1月1日に発行したShimojo ニューヨーク ニュースの一部を数回に分けて掲載しています
ニュースレターの表紙(No.1)は、こちら   からです。

ニューヨークで話題の日本食グルメについて

4.ニューヨークで話題の日本のグルメ: 
 日本で今流行りの言い方をすれば、B級グルメの流行に近いものとも言えましょう。 
 アメリカにはA級もB級もなく、美味しいもの、珍しい食べ物、高級な食べ物やお店、それらの(食)文化であって、大きい小さい、高い安いに拘らずどれもグルメという言い方になり得ます。 

 これはレストランガイドのザガットが好評な亊や、料理の鉄人アメリカ版を含む今では沢山あるフード関連のテレビ番組の影響、ネットを使ったレストランの紹介・評価サイト(YELP等)の充実も大きいはずです。
 ニューヨークでは、特にある一線を越えたレストラン等で、ビックリするくらいの日本食材や調理法が使われ始めました。 アメリカ(叉は各地)の料理にもユズや味噌等の調味料を使い、豆腐や醤油や味噌はもうあまりにも当然に扱われ、エダマメ、シイタケ、ソバ、パンコ、ワサビ等日本語がそのまま英語として使われています。
 勿論そういう教育を受けるプロの為の機関(学校)も沢山出て来ています。
 
 ニューヨークは全米一の大都市ですから、日本を含む外国人も沢山集まっていて、レストランも食品小売も多種多様です。
 日本食品店も大小多数あり、地域最大の日本食品スーパーであるミツワ・マーケット(元八百半)を筆頭に、ダイドー、ニジヤ、サンライズ・マーケット、片桐、ダイノブ、カフェ・ザイヤ等まだまだ沢山あります。 しかしよく見ると客の多くが日本人ではなくアジア系でもない人が利用しています。

 これはもう私達がピザやカレーを日常的に食べる様に、現地人が日本食を食べている亊の証拠です。 もし可能であるならば、更に多くの大小の食品店が出店し、何処の店でも同じ物を扱うのではなく、もっと特徴のある品揃えや店作りをしていくべきで、ニューヨークにはその日本食文化が出来上がって来た様に思われます。

 食品だけでなくお酒類でも同様です。 アサヒ、サッポロ、キリンのビールだけでなく、オリオンビールや常陸野ネストビール等も目に付きます。 日本酒の品揃えは目を見張るものがあり、現地人も対象にした日本酒を専門に扱う酒屋さんも出て来ました。 大手食品商社の共同貿易は、マンハッタンの一等地に日本食材、お酒及び関連商品を紹介する為のショールームを持ち、強力に押し進めている効果も出て来ているのでしょう。

 一風堂をはじめとするラーメン店や蕎麦・うどんの店、居酒屋風の店にも多くの現地人の客が入っていて、好調です。
 日本式の焼き肉チェーンは幾つかありますがまだまだアンダーサーブ(不足)、ドンブリものを出す店、カレー等の洋食の店、ハンバーガーやサンドイッチ等のある意味の逆輸入等、今がその時期に来ている様に思われます。
 又ここで興味深い特徴はニューヨークではほとんど日本のメニューそのままでイケルと言う亊です。 
 まだまだ安心して美味しく楽しめる店、寿司屋、居酒屋、定食屋等々も求められています。
 ニューヨーカーは我々日本人がオーダーするものを見て、それを真似て、通振るのも好きな人達の様です。

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 寿司においては鉄火巻きやカッパ巻きという巻物を筆頭に、アボカドや辛いソース等何だか分からない食材を巻いた寿司が中心という部分もありますが、ほぼ誰でも食べるものになっています。 
 カリフォルニアロール、スパイシーツナと共に、上記はおそらくNYで好まれる巻物だと思います。

 そしてこれは最近ミツワスーパーで行なわれた、日本発の手作りおむすびのイベント店でも感じられました。
 日本特有の中身の他に、今ニューヨークで流行っているスパイシー・ツナや日本食の代表であるスキヤキを詰めた特別メニューのおむすびもありましたが、1日に数千個売れたおむすびを買う列には多くのニューヨーカーが混ざって、当たり前の様に手づかみで食べていました。

