今月はニューヨークのジャビッツ・コンベンションセンターで全米最大級の食品関連ショーが開かれました。

ファンシー・フードショーと名付けられていますが、実際にはファンシーな高級食品やトリュフやバルサミコ酢も有りますが、ほとんどは世界中からの食品を集めた見本市です。

主催者からの発表では出展ブース数は50以上の国と地域から2400以上、展示や試食に使われる商品点数は18万種類以上だそうです。

参加者数の発表はまだ出ていないですが、数万人レベルと想像出来ます。

会場の入り口ですが、ほとんどマスク無しなのは、ニューヨーク州ではそういう制限がもう撤回されているからで、出展企業数や体制も以前の様だし、参加者側ももうほとんど元通りという感じです。(食品を扱うので、一部の出展者や参加者はマスクをしています)

おそらく多くの方が見慣れたこのコンベンションセンターですが、パンデミック中には1000のベッドを置く臨時の入院施設に使われ、その後もワクチン接種会場に使われ活躍しました。 2年間このショーのキャンセルがありましたが、今回から例年の様な形でショーが開催される様になった事、多くの人にとって非常に嬉しい限りと思っております。


会場は見易い様に配置されていて国別のインターナショナルエリアには日本を含む多くの国がエリアをブロック状にして出展しています。

我が日本のエリアには約30ブースが(おそらくJETROがアレンジして)集まっていて、それ以外のエリアにも沢山の日本企業が米国内からも日本からも出ていました。

非常に熱心に商品を紹介してくれる人達が多く、頼もしく感じました。

例えばこんなブースです。

お茶はアメリカのGreen Teaの流行に乗ってこの20年ほどどんどん増えていますが、価格以外の特徴を持たないとアメリカ進出は難しいくらい沢山出展されていました。

我々はカリフォルニア米を食べ慣れていてその品質向上にある程度満足をしていますが、日本産の米の炊き立てご飯を試食すると明白に美味しいです。 これもすでに沢山の日本米がアメリカに来ているので差別化とマーケティングが必要です。

これは日本には沢山あるはずの地方の老舗醤油蔵です。

ここでは静岡産マスクメロンが出ておりましたが、$3〜5程度で買える国内産のハニデューやカンテロープに慣れた消費者のどれ程の人に買って貰えるか、お菓子屋産やレストランに使ってもらえるかは未知です。 価格は0(ゼロ)が2つ多くなるそうです。

今ニューヨークに出回っているのが現地産の日本のいちごですが、これなら価格は0が一つ多いだけ、ニューヨーカーの話題に上がっています。(ここへの出展はありませんでした)

見覚えがあるマークは「ハナマルキ」で、お味噌は勿論ですがリキッド塩麹を紹介していました。 

ここは商品を売る場所ではなく紹介する場所なので、どのブースもオススメ商品を美味しい形で試食出来る様に趣向を凝らし、シェフさん(の服装)で焼き立てをシェフ自らお客に提供するなどして目を引いています。

これは確か愛媛県からで、柑橘類の皮のハーフドライ、伊予柑や甘夏という日本にしかない物が美味しくてゆずも試食しました。 こういうのはアメリカにもいくらでもあり又世界中にもあるのですが、日本産は甘さはごく僅かにしてそのフルーツの味が感じられる、こういう微妙さなど日本は上手です。

今おそらく世界的にユズ流行りだと思うんですが、こういう商品ならまだまだ行けそうです。

業務用の惣菜も色々ありますが日本産(日本企業による現地生産も)はレベルが高い。 アメリカ産も色々食べてみて良い物もありますが、実際にレストランで使ってみたいと思う商品やそれらの細かいアップデートを感じるのは日本産です。

2−3社の素晴らしい業務用惣菜が出ていました。

先にユズに触れましたが、わさびももうそのまま現地語になり、世界中何処でも誰でもの商品になっている様に思います。

試食させてもらったのはこの本物わさびのおろし立て、言っては失礼ですが「アメリカ人には勿体ない」という人も出てきそう。(私の言ではありません)

