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2012-02-07 05:12:28

下城NYニュース、2012年1月号

テーマ:下城NYニュースから
下城NYニュースの最新版です。

ニューヨークの食品店事情

 

今回はニューヨークの食品店等の情報と共に、多くの市内の食品店が販路拡大の手段として使っている「LOOP」につ いてお伝えします。

 

自動車社会である米国の都市の中で、ニューヨークは特殊な要素を持っています。 日本の都市の様に電車やバスが発達 し、市民は街中を歩いて生活出来ます。 住宅の環境も日本の都市部と共通する部分が多くあります。 以前に述べた通り、ニューヨーク市と 周辺では全米規模で展開される小売業の進出がおのずと制限されます。 全米規模の食品小売チェーンでは、トップ3のクローガー、セーフ ウェイ、スーパーバリューは市内への出店はありません。 ウォルマートも市内への進出には大きな障害を解消出来ておらず未だに出店に至っ てはいません。

 

 

 

アルディの ニューヨーク市内進出

 

そんな中、2011年2月に市内のクイーンズ地区に市内での初出店をしたアルディは、11月には同じく市内ブロンク ス地区へも売場面積約2千平米という、アルディとしては最大規模の店舗を出店させました。 又、2012年の春頃にはマンハッタン地区へ も出店する事になっていてこれは大きな衝撃となるはずです。 

 

アルディはドイツが発祥のボックスストアチェーンで、米国ではシカゴから始まったチェーン展開ですが、従来は多くの 場合中小の都市周辺で低所得層が集まる地域にフリースタンディング店で展開していました。

 

治安が悪く、時として視察をためらったものです。  近年の展開を見ると、多くの場合リーマンショック後の不況時に 閉店したスーパーの跡地等に出店するケースが見られ、今後もこの地域の出店が続きます。

ニューヨーク市周辺の出店(ブロンクス、イースト・ラザフォード、クリフトン等典型例)はほとんどがこういう形の店 舗です。 ただしこれはアメリカ西海岸には進出しておらず、ニューヨークの他、ボストン、ワシントン、シカゴで視察可能です。 アルディ の付近には通常ウォルマート、ターゲット、コストコ等の大型店や競合するスーパーがあり、価格設定は競合店を凌ぐ事からいずれも充分な需 要と集客を確保出来、いわゆる「コバンザメ商法*」が実践されています。 (*大きな魚が餌として食べ 残した物を、小さなコバンザメが餌として求めて大型魚の後に付いて行く事を商法に例えた)

アルディを代表とするボックスストアは、店舗規模が小さく従って内装も簡単で工事や認可が早く、通常何年か掛かる大 型小売店が開店するまでの間に先行して売上を伸ばし儲けてしまいます。

 

アルディは世界規模で9400店、全米だけでも1150店を超えています。 年商は680億ドル(=約5兆円)と発 表されています。 レジは通常のアルディでは4~5台ですが、人口密度が非常に高いブロンクス店では7台のレジが並びます。 これからの 数年間で、ニューヨーク市とその近郊だけでも数十店舗の出店と想像出来、この一事でもニューヨークの買物事情は大きく変わり、連鎖して小 売の状況が変ってくる様に思われます。

 

 

 

ユニクロの ニューヨーク五番街旗艦店

 

ユニクロのアメリカ展開はニューヨークだけにしかありません。 それも2011年10月までは、ダウンタウンにある 旗艦店1店舗だけだったという事をご存知の方も多いと思います。 しかし実は今から10年以上前には、ニューヨーク市の郊外であるニュー ジャージー州で3店舗で営業を開始しました。 これは全米展開を見据えて、アメリカの何処の町にもある様な典型的なモールを使って、 GAPやLIMITED等の競合店と並べての実験だったのかも知れません。 知名度もなく価格が安くも無いユニクロは、ここで悉く失敗し 短期間で全店閉店となりました。 資本力がなければこれで終ってしまうかもしれませんが、当時絶好調であったユニクロは、その数年後にマ ンハッタンの中でもソーホーと言うファッショナブルなエリアの一等地に旗艦店を開店させました。

 

これはニュージャージーの実験で得られた全米展開の方法とは正反対の、知名度を先に上げる方法を選んだわけです。  プラダ、ルイヴィトン、H&M、アルマーニ等が並ぶソーホー地域のファッション店の中でも最大規模の店舗を作り、新聞も雑誌も大きく取り 上げた事でタダで宣伝になりました。 それと同時にニュージャージーの展開ではほとんどなかった広告宣伝にも非常に力を入れ、知名度を上 げるという作戦は成功しました。 この時点で集客は成功しましたが、投資に見合った収益については少々疑問を感じました。

その後数年にわたり作戦を練った上で、長い準備と工事期間を掛けてこの10月に五番街の一等地に旗艦店を開店させま した。

開店にあたって、その3ヵ月位前から新聞雑誌への広告、地下鉄やバスでの広告、その他街中での沢山の看板を出しまし た。 又、ポップアップストアと言う街中の目立つ場所にある貸店舗用のスペースを短期間だけ使ったイベント販売を行いました。 これはど う見ても湯水の様な金の使い方でした。 しかしその効果は膨大で、開店日には、一小売店としては想像を絶する集客が出来、雇用も促進され た為に億万長者の名物市長まで開店に立ち会うと言う効果が発揮されました。 おまけにその1週間後にはエンパイアビル横の3店舗目の開店 と言うイベントもあり、3ヶ月前から行い使った広告宣伝はその両方に効果があったわけです。 こういう思い切った作戦無しには、成功は困 難となりましょう。

 

五番街店は、店舗面積8900平米、3フロア、100の試着室、50のレジ、デジタルシグネージ用のスクリーンも 300台を越える圧巻です。

 

 

 

グルメ食品店、 サンドイッチ(カフェ)店の販路拡大

 

ニューヨークの代表的なグルメ店といえば、以前にもお伝えした通りディーン&デルーカ、フェアウェイ、ガーデン・オ ブ・エデン等沢山の名前があがります。 ディーン&デルーカの支店は日本へも進出しています。 サンドイッチ店では最上級のマンジャから チェーン展開しているメトロやヨーロッパ・カフェ等があります。

家賃が高いマンハッタンの中で、限られたスペースと営業時間の中でどう売上げを伸ばすか、その手段の一つにLOOP というのがあります。 Large Orders Off Premiseの頭文字をとってループ と言い、これは店の外での大口オーダーと日本語に直訳出来ますが、要するにケータリングや出前と言う言い方も出来るでしょう。

特にマンハッタンの中心街では、多くのオフィスで早朝から集まる従業員の為に朝7時頃に朝食を用意しています。 主 にコーヒー・紅茶、ベーグル、マフィン、ドーナツ、クロワッサン、フルーツ等で、これは社食等がある仕事場でもグルメ店等と契約し、ウ イークデーの早朝に届けて貰うのです。 従業員はその朝食を食べながら仕事の準備をし、8時や9時の始業前に、仕事の準備は完了して全開 状態になるのです。 アメリカ人は働かないと言われる事もありますが、そういう人は失業し、働く人はしっかり稼ぐのです。

このケータリングは、旧 来ランチを中心にビジネスをするサンドイッチ店やグルメ店にとって、店内のスペースを使わずに、雨でも雪でも年間を通して稼ぎ出せる手段 になるのです。 又、多く(特に金融関連等)の企業は従業員を増やさず長時間働かせる事で効率を上げ、その為には福利厚生費の出費を厭わ ない状況で、例えば夜7時以降の勤務では予算$35.を上限等として出前の夕食を会社持ちで提供しています。 これは従来のアメリカの出 前の感覚であるピザや中華の出前ではなく、グルメ店がレストランと同等の食事を出前する事が可能なのです。 余談ですが、従業員を増やす のではなく、専門的な仕事が出来る従業員に対して、食事と言うインセンティブや自分専用の広い仕事場、快適なイス、夜9時以降はハイヤー を用意する等の方法で効率良く働かせ、又優秀な人材の流出を防ぐのです。 経費は掛かりますが、優秀な人材を確保する常套手段です。 グ ルメ店はこういう現在の状況でも稼げるわけで、近年多くのグルメ店がその恩恵を被っています。

 

 

日本の外食企業 の進出

 

ニューヨークの日本食流行は、70年代のベニハナを代表とする鉄板焼きステーキから80年代の寿司、90年代の日本 食料品店等を経て、昨今はニューヨーカーが新しい日本の物は無いかと逆に求められています。 80年代にはどさん娘のチェーンもニュー ヨークで展開されていましたが、これはタイミングも悪く全て撤退しています。 今求められている日本の物、それが蕎麦でありラーメンであ り日本酒や焼酎です。 情報誌は次に何を報道するのか、どこで酒の試飲会があるのか等、当地の食通達は待ち遠しいのでしょう。(写真右は 間もなくニューヨーク上陸の柏露酒造古志純米大吟醸35%、獺祭純米大吟醸23%)

