉄道管理局貨物列車操車)、宮川花子(大阪府城東警察署交通巡視員)、浅田次郎(陸上自衛隊市谷駐屯地)

 

 <目次>

現代のフシギ

食べモノの哀愁

世界ウラ偉人伝

教科書が載せない日本史

スポーツ珍記録

数字のマジック

動物トホホ話

あの街この土地こんなナゾ

 

「大人」とは何か?研究所

略歴出版、メディアのみならず、商社、メーカー、金融と、幅広い世界でひとかどの実績を残した達人たちが集い、それでも日々自らを向上させようと真摯な議論を重ねる異業種交流会。長年にわたり積み重ねられた知見と人脈から、こんな時代にも「立派な大人」と同僚、家族、仲間たちから認めてもらえる「嗜み」をお知らせします。

 

【No.704】わが子に「なぜ海の水はしょっぱいの?」と聞かれたら?尊敬される大人の教養100 「大人」とは何か?研究所編 講談社(2020/12)

大物彫刻家が遺した彫刻の縮小模型やハワイで発見されたというビンテージアロハ、中国の乾隆御墨、素人の蔵に眠っていた重文級の狩野派屏風、美術館に展示された青銅器など様々な貴重品や美術品をもとに、欲深い塊のような人たちの腹黒い思惑をたっぷりと感じれました。ぼくとって経験できない異次元のひとときを楽しませてくれた。

人に美術品を斡旋し繋げることで手数料という上澄みを簡単に懐に入れ儲ける自由奔放な人たちに対しては、自分がその疑似体験をすることができある意味そんなうまい商売があるのかと勉強となった。

詐欺師にあっと言わせる関西弁のあっさりしたセリフが小気味よかった。

 

チャンスは逃すな!というけれど、世の中には、そうそう、うまい話はなかなかないものだ。

そんな時には、できるならば自分を上からしっかりと俯瞰してみる、ただ独りだけで考えずに信頼できる人に相談する、時間を掛けてその理由を調べてみる、別の専門家にセカンドオピニオン気味に相談してみるなど、仕事や生活をしていく上での処世術のようなものがここから学ぶことができた。

総体的には、黒川さんならではのゾクゾク、ワクワク感と相手との駆け引きが堪らなく気持ちよい作品だった。

 

 <目次>

マケット  

上代裂   

ヒタチヤロイヤル   

乾隆御墨  

栖芳写し  

鶯文六花形盒子  

 

1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学卒業。高校の美術教師を経て、83年『二度のお別れ』が第一回サントリーミステリー大賞佳作、86年『キャッツアイころがった』が第四回の同賞大賞を受賞し、作家活動に入る。96年「カウント・プラン」で第四九回日本推理作家協会賞、2014年『破門』で第一五一回直木賞を受賞。著書多数あり。

男女の別はありますが、主人公の行動から将来の自分が行く道が透かして見えてきます。

ぼくが彼女の立場だったらどうするのか、どう行動するのかなと考えながら読んでいきました。

1P

無防備に眠りこけている夫の寝顔を見た時、私はつぶやいていた。

「今度生まれたら、この人とは結婚しない」

「終わった人」「すぐ死ぬんだから」そして「今度生まれたら」の三部作。

今度生まれたら?

ぼくならどうするだろうか。

 

都内の一軒家で成績が良い息子2人を育て上げて義母の介護も経験して、いまは夫の和幸と二人暮らしの70歳の女性、佐川夏江が主人公。

はたからは何も不自由や不満がない老後に見えます。

しかし、彼女自身の人生を振り返ってみると、良かれと思って行った短大進学、安定を求めた就職先と結婚など、その時その時の選択や判断が正しかったのかどうか、よかったのかどうか、別の道を選ぶやり方もあったのではないかと悔やみつつ悩むのです。

何かをやりはじめるのには年齢は関係ないとは言われますが、やり直しがきかないような70歳の齢となって、夏江は、若い頃得意であった園芸技術を活かして、人に役立つことをやり始めるのです。

 

過去の生きざまを振り返るのは、誰にでもよくあることです。

あれをやっておけばよかったなどど後悔をするでしょうが、頭の中だけではなく、少なくとも調べ物をしたり、読書をしたり、見に行ったり探したりして、今できることを何かしらして動いてみたらその時の結果が出てくるでしょう。

思い立った今の年が一番若い。

やれることが限られていますが、気づいたできるだけ若いうちにして、やらない後悔をするよりやってみた後悔のほうがモヤモヤしないのではないでしょうか。

ほかの誰かからこんな相談があったら、自分で気づいたとしても、とりあえずやってみれば!と肩を押すようなお節介なアドバイスをしたいものです。

 

118P

「人間は死ぬ日まで、何が起きるかわからないんです。そりゃ、悪いことも起こりうる。でも、それを考えて絶望していることこそ、人生の無駄です。とにかく楽しんで生きるためには、自分から動く。何かを始める、年齢は関係ない。耳にタコでもこれなんです」

その通りだ。だが、何の参考にもならない綺麗ごとだ。

「佐川さんにも皆さんにも、そして私にも、加齢と共に、楽しいことや変化やドキドキすることは、やって来なくなります。少なくなります。これは確かです。ならばこちらから行けばいい。それだけのことなんです」

会場の女たちは、さらに深くうなずいた。こういう言葉が、高齢者を勇気づけるのだろう。高梨は私を温かい目で見た。

 

279P あとがき より

「今度生まれたら」

と口をつく。むろん、

「また同じ人生がいい」

と笑顔で言い切る人も少なくはない。

「人間は幾つになってもやり直せる」「人間には年齢は関係ない」と言う人はいる。それは理想的なことだが、私はやり直すには年齢制限があると思っている。以前はそうは思っていなかった。だが、私自身が「お年を召した方」になってみると、口当たりがよく「人間には年齢は関係ない」とは言い難い。

ただし、たとえ(70)を過ぎても、人生の一部を、また生活の一部分を、やり直すことはできる。

だが、若い頃に夢見た人生を(70)以上からやり直すのは難しい。むろん、あくまでも私個人の考えである。

 

281P タイガーウッズのマスターズでの優勝から

「昔のウッズが、そのまま帰ってきたわけではない」

と書く。ウッズには、以前にはなかった冷静さと攻め方の知識が備わっていたという。

コラムは次のように結ばれている。

「人は甦ることができる。ただしかつての姿を追うのではなく、何者かに変身しなくてはならない。これがウッズから受け取る、あらゆる分野に通じる教訓かもしれない」

 

1948年秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業後、13年半のOL生活を経て、1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本に「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「てやんでぇッ!」(1995年文化庁芸術作品賞)、「私の青空」(2000年放送文化基金賞)、「塀の中の中学校」(2011年第51回モンテカルロテレビ祭テレビフィルム部門最優秀作品賞およびモナコ赤十字賞)など多数。1995年には日本作詩大賞(唄:小林旭/腕に虹だけ)を受賞するなど幅広く活躍し、著書多数。武蔵野美術大学客員教授、ノースアジア大学客員教授、東北大学相撲部総監督、元横綱審議委員、元東日本大震災復興構想会議委員。2003年、大相撲研究のため東北大学大学院入学、2006年修了。その後も研究を続けている。