これは静岡県のわさび屋さんで、試食したのは勿論目の前で擦っておろし立てですが、ここで紹介されていた新商品のチューブ入りわさびはほとんどのチューブ入りで使われるホースラディッシュではなくわさびで作る本物わさびだとの説明でした。

確かにサンプルで頂いたこのチューブ入りのわさび(PREMIUM GRATED WASABI)、辛いだけじゃない美味さで感動しています。


ここは国別のブースですが、韓国、ポーランド、ギリシャ、、トルコ、ジョージア(グルジア)などあり、

アメリカの各州別でもエリアがあり、フロリダ州、ミネソタ、ミシガン、バージニアなどおそらく州の農務や商務の州政府機関が援助を出して出展しているという事でしょう。

ジョージアから出ていたブースは食べ物じゃなくて、手の消毒スプレーです。

コロナ前はアメリカではこんなの使う人はごくわずか、コロナ発生直後にすぐ売り切れで入手困難でした。  私は買い置きがあり日本から貰ってきたたジェルがあってしばらくは大丈夫でした。

ブースではこれをサンプルに出して、右はスプレーで左はそのスプレーの詰め替え用薬剤のセットです。 Hi-Green のブースは太っ腹です。

ちなみにこの種の展示会の参加費はブースの大きさと場所で分けられていて$1000、〜$5000、大きなブースはおそらく$数万になると思います。

出展側にも大きな出費ですから、ここは宣伝広告費をたっぷり使ってこの先1年か将来に渡ってたっぷり儲けようとするか、

これ以上の出費はしたくなくサンプルやスタッフを削って経費節約するか(ごく一部あるるのですがケチるくらいなら出ない方が良い)、参加者としてブースを見比べたら一目瞭然となります。


参加者側の条件は、イベントがB2B用なのでフードに関わる業務についている事が参加条件で、入場料は$49〜$199と決して安くはありません。 無関係者には参加して欲しくないという事です。

ショーの種類によっては制限をより厳しくして、入場料を関係者は無料〜無関係だと$数千にセットしているケースもあります。


インターナショナルを離れるとカテゴリー別にデリー商品やソース、デザート、ビバレージなどに分かれますが、どこにでも入りそうな食品ブースが多いのも事実です。

勿論、日本エリア以外の日本食品もあり、今ホットな日本食品(お茶や海苔、ゆず)を扱う現地系や諸外国系のブースも多く見られます。

しかし一番多いのはチーズとかナッツ・フルーツ、オイル、ドライの菓子などの様に思われます。

でも先に梅酒のチョーヤを紹介します。

ここでもユズがあり、勿論端から全部試させてもらいました。

美味しかったのは「至極の梅(Golden Ume Fruits)」金色の瓶入り。

ノンアルコールもすでに市場に出ていてよく見掛けます、でも見本市なのでいつもの緑色の瓶入りはここにはありませんでした。

次にこの下の写真です、私が勉強不足か分かりませんが、豆を茹でただけのスナックやトッピングに使える商品、初めて見たかもという商品が出ていました。 

中には塩を振った商品もありました。 エダマメ、あずき、ひよこ豆、ミックスなどの種類と違ったパッケージングがあり、試食したのは全てオーガニックでグルテンフリー。  

ニューヨークで売る為にはもう一つ「Kosher(ユダヤ認証)」を取ったら多くの店が扱いたがると思います。 安売りする商品ではない様に感じるので、良い物には金を出す層に取り込まなきゃいけないと思います。  そうなったらニューヨークでユダヤ系は外せません。

ご覧の通り茹でた状態だけど濡れてるのではなくしっとりした感じ。  スナックとして私はそのまま食べられる。 人によっては味が無いというかもですが、ヘルシー志向の人にはむしろこれで受けるかも。

(昔の東京下町では当たり前に食べた、「味噌豆」とあっためたら同じ物です」

このSTEAMED EDAMAME、スナック代わりに1袋=58g食べちゃいました。

それよりサラダのトッピングにしたり混ぜ込む、これをこのままクラッシュしてディップやスープに入れるとか、朝のシェイクにミックス出来る、かも。


GO GREENという看板を見て、お茶屋さんかなと見たらここはお菓子屋さんでした。

アメリカの甘いスイーツに慣れている我々でも、あの甘さの不健康さは十分わかっています。 同様に最近はアメリカ人でも甘過ぎる程の甘さはサービスが良いというのではないのだと分かってきた様です。

