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BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 世の中には所謂、謎のProjectなるものが結構な数存在していて、まあ、大人の事情とか様々な要因が、そこにはあるわけである。そんな匿名のGroupには、とんでもない傑作/名作が埋もれていたりするのも、この手のブツを掘っている方々には周知の事実でもある。まあ、所謂、幻の名盤なるものである。それもそのはず、こういった盤には諸事情によって表立っては中々実現できそうもない大物のMusicianが顔を揃えている作品もあるわけで、Arrangement楽曲さえ充実していれば、演奏も歌も一流の腕利きのMusicianとSingerの名人芸が、冴えわたるのが道理であるからだ(時と場合によっては不発のケースがあるのにはご用心)。今回ご紹介するThe G/9 Groupなる謎に包まれたGroupが残した唯一のアルバムもまた、そういった幻の名盤の一枚といっても良いかもしれない。まあ、言ってみれば企画盤なのであるが、Tom JobimBaden PowellJoão DonatoEdu LoboMarcos ValleからCaetano VelosoNonato Buzar、はてはThe BeatlesやCole Porterに至るまで名曲を集め、腕自慢の名手たちの素晴らしい演奏が楽しめるお気に入りの一枚である。CBSのProducerであるHenrique Gandelmanが集めたのは9名のメンバー。Gandelmanの頭文字の"G"と、演奏者とSinger/Chorusの9人の人数から名付けられたのがThe G/9 Groupというわけである。メンツは鍵盤奏者のDom Salvador、GuitarのNeco、ドラムスにWilson das Neves、ベースにSergio Barroso、PercussionにPedro Santos、Singerは魅力的な女性Vocalを聴かせるValeriaを筆頭にJoabEdgardoZezéの4人。このLead Vocalを担当するValeriaなるHuskyで官能的なところもある女性Singerが少々拙い英語で歌うところもイイ感じである。極上の演奏と洗練の極みともいえるArrangementに脱帽である。

 

 『Brazil Now!』はThe G/9 Group68年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目は大好きなBaden Powellの“P'ra Que Chorar (I'll Take A Chance)”。艶っぽい女性Vocalがキレの良いリズム隊にのっていきなり心を鷲掴みされてしまう。

Vesti Azul”はWilson Simonalの名唱で知られる鬼才Nonato Buzar作のCover。これをパパパパーヤーなご機嫌なオサレBossaに仕上げている。Coquettishな女性Vocalと男性Chorusの掛け合いも最高。

Edu Lobo名曲中の名曲Ponteio”は男女混声Vocalで歌い上げる言わずもがなの極上の仕上がり。

João Donatoの“Sambou...Sambou (Alphabet)”。元曲のインストも最高だけど、Vocal入り(しかも英語)でも文句なしの名曲名演すなあ。

João Gilbertoが歌ったTom Jobim作の大好きな曲“Este Seu Olhar (That Look You Wear)”もHuskyなValeriaVocalがたまらんすなあ。

Milton Nascimentoの名唱でも知られるMarcos Valleの“Viola Enluarada”はしっとりと歌い上げられたこみあげ系の名曲

ご存知The Beatlesの“Lady Madonna”も小粋な仕上がりに脱帽。

Baden Powellの“Deixa (Let Me)”は疾走感に満ち躍動するリズム隊が最高。

Caetano Velosoのソロ1stアルバムに収録のPsycheな“Alegria, Alegria”のCoverは軽快な仕上がりが面白い。

Elis & Tom』でのElis Reginaの情感タップリのVocalが忘れられないTom Jobim作“Retrato Em Branco E Preto”も洗練されたBossa風に仕上げている。

最後を飾るのはCole PorterのStandard“I've Got You Under My Skin”も切ないValeriaVocalが最高。

(Hit-C Fiore)

