煩悩を鎮めるというよりも煽っている面があるのではないかと思う。
AVの内容を真実と思うのは間違いであり、男性目線で作られたファンタジーかエンターテイメントの一種だ。
カンチョ―やスカートめくりをしたこと。
保険会社などから配られた女性写真が載ったカレンダーを机上に飾っていたこと。
クラブで女性にダンスを強いてお願いしたこと。
相手の気持ちを考慮せずに、いわゆるセクハラな行為をしていたことなどは、今となったらとても若気の至りだった。
女性の視点や他者の立場に立って考えていなかったことを恥じるとともにお詫びしたい。
こんなことは決してあってほしくはないが。
たとえば電車のなかで痴漢に遭っている人を見かけたときに、間に割って入って防ぐような行動を取りたい。
254P 社会は変えられると知ってほしい
自分で動いて「変えられる」ものだということを、女の子も男の子もぜひ知ってください。
これはもちろん、性差別や性暴力のみについて言えることではありません。どんなテーマについても言えることですが。自分がマジョリティ側に立っている問題でも、その時どきに自分ができる方法で、積極的に動くことができるような大人になってほしいと願っています。
257-258P 「新しい常識」をつくって、一緒に社会を変えていきたい
正直なところ、性暴力・セクハラ事件を数多く見てきた経験から、加害者が根本的に悔い改め、変わることができるかにはかなり懐疑的になってしまっています。人はなかなか変えられません。でも、社会の常識はアップデートし変化させていくことができ、それによって人の行動様式や考え方が変わっていく、ということはあると思います。そのためには、若い世代への適切な教育、情報提供が必要です。性別や世代をこえて意見交換を重ね、性差別的ではない「新しい常識」を少しずつつくっていくことは、これからもできるのではないでしょうか。
(中略)
ならば、私たちの世代が次世代にレガシー(遺産)として残せるものはなんだろうと考えるなら、とくに男の子を育てている者としては、「わが子を差別的な男性にさせないこと」と同時に、「性差別や性暴力に怒り、一緒にたたかってくれる男性をもっと増やすこと」なのではないか。
そんなことを考えて、この本を書きました。
<目次>
はじめに
1章 男の子の日常にかかるジェンダーバイアスの膜
2章 男の子にかけられる呪い
清田隆之さん(桃山商事)に聞く 男子って、どうしてああなんでしょうか?
3章 セックスする前に男子に知っておいてほしいこと
星野俊樹さん(小学校教員)に聞く 多様性が尊重される教室をつくるには?
4章 セクハラ・性暴力について男子にどう教える?
5章 カンチガイを生む表現を考える
小島慶子さん(タレント・エッセイスト)に聞く 母親として、息子・娘たちに何を伝えられますか?
6章 これからの男の子たちへ
あとがき
弁護士。神奈川県弁護士会所属。明日の自由を守る若手弁護士の会メンバーとして「憲法カフェ」を各地で開催。
【No.695】これからの男の子たちへ 「男らしさ」から自由になるためのレッスン 太田啓子 大月書店(2020/08)