食べ物ばかりでなく、先に触れたユニクロのファッションであったりMUJIという店名で無印良品の店舗も展開してい ます。

奇しくも日本のB級グルメの流行りに同調した様ですが、どうやらこちらの方が先に始まっている様です。

ニューヨークの一風堂は 一杯1000円程度のラーメンを食べさせる店ではなく、酒を飲ませつまみを出し、その後で$15.程度のラーメンを食べさせるというコン セプトを作り夜の客単価は$40.~$50.程度になろうと言う店を作っています。 皆さんにお馴染みのラーメン店がニューヨークには 10チェーン程も来ています。 そして次にニューヨークに出てくるのは、定食の大戸屋であり、おむすび権米衛等、又、焼きそばやお好み焼 きやたこ焼き等、洒落た物でも高級な物でもない、全く我々日本人が普通に食するチェーンが出てきます。 立地とやり方を考えれば、ニュー ヨークで充分通用するものと考えます。 20年前と現在の大きな違いは、今の日本でも通用するレベルのラーメンや手打ちの蕎麦屋が出て来 ている事、大量生産ではなく味わいがそれぞれ違う地酒等が理解され始めている事です。 これらはニューヨークに出る以上、ニューヨーカー に食べられる為に進出して来るのです。 当地の要求に合わせた定食屋、おむすび屋が出来る事を期待しています。

ウェグマンズ、 ボストンエリアに初出店

 

ニューヨーク州の中部から始まり東海岸側だけで展開している全米トップのスーパーマーケットチェーンであるウェグマ ンズは、近年ニューヨークの南側に当るワシントン周辺を中心に大型店を開店させています。 そして長く待たれていたボストン郊外店が開店 しました。

 

通常の食品スーパーは、 平均として約7千平米の面積と4万品目の扱い品目と言われます。 ボストン郊外のウェグマンズは彼等の近年の大型最新店と同様に、約1万 4千平米と7万品目の店舗を作り、店内には広いカフェテリア席と共に、ウエイターサービスのレストランを併設しています。 多くのウェグ マンズは20万~30万平米の売り場を持つ屋外型モールの一角に出店していますが、ボストン郊外店も同様です。 周辺には沢山の企業が入 るオフィススペースがあり、先に述べたLOOPも行われている事でしょう。 周辺の環境は、それらのオフィスで働く人達の住宅地もあり、 それらは概ね4~8千万円程度で販売される住宅地が立ち並びます。

 

さすがボストンでは大きな活ロブスターも扱われていました。

 

アメリカだけでなく世界的な不景気が心配される昨今ですが、高失業率や不動産価格の低迷等があり不安材料が目に付き ます。 しかし日本の25倍と言う広いアメリカの中で、東海岸の多くの地域ではそれを吹き飛ばす活況の現状が見られます。

 

 

チャーリー・下城近雄、 下城NYニュース
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2011-05-13 02:45:28

ロブスター・ロール

テーマ:グルメ関連ニュース
ロブスター・ロール

この時期になるとBBQやら屋外の食事の機会が増えてきます。

コネチカット州の海側はシーフードのレストランも沢山ありますが
、こんな店を見付けました。

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ロブスターロールというのは、
ホットドッグの様なコッペパンにロブスターを挟んだものです。
中身は時には「ロブスターサラダ」
といってロブスターをほぐして千切りレタス等とスパイスやマヨネーズで味を付けたサラダを詰めます。

ちなみにここにはホットドッグもあり、それもなかなか立派でした。

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この店では、まずコッペパンのグレードが高かった。
パンでお腹が一杯にならない様に、
ロブスターが入る分のパンの中身を抜いてありました。
それを直火で焼いています。
そこにほとんどほぐしていないロブスターのかたまりをバターに漬
けただけの中身をタップリ入れてきます。
混ぜ物は一切なし。
ということは、ロブスターが美味しくないとこういう事は不可能でしょう。

値段は$15.と、
元々高いロブスターロールの中でも一番高い部類だと思いました。
が、
今までに食べたロブスターロールの中で断トツに美味しいものでした。
それとお姉さん達も非常に感じが良くて、
更に美味しく感じました。

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付近は釣り船なども多く、付近の人達のマリーナになっています。
レストランではなくて漁師小屋というかシャックでこれをやってい
て、今工事中なのでテントを建てて営業しています。 もうすぐシャックもオープンするはずです。

コネチカット州のクリントンという海辺の街にあります。
Lobster Landing
Address: 152 Commerce St, Clinton, CT 06413

チャーリー■
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2011-04-02 00:46:47

アメリカ版大惨事、カトリナ台風では

テーマ:下城NYニュースから
Shimojo NYニュース、4/’11号
アメリカ版大惨事、カトリナ台風では


毎月発行しているニュースレターですが、今号はブログにも掲載させて頂きました。

今回の惨事では、ニューヨーク在住の私へも、「家族は大丈夫か」等、沢山の方から連絡を頂きました。
どうも有難うご座居ます。 
私の実家は東京にあり、確認したところ地震の揺れの酷さや棚の物が落ちた等最低限の亊で済んだとの亊でした。

私は約10年前のニューヨーク9/11テロを経験しており、今回の大惨事の最中に次々に入って来たニュースは、まさに9/11の恐怖と気分が甦ったものでした。
私達もその恐怖と苛立ちから立ち上がるのは大変な亊で、それ以上頑張れない現状に直面し、毎日体調不良が続きましたが、これも必ず時間が解決してくれるものと信じています。

地震や津波は起きてしまった大きな被害でありますが、原発事故は継続中で先が見えない問題であります。
食料、医薬品、物資、燃料の不足等では大変お気の毒という他ありませんが、これは皆が協力して順次回復していくものと願っております。 
政府は原発事故を理由に復興へのいかなる対処も遅らせる亊は許されません。 
米国政府は大惨事「カトリナ台風」の避難者に対し、1週間後には一時金を希望する家族に$2千を支払っています。 家屋を失った家庭には、更に救済金がありました。 
政府は率先してそういう(最低でも金と物資が必要という)事情を理解して動かなければいけません。
日本の復興は長丁場になるでしょうから、神経質になり過ぎると被災者や周辺の身体が持たなくなります。
頑張りたくても自分の努力だけでは何も変わらないし、ファイト(喧嘩という意味)出せ等と言っても何の意味もありません。 
明るい気持ちにも仲々なれませんが、こんな時だからこそ元気は出さなければいけません。

日本の物資の不足では、アメリカで入手して送るものが幾つか出て参りました。 燃料費の影響もあり、輸送費が高い為に不可能な物もありました。 問い合わせには停電の為に発電機やガイガー計器、というものもありました。 私達にどんな協力が出来るか分りませんが、可能な亊は何でも優先的に致しますのでお問い合わせ下さい。

日本最大級の大惨事なので重ねて報道している亊も致し方ないものですが、特に原発についてはアメリカでは日本以上に大きく報道されています。 これは日本の報道で騒ぎ過ぎている亊に問題がありそうです。 
日本のメディアは9/11の後、毎日何十回も飛行機が突っ込む瞬間(泡を吹いて倒れた肉牛も同様)を放映しましたが、当時そのメディアの行動が我々を長い期間に渡って苦しめました。 
日本の報道が国民を煽り、それが全世界的に脅威を与えている現状に、混乱中の今は気付いてないです。
日本復興の為にも、日本中が協力して日本は危険な国というイメージの風評被害を避けたいものです。
今日本を救う為にすべき亊は、大惨事の後に自粛するのではなく、出来る亊からどんどん活動して活性化すると言う亊です。 
なかなか活動する気になれないのは私達も同じですが、積極的な活性化が一日も早い復興に繋がるのです。

そんな今、ニューヨークの多くの日本レストランは、こんな時だからこそ特にアメリカ人に強く支えられている状態で、大変有難いものです。
出来る亊なら、「オペレーション友達」ではアメリカ海軍が持つ巨大な病院船(1千ベッド付)も東北地方へ送って欲しかった。
農水省はいい加減牛肉の輸入規制緩和や、政府は沖縄問題にケリを付ける等しないと、困った時だけヘルプを求めてもアメリカ側(国民)の抵抗が増えるばかりです。
叉、このニュースは3月25日頃の情報で執筆が終っています。
情報のタイムラグがあればご了承下さい。

ニューヨークを中心に、ワシントン、ボストン、シカゴなどの最新情報と視察研修は、下城にお任せ下さい。

 C. Shimojo & Co., Ltd.

                                                  

□■Shimojo ニューヨーク・ニュース■□

2011年4月01日

1.ご挨拶                    
2.アメリカ最大の大惨事             
3.台風カトリナと惨事の概要           
4.その復興について               
 