 Barbecue Bobって、まずその名前からして優勝でしょ、インパクトあり過ぎ。一体どんなBluesmanなのか、聴く前からワクワクしてしまう。Barbecue BobことRobert HicksGeorgia州Walnut Grove出身の主に20年代から30年代初頭にかけて活動していたPiedmont Blues Musicianさまざまな職を転々としながら音楽活動を続けAtlantaに辿り着くと、Atlanta北部郊外のTidwells' BarbecueなるBarbecue店で働き始めた。そして、店で料理をふるまい歌を披露するのが評判となって一躍地元の有名人となるのであった。その姿を見たClumbia Recordsスカウトマンによって見いだされ、Barbecue Bobという名前で売り出されたのだった。おそらく宣材と思われる、白いエプロンコック帽を身に着けた料理人姿で笑みを浮かべてギターを弾く写真を見た時から、キワモノ感が半端なくて実際の音は、実はそれほど期待していなかった自分が愚かであった。ギターはCharley Lincoln(Charlie LincolnまたはLaughing Charley)として知られる実兄のCharlie Hicksから習ったというが、まず、12-String Guitar音色フレージングに驚かされる。RagtimeをベースにしたPiedmon奏法で奏でられる12-String Guitarは、12弦本来の音色を生かしたToneで、基本弾き語りで時折入るそのBottleneckを駆使したフレーズの音使いも洗練されている。素朴で力強いVocalも音程はしっかりしていてイイ感じである。同じGeorgia州出身の12-String Guitarの名手といえばBlind Willie McTellが思い浮かぶが、RagtimeのFingerpicking StyleのBluesにSlideを取り入れるという点で強く影響を受けていたと思われる。Buddy MossやCurley Weaverと組んだGeorgia Cotton Pickers30年12月にRecordingを残しているが、これがBarbecue Bobの最後の録音となってしまった。翌年に残念ながら29歳の若さでBarbecue Bobは帰らぬ人となってしまった。

 

 『Barbecue Blues』はBarbecue Bob27年から30年に残した録音から選んだCompilation Album

アルバム1曲目は“Barbecue Blues”。12-String Guitarジャンジャカ鳴らして気持ち良さそうに歌う。

Mississippi Heavy Water Blues”、“Honey You Don’t Know My Me nd”もユッタリしたRhythmでギターをかき鳴らして歌う。素朴な歌声が良い。

アコギをジャンジャカにSlideがイイ味出している“Poor Boy A Long Ways From Home”。

Jesus’ Blood Can Make Me Whole”もマッタリ長閑な弾き語り

Motherless Chile Blues”はジャンジャカ生命感に満ち溢れた弾き語り

間奏のフレーズがイイ感じの弾き語りHow Long Pretty Mama”。

ドッシリ地に足が付いたBlues‘Fo Day Creep”にSlideがイイ感じの“Blind Pig Blues”も生命感漲る感じが良い。

イントロのギターから惹きこまれるGoin’ Up The Country”。

Chocolate To The Bone”は大好きな曲で力の抜けた歌いっぷりギターも良き

絞り出すような唸り声が渋いCold Wave Blues”。

Slideがご機嫌なIt’s Just Too Bad”。

軽快に飛ばすCalifornia Blues”もお気に入りのナンバー。

イントロからSlideが炸裂する“Yo Yo Blues”もイイ感じ。

腰をドッシリ落としたWe Sure Got Hard Times”もVocalもご機嫌だけどSlideが良き。

軽快なShe Looks So Good”はChorusとの掛け合いも良き。

最後をシメるのはイントロからSlideとHarpがご機嫌過ぎる“She’s Coming Back Some Cold Rainy Day”。

Yo Yo Blues/Barbecue Bob

(Hit-C Fiore)

