【No.703】騙る 黒川博行 文藝春秋(2020/12) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

大物彫刻家が遺した彫刻の縮小模型やハワイで発見されたというビンテージアロハ、中国の乾隆御墨、素人の蔵に眠っていた重文級の狩野派屏風、美術館に展示された青銅器など様々な貴重品や美術品をもとに、欲深い塊のような人たちの腹黒い思惑をたっぷりと感じれました。ぼくとって経験できない異次元のひとときを楽しませてくれた。

人に美術品を斡旋し繋げることで手数料という上澄みを簡単に懐に入れ儲ける自由奔放な人たちに対しては、自分がその疑似体験をすることができある意味そんなうまい商売があるのかと勉強となった。

詐欺師にあっと言わせる関西弁のあっさりしたセリフが小気味よかった。

 

チャンスは逃すな!というけれど、世の中には、そうそう、うまい話はなかなかないものだ。

そんな時には、できるならば自分を上からしっかりと俯瞰してみる、ただ独りだけで考えずに信頼できる人に相談する、時間を掛けてその理由を調べてみる、別の専門家にセカンドオピニオン気味に相談してみるなど、仕事や生活をしていく上での処世術のようなものがここから学ぶことができた。

総体的には、黒川さんならではのゾクゾク、ワクワク感と相手との駆け引きが堪らなく気持ちよい作品だった。

 

 <目次>

マケット  

上代裂   

ヒタチヤロイヤル   

乾隆御墨  

栖芳写し  

鶯文六花形盒子  

 

1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学卒業。高校の美術教師を経て、83年『二度のお別れ』が第一回サントリーミステリー大賞佳作、86年『キャッツアイころがった』が第四回の同賞大賞を受賞し、作家活動に入る。96年「カウント・プラン」で第四九回日本推理作家協会賞、2014年『破門』で第一五一回直木賞を受賞。著書多数あり。