1.ご挨拶: 
 未だに余震が続く東北や関東地方の方々は、大変な不安とご不便な日々を送っておられると想像します。
 叉、原発事故の影響では物資不足と計画停電等があり、全国的に毎日の生活に大変な思いをされています。
 枝野官房長官、どうもご苦労様です。 専門でない亊も沢山あるのに、報告する側とメディアの間に入って調整する亊にもご苦労している亊でしょう。 態度と姿勢の良くないメディア側の人間も多い様ですから。


 筆者は常に海外から日本を見ており、最低でも日本とアメリカという二つの国を間近に見ている亊から、色々な比較する点が目に付きます。 勿論、双方に沢山の良い点もあり悪い点もあります。
 日本が平和であるが故に、過去(新型インフルやBSE)にも現在にもニュースの格好のネタになる出来事を、大きく、一部は曲げて報道したり発信する為に、強い違和感を感じるのかも知れません。 今回の世紀の大惨事は世界中に大きく(概して大き過ぎ)報道されており、だからこそ正確に報道して欲しいのです。 
 問題は福島原子力発電所事故の様に、東京電力にも未だ起った亊のない状況において、正確に発信出来ていない亊と共に、良い亊がほとんどない現状では、出来れば報告したくないという心理状態もあると想像出来ます。
 消費者としては、情報反乱でどれを信じたら良いのか分らない場合もあるので、それを煽らないで頂きたい。
 例えば東京都の水道水の放射能汚染(金町浄水場で210ベクレル検出)が発覚した時の発表は、飲用として「2歳未満の乳幼児にはダメ、大人は大丈夫」ときちんと発表してるのに、市民の声は「安全か安全でないか、どちらか?」というものでした。 ニュースのタイトルが「今度は東京都の水道水も放射能汚染!」と大きく書く、というのも原因でしょう。 最後まで読むか聞けば分るはずですが、通常の理解力を失っているのでしょう。

 今後は特に食品等において、正確で論理的な報道が重要になります。 基準値として使う数字は、賞味期限に類似する物と誤解する様な伝え方をして消費者を困惑させてはいけません。 1年以上食べ続けても健康被害が起らない数字を基準値として使っている亊や早まった情報公開等、混乱を起こす原因かも知れません。
 数字というか建て前が大きく先走りしてしまい、それに右往左往する側もさせる側も、今この時には、それだけでも力を失い混乱するので是非これを避けたいものです。 叉この執筆は3月25日頃の情報で書いています。

 今号では、アメリカで最近起きた大惨事の時はどうであったか、という事を参考の為に書いています。
 どれ一つ取っても「東北地方太平洋沖大地震」と規模も状況も同じではないので直接比較は出来ないし、記述情報はある一面だけかも知れませんが、何らかの参考になる部分もあろうかと思いました。
 9/11テロはニューヨークの中心ビジネス街の1ヶ所で起きた亊でした、ニューオリンズの大洪水では全米トップクラスの危険で荒れた部分を持った町だった、という違った条件を持っています。

 今回記事を書いていて、筆者自身が日本人であって良かったと思うのは、そんな大惨事の中でも被災者が非常に落ち着いて、我慢しながら行動している亊と、暴動も起らず、安全と治安が保たれていて、他国ではあり得ない亊です。 苦しい亊、不安な亊、しかしもっと目の前には、今現在寒い亊、空腹である亊であり、それでも今の状況で耐えられるのは日本人であり、東北の人達の落着いた判断と行動であると想像しています。


2.アメリカ最大の大惨事:
 アメリカで起きた大惨事も調べると結構沢山ありました。
 1)最近で最大だったのは、ニューヨークで起きた2001年の9/11テロでした。
 2)アメリカ北部の都市シカゴでは1995年に熱波があり、5日間で700人以上の方が亡くなりました。
 去年日本も異例の暑さが続き、真夏日の日数や暑さも、それに関連した売上げ等も記録的でした。 一夏に全国で熱中症の患者数や死者数も記録的だったとの亊ですがシカゴは一つの地域で5日間で起きた亊です。
 3)2010年1月ハイチというカリブ海の島で起きた大地震では何十万人という犠牲者が出ましたがこれはアメリカではない亊と全く環境と状況が違う国なので比較出来ませんでした。 復旧も進んでいません。
 4)2010年は、2月にチリでもマグニチュード8.8という大地震がありましたが地球の裏側です。
 5)そしてアメリカの南部ルイジアナ州にニューオリンズという都市があります。 名前は聞いた亊がある方も多い事でしょう。 デキシーランド・ジャズという音楽やケイジャン(クレオール)料理でも有名です。
 ニューオリンズは元々台風の被害が多いメキシコ湾地域で、毎年台風被害で話題に上がる都市ですが、2005年の夏には「ハリケーン・カトリナ」という最大級の台風の直撃がありました。
 台風自体は天災ですが、被害を大きくしたのは同時に起きた洪水でした。 実はこの洪水の原因は国が中心になって設置していた洪水防御堤防に問題があったという人災でもあるのです。 
 ニューオリンズの被害報告を読んでみたら、東北地方の大惨事に共通する部分もある様に思われました。 
 叉、特に救済にあたっては教会等も大きく貢献している現状は日本との文化習慣の違いを感じます。

3.台風カトリナと惨事の概要:
・大西洋で発生した大型台風カトリナ(最大風速約75m)
・2005年8月29日、午前9時45分頃ニューオリンズ市に上陸
・ニューオリンズ市は人口約45万人、周辺人口まで入れると約125万人(台風発生当時)
・市の面積、907平方キロ(仙台市の783平方キロより広い)、しかし面積の約半分は水地である

・台風の被害は、ルイジアナ州、ミシシッピ州を中心とし、23万平方キロ(ほぼイギリス叉は本州の広さ)
・被害総額(推定)、約8兆円($1.=100円として)、経済的被害を入れた総額15兆円
・避難者総数、100万人以上(市内郊外含む)
・被害者数、推定死者1836人(更に不明約200人) 


 この大型台風では、フロリダ州を経由し、事前に5日間程度の準備と避難の為の時間があった亊、ニューオリンズは中都市であるとしても、直撃地の一部以外は日本の様に密集しておらず、津波の様な広い範囲の被害ではなかった亊が特徴です。 しかし先に触れた様にこれは人災であると言われている理由が、洪水を防ぐ為の堤防が決壊した亊です。


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 写真は避難所に当てられたルイジアナ・スーパードーム(後方)と水没した隣接地です。

 東北の大地震では、3/11の前(1~2週間)から予兆の地震等があったものの、台風の様に事前に警告を出し避難を開始するという亊は不可能でした。 実際に地震の被害は大きくはなかったと言われ、その数分~数時間後位に襲ってきた津波、更にその後の第二波、第三波の被害がこの大惨事になったわけです。 
 状況は違いますが、実は非常に似た様な亊が、南部の港町であるニューオリンズにも言える様です。 
 ニューオリンズ市は全米最大で最長と言われるミシシッピー川の河口(デルタと呼ぶ)にあり、市の面積の約半分は水地、残りの陸地にも湿地が多く、実際に土地として使われている部分の多くもゼロメートル地帯や海水面下地帯で出来ています。 それを堤防壁と共に常時水を汲み上げるシステムによって街が出来ているのです。

 政府機関の一部であるアメリカ陸軍工兵隊(U.S. Army Corps of Engineers)は、河川工事やダムの設計や監督を含む、国を挙げて行うテクニカルで大規模な工事に関わる仕事をしています。 
 ニューオリンズ市の治水は、市が接している全米最大のミシシッピー川とポンチャトレイン湖にも関連がある亊から、地域や地方で出来るスケールではなく、1965年にこの連邦治水計画が上がり、議論し、予算を立て、設計し施行していました。 完成予定は2015年という50年計画の大事業でした。 地震大国の日本では、津波から守る為の湾内堤防や防波堤が沢山あり、中には高さ10mの津波を防げたはずの堤防もあったと聞きました。 今回の東北大震災は想定を上回る地震であったというのも説得力があります。


 ニューオリンズは、街の南側に広い湿地帯がある亊で、相当の水害や津波が防げるという地理的な条件が有り、その上に台風等でも水害から防げる堤防と水流を迂回させる人口の坂道や土手が作られ街を守っています。 しかし、この台風カトリナの大惨事では、台風だけでなくむしろ大雨によるミシシッピー川の洪水を目的とした人口治水システムの設計にも、工事にも、出来上がった部分の保守管理にも問題がありました。 
 想定を超えた大型台風とは言われますが、この場合想定自体も低かった亊も、人災と呼ばれる理由です。
 東北地震のマグニチュード9.0は気象記録中の最大である亊、台風カトリナのニューオリンズ上陸時はカテゴリー3に下がっており、カテゴリー5のアメリカ上陸もある亊から、想定が低かったと言う亊が言えます。 そして今、カトリナ洪水から6年目に入るニューオリンズでは、アメリカ陸軍工兵隊がプランを変更して水害予防の工事を進めています。 しかし未だに地元住民との間に裁判沙汰が多くあり、困難を極めています。
 