 Horizonteは以前、2作目にして彼らの最後のアルバムSeñales Sin Edadをご紹介したArgentinaのRock BandでAndean FolcloreJazzRock融合した音楽性が、そこでは見事に発揮されていた。同国ではGustavo Santaolalla率いるArco Irisという存在が、Pioneerとしてこの分野の頂点ともいうべき優れた作品を世に出して君臨してはいたが、より多様性高度な演奏技術作曲能力に長けた彼らに対して、Horizonteは、より純度の高いFolcloreへの傾倒Debut Albumをリリースした当時から際立ってはいた。Panpipes (Sikus)、QuenaCharangoFlute(Flauta Traversa)、GuitarrónQuenacho、Guitar (Tiple)、そしてElectric Guitarを演奏するMario VanniniとVocalとCongas (TumbadorasTumbas)、 Drum (Bombo Legüero)、Percussion、そしてGuitar、Effectsを担当するHugo Ojedaという2人が次作も含め、バンドの殆どの曲を書いており中心人物といっていいだろう。Debut Albumとなる本作ではPiano、Organ、Charango、 Mellotron をAlejandro Tiscorniaが演奏し、ベースを、現在はNew Yorkで活躍しているMulti-InstrumentalistJorge Alfanoが弾いているが、この2人は本作のみで脱退してしまう。加えてドラムスにRuben Bloiseという5人組で、このDebut Albumは78年Music Hallからリリースされている。一方、Andes山脈の反対側のChilieでは暗黒のPinochet政権によってLos JaivasArgentinaに避難し、そしてParisへと向かっていった。また同国に留まったCongresoは軍事独裁政権によってRecodingを中断させられ、歌詞は暗号のようにCamouflageされ、メンバーの脱退も相次いだArgentinaでも軍事独裁政権により、誘拐、拷問、殺人が行われていた中、Musician文学者画家映画関係者芸術家の多くが弾圧に苦しみ苦悩の日々を送っていったのだった。図らずもこの時期、同じようにAndean Folcloreを取り入れたBandが南米の軍事独裁政権によって苦しみながらも母国を思う自らのIdentityを尊重した傑作を生みだしていった事実は象徴的である。

 

 『Horizonte』はHorizonte78年Music Hallからリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は“Sueño De Luz”。Primitiveながら生命感に満ちたPanpipesQuenachoといった伝統楽器を使用した響きと力強いVocalが生み出すExotic神秘を湛えた魅力的な世界が拡がっていく。

Tierra Del Indio”は笛の音とギターのLyricalなArpeggioで始まり、哀感に満ちたVocalが切々と訴えかけていく。ギター・ソロが始まるとPercussionも相まってSantana的なLatin Rockな展開になるが、これもまた良し。

Selva Del Sol”は10分を越える長尺のインスト曲Percussion木を軋ませるような少々Experimentalな音響現代音楽風に始まる幻想的なピアノが奏でられFluteが風のように宙を舞っていく。ここでギター・ソロが始まり、低音でベースがウネるJazz Rock的な展開になり、このバンドの本領発揮ともいえるProgressiveな様相を呈してくる。12/16拍子にのってギターがExoticなMeledyを奏でベースがBottomを支えながら躍動する。

Piel De Cobre”は幻想的なギターのArpeggioで始まり、西部劇のサントラ的な世界が拡がっていく。

Maiz Azul”はイントロからAndean Folcloreな風が吹き、哀感に満ちたVocalが始まる。

Trigo Maduro”もAndean Folcloreな雰囲気が全体に漂い、哀愁のVocalも、それ風ではある。リズム隊はタメをきかせながら躍動し、単なる歌モノに終わらせてはいない。Vocalに絡むBluesyな味わいのあるFluteもイイ感じである。

アルバム最後を飾るのは “Vidala Del Corazon”。ギターのArpeggioがイイ感じのイントロからProgressiveな展開になるのが面白い。

Tierra Del Indio/Horizonte

(Hit-C Fiore)

 VangelisことEvangelos Odysseas Papathanassiou (Ευάγγελος Οδυσσέας Παπαθανασίου)の音楽については、以前も書いたようにジャケ買いから入った自分が理解するのにそれなりに時間がかかったわけだけれど、本作を手に入れたのは10代の頃、お世話になった中古レコード屋さんであった。VangelisのSF調のジャケットの諸作に惹かれた当時の自分にとっては、アルバイトをするようになったら絶対に買おうと心にキメていたのだが、優先順位としてはAlbedo 0.39や『Spiral』が先であったし、一番最初に手に入れたサントラ盤L'Apocalypse Des Animauxを聴いて、ようやくVangelisの映像を喚起する音楽の素晴らしさがわかってきた時だったので、後回しになったけれど、ようやく貯めたバイト代を片手に中古レコード屋に向かったのであった。『野生』という邦題がつけられた本作は、Frédéric Rossif監督によってFranceで制作された同名の野生DocumentarySoundtrackとなる作品で、79年にリリースされている。Vangelisは同監督が手掛けた上述の『L'Apocalypse Des Animaux動物の黙示録)』や『La Fête Sauvage野生の祭典)』の音楽を担当しているが、本作ではより分かりやすくRomanticでRelaxationをもたらすような色合いが前面に出てきたように思える。これまでのSynthesizerを魔術師のように操り異次元を旅してきたような感じから、本作では、Electric Pianoもまじえながら、ある意味Ambientで心地良くStrangeな空間にTripさせられたような気分になるのである。もしかして、これは映画の内容と関係あるのかもしれないが、残念ながら映画の方は未だに観れていないのだった。本作はVangelisの作品の中では異質かもしれないが、個人的には大好きな作品である。

