【No.698】ガラスの50代 酒井順子 講談社(2020/11) | 朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

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そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

エッセイストの酒井順子さんは、充実して歳を重ねる素敵な50代女性だ。

「男尊女子、源氏姉妹、センスオブシェイム」、そして「このガラスの50代」。

彼女は30代のころから男性パートナーがおられますが、独身者としての思考や女性の生態、社会の鋭い目線でその時代を表現しているところは、現代の(枕草子を著した)清少納言のような女性と思います。

2004年の流行語大賞にノミネートされた「負け犬の遠吠え」30代以上、独身、子なしが有名です。

僕なりに考えると高学歴で高収入の美人なのでしょうか。

結婚をしないでそのまま楽しめばよいと曲解されたというが、実は結婚を推進する派だったのだ。

バブル時代を経験して虚構のうえで狂喜乱舞した「セクハラ意識低い系世代」。

男性たちからのセクハラごとを柳のようにしなやかにたおやかにかわし、暖簾のように受け止めずにさっとうまくすりぬけてきました。

ぼくは、酒井さんに真近くでお会いしたことがあります。

目の前を通りすぎてしまいそうなくらいに普通の女性であり丸いメガネが印象的でした。

相手を偏見で眺めてはいけません。

勝手に上目遣いで判断してはいけない。

外見ではなく内面が大切なのです。

書かれた本を読んだり、話をしていくうちに内に入って対話してみるとわかるのです。

50代からは「異性愛から人間愛へ」と変化していくことと。

50代の女性に必要な3つの「キン」があること、お金と筋肉と近所の友達を大事にしていくなど、

酒井さんから大切なアドバイスがてんこ盛りのエッセイでした。

 

巻末に「50代読者大アンケート」結果を収録されていました。

そのなかから、ぼくにも役に立つようなことや参考にできること、面白い内容を取りあげてみました。

「今、ハマっていることを教えてください」

 体幹トレーニングによるボディ改革。この年でもちゃんと成果が出るので、ますますやる気に。

 ホットヨガ。腸活レシピ。ウォーキング。ボルダリング。オンラインゲーム。能楽。テレビ体操。ウクレレ演奏。K-POP。英語の勉強。断捨離。中学生レベルの勉強。

 人生後半に向けての生活シフトチェンジ。衣類や家財道具などのシンプル化

 

「これから挑戦してみたいことを教えてください」

 社交ダンスの個人レッスンを受けて、パーティのデモンストレーションに挑戦したい。

 身辺整理して身軽な暮らしにシフトしていきたい。

 FP2級資格取得

 仕事に関係ない、自己満足のための資格挑戦

 忙しくて読めず積んである本を読破

 本格的にヨガを習いたい。

 

「誰にも言えない秘密を教えてください」

 ずっとコロナ世界であればいいと思っている。

 野菜を洗わずに料理している。

 40代は肉食系だった。

元彼が逮捕された。

実年齢。小学生の息子にも知らせていない。

 

「性生活はありますか」

定期的にある18.3%、たまにある21.7%、全くない51.7%

 

「今、悩んでいることを教えてください」

 目が疲れやすくなった。朝からずっと活字を追っていると、夜には疲れてしまう。

体力の衰え。無理が利かなくなった。

老後生活は大丈夫か。

リモート会議の自分が美しくない。ライトニングで誤魔化す技を知りたい。

法事の手配。親族呼ばないで自分だけとか駄目なのか。

 

「50代までにしておいてよかったと思うことを教えてください」

 若いうちに異性と派手に交遊しておいてよかった。

離婚、子育て、親の介護、看取り、孫の誕生など望んでいないことをひたすらこなす日々だったので、しておいてよかったことは浮かばない。

何度もくじけそうになりながら、子育てと両立してなんとか仕事を続けたこと

 

「50代になったらやめた方がよいと思うことを教えてください」

 人に迷惑をかけなければ、やめなくてはならないことは基本的にはないと思う。

 甘いものの食べ過ぎ。年齢とともにやせにくくなるので運動量は増やした方がよい。

腐れ縁の友人やグループと、自分を偽って付き合うのはやめた。初めて自分一人で考え生きていく覚悟ができ始めた気がしている。

 

「50代でできなくなったこと、嫌いになったものを教えてください」

 夜更かし。昼まで寝る。異性の目を気にする。広く浅い付き合い。SNSは面倒くさくなってきた。人と群れる。愛想笑い。くだらない集り。脂っこい食事。

 

50代でできるようになったこと、好きになったものを教えてください

 人に対して寛容になった。期待をしなくなった。自分一人の時間。他人と比較して落ち込まなくなった。四季の移り変わりを観察することが好きになった。自分と異なる価値観、考え方の人を受け入れられるようになった。芸術に関心が高くなった。いらないものを断れるようになった。怒りをコントロールできるようになった。幅広い年代とコミュニケーションできるようになった。

 

 <目次>

三度目の成人式

若見えバブル崩壊

働くおばさん

「懐かしむ」というレジャー

昭和と令和

感情は摩耗するのか

母を嫌いになりたくないのに

朽ちゆく肉体、追いつかぬ気分

性人生の晩年を生きる

50代独身問題

再会と再開の季節

初孫ショック

「エモい」と「無常」”

セクハラ意識低い系世代

自分がえり

3つの「キン」

コロナと50代

好きなように老けさせて

付録・ガラスの50代 読者大アンケート

 

1966年生まれ。東京都出身。高校生のときから雑誌にコラムの執筆を始める。立教大学卒業後、広告代理店勤務を経て執筆に専念。2003年に発表した『負け犬の遠吠え』はベストセラーとなり、婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞を受賞