 ここでは、台風上陸時の避難の亊、その後の救援、そして復興の亊について話しを進めていきます。


 台風の状況と避難の経緯:
 8月23日ハリケーン・カトリナは通常の台風の様にカリブ地域で発生し、勢力を強めながら北上する途中でフロリダ州を横切り、被害も出し、ルートと想定されるニューオリンズ市では事前に避難の注意報が可能でした。 8月26日にはニューオリンズ上陸の可能性が高まった亊で、自主避難準備をする市民が出始めた。
 8月27日午後から、避難者が立寄るガソリンスタンドの混雑も始まり、午後5時に避難予知情報が出る。
 8月28日朝9時、ニューオリンズ市は過去に経験の無かった全市民への避難指示を発令。 同時にこれは堤防の決壊の可能性があり、メキシコ湾岸の原油精製施設も安全の為に操業を停止し弁を閉めるとの指示でした。
 8月29日朝7時頃、カトリナは市の東部に上陸しました。

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 避難指示が出ても、ニューオリンズ市内には安全性に自信があるという人、交通手段が無い、高齢者や障害者である等で自身では移動出来ない、月末で金が無い等の理由で相当の住民が残る結果となりました。 
 28日夜の時点で10万人程度の市民が市内に残っていたとの亊、その多くが必然的に黒人となりました。
 実際に市部だけでも40万人以上の人口があり、市民全員が台風の上陸予想地点から離れた地域へ避難する亊は困難を極めました。 特に多くの高齢者や低所得者は市内の緊急避難所への移動をとりました。 ニューオリンズとその周辺では、住民中の黒人の割合も非常に高く、それらの人が市内避難の中心となりました。 
 市内の避難所は、高位置の大きな建物という条件に入るドーム型球場のスーパードームが当てられました。
過去にもここが使われており、強風にも耐え、標高1mなので大雨では浸水があっても階上は洪水から逃れられる計算と、ある程度の非常食や物資が用意されていました。 しかし自身で移動出来ない人も多く、28日正午からは何時間も掛けて、市内12ヶ所の集合場所からシャトルバスを用意し避難させました
 アメリカでこういう場合に重要なのは持ち物検査であり、武器や薬物を持込んでいないかという検査と、万一の場合の対抗手段として警察や軍隊を置かなければいけない亊は、日本と大きな違いであります。
 しかし最終的にはスーパードームの天井に強風で二つの穴が開き、暴動とパニック(女の人が襲われる亊も含む)が同時に起った為に静まるまでには建物内部にも相当のダメージがあり、避難の継続が不能となりました。

 スーパードームの避難者容量は本来は千人程度のところ2万人を大きく越え危険になった亊から、当初予定していなかったコンベンションセンター(巨大な集客が可能な展示施設)に避難者が押寄せました。 コンベンションセンターは29日朝の時点で緊急設備、飲料水、警備が無い亊を理由に避難者に開放をしなかったものの、その後ドアは破られ、必然的に緊急避難所に使われました。 台風通過後にも避難者が増え続けこちらも2万人に上がりました。 準備が出来ていないコンベンションセンターのドアが破られた亊から、持ち物検査と警備の配置もされておらず、間もなく館内の売店や酒の販売所も破られ、状況はスーパードームより悲惨であった様です。
 恥ずかしい話しですが台風通過後も犯罪が多発、これが現実であり、アメリカの抱える大きな問題点です。
 31日には、台風は過ぎたもののミシシッピー川上流からの流入量は増えた為、市の80%が浸水し、深いところでは4.5mとなったところもあります。 1階建ての家であれば屋根だけしか見えない亊になります。

 最終的に、これらの避難者はニューオリンズから500キロ以上離れたテキサス州ヒューストン市、ダラス市、更に西のサンアントニオ市等が受け入れる亊になりました。 
 受入れ準備の日数は2日間しかありませんが、折畳みベッド、飲料水、食料その他最低限の必需品を事前に用意し、ヒューストンのアストロドームが2万5千人、サンアントニオのコンベンションセンター、そして各地方自治体が協力、叉、各企業は使っていないオフィスビル等を活用しました。 隣接するオクラホマ州、アーカンソー州等も協力し、ハイウェイ網を駆使して9月4日頃には15万人以上の緊急避難が可能となりました。
 そしてこの部分がアメリカの偉大さかも知れません。 緊急時には躊躇せずに予算も寄付も捻出され、企業からの申し出があり、物がどんどん動きます。
 この広大な国の充分な物資、陸上輸送網の発達常日ごろアメリカの小売業界、流通産業界、スーパーマーケット、ショッピングモールをつぶさに見ていて、日本には絶対にあり得ない根本がここに見られます。

 次に障害になったのは健康問題です。 叉、集団生活の中で、一部の人達は人の迷惑を顧みません。 
 コレラ、肺結核、A型肝炎、エイズをはじめ起らなくても良い伝染病各種、脱水症状や食中毒インフルエンザ等を押える為の大変な努力が行われました。


 台風による被害:
 巨大な台風による風雨は甚大だったはずですが、その天災の部分だけであれば被害は10%にもならなかっただろうという報告もあります。 何故なら当時工事中であった水害の為の堤防設置設計に問題があり、更に水位は堤防の高さを越えてしまった為、逆にジョーゴの様に水を集めて市内に流入し市の80%が床上浸水、台風後の水はけが出来ず更なる降雨(次の台風)もあって市内の水が引いたのは約1ヶ月後であったとの状況からです。
 
 被害としては、住宅やビル等の建物と土地、電気、電話、ガス、上下水道等のユーティリティー、道路、橋、鉄道、港等のインフラを中心にニューオリンズ市を中心とした広い地域を壊滅させました。
 暴風雨の被害より、洪水の水害が大きく、更に、9月のニューオリンズはまだ夏ですから、1ヶ月間水が引かないとなれば浸水した家屋の電気系統や石膏の壁と共に、建物の躯体自体が使えなくなったわけです。
 ニューオリンズ市では、約350あったビルの95%が何らかの被害を受けました。 一般の建物では市内の20万軒以上、郊外まで入れると30万軒の家が全滅叉は使用不能(全損)となりました。 現時点で発表されている東北地方での全崩壊叉は一部崩壊した建物軒数は約15万軒なので、数字だけを見ても大惨事であった亊は想像されます。 停電の被害は、長短の差はありますが合計で300万人にあがりました。
 原油採掘も行っているメキシコ湾は、2010年BP社による原油流出事故もありました。 ニューオリンズも原油ビジネス地域の一角にあり、市内にも周辺地域にも石油精製工場をはじめとする施設がありましたが、この多くが被害を受け、実際にはその幾つかで原油流出も発生し環境に影響する事態となりました。
 台風による被害の直接総額は日本円にして約8兆円と言われています。
 実際には台風が過ぎ去っても市に残った人による強奪、放火、等がありましたがここでは触れない亊にします。

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写真は郊外の住宅地で、東北地方の津波後の景色に一脈通じる洪水の状況が伺えます
 
 この台風による広い地域での被害では、100万人以上が短期間か生涯にわたり家を失い避難生活をしました。
 ニューオリンズ市とその郊外は、漁業が盛んな地域ですが、農業・漁業以外でも100万以上の就労がありその内の60万程度が市内にありました。 カトリナ台風によって多くの人がここで職を失いました。 
 ニューオリンズ市の人口変化は、台風発生前の約45万人に対し、台風から1年後の2006年には約22万人に減少、そして2010年は約35万人と戻りつつあります。


 台風後の救助・救援活動:
 救助は市警察、州警察は勿論、州兵、連邦の軍隊も即刻送られ各国からも救助隊が入りました。 調査では2万人から5万人の救助部隊が毎日動きましたが、当時イラク戦争で相当の州兵が出兵していたとの亊です。 
 先に触れた救援活動ですが、大惨事の中で食料や物資が無かった事は、おそらく全世界共通で起る亊だと思います。 そして必ず真っ先に緊急救援として動いてくれるのは赤十字だと思われます。 叉、アメリカの、特に地方へ行った場合に、宗教というか教会がコミュニティーの集会所の役目を果たし、緊急活動にも動きます。 
 日本では宗教心が強い人は全般的に少なく、町のお祭り等が神社や寺で行なわれ、冠婚葬祭とひっくるめたイベント等で使われます。 筆者の身近では三社祭や鳥越の祭り、浅草寺等、その他各地方にあると思います。
 9月02日、洪水の被害が無かったニューオリンズ空港は、緊急援助の為の離着陸を始められました。
 9月05日に市の中心部から電気の復旧が順次始まりました。
 9月06日(1週間後)には救援物資を受取る為にニューオリンズ港が開きました。 