 

Opera Sauvage』はVangelis Papathanassiou79年にリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は“Hymne”。神秘的なSynthesizerで奏でられるMelodyはSimpleで分かりやすいものだが、旋律が繰り返されるたびに心が落ち着いていくのがわかる。

Rêve”はRomanticで哀感漂うElectric Pianoの響きで夢見心地にさせられ、柔らかな曲線を描くようSynthesizerも優美で幻想的な雰囲気を醸し出している12分を越える大曲であるが、ただひたすら穏やか美しく触れてしまったら、どこかに消えてしまうような夢のような儚い音楽

L'Enfant”は、おそらく誰もが、どこかで聴いたことのあるようなMelodyであろう。ピアノが繰り返し奏でる無垢でSimpleだけど心が洗われるようなフレーズは一度聴いたら忘れられない。繊細でありながら、生命感が強く感じされるフレーズが素晴らしい。

Mouettes”も美しく、どこか悲しいMelodyにSentimentalな気分にさせられてしまうのだけれど、この曲も幻想的だけど、和みの音楽夢の彼方で奏でられているような現実離れした雰囲気がたまらない。

Chromatique”は冒頭のAcoustic Guitarの響きがイイ感じ。Melodyは、この曲もSimpleなんだけど、Vangelisにしてはどこか地上に降りた、ありがちなもので、そこがまた面白い。

Irlande”も、ゆったりとして穏やかな曲調の中に感じられる仄かな哀感がたまらない。沈み込むような哀しみではなく、受け入れていかなければならない哀しみとでもいうべきか。

最後を飾るのはYesのJohn AndersonHarpで参加した“Flamants Roses”。これまた夢の世界の中にいるようだけど、12分近い大曲の中で、どこか力強く、生命感が感じられるところがVangelisらしい。

L'Enfant/Vangelis

(Hit-C Fiore)

 Sonny Stittは本当に不当な評価が付いて回るSax奏者であった。おそらく1920年代生まれのJazz Musicianの中で来日公演も行い、三桁を越えるような数多くの作品を残したのにも関わらず、日本でここまで評価されない人も珍しいのではないだろうか。かく言う自分もSttitの魅力に気付き、のめり込むのには、それなりの時間を要したのであった。とにかくSttitという人は楽器が上手い。Charlie Parker直系ParkerのEpigonenとまで揶揄されたAlto Saxにしても、そういった批判から逃れるためか吹くようになったTenor Saxにしても、とにかく次から次に淀みなく繰り出されるフレーズは圧巻である。その二刀流のどっちつかず感とか、フレーズも超速ゆえに哀感や深みに欠けるのではといったイメージが付きまとう。しかし、細かいことは抜きにして、その小気味よいフレーズと共演者との指パッチンでSwingyな演奏に身を任せれば良いのである。StittのTenorは、Altoに比べると、スピード感よりも歌心とか鳴りを生かしたスタイルになっているのも興味深い。そういう意味では、今回ご紹介する60年代にPrestigeから量産されたOrganとTenor SaxのコンビでSoul-Jazz仕様のJam SessionStittのTenorを心地良く楽しむのもアリだろう。Stittが"Brother" Jack McDuff あるいは "Captain" Jack McDuffとしても知られる黒々としたEarthyなOrgan奏者と共演した音盤である。しかも2人がデビュー・アルバム以来、縁のあるPrestigeからのリリースである。期待にたがわぬSoulful共に陽性と思われるご両人の性格を反映してか、問答無用で身体が動き出し元気が出るご機嫌な作品に仕上がっている。いつものコテコテの黒々としたOrganはチョイ抑え目のMcDuffに気持ちLooseでRelaxしたヤクザな鳴らしっぷりのStittもい味出している。ギターはBensonを期待してしまうとチョイ影の薄いEddie Diehl、DrumsはArt Taylor、Congasを叩くRay Barrettoというメンツで、出しゃばらずに2人を立てた激渋のバッキングも素晴らしい。

