2422 :MEMSマイクの最大課題 「単体・単一指向性MEMSマイク」の完成 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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 TODAY'S
 
MEMSマイクの最大課題   単体・単一指向性MEMSマイクの完成

これは試作です。

MEMSマイク最大課題が世界で初めててクリアしたはずです。

 

 

既存MEMSマイク単体を「単一指向性MEMSマイク」に作り変えた

 

 

 

 

記事2410および2411魔改造アイデアを進化させていきました。

 

 

 

 

ご報告

 

ついにこのたび「無指向性」の既存MEMSマイクを作り変え、「単一指向性MEMSマイク」が完成しました。

 

「単一指向性のMEMSマイク」はMEMSマイク最大の課題でしたが、Shin(筆者)は世界の業界に先行してこれをクリアさせたと認識しております。

 

 

この事実を皆さまにご報告いたします。

 

 

2024年10月20日

ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

責任者:Shin

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その背景

昨年、ICS-40800の発売を契機に(記事:2312) 、まともなMEMSマイクメーカーとは思えない取扱と内容からマイク屋魂に火が付きました。

 

 

それ以来「MEMSマイクのまともな単一指向性化をモノにするんだ」と心に決め、MEMSマイク単一指向性化にとりくみ始めて1年が過ぎました。

 

その間、記事:2322の歴史的完成を見ました。

しかし「MEMSマイク」を使う以上、それに見合った小さなマイクじゃなくては意味がないんじゃないか」と思うようになり、最近では記事:24192420とMEMSマイクによる「仮想音圧傾度型」でのMEMSマイク単一指向性クリップオンマイク開発に注力しておりました。

 

 

衝撃異音の問題は解決しましたがサイズの点、速度成分取り込み位置の問題でやはり気に入りません。

 

 

 

 

 

 

 再考すると、即効性のある「仮想音圧傾度」型より、1年前同様、ピュアな「音圧傾度」=「圧力勾配」型の有効性が見えてきて深入りして行った。

 

指向性調整に秘伝のワザを投入していったら、MEMS素子単位での単一指向性化があっさりと実現した。

 

 

 

それは歴史的な定番方式です

 

コンデンサマイクではあまり実例のない双指向性からの出発でこれは、裏側をどう塞ぐか、(イナータンス流入量)で双指向~単一指向性を経て無指向性まで調整できます。

 

この新方式では従来のように外部機構やアプリケーションに依拠することなく、MEMSデバイス単位の「単一指向性MEMSマイク」を実現させることができました。

 

試作・テスト中のICS-40730(改)単一指向性MEMSマイク

 

 

「単一指向性」(Cardioide)・(Spper Cardioide)・(Wide Cardioide)まで広く包括できるこの方式は古くからリボンマイクRCA 77D(DX)でおなじみです。

ただ、リボンマイクとは動作原理が異なり、本機の場合は速度制御よりも圧力(音圧)由来の制御となります。

 

今回の「単一指向性MEMSマイク」では「音響抵抗」である赤いフェルトの「密度など」イナータンス量の微妙な調整により単一指向性が実現されました。

 

 

音源に対してどう向けるか

 

双指向性=(Dipole)から単一指向性に至る本機の場合は、厳格にダイアフラム(振動版)の張り方向由来となるが「無指向性」型、特に「音場型MEMS構成マイクロホン」ではまったく異なる領域で動作します。

 

(深く知りたいかたはマイクロホン技術書または学術参考書をご参照ください、入門書にそれはありません)

 

 

 

手順

 

1.リード線付け

 

3つのうち左側はディファレンシャル接続用。

 

 

 

 

MEMSマイク手はんだ付けのお約束、「プレヒート 100℃ 1分間」行います。

 

そのあと、カッティングマット上に両面テープを貼り、MEMSマイクのリード線付け(半田付け)作業をおこないます。

これはごく短時間(1か所0.2秒程度)でおこなう必要があります。

 

気を利かせて小さなコテを使うと、半田付け時間が長くなり、かえってMEMSマイクに対するダメージが大きくなり、壊します。

私は50W温度調整付きのコテにて380~400℃設定で一瞬で済ませるようにしています。

これで失敗することはありません。

 

 

チューリップ そうそう、これが肝心です。

「クリームはんだ」を用いず、一般半田で済まそうとした場合、高確率でMEMSマイクを壊します。無鉛ハンダなど論外です。

 

 

 

2.トップカバーの削ぎ落し

 

 

Knowles SPM0687LR5H-1ではアンプの入力部の1μFがいらないほどフラットな音色を見せたが、なにかのはずみでmemsセンサー部に触れた瞬間あっけなく壊れた。これは再考の必要アリ。

 

 

 

 

 

リューター(ミニルーター)作業  記事:2410より

 

 

 

 

 

一番左は剥ぎ取ったTOPフタ。この通り切り粉のたぐいは内部に落ちて事故をおこすことはない。

今回加工したすべてが正常に動作しました。

 

 

 

3.背面イナータンス調整

 

★ 単一指向性を得る「キモ」となる部分です。

 

フェルトの厚み・密度・押し圧および周辺形状で音色・指向性も大きく変わります。

 

 

 

試験回路

 

 

 

 

あとがき

音決めと評価がおわり、三線のクリップオン収音を試しました。

 

「仮想音圧傾斜」の時の危うさは少しも感じさせず無ひずみ音を朗々と響かせてくれた。トークも問題なし。

 

得られた指向パターンは「ハイパーカーディオイド」につき、さらにイナータンス調整を行いたい。

 

しいていえば一般的な「U」=(Cardioide)が得られるよう、イナータンスを調整したい。

 

 

以上

 

 

 

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