 赤十字の緊急救援と共に、アメリカ南部で主要なキリスト系連盟である南部バプティスト教会連盟では、「ノアの復興」と名付けて台風の翌日から食糧等の配給を始めました。 おそらく市内の被災地では活動は出来なかった亊から、避難者が多い地域から始まったと想像します。 日本では、市町村等の自治体が動けなくなった時を含む緊急の場合、地元の有志や町内会(消防団)が集まって支援や救済活動をされていますが、アメリカでは更に活動がしやすい、どの町や村にもある教会等の集まりで行う仕組みが非常に強い状況です。


 従って、ボランティア活動は被災地へ行くのではなく、被災地(に近い)の人も遠隔地の人も基本的に自身の地元で出来る亊をして、場合によってはそこで集めた物資や救済金を現地へ送る、叉受取った地域の地元の教会ボランティアがそれに対して活動する等が可能となります。 これも布教活動の一つといえばそれに違いがありません。 しかし町全体を復興させるという長期間に渡る活動は、布教や利害を超えた考えを持たなければ不可能なはずです。


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 次に臨時避難住宅ですが、ボランティアによる短期間のホームステイの他、仮設テントが組立てられ、キャンピングカーが用意されました。 これは一例ですが、床は木で組みその上はパイプ等で組立て、壁と屋根は布テントです。 内部は二つに分れ入口は両端に付いています。 中央の木造の建物はトイレやシャワー、後方には次で述べる食事等の建物とテントです。 下は典型的なレジャーにも使われる車両と同様のキャンピングカーで約14万台用意されました。 いずれも短期間の緊急措置であり、同時に仮設住宅建築も始まりました。


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 今回の東北の事態では、暫くの間自宅に帰れない方が多いのですから、こういう配慮が必要なはずです。
 
4.復興について:
 100万人以上の避難者がありましたが、その半分程度は何日かのうちに自宅へ戻っています。 自宅は最低限の掃除で済む場合もあり修理等をした人もいるでしょう。 しかし60万人程度は家を失い、その人達への復興支援が必要でした。 9月08日には、避難者家族単位で$2千の救済一時金が希望者へ用意されました。
 悪い亊は重なるもので、直後の9月21日には、次の巨大な台風リタによる再度の避難指示もありました。
 赤十字や教会をはじめとするボランティアは、市内の各地域の公園・広場・避難所で、ホットフーズ、持帰り食料キットと水、紙おむつ、マスク、掃除用品等を配付しました。 2006年にはこのスケールは縮んだものの、移動車型で続けられました。 救世軍の救援センターでは食料、衣類等の提供、その他健康や医療関連企業や団体による無料救急施設、建築工具等レンタル、洗剤会社は洗濯機トラックを送り、教会や各機関によるメンタルケアー、法律相談、金融関連相談等が行なわれました。 建築業界団体ボランティアによる、避難住宅の建築と修理の無料相談もありました。 音楽系団体による芸術家(復興のための)へのサービスもありました。

 復興には、市民側を代表した設計士と市の復興部門が、「市民の為の復興を利用して、市民に沢山の地域の繋がりとビジネスの機会を作る目的のために計画を立てて活動を始めました。 
 復旧・復興は、80%以上が浸水し多くが修復不能になった亊から、取り壊しとガレキ処理から始まりました。 中心部のビルの一部も取り壊されました。 叉、同時に被害の少なかった市の中でも比較的高い地域から点検、修理を始め帰宅が始まりました。 これは1900年前後に建築された築100年以上という古い住宅が多い地域ですが、当時水害の無い地域から住宅地が出来ていた亊を裏付けています。 叉、近年の住宅では地下室も多く付いていて、そこには電気、空調、掃除・洗濯、物資の貯蔵室等があり被害が大きくなる傾向もあります。

 市内の水面下の土地をどう使うかという大きな難題があり、そこは復興のポイントの一つと考えられています。 先に述べたテントやキャンピングカーの緊急避難先の一部は、住民が多かった水面下の被災地跡に設置され、地面から悪臭や一部では有害ガス等も検出された亊から、居住地としては不適と考えられるからです。
 東北地震でも部分的に地盤沈下があったとの亊なので、ここでも共通点になり得るかも知れません。
 市内の部分的には、地域全体に住居を作らないという決定も出さなければいけません。 その場合でもその地域に半崩壊の家があり電気もガスもなく人が住んでいるという亊もあり得るわけです。 市内には2階建ての家の1階部分は崩壊状態であり、その補強だけをして2階部分に住んでいた住民も相当居た、との亊でした。

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 プレハブ住宅にも色々ありますが、語源であるプリファーブ住宅という英語の本来の意味は、工場で建物を作り配線と配管も終らせてしまい、そのまま現地へ運んで土台に乗せるというものです。 その家が大きくなれば幾つかの部品(部屋や階層毎)に分けて運び、現地では最低の組み付けで完成となります。 その場合はモジュラーとも呼ばれます。 以下の写真はプレハブ住宅の中でも一番簡単な緊急用に使われたものだそうです。
 台風から1週間後は多くの人が球場での避難生活をし、その間にプレハブ住宅が急ピッチで作られました。

 アメリカも国内に多くの問題を抱えているし、海外(今は中東)の亊でも負担が大きい、カトリナから6年経ったニューオリンズでは、今でもまだまだしなければいけない沢山の亊があります。 しかし基本的に決断が早いし(時々間違えますが)、やるスケールが大きいです。
 東北大震災の復興は国が率先して進めなければいけないのですが、この機会を使って災害にも強く安全なハイウェイ網(常に複数が必要)と陸上輸送の仕組みも是非同時に整備させて欲しいものです。 日本では大変遅れている、荷台部分が外せるトレイラーを沢山使い、効率良く割安に運用出来る様にすべきです。

 東北でも同様ですが、仕事や学校を含む生活を一刻も早く正常化させると共に、復興が始まってから住民による現地でのビジネスも回復しなければいけません。 


 こんな重要な時に、各省庁間の調整、許認可や前例や責任逃れが理由で、緊急避難住宅や仮設住宅、上下水道復旧を筆頭とする復興作業を絶対に遅らせてはいけません。 今政府が最優先に進めなければいけない亊です。
 最優先は同時並行ですが、1)原発事故の処理と終息、2)被災者の住居と生活確保、3)買占めの無い物資流通、無用な恐怖を与えない生鮮食品の流通です。 今は放射能汚染による野菜等の風評被害で罪の無い農家や周辺の人達が生死の苦しみを味わっています。 9/11で我々も同様の苦しみを味わったので良く分ります。 筆者はこの場合、福島、群馬、茨城等の農家を積極的に支持したいと考えます。 そして被災地が米どころ酒どころだけに、将来(の品薄)を考えた買占め等双方の利益の為にも、絶対に起きて欲しくありません。
 
 カトリナ直後に建築関連のビジネスは全米から、全世界から集まってきました。 叉、建築や修理に必要な物資の不足から小売のホームセンターや金物店が好調でありました。 洪水で被害を受け全損となった20万台以上の自動車を交換する為に、自動車ディーラーでは新車入庫と同時に売れている状態でした。 
 レストランは通常の食器が不足した亊と皿洗い器も人手も不足しましたが好調でした。 皿洗い(仕事)等本来は低賃金の職種も人手不足から2倍以上の賃金で雇われ、好調が続きました。
 地域の復興を意図したイベントや、1年後には、沢山の人が集まりお金が落ちるコンベンション等も多く開かれました。 それらに関連するビジネスの好調は、時間の問題で東北地方でも起る亊と想像します。
 
 筆者が常々指摘してきた、客の要望で一部のスーパーが行う神経質過ぎる産地表示や外食産業の産地限定を強調した商品の差別化は、時として首を締めると言ってきた亊が、今回は現実となってしまったかも知れません。 農産物の放射能汚染では産地側か提供する側か、何処かで無理があり苦しむ人が出てしまうはずです。 
 日本のメディアは、率先して消費者が恐怖感を抱いたり不信感を抱かない様な報道をして欲しいと思います。

 当ニュースレターでは、現在日本で進行している東北の大惨事に関連して、アメリカ版大惨事をタイミング良く読者に伝えたく思いましたので、今号はこれで発信させて頂きます。 
 東北地方ではこれから本格的に復興が始まるところですので、後日、読者の皆様からご希望が出ましたら、ニューオリンズの復興についても詳しくお伝えしていきたいと考えています。
 筆者が通常情報収集しニュースにしている小売業・食品業界の動き、現在起っているウォルマートを相手取った女性従業員による史上最大規模の集団訴訟等、次のニュースレターでお伝えします。

 ニューオリンズの復興に関する視察、ニューヨーク、ワシントン、シカゴの建売り・計画住宅建築、地域開発等の情報も準備しています。
 小売業、外食産業等を勉強・研修する為のプログラムを各種用意していますのでご相談下さい。

 