 

 『Stitt Meets Brother Jack』は62年PrestigeからリリースされたSonny Stitt With Jack McDuff のアルバム。

アルバム1発目はStandardAll Of Me”。Ray Barrettoが叩く心地良いCongasをバックに至極真っ当で脱力したともいえるRelaxした演奏が心地良い。McDuff のHammondざらついた感じが、より一層Soulfulな香りをまき散らしている。余裕というか、ドッシリ構えたStittのTenorが

心地良くSwingする思わず指パッチンBluesPam Ain't Blue”はStitt作。BluesyなTenorがCongasとMcDuff のOrgan Bassのランニングが生み出す生命感に満ちたRhythmにのってド渋く歌いまくる。McDuff のコテコテ抑えたHammondソロも控えめな(音小さっ)ギター・ソロも気持良いっすなあ。

 Sarah Vaughanの名唱で知られるSammy Cahn作曲のStandard“Time After Time”は雰囲気タップリのBalladでStittのコクのある歌うTenorが味わえる。

再びStitt作のBluesRingin' In”。コテコテに攻めずSoulfulに歌うMcDuffのHammondが良い。鳴りの良い艶のあるStittのTenorもご機嫌である。

Laid BackしたStitt作のBluesNother Fu'ther”。Relaxしながらも時々鋭く速いPassageのフレーズをかますStittが良い。Earthyに歌うMcDuffのHammondが絶品

StittMcDuff共作の必殺の男泣きのBalladWhen Sonny Gets Blue”。男性的だけど、まろやかで甘さを抑えつつ味わい深いTenorに酔いしれる。Stittの名前をかけたタイトルが洒落ている。

最後をシメるのは、これまたSitt作のご機嫌なBluesThirty-Three, Ninety Six”。StittとMcDuffのソロもBluesyに歌いまくMidiumの心地良い指パッチンJazz

(Hit-C Fiore)

 Os Ossos Do Barão73年10月8日から翌74年3月31日までBrasilで放映されたTV Globoが制作したTelenovelaで脚本がJorge AndradeRégis Cardosoが監督を務めた。本日ご紹介するのは、例によってこのSoundtrack盤で、お目当ては76年Som Livreからアルバム『A Voz, O Violão, A Música De Djavan』で公式Debutする前Djavanの“Qual É”で、Novelaでもお馴染みMarcosPaulo SérgioValle兄弟の手によるナンバー。なんとこのサントラ盤は全12曲中、1曲を除き、他のすべての曲(共作曲1曲含む)が、このValle兄弟の曲で占められている。またNovelaかよ、と言われるかもしれないが、やっぱりValle兄弟が手掛けているだけあって曲が良いし、Claudia ReginaMarcio Lottといった、お気に入りの歌手も含めてVariety豊か魅力的で個性的な歌手が次々に歌い上げていくのは、アルバムの流れも良いし、流して聴いていると実に気持ちが良いものだ。そんなわけで、Novelaものサントラ盤は、ついつい買い集めてしまうのであった。しかも、この辺のアルバムは2000年代に入るとCDでReisueされるようになり、高価な原盤を買い求めるよりお安く手に入る時代になったのだからいい時代だった。そうやって手当たり次第に聴き漁りながら、気に入った音盤はアナログでガッツリとゲットする、そんな時代であった。ところで話はDjavanに戻るけれど、Brasil北東部の海岸沿いにあるAlagoas州の州都Maceióに生まれ、独学でギターを弾き始めると、LSD Luz, Som, Dimensão)というバンドを結成、The Beatlesの曲を演奏していたという。23歳の時にRio de Janeiroに拠点を移し、Nightclubで歌う傍ら、Telenovelaのサントラ盤で歌うようになったという。あれだけの才能に満ちたMusicianであっても、最初は苦労した叩き上げの人物なのでった。

 

 『Os Ossos Do Barão』は73年Som Livreからリリースされた同名Telenovelaサントラ盤

アルバム1曲目は上述のDjavanの“Qual É”。高揚感に満ち溢れた大好きな曲。

Novela界隈ではお馴染みのDjalma Diasが歌う美しくも切ないBlaladMeu Velho Pai”。

Raulzinho率いるImpacto 8のVocalだったBetinhoが歌う“Chega De Enganar A Nega”。これまた躍動感に満ち溢れたイイ感じ。

