2312 :MEMSマイクによる単一指向性の実現考察 ICS-40800 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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  ICS-40800のインプレッション

このインプレッションではTDK Invensense社の公開資料を引用しています。

 

「ICS-40800」は技術者をはじめユーザーの期待を集めて「指向性MEMSマイク」として登場しました。

TDKとInvensenseにより2017年よりその開発・商品化にむけて努力されてきた経緯があります。

たしか2020年頃に「単一指向性MEMSマイク」としてプレスリリースがあった記憶です。しかし、その後大きなニュースもなく見守ってきました。

今年、Revision2.0が主要代理店に届き、最近入手可能となりました。

 

発表されているデータから低域不足だが一応は使えるように感じた。

しかし「注釈」による言い訳が多く、「指向性アナログMEMSマイク」の実現は並大抵ではない苦労の跡が見てとれます。

 

さっそく入手してその音を聴いてド肝を抜いた結果の報告です。

 

 

 

  単一指向性(Uni Directional)MEMSマイクではなかった

1.データシート

「SPECIFICATIONS  TABLE 1. ELECTRICAL CHARACTERISTICS 」を見てみよう。

S/N比:70dB、 AOP:128dB、 ダイナミックレンジ:104dB、

Frequency Response:80~2000HZ (-3dB)、ちょっと低域が足りないなー、と思いつつよく見ると無指向性を意味する「OMNIDIRECTIONAL」とある、「エッ」と1ページ目まで戻って確認すると、トップ穴の開閉でomni(無指向性)になると書いてあるではないか、TOP穴をふさぐと普通のMEMSマイクの音と感度が戻ってくるのも事実です。

 

なるほど、と調べてみると各値の比較からこれは「ICS-40740」の脚部を変えてトップに穴を開けただけのモノと同等、製品としてはかなりお粗末である。

 

MEMSマイクの指向性化ビームフォーミングによって実用化され各社、より大規模化・システム化・AI化されながらその先が追求されている現在、アナログMEMSマイク単体の立ち位置はこんなものか、と感じつつデータシートの下のほうへ進むと・・・

 

 

2.TYPICAL PERFORMANCE CHARACTERISTICS (DIRECTIONAL) で見えてきた。

 

 

何だ?この周波数特性は・・・

 

 

これが「指向性モード時」の周波数特性です。

この裸特性によれば3kHzから下は6dB/oct程度とも見える垂下特性、これは黒電話のカーボンマイク「T-60」や1950年代の「T-4」にすら遠く及ばない、それどころか・・・・・

 

 

下図は1965年に筆者が授業でとったノートの1部です

ICS-40800の裸特性は150年前の「一號電話機」(1877年=明治10年)の送話器にも及ばない音質。
1Aは一號電話機の送話器で3kHz付近にプレゼンスピークを付けたモノ、T-4送話器は1950年代からの4号黒電話用送話器、T-60送話器は1964年(昭和39年)登場の600号黒電話用送話器。

 

 

こんな比較対象とならざるを得ないのは現在のマイクとしては実になさけない事実です。

 

こんなもので音楽が録れますか?

「遠くのVoiceを効率よく感じ取ることができる」と書かれています。

 

マウンターの指定と電気的イコライジングが推奨されているが、そうなるとお世辞にもまともな「マイクカプセル」とは言えません。

 

またブーストは出来ても、元々無いエネルギーはブーストしようがない、まして70dBギリギリのSN比のなかで・・・

 

このあたりではじめて本質をバラし始めているが肝心なことは数種類のPDFにバラバラにして説明されていますので実に分かりづらいです。

ただ言えるのは、このまま普通に使ってもまともな音と性能は得られないことだけは確かです。

 

 

左が「看板周波数特性」ですがカッコ付きで「無指向性」とある。

 

 

 

 

(ポーラパターン) これも単純に信じちゃいけません。

いろんな言い訳が書かれていますよ

 

このポーラパターンも「ある特殊な条件のもとでこうなる」旨書かれています。それは「言い訳」、マイクロホンの常識では絶対に受け入れられません、これは「音センサー」でしかない、

 

「圧力勾配型」と読み取れる記述があり「単一指向性」を意味します。

普通なら「Uni Directional」と表現すべきですが、「指向性モードは両指向が基本」とも書かれおり、バリエーションの図もあることからノイマンのような「可変指向性」のMEMSマイクを意味するのでしょうか?、それにしてはあまりにもチープな完成度にまだまだ未熟と認識した次第です。

 

まるでキツネにつままれたような新型MEMSマイクです。

もう少し各社の動きを静観するほうがノーマルだとおもいます。

 

 

しかし、こういう半端者を手にすると、なんとかならないかと音響チューニングに手を出すクセがある、それを下して改善をこころみた。

 

 

 

さらに別枠ではこんなこともメーカーは書いています、翻訳してお確かめください。

BASIC MEMS PICKUP ACOUSTICS
Within a MEMS microphone, tiny changes in air pressure that enter the sound port stimulate the diaphragm to move back and forth which then produces an electrical signal. Considering the scenario of a single-port MEMS microphone in Figure 1, it’s no wonder why the polar pickup pattern is omnidirectional (Figure 2) – the microphone yields the same sensitivity or output level independent of the angle of incidence

 