チャーリー・下城近雄 コーディネーター from New York 4/01/’11

この内容の著作権はチャーリー・下城に帰属します
Copyright 2011 C. Shimojo

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2011-03-30 00:29:39

桜の絵

テーマ:アメリカ生活関連の話題
桜の絵
首都ワシントンでは桜祭りが始まったそうです。
我が家には、桜が満開になった場面の絵があります。
ポスターになるくらいだから名のある人の作品かも知れませんが、
作者はわかりません。

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実は、これもワシントンの美術館で買った物ですが、
何と言ってもこの景色の感じが、頭の中で上野の山に重なっていたからでした。
さすがにこれはチャーリーの時代ではないが)

今年は花見の気分もなかなか出て来ませんが、
今ではもうこういう景色はないのでしょうね。

チャーリー■
CS
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2011-03-17 01:28:14

SNYニュース 3/'11

テーマ:下城NYニュースから
今回の大災害に際しまして、当ニュースの多くの企業の皆様におかれましても通信事情や環境が悪く、大きなファイルが受信し難いか受信ボックスが一杯になると想像します。
3月号は先行して当ブログに掲載しました。

C. Shimojo & Co., Ltd. 

 □■Shimojo ニューヨーク・ニュース■□

2011年3月15日

1.東北・太平洋沖地震で被災された方へのお見舞い P-1
2.ご挨拶                    P-2
3.日本の動き                  P-2
4.アメリカ国内の動き              P-4 ‾
5.アルディ、ニューヨーク市内初出店       P-8 ‾
 
東北・太平洋沖大地震で被災された方へのお見舞い 


 東北地方、関東地方を中心とした広い地域で巨大地震と大津波が発生し、被災された方、被害に遭われた方、叉、そのご家族の皆様にお見舞い申し上げます。 
 ここアメリカにおいても、今回の惨事は、地震、津波、沢山の余震、原子力発電所の事故など連鎖的に発生し、大きな被害が出ているとニュースになっています。 これは天災でありますが、こういう状況では次に発生する、二次・三次の関連被害も起り救助の妨げになりますが、それらも含めて最少である亊を願うばかりです。


 原発関連では管理者の対応を見ていると非常に不審になる面がありますが、誰もが体験した亊の無い大惨事で、計画停電は不便ではありますが、原因は天災であり、情報提供と準備の悪さ以外は多少理解も必要でしょう。
 
 当ニュース3月号は、巨大地震が発生したその週末に送信すべくほぼ完筆していましたがこの内容には大震災の数日前に東北地方で起きた中規模の地震と津波、その他の地域で起きている天災についても書かれておりました。 叉、主に民主党の政治家などの保身と金に絡む問題、沖縄米軍基地問題の批判をしており、それらは現在大惨事への対応に追われる状況においては適当ではないと考え、内容を書き換える必要がありました。
 
 ニューヨークでは、通常のケーブルテレビ番組にてフジテレビのニュース等が毎日1時間、土曜日には2時間観られ、NHKを中心とした番組は24時間放送されています。 有難い亊に、最近ではUSTREAM等インターネットを介しても数局のライブTV放送などが観られます。 叉、CNNを筆頭に、ニュース専門のチャンネルも多く、地震発生直後からお見舞いや激励の言葉と同時に、その出来事の大きさが実感出来る悲惨な映像と状況が全米中に伝えられました。
 
 筆者は通常からニュースでの情報は一社に頼らず、今回であればニューヨークで視聴出来るNHKは勿論の亊、CNNやアメリカの民放各社、BBC等海外発の番組を観る亊にしています。  大地震と津波の報道は勿論ですが、アメリカは国内に100ヶ所以上の原子力発電設備がある原発大国であり、各々問題や論点を抱えている亊から、当初から日本発のニュース以上に、原発に関するニュースが極めて強調されて報道されています。
 当地には、ニューヨーク市の中心から1時間以内の郊外に原発がある亊も影響しているのでしょう。


 日米の報道の差では、アメリカではその分野の専門家が論理的に分りやすく解説する場面が多いのに対し、日本では解説下手な研究者や知識が少ないNHKの記者等が解説している亊で、誤解や混乱を招いている様です。
 ましてやこんな時に面白く伝え様とするタレントの言動は、ネットでのデマや風評にも繋がり得るはずです。
 例えばCNNでは、医師がレポーターでもあり専門的な解説をし、彼はハイチ地震の時には、レポートを終ると脳手術を担当する、亊まで行いました。 科学者、政治家もレポーターやキャスターとして活躍しています。
 日本のメディアの同じ亊を繰返し報道する亊や、時には市民の不安を煽る様な報道には呆れ返るものです。
 それが高じて、当地では日本の状況は危険なので旅行や渡航をしない様に」という報道にも発展しています。
 大惨事の中ではありますが、皆さんのご無事と共に、最小限の被害に食い止められる様祈念しております。

2.ご挨拶:
 「この文章は巨大地震発生前に書いたもので、大惨事の現状を考慮して原文の一部は削除しました」
 ニューヨークの緯度は日本の中では秋田県付近に当りますので、春の訪れはもう少し先になります。 それでも草木をよく見るとつぼみは膨らんできており、大雪で悩まされた今年の長い冬はもう一息という所まで来た様です。 ニューヨーク付近では大雪と同時に雨も多く、地面に染込む雨の量は飽和状態に近いですから、ちょっとした雨でもあちこちで洪水が見られます。
 アメリカ本土では冬が終ると夕方の明るい時間が長くなる様に夏時間がセットされます。 夏時間では春のうちは朝が暗くなってしまうものの、夕方遅くまで明るいのは助かります。 まだまだ雪も残っている状態ですが3/13(日曜日)から夏時間が始まります。 ニューヨークを含む東海岸地域と日本との時差は13時間になり、日本時間の朝9時は、ニューヨーク時間ではまだ前日の夜8時となります。


 日本でも大雪や火山の噴火、地震、津波(2月末と3月9日に東北地方で地震と津波があった)という天災が引続き起り、生活にも不便を強いられた方も多い事と思います。 叉、地震は中国やニュージーランドでは日本人留学生等大きな被害を出し、火山を抱えた島国という似た環境では不安も大きい亊と想像いたします。

 ここニューヨークは地震が非常に少ない地域ですが、筆者の記憶でも過去30年間に数度の地震がありました。 地震自体は小さかったので被害もありませんでしたが、主に岩盤で出来ているこの地域では地面の下が揺れて崩れて大きな音がするわけで、いつ止むか分らない地震というのは本当に怖いものです。


 ニューヨークには古い建物も多く、しかもそれが現役で使われています。 市内の有名グルメスーパーの店舗には、築150年という倉庫を修復して使った店もあります。 今月はそんな話題にも触れました。
 叉、今までに何度も話題に上がった、この不況を利用し一気に店舗数を延ばしニューヨーク市内にも初出店したアルディについて、写真入りでご紹介します。

 アメリカ政府を代表して沖縄関連の仕事をしていたケビン・メア氏、日本部長で元総領事だそうですが、彼の沖縄県民を侮辱した発言は、ある意味での日本を良く分っている反面、大きく重要な誤解をしています。 日本は基本的に和の国であり、相手と同調して儲ける事も確かにしてはいます。
 これはビジネスの上ではそういう亊も必要で、こちらも儲かり同時にあちらも儲かる、要するにウィン・ウィンと言う亊にもなり得ます。 しかし沖縄(米軍基地関連)ではこれは一切当たっていません。 沖縄県民は基本的に基地は欲しくないはずです。 ただ日本の中のあの地域に米軍基地が必要という現実もあり、それを実現する為に沖縄の人も交渉し妥協しているのであり、これはメア氏が言うごまかしでもゆすりでもありません。
 腹の虫の居所等でこういう発言をするある種の病的(筆者の感想)な人に、アメリカを代表する仕事をする資格はありません。 本人がキッチリ謝罪するか、この職務から一切離れるか、しか無いと考えます。
 叉、こういう考え方を持つひねた性格のアメリカ人はごく一部の人であると申しておきます。

3.日本の動き: 
 私が生まれ育ったのは東京ですが、間もなく都知事選が始まる亊と思います。 石原慎太郎さんは良い仕事をしてくれたと思いますが、ご本人はもうお辞めになりたいご様子。 いくら息子さん(伸晃さん)が都連の会長で再選出馬へのお願いを代表者の立場で懇願しても、あの慎太郎さんが他の人の意見や都合でそうそう動くものではありません。 「ケセラセラだ」とは慎太郎さんご本人の弁ですが、まさに一面ではそういう方だと、自他共に認める方でしょう。 都議選に出馬しないとしたらその責任を伸晃さんに取れという、こういうのを見ても自民党内のこの種の発言をする人達は地に落ちたものだと考えざるを得ません。
 東京だけでなく、どの都市も日本の議会でも同様ですが、リーダーが率先して住民の為に発言も行動もして、住み良い町を作っていかなくては日本の将来に良い亊は起りえません。
 「当ニュース発行が遅れた為に、石原慎太郎氏の都知事選出馬が決定しました」


