2423-B :NEW 指向性MEMSマイク「SKR0600」(Soundskrit社製)紹介 | ShinさんのPA工作室 (Shin's PA workshop)

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管理人Shinは知財保護において個人による「特許」のようなものを好まず、「全公開」を旨とします。(巻末詳細)

 

 

 

本号2423は(A)(B) 2編同時公開といたします 

2423-A:soundskrit SKR0600との出会い~開梱

2423-B:1st impression

 

 

2423-A

 

 

 TODAY'S
 
2423-B「SKR0600」 1st impression

 

Datasheet:

https://soundskrit.ca/wp-content/uploads/2024/07/SKR0600-Datasheet-Preliminary-Rev-B.pdf

 

 

 

「Dipole」・・・無線技術では一般的ですが、マイクロホンでは聞きなれない指向性用語かもしれません。

 

「Dipole」とは無線アンテナでは基本形のひとつ、これを発展させて鋭い指向性アンテナになっていきます。(筆者:JA1SLX)

 

「Dipole」とはつまり「双指向性」= 「Bidirectional」の事です。

 

 

リボンマイク「速度型」では「源パターンとなっていますがコンデンサーマイク「圧力型」では「無指向性」が源パターンです。

 

 

このためMEMSマイクは99%が「無指向性」でしたがsoundskrit社 は当初からこの最大課題に立ち向かい、指向性MEMSマイクの開発をおこなってきた会社だけあって、完成度が高いです。

 

微小な指向性コンデンサマイクの構造上、さすがに無指向性MEMSマイクのようなフラットなfレスポンスやド肝を抜く低音を出すことはできません、これが小口径指向性マイクの避けられない特徴です。

 

類似品にTDK InvensenseのICS-40800がありますが、それよりも6dB感度は高く、音質的にもまったく「別物」という印象です。

 

ここが「素材」としてのSKR0600の原点、「どう生かすか」がこれからの課題です。

 

 

 

 

メーカー データーシートより

soundskrit社 SKR0600データーシートより

 

 

 

 

 

どう生かし何をめざすか

・まずS/N 67.5dB/A (single)の限界を知らなければならない。

 

・ノイズフロアー -91dB(single)も決して低くない。

 

・DifferentialとSingle出力が可能であるが、どう使うか。

(ちなみにDifferentialはSingleに比較し出力レベルは6dB高いが、ノイズフロアーは全域で10dB高く不利であるのをどう扱うか)

 

・中高域~高域のピークと大きな低域減衰をどうフォローするか。

 

 

同社の野心的なオプション品からその答えが見つかるかもしれません。

 

 

 

 

 

◎相手を知りこれを生かすこと、「ダメなマイクなんて無い」

 

 これに尽きると思います。

 

 

 

単一指向性化する

同社もさかんに事例を発表して、HPや説明動画に見られる通り、これをめざさないで何を目指すのか、という中心課題である。

 

無指向性マイクとの合成パターン方式と、機械音響的に「双指向性」から単一指向性を得る2つの方式のオプションが用意されている。

 

前者は1940年代のWestern Electric (ALTEC)の639型と同じ。

いくつかある指向性生成の基本形として双指向+無指向=単一指向は不動である。

 

639はリボンマイクとダイナミックマイクのコンビネーションだが、方式・原理の異なるコンデンサマイク同士の同方式は「双指向性」と「無指向性」とのレベル比で音質と指向性が大きく変化するこの調整はことのほか難しい。

 

 

一方、記事:2422で公開したShin方式は後者とおなじ、その選択肢として大いに参考になるでしょう。

 

 

 

 

その結果、SN比67.5dBのスペックのなかでどこまでのオフマイクが成り立つか。聴感上のSN比はもっと不利となる。

 

単一指向性マイクの「フラット」とは? 音源からどんな距離を想定するか、すなわち「近接効果」を使うのか使わないのか。

そのことで音作りは大きく変わるが、既存マイクでいえば何を目標にするか、これは音決めの基本となる。

 

自作マイクの極意でどこまでできるか。

 

「単一指向性マイク」作りは甘くない、しかし「単独・単一指向性MEMSマイク」はしつこく追及します

 

 

「自作」とは「ゼロから創り出す」こと、それがこのブログの柱であり、ボード単位、ブロック単位の組み合わせによるカスタム機器を「自作」とは呼びません。

 

そして筆者の方向性はあらゆる既存マイクロホンとの無条件互換をあたりまえとする「完成度の高いマイク作り」であります。

 

 

 

 

 

同社の豊富なオプションアイテムを生かす

Soundskrit、同社には関連オプションが豊富に揃っています。

このブログのめざすものとは異なる別アイテムになるかもしれませんのであえてご案内はいたしません。

 

どうぞ同社HPや関連サイトをくまなく探してみてください、必要なかたにはそれが見つかるはずです。

 

 

 

 

  試し使いを少し進めてみた

スタート点である。

 

プレヒート100度1分間、電極にクリームはんだを落とし、手はんだ開始。コテは50W温度調整付き、380℃設定、これは従来通り。

IM-73A135V01同様の電極部形状だがひと周り小さく、GNDリード線付けには難易度の高さを感じた。(肉眼作業です)

赤・黄はAWG-32ワイアー使用、GNDは0.1mm2本撚りのポリウレタン銅線。GND線はこんな無理することないな、と思った。

ビニール線の剥きしろはもっと短くてよい。

 

またこれ以上太いAWG-28では手はんだの難易度はさらに高くなります。

 

 

 

2本目からは従来通りの線出しに変えた。

細シールド線直付けの場合はさらに難易度は高くなります。

 

SKR0600電極配置(Bottom View)

 

 

 

 

 

 

(試験回路)

海外向けに描いたものをそのまま使いました。

 

 

奇しくも記事:2422の方向性とは妙にに親和性が高く、「新しいマイク設計」を考察すると、行き着くところは似てくるでしょう。

 

 

 

 

今後進めるSKR0600使用の「単一指向性マイク」がどのようなものになるかご期待ください。

 

 

以上

 

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