何?・・・そりゃそうでしょう、こんな事はMEMSマイクではイロハのイでしかありません。

心当たりの諸兄はどうぞ翻訳して無指向性(全指向性)MEMSマイクに対する思い違いを改めてください。

 

 

改善をこころみた

とにもかくにも、裸のICS-40800は極端に量感の薄い、中域すらない「しゃくれあがった」音。

しばらく途方にくれていたが、やれば結果は出るはず、と取り組んだ。

ヘッドホンを付けたまま「マイボイス・リアルタイムモニター」を続けた。

 

ヘッドパッドの痛さと高域偏重地獄、飽和状態のタッチノイズ、逆相地獄の脳内引き算も半端ないが、TOP孔をふさいで無指向性にすればまともな音になる。

どこかで妥協さえすれば不完全ながら一定の特性は出る事だろう、とこの結果にたどりつくまで実験は2~3日取り組んでみました。

 

それでも「近接効果」を利用し、できる限りの能力を引き出せば「接話型」=ボーカルマイク的な「超オンの単一指向性マイク」としてどうにか、というまでは音響的に引っ張った。

当然ながら魅力的な要素は何一つ発見できませんでした。

 

 

いつもならこの改善手法をご紹介するはずですが、次の理由でそれができなくなりました。(下記)

普通なら「全公開」の原則、筆者の手法を皆様共有の技術にしたいのですが下記のような悪質なネット犯罪を受けており大変残念です。

 

ちなみにこの犯人は何の実験もせずに、何と量産基板を準備した、という初歩的本末転倒ぶり。失敗は火を見るよりあきらかです。

 

 

 

ICS-40800のインプレッションは以上です
以下はすべての読者へご報告です

 

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  著作権侵害の被害を受けています

 ある方がこのサイト記事によって2021年1月の記事のProbeⅡを契機にICS-40730を出発点にMEMSマイクに魅せられてみずからのYOUTUBEで従来ジャンルに加えMEMSマイクの実験結果を投稿されるようになりました(2021年10月28日のYOUTUBE投稿がこのかたの出発点)。

 

コメント周囲にいる「取り巻き者」には5年前から「MESマイクと取り組んで来た」旨の虚勢(ウソ)を張っていますが3~4年前の私へのしつこい低俗質問では「WM-61A互換」ECMの改造がうまくいかない、という低次元な内容でしたのでとても、とても「MEMSマイクをどうこうする」というレベルの技術をこの方はお持ちでない事実があります。(そのときのメール添付の下写真) 必要でしたら文章もそのままあります。

「ECMの改造がうまくいかない」と送ってきた御本人からの写真 (1枚3.5MB以上あった)

 

この写真1枚でどんなレベルの技術をお持ちかは一発でわかりますね。

一度ウソをつき始めるとそれ以上は虚構を塗り重ねるしかなく実に哀れです。

「うそつきはドロボウの始まり」は今も昔も変わりません。

 

 

最初は弊ブログの「無断転用禁止」指針を遵守してスタートしたまでは良かったのですが、動画では城達也氏の「ジェットストリーム」の文言を使った筆者のマイクテストをマネられ、「こんな事までマネるか!」と驚いたことがあります。

(犯人のYOUTUBEより)

 

その後は、女のコが質問してそれに対し知ったかぶりの男がこれ見よがしな回答するという、アバターと人工音声によるアニメを使ってこのサイトからパクったネタで言いたい放題状態となっている。本人が出てしゃべれば済む話でこんな具合だ。

 

この「短気な方」 H氏は2021年10月の初回動画以外は当サイト発表記事のユニーク情報を盗んでは「自分の研究成果」として「出典・引用書き」はおろか連絡ひとつない「無断引用」でYOUTUBE投稿を続けています。

 

また誤った「思い込み理論」を加えた自作物のYOUTUBE投稿を続けるようになっており、この事実を知っているタイコモチ取り巻き者を取り入れて一層激しさを増して「無法者」と化しています。

 

この「無断引用」に対し、筆者からの注意・抗議・訂正、削除要求は完全に無視し、平然として一切応ずることなく、それどころか厳重注意を受けた腹いせか動画には筆者に対してテロップとアバターを使った嫌がらせトーク攻めまでに至りました、それも技術的に誤った内容です。

 

そして弊サイト記事をストーカーのように追いかけた肝心ネタを使って動画投稿を続け、時あたかも最近ではマイクロトランス「SMD ED8」のノウハウまで無断で窃用して開き直る始末。

先月末、抗議の際、当方からのメールは遮断されるに至りました。

 

そんな不心得者がたった一人、MEMSマイクまわりの世界を俳諧しております。

読者の皆さまにはこの「YOUTUBEネタ」にはくれぐれもご注意ください。

 

その「振り上げたこぶし」は誰に向けたものなのか、それがこのジャイアン氏の本性です。

 

またここに常に貼り付いているタイコ持ち取り者の言動も実態をおたしかめください。

 

筆者は直接の被害者ですのでこの著作権侵害については識者に相談中です。

あくまでも侵害を是正しない場合、関係機関とも相談して適切な処置を行います。 


 

 

 

  これが【ご注意】【おことわり】全文です

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本記事の無断ネット盗用は犯罪です。

 

 

 

            WANTED

 

ここまで注意を無視し続ける  はネット犯罪者。

 


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