 日本でもグルーポンと言うサービスが(良きにつけ悪しきにつけ)話題になっていると思います。 これが一番大きく話題になり知れ渡ったのはこの正月用のお節料理の一件だったのではないでしょうか? 
 アメリカの北国、シカゴという都市から始まりこの2年ちょっとの間に一気に延びた企業です。 グルーポンとはおそらくグループ購入クーポンの様な幾つかの単語をくっつけたと思われ、ご存じない方にもこれで想像は出来ると思います。 一部ではシカゴのピザ屋さんの販促用に使ったのが始まりという話しもありました。

 ともあれ、グルーポンの仕組みは一見簡単です。 例えばその日の契約店が宣伝(ディール)する$100.の食事券をグルーポンのウェブサイトで事前購入する亊により割引で買えるというものです。 多くの場合50%引き等の大きな割引であり、その都度決められた最低催行枚数が売れた時にだけそのディールが有効となり、この場合だと我々消費者は$50.で買える(食事代、商品交換、サービスを受ける)亊になります。
 叉、これも報道されていると思いますが、契約店の取り分はグルーポンと折半で、この場合は$25.です。
 先に述べた日本のお節料理の件は、もう充分報道されていると思うのでここでは触れない亊にします。

 ニューヨークでも毎日色々なディールがあるので、筆者も時には利用しています。 しかしディールの多くはスポーツクラブの様な原価が小さいメンバーシップ料+2ヶ月のサービスだとか、$100.のスパの券(平日のみ)を半額だとかが多く見られます。 季節商品や金融流れのバッタ商品等で、原価がおそらく10%程度のものも多く見られます。 レストランも見られますが、原価が高いレストランでは、宣伝効果を狙っています。
 以下は最近ニューヨークの参加者に送られているディールの幾つかです。 
 特別なコストが掛からず、一度メンバーになると継続する可能性が高いスポーツクラブやスパは非常に多く見られ割引率も大きい傾向です。 レストランの多くでは、平均客単価を大きく下回る金額のディールが見られ、超過分は当然フルプライスとなり酒類等で利益を出す作戦と、新しい顧客開拓に使われる様に思われます。

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 ここで問題になるのは、日本の飲食業は元々利益が少なく、その種の店でこれをやると、時として自身の首を強く締める亊になります。 叉、そのディールの総額で食事が済む様なセットメニューは注意が必要です。


 アメリカではその点コストが上がった場合等は価格の改定が比較的簡単で、儲かる様な値付けを初めからしてあります。 例えば先に述べたピザの原価は10~20%ですから、25%しか受取らなくても、宣伝効果を考えると充分採算が取れるのでしょう。
 例えばアメリカは原油価格が上がれば、それでも儲かる様に小売価格が変動し、消費者も自分のビジネスで儲ける事を考えるので理解を示します。 日本の様な我慢の美徳はありません。 次の項で述べますが、2年前のリーマンショックの時には、ガソリン小売価格は2ヶ月間で半分以下に落ちています。 日本で言えば、1Lのガソリンが70円になったり、100円になったり、150円になったりと数ヶ月間の間に上下するのです。


 値上げをするのは大変な判断ですが、日本式に利益を削って、更に効率化を図ると言って従業員を解雇する方法で経費を節減し、売価を維持する亊は必ず無理が出て来るでしょう。 いや、それで儲かるというならそれも良いですが、その揚げ句にまだ儲からないから日付や産地のインチキをするのではやはり無理いう亊です。


 整理して少ない従業員で運営が可能になっても、最終的に長時間働く亊になれば作業効率は上がらず、時間で稼ごうとしても開発国の時給を考えるとやはりそれも無理なのです。 デフレで物価が下がっている現在、待てば価格が下がるという状況から、値上がりする前に買っておきたいと思える様な状況に戻って欲しいです。

4.アメリカ国内の動き:
 ガソリンの小売価格について触れましたが、中東の政変が原油価格に影響し、ニューヨークでも我々が毎日使うガソリンも高くなりました。 アメリカでは液体に対しガロンという単位を使いますが、1ガロンは約3.8リッターです。 2ヶ月前には1ガロンのガソリンは$3.前後でしたが、今では$4.前後と30%程度の値上がりです。 リビアのカダフィーは石油関連施設のある都市を重点的に攻撃しているというニュースを聞きます。 もし今のこの状況を乗り切れたとしても、サダム・フセインと同じ亊をしているわけですから国民の支持はもうほとんどありません。 と言う亊は、結果は時間の問題で分るものと想像します。 勿論原油価格上昇の問題はリビアに限らない中東全体の情勢不安が大きく影響しています。

 見難かったら大変恐縮ですが、下はアメリカ・エネルギー省が発表した最近の国内ガソリン小売価格の推移です。

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 縦軸が1L当たりの価格で、左の方の一番高い時が$3.85で、横軸を見るとこれが2008年9月です。 その右側の落ちた底が2009年1月の$1.60です。 これは全米平均ですが4ヶ月で2.5倍の差です。 このグラフでは最近の1ヶ月間で約50¢上がった事が分ります。 

 さて、アメリカの自動車産業は、GMの倒産、アメリカ政府介入、企業再建、再上場、販売台数トップ奪還等と目まぐるしく動いています。 筆者はニューヨークに住んでいて実感出来るほど、アメリカ車の販売が戻っています。 ニューヨークでも以前には日本車等が目に付いたものの、このところ新型のアメリカ車を目にする亊が多いというのはそれを最近購入したと言う亊です。 ましてや愛国主義者も多い地方都市周辺を巡る亊が多い筆者には、アメリカでも景気が悪いと言われながらも相当の大きなアメリカ車(新車)のトラック等が見られる亊には大きな驚きも感じました。


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 そしてニューヨーク郊外のガソリンスタンドの価格を確認しましょう。 店頭の価格看板を見ると、レギュラーは$4.09、ハイオクは$4.35です。 例えばカムリの燃費は1ガロン当たり約30マイル(1L当り約12K)、プリウスは約50マイルです。 先に述べたアメリカの自家用トラックでは15マイル以下です。 


  実際には、まだまだ小売価格は上がっている様です。 
  現在はまさにこの不況から立ち直る最中と思われますが、原 油価格の高騰によるガソリン小売価格を筆頭とする生活必需品 の値上がりは我々の生活に大 変大きな不安が付き纏います。  GMを中心とするアメリカ自動車産業が再起した過去2年間は、 1ガロン$3.以下と比較的ガソリン小売価格が安く、燃 費が 多少悪くてもアメリカをサポートする目的も有りアメリカ車を 購入した人も多かった亊でしょう。 それに輪を掛けたトヨタ 車のリコールがありまし た。 これは自動車産業だけでない、 アメリカを守る為の作戦でもありました。 
 運輸大臣他のトヨタ批判の発言を見ても、その効果を狙った面もありそれが予想以上にアメリカを支えました。 それでもトヨタの冷静な対応と努力で、トヨタにとって最悪の状況にならなかったと筆者は想像します。 

 日本では消費税(増税の是非)に関する話題が取り上げられています。 それに当たるのがアメリカでは販売税(セールス・タックス)という税金で、それらは消費者側としてはほとんど同じと考えて良いものです。
 この税法が良い悪いという亊でなくニューヨークの現状を報告します。 
 アメリカでは州ごとの法律があり、更にその中の郡部等ごとに課税されています。 叉、課税対象と料率が変わり、場合によっては無税となります。 
 ニューヨーク市では通常の生活で、買物、サービスに対して課税されますが、基本食品、食材、生活必需品の一部には課税されません。 野菜果物、肉魚、小麦粉、砂糖、牛乳、パン等の食材に税金は掛かりません。 ニューヨークで問題になっているのは、ベーグルというパン等はそのまま売れば食材として非課税ですが、スライスして販売するとサンドイッチという加工済み食品で課税対象となります。


 ニューヨーク州では基本が8.875%の販売税率です。 その中身は4%の州税と4.875%の郡部への税金を合計して支払います。 商品によって、その時々によって課税範囲が変わり、例えば衣料品と靴などが無税の時期があり、州税の4%だけの時期があり、それが無くなり郡部税だけの時期があり等と大変煩雑になる亊がありますが、10%弱と考えています。 ホテルの宿泊税、駐車場等の税率は高く、叉複雑な場合があります。
 ニューヨーク州の隣のニュージャージー州では多くの税金が安い傾向で、ガソリンはニューヨークに比べ1ガロン当り50¢程度安いというから大きな差が出ます。 デラウエア州ではほとんどの買物は無税です。
 税金は国を保つ為に必要なものですから、日本でも場合によって時期を見計らい課税と非課税の商品を考慮した上で税率の変更は必要ではないでしょうか。