ひと昔(か二昔)前なら日本のスイーツでは甘さが足らなくて、お砂糖をかけて食べた現地人がいっぱいいました。 緑茶にも紅茶と同じ様にお砂糖たっぷり入れてました。

そんな習慣が変わりつつある今、日本のケーキ菓子の店も流行っているニューヨークです。

これはアメリカで誰に対してどうやって売るのかを考えなければいけません。

本来のシュガーではないココナッツシュガーを使ったお菓子や自然系のお菓子を扱うお店ブースです。

オススメはコーヒという事で頂戴してきました。


ジャパンGOLDでは日本特有の日本食材をアメリカの現地ブランドのプライベート商品として扱っています。  今アメリカで話題の日本食の全てを扱っているのかも知れません。

わさびもユズも紫蘇も味噌も、味噌汁もドレッシングもです。

アメリカの食品やブランドを日本に根付かせて初めて成功という考えがあるとすれば、日本食品もアメリカの食品と同等に扱われる様になった物も多く、ここで扱っている多くの商品もそれに当たると考えられます。


オーストリア発の健康になる為のおいしいスナックのブランドがありました。

どこから見てもチョコレートやキャンディーバー、グラノラ系のおやつなどで普通にお菓子として食べても遜色ないです、コラーゲン系もあって、しかしあまり甘くはないのは確か。

沢山のサンプルを食べてきましたが、サンプルで貰った袋を開けてみるとグラノラの様な食材で出来たナッツの様でした。 甘くはないです。

この企業は日本への進出を考えてまして、

「日本側のパートナーか協力企業を探して」います。

ご興味があったら下城までお知らせ下さい。


いつも山の様な人だかりになるあつあつビーフの試食ですが今日は大した事はない。

ただその分どんどん焼いてどんどん出すという事でもなかった様です。

牛、ブタ、羊など色々持ち込んでいて、産地も米国産に加えてオーストラリアとニュージー、カナダなど紹介していました。


即刻商談したい人用のスペースもあちこちに用意されていて自由に使えます。

バイヤーラウンジといいます。

その他どんなブースがあるか、お見せしたく思います。 ほとんど全部試食をさせるかサンプル品が用意されています。 生ハムなどの一口サイズの物やチーズはどうしても試食しちゃいます。

ピンからキリまであるというバニラエッセンスも、一番良いサンプルをくれました。


毎回沢山の人が集まるチーズのコーナー、ここは大きいです。

ピザの窯を持ち込んで焼き立てピザを試食させるコーナーもあります。

酒類のコーナーは普通は仕切りを付けたコーナーが出来るのですが今年はそれが無く、先程のチョーヤ含めて何ヶ所かでやっていました。

我々はクラフトビールを見つけて早速試飲です。

ベルギーから来ていたバルサミコ酢のブース。 3年物から始まって25年物まで沢山試食というか試飲があったけど、酸っぱい物が嫌いな人にはどれか一口だけで良いんですって言いたくても言えなかった。 全部味が違うから、試させたかったんでしょう。

沢山のブースがあってもっと紹介したいのですが、日本企業も現地企業もここに出展した事が最終目的ではなくて、これを元にどうやって稼ぎ出すかだと思います。

多くの場合、扱うディストリビューターを探す事と、同時に買ってくれるお客を探す事です。 買ってくれる人が見付かったらディストリビューターは直ぐにでも扱いたくなります。

ここに紹介したブースはごく一部で、沢山のサンプルが配られているので私としては追い追い、最終的には全部試していきます。 

しかし全部を一口ずつでも試すのに、3ヶ月くらいかかると思います。

それらを含む最新小売業の視察アレンジをお引き受けしています。

今は視察に来られないという方には、オンラインセミナーやオンライン情報交換会も行っています。


チャーリー下城

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

Shimojo NY News Co., Ltd.

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