これまたNovelaお馴染み大好きなBelo HorizonteのSinger Marcio Lottが歌う“Tenha Juizo”。これが素晴らしい。Gentleな歌声抒情的で美しい旋律を歌い上げていく、個人的には、このアルバムで一番のお気に入り。

70年代初頭からProducerとして活躍し80年代に『Cauromi』など2枚のアルバムを残しているEustáquio SenaがValle兄弟、Waltel Branco共作した“E Tem Mais”。Brasilでは珍しいBluesyでMellowなナンバー

Marcos Valleの“Os Ossos Do Barão”。アルバム『Previsão Do Tempo』収録曲。相変わらず軽妙洒脱なMarcos Valle節が良い。

Claudia Reginaの“Tango”。どこか悲し気なBandoneonの音色に対して力強く生命感に満ちたClaudiaのVocalが素晴らしい。

Bibi Vogel可憐に歌い上げるMundo Em Festa”。このMelodyはグッときますなあ

これも、お馴染みCoral Som Livreの“Ebó, Exú”。楽し気に躍動するChorus隊演奏が楽しい。

疾走感に満ち溢れたTramaの“Cafezinho”は陽気に歌い上げるGroupのノリがご機嫌で思わず頬が緩む。

マッタリした中に艶っぽく切ないVocalがたまらないClaudia Reginaの“Canto De Sereia”。

アルバム最後をシメるのはのOpera歌手Paulo Fortesが歌う“Tu, Ca Non Chiagne”。

1973 - Os Ossos do Barão (Abertura Fictícia)

(Hit-C Fiore) 

 Lacksley CastellLasky Castell)のこのアルバムは、まずジャケットも最高だし中身も勿論極上で、何回聴いたかわからないけれど、とにかく70年代末から80年代前半にかけてのJamaicaの空気感というか、あの頃の、RootsとDancehallが微妙に混在している雰囲気が伝わってくる作品として、これからもずっと聴き続けていく事だろう。Lacksley CastellはBlack UhuruThe Travellersの出身地として知られるKingstonWaterhouse地区Dilliston Avenue5人兄弟の3番目として育った。早くから音楽の才能を発揮して、所謂"Waterhouse Style"でRecordingを続けていたCastellはHugh Mundellと友人であり、MundellはCastellと後にBlack UhuruのMichael Roseの後任としてLead SingerとなるJunior Reidに音楽業界で身を立てていくのに協力の手を惜しまなかったという。その結果として、Augustus Pablo78年に録音した“Babylon World”と“Love in Your Heart”がCastellの最初のSingleとしてリリースされた。79年にはLee "Scratch" PerryBlack Ark Studiosで“Jah Love Is Sweeter”を録音し英国でヒットさせている。またPrince JammyのProduceによる“What A Great Day (It Will Be)”も同年にReggae 12-inch Singles ChartTop 5を記録している。さらにCastellは、Sugar Minottが同年にリリースした大好きなアルバム『Black Roots』にBack Chorusで参加しており、RootsLoversDancehallの香りが入り混じったこの名作の雰囲気づくりに貢献している。80年に入ると、Prince JammyのProduceでHugh Mundellの『Jah Fire』がリリースされるが、後にFeaturing Lasky Castell and Augustus PabloとCreditされているように、A面の1曲目を始めとして11曲中5曲がCastellのVocalである。この年、 MichaelRobert "Flako"Palmer兄弟のLabel Negus Rootsから最初のリリースとして12", 45 RPMAfrican Queen”を世に出してヒットさせている。本作は、同LabelからRobert "Flako" PalmerのProdeceで82年にリリースされたLacksley Castellの1st Albumである。そして、残念なことに1年後にCastellは病でこの世に別れを告げていくのであった。

 

 『Morning Glory』はLacksley Castell82年にリリースしたアルバム。ドラムスはSly Dunbar、ベースにRobbie ShakespeareLloyd Parks、鍵盤にAnsel CollinsRobbie Lyn、ギターのBo-Pee BowenというThe Revolutionariesの面々にThe ProfessionalsのFranklyn "Bubbler" Waulのピアノ、Leroy "Horsemouth" WallaceのドラムスにSky JuiceのPercussion。アルバム全曲Castellのペンによる