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 細かく言えば日本産のオーガニック米を使ったおむすび等もあろうと思いますが、ここでの魅力は脂やバターを使わず、米と海苔が主な材料である事
。 叉、そのお米はイメージとしても健康食品のトップクラスと考えられている玄米を選択出来る亊。
 中身はシャケ、昆布、かつお節、ジャコ、ウメ、タラコ等で、一部はニューヨーカーにも馴染みの少ないものがありますが、シソやゴマを使った色合いの良さ等でも大変魅力があったはずです。

 筆者は調査をするのが仕事ですから、当然の亊ながらこのおむすびをニューヨーカーの集まりに持込み、それらを実際にニューヨーカーに見せて食べさせた上での反応がこれです。
 おむすび自体は既に見慣れてしまったニューヨーカーですが、手作りという部分が彼等には珍しく、大きな可能性を持った日本食です。

  日本発叉は日系のスーパーマーケットはニューヨーク周辺に相当ありますが、典型的なアメリカの人気食品スーパーであるウェグマンズには「インターナショナル・コーナー」というアイル(売場列)があり日本コーナーが作られています。 ウェグマンズの大型店は売場面積も1万平米を越え、色々なアイデアが随所に凝らされています。

  日本の米は勿論カリフォルニア米ですが、我々が好んで食べる短粒米も扱っています。 アメリカ人には短粒米と少し長目(でパサツク感じ)の中粒米の違いは分からないと思います。 さすがに長粒米は他の売り場でした。  味噌醤油他の調味料全般は勿論、蕎麦・うどん・ラーメン各種、カレーのルー、寿司や天ぷらを作る時の材料や調理用具や乾物も、お菓子類やラムネ等の飲料も揃います。
 先に述べたパンコもエンド売場でセールになっていました。

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 このウェグマンズの大型店では、以前にも紹介した店内の一角にシェフがオープンキッチンで調理する本格的なレストランを持ち、シーフードを食べさせるコーナーや寿司カウンターまで設置しています。
 ポイントはアルバイトのお兄さんじゃなくて、シェフが調理している事です。

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 本部があるニューヨーク州のロチェスターでは旗艦店舗の隣接に本格的なレストランも経営します。 そのレストランの食材一切は、店舗に売られているものを使うというのがポイントです。

 ウエグマンズの従業員は本当に生き生きと働いています。 訪問するとそれは明白に分かります。
 その理由は、ウェグマンズの社訓に当たる「ウェグマンズの哲学」(下)を読むと納得できます。

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 先に述べた健康保険の充実や従業員教育等もモチベーションの大きな向上に繋がっています。 
 最近の日本の様に、トップ自らが、厳しい現状や儲からない話と顔ばかりをしては前進はありません。 
 今日はそれを紹介します。

 ウェグマンズでは、一つの共通のゴールに向かって進み努力している人達には、
必ずそれが達成されるものと信じています。
  
 この精神に基づいて、お客様の要求に対して我々に可能な限り最高の目標を設定しました
我々の全てのアクションは、

お客様の要求をどの様に奉仕してそれを満たすか、

と言う亊を考えた結果で行なわれます。
 
 又、我々はこのゴールを達成させる為には、
一緒に働く我々自身も満足させられてはじめて可能になる

と信じて
います。

 我々の「お客様と我々自身の為に」、

我々は最高のものを貢献出来る様に努力し続ける亊を約束します。

 

“お客様には毎日最高のものが提供されます”

 と書かれていました。

 お客が満足する仕事をする為には、一緒に働く従業員自身が満足して働いていてこそ可能になります。 
 笑顔の無いボス、儲からない話ばかりをする経営者の下で、実際に客に接する従業員が良い仕事をするわけが無い、これは「1+1=2と同じ位」全く常識的な事です。

 少々長いニュースレターでしたが、お付き合い頂き有難うございました。

 チャーリー下城■CS