 ニューヨークでも過去に数回地震があったと書きました。
 東京で生まれ育った筆者は、震度2か3位の地震は日常茶飯事だったので、こちらに来て震度3くらいの地震を体験した時に「これは震度3程度」とある意味で落ち着いていたので、家人に怪訝な顔をされました。 その後ニューヨークで起った数回の地震もその程度の大きさだったので、被害という程の物はありませんでした。
 しかし岩盤が崩れる大きな音を伴っていたので、それが原因で新聞にも載る様な大きな報道となりました。


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 市の中心部にあるセントラルパークの横を走ると、公園の中に大きな岩の塊が沢山見え、この地域の地盤がどんな物かが分ります。 この岩の上にビルが建ち、地震ではこの岩の下の方で地盤の移動があるのでしょう。


 ニューヨークには古いビルが多く、100年以上前のビルはいくらでもありその多くは現役であります
 上の写真は五番街のダウンタウン地域です。 この付近は1800年代終盤から1900年前後に掛けて、アメリカ最高の高層ビル街でした。 1902年建造で、当時ニューヨーク屈指の22階建てフラット・アイロン・ビル(23St.の三角ビル)もこの地域に建っています。
 市内や郊外には20階建て程度までの石作りのビルで、写真の通り屋上部分が30~50センチ程度はみ出しているデザインのビルが目に付くはずです。 この建築方法は1900年前後に起きた建築ラッシュの頃に一般的に使われた工法とデザインだそうです。 前ページの写真の様に、一つのブロックのほとんどがこのデザインという地区も目立ちます。 

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 さて上の写真はフェアウェイというグルメ店の支店です。 建物の上部には庇の出っ張りが付いていません。
これは約150年前の建物だそうです。 倉庫だった建物が使われずに老朽化していましたが、それを大改装してこんな店を造りました。 使われていない間は鉄製の雨戸が閉まっていて、改装後はそれを開けた状態である亊も分ります。 改装前(2000年頃)と改装し復活させた後の写真を並べてみました。 建物の裏側には船着き場と線路が残っていて、当時は海上・陸上の輸送があった亊が分ります。

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 店内の補強はどの様に行なわれているのでしょうか。 ご覧の通り、驚く亊に太さ40センチ位の木の柱と30センチ位の梁が使われ、更に天井部にはH型鋼が組合わされています。 
 これは市の建築課の許可が出る様に、設計士が強度計算などして改築するもので、この店舗では10メートル以内毎に大小の柱が組合されている様でした。
 新しい電線・配管・空調・非常用装置も剥き出しで見える亊から、外観と工体は残して全てをやり直していると想像出来ます。
 このビルでは1階はフェアウェイの店舗、2階は倉庫等、3階~5階まではアパート(住居)になっています。

 ニューヨークには全米屈指の展示会・イベント会場である「JACOB JAVITS CENTER」というコンベンションセンターがあります。 巨大でもあり、ニューヨークという亊で集客も良く、全米最大級のオートショーを含む大きなコンベンションに使われます。
 年に数回行なわれる大きな食品・外食関連のショーが今月あり、日本のグルメブームにも乗りジャパン・パビリオンという日本のコーナーも設けられました。
 
 典型的なグルメ商品は勿論、エコと環境への対応から、節電・節水商品、環境に優しい持帰り用容器なども目立ちました。 ダイエットやカロリー対応商品も多く、小さめに作られたケーキやスイーツも見られました。

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 ジャパンパビリオンへ行くと、昨今のニューヨークでは、寿司等の日本食、ラーメン・居酒屋等が大ブームである亊から、食材関連が中心ですが、包丁や鍋や釜などの調理機器、勿論寿司ロボット等も出展していました。 ちょっと変わったところでは、健康志向の流行にも沿った減塩醤油の専門メーカー等もありました。 石川県、兵庫県などは食品関連の協同組合がブースを持ち、各県の商品を宣伝していました。 叉、本格的な蕎麦や寿司のデモンストレーションが行なわれ、相当目を引いていました。


 最近増える傾向ですが、今年は酒造メーカーが非常に多く、それも大関やチョーヤの梅酒等のメジャーブランド以外にも、地方地酒の酒造会社が多く見られました。  アメリカには既に沢山の地酒が入っていますが、全米最大のグルメの町ニューヨークでは、日本酒のファンが一気に増えている感があります。

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 レストラン日本は8秒で提供出来る二八蕎麦と本ワサビの真空パックを宣伝し実演し、日本各地からは何十という日本酒が出展していました。 例えば新潟県の地酒メーカー柏露酒造は純米大吟醸等を出品、試飲コーナーを持っていました。 多くのニューヨーカー達は「何が純米で、何が吟醸なのか」を知り始めているのです。
 こういう商品や品揃えはどんどん出回って欲しいものです。

5.アルディ、ニューヨーク市内初出店
 ドイツで発祥し、全世界では9000店舗近いチェーンとなり、アメリカだけでも1100店舗のボックスストア・チェーンです。 ボックスストアとは、店内の内装を最低限にし、配送用の段ボールを店内に積上げ、客はそのボックスから商品を取り出して買っていくセルフサービスのディスカウンターです。 多くの場合、その経費を掛けないスタイルから激安店が可能になります。 
 アルディは、その食品を中心としたボックスストア業態の中で全米トップのチェーンです。
 アルディはシカゴで始まり、西海岸を除く地域で展開しています。 元々は低所得層をターゲットにしていましたが、不況の昨今では中級層を取り込み、2011年2月、ニューヨーク市内にも初出店を果たしました。
 ここ数年の店舗を見ると、扱い商品も店作りも大きく変わってきており、世の中の動き消費動向を良く研究している企業であると感じます。 
 アルディのオーナーは、同じく全米で絶好調のトレーダー・ジョーズのオーナーと兄弟の関係です。
 開店前には以下の様なチラシが入り、開店セール中の来店では、グディーバッグと呼ぶお土産袋を配るという宣伝が行なわれました


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 開店日の大混雑は世の東西を問わないのでしょう、長い列が出来ていました。 この商圏は写真でご覧の通り裏側に大きな団地があり、これが延々と続くというNY市最大の人口密集地域です。

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 開店日のグディーバッグは、大きなエコバッグも付いていて、その中身のほとんどはアルディのPB商品でした。 店内で売られる通常商品の他に、スナック菓子等の小分け商品、その時その場で飲みたいであろうボトル入りの水なども入っていました。
 アルディの特徴の一つが、先に述べたトレーダー・ジョーズと共に、扱い商品にPB商品の多い事です。
 両チェーン共にPB比率は90%程度となり、その製造工場や提携企業名は一切公表されません。
 チェーンの名の元に、その店のファンである客が通常の買物に訪れるのです。 固定客がファンであるか、日本の様に数円の違いや細い亊で大きな苦情を持込むクレイマーが多いか、大きな違いが見られます。
  以前にもお伝えした通りですが、アルディではP B商品を作る時に、多くの場合外箱の数ヶ所にバー コードを印刷します。 レジにおいては、どの面で  読み取ってもミスが無くスキャン出来るなら作業効 率は上がり、少ない人数で店舗運営が可能になる、 わけです。 考え方として、PB商品用の箱は独自  に作るわけですから、バーコードが一ヶ所でも、叉、 多く印刷しても製作コストは変わりません。
  見難いかも知れませんが、左はPB商品のコーン フレークですが、3面にバーコードが印刷され、そ の中の一つは箱の長さになっていて、上の面のバー  コードには数字も入っています。 このコーンフレー クでも同様ですが、時には六面体の箱に対して5~ 6ヶ所のバーコード付きという場合もあります。
  関東地方で展開しているビッグーA等は典型的なボックスストア業態であり、アルディに近いコンセプトが感じられます。
 
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 アルディでは広告宣伝の費用も最少に抑えます。 それもあり、西海岸に展開してない亊もあり、日本の小売業界の方には知られていないというチェーンであります。 宣伝の多くは口コミであり、その商圏(半径数キロ)の人が来てくれれば良いのです。 宣伝はしませんが、毎週テーマに沿ったセールを打ち出します。

 ホリデーにはテーマが付き物で、それに関するものなども多く使います。 この時期はどうかというと、春の大掃除等で屋外で電気や機械を使う亊も多く、発電機や掃除用品が売れる時期です。 今週のセールにはその発電機も出ていました。 発電容量6000W(60ワット電球100個分)用が日本円にして約3万円です。
 扱い品目は買物頻度の高い1400種類程度の必需品に絞り込んであり、ほとんどの商品でウォルマート等を凌ぐ価格です。
 ご興味がある方は「ALDIFOODS.COMを覗いてみて下さい。

 この発電機を東北地方の被災地に送ってあげたいくらいです。
 こういう小売業、外食産業等を勉強・研修する為のプログラムを各種用意していますのでご相談下さい。
 

チャーリー・下城近雄 コーディネーター from New York 3/15/’11

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                                           Copyright 2011 C. Shimojo
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