アルバム1曲目は“Leaving”。まだ少し幼さの残る CastellのVocalが切なさと、心なしか儚さを感じさせるところにグッとクる。

タイトル曲の“Morning Glory”。こちらもCastellの繊細な中に清々しさを感じさせるVocalが絶品。SimpleなバッキングにOrganが効いている

Righteous Stand”は真っすぐなCastellのVocalが沁みますなあ。直向きなんだけど、これまた心なしかどこか寂しげな感じがグッと胸につき刺さる。

Message To My Woman”も大好きな曲。Minor Chordで、独特の陰影を感じさせるCastellのVocalに惹きこまれていく。

Cold Winter Night”も個人的にお気に入りのナンバーで、Castellが柔らかでしなやかな声淡々と歌い上げるほどその世界観にズッポリとハマっていくのがわかる。Synthesizerがイイ味を出している。

イントロのCastellの切ないVocalから惹きこまれてしまうSpeak Softly”。

爽やかなCastellのVocalがどこまでも伸びやかなDoctor Love”。これまた実に気持ち良いっすなあ。

イントロのギターがイイ感じの“Bound In Bondage”。

アルバム最後をシメるのは81年のSingleGovernment Man”。これは気持ち良すぎの夢見心地。全曲最高、文句なし。

(Hit-C Fiore)

 The O'Jaysは本当に気分が高揚する大好きな曲が沢山あり過ぎて困ってしまうんだけれど、一番好きなMessage In The Musicに次いでLove Of Moneyと並ぶのが“I Love Music”で、もう一体何回聴いたか分からないほどである。もうこれはClubで大音量で身体中で浴びるほど聴いて踊らずにはいられないほどのお気に入りである。Ohio州Canton58年にメンバーが高校に行っている時に結成されたR&B Vocal Group The O'Jays。もう、なんといっても幼少時から教会のChoirで歌ってきたEddie LevertDeepでEmotionalなGospel唱法であろう。Gamble & Huff制作の華麗で優美なPhiladelphia SoulのSoundは躍動感に満ち甘美で時に熱く訴えかけるLevertのLead Vocalと、それを支えるChorusがめくるめく高揚感に満ち溢れ官能的な世界へと誘う。LevertとWalter Lee WilliamsWilliam PowellBill IslesBobby Massey5名The Mascotsと名乗っていた彼らはClevelandでそこそこのヒットを放っていたわけだが、同地のDJ Eddie O'Jayに敬意を表しThe O'Jaysと改名、メンバーにSongwriter/ギタリストのFrankie Littleも加わって60年代に活動を続けていくも、メンバーはLevertとWilliams、Powellの3人になってしまうのだった。それでも活動を続けた彼らはGamble & Huffと出会い、Philadelphiaに向かった彼らは70年Neptuneから『The O'Jays In Philadelphia』をリリース、しかし成功を得られず故郷のOhioに戻り『Super Bad』を録音する。そして72年、The O'JaysとGamble & Huffは再びタッグを組みPhiladelphia International Records(以下PIR)と契約したThe O'Jaysは快進撃を開始するのである。72年に『Back Stabbers』、73年に『Ship Ahoy』、74年に『The O'Jays Live In London』、75年に『Survival』をPIRからリリースしてNew Soulとも連動してMessage性も重んじProgressive SoulとしてSoundも成熟と洗練を極めていくThe O'Jays。ジャケットはHrace Silverの69年の名作You Gotta Take a Little Love』とも共通するものが感じられる。

 

 『Family Reunion』はThe O'Jays75年PIRからリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は“Unity”。高揚感を感じさせるStringsをバックにあくまでもPositiveに歌い上げていくDanceableなリズム隊にのって、Levertの男気溢れる熱いVocalに絡むWilliams、PowellのSoulfulなChorusが最高である。

Gamble & Huffらしい甘美なイントロから惹きこまれてしまう“Family Reunion”。Levertが語りかけるように歌い上げ寄り添うStringsChorusも絶品である。ギターもイイ味を出している。最後に長々と入る語りも雰囲気出しまくり

こちらも、もