「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
254P
自然科学に関するリテラシーがほとんど醸成されていない。
新型コロナウイルスの基礎知識を持たずに、他人からの不確かな知識提供(耳学問)に頼って動いている。
ウイルスの特性が十分に理解されていない。
私はこんな状況ではないでしょうか。
基本的な知識を得ることが必要です。
コロナウイルス用のワクチンや治療薬が早く世間に行き届くように願っています。
これまでの医療従事者の経験をもとに、新たなコロナ禍対処法やコロナウイルス治療法が開発されている途中です。
私たちは、マスクをする、三密を避ける、対人距離を取る、送風・換気を行うなどの有効な基本的な対策をとれば、この感染症に対応できます。
楽観視までとはいきませんが、天然痘やスペイン風邪などの過去の事例から見ても人間はこれらの困難を克服してきた実績があり、それから文明もさらに発展してきたことも考慮すると暗くない未来があるのです。
新型コロナウイルス禍の非日常から、かつての普通にあった日常に戻れるように緊張感を持って期待をしています。
第3波の感染拡大など局面がどんどん変化している状況下。
この新型コロナの正しい知識を得られるという意味で充実した一冊です。
そもそも細菌とウイルスの違いとは、自然と獲得免疫とは、パンデミックとは何なのかなどというような基本的な知識を素人にもわかりやすく書かれていました。
免疫のメカニズムの解説は難解でした。
コロナウイルスに関わる話を広く取り扱っているので全ては理解できずにたくさんある内容を消化しきれていない感はありました。
科学的なエビデンスに基づいてわからないことはわからないと書かれてあるところは信頼できて共感ができて良心的な本だと思います。
<目次>
プロローグ
第1章 風邪ウイルスがなぜパンデミックを引き起こしたのか
第2章 ウイルスはどのようにして感染・増殖していくのか
第3章 免疫vs.ウイルス なぜかくも症状に個人差があるのか
第4章 なぜ獲得免疫のない日本人が感染を免れたのか
第5章 集団免疫でパンデミックを収束させることはできるのか
第6章 免疫の暴走はなぜ起きるのか
第7章 有効なワクチンを短期間に開発できるのか
エピローグ
索引
大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授。1947年長野県生まれ。京都大学医学部卒業、オーストラリア国立大学大学院博士課程修了。金沢医科大学血液免疫内科、スイス・バーゼル免疫学研究所、東京都臨床医学総合研究所等を経て、大阪大学医学部教授、同大学大学院医学系研究科教授等を歴任。2007~08年日本免疫学会会長。医学博士・PhD
【No.699】新型コロナ7つの謎 最新免疫学からわかった病原体の正体 宮坂昌之 講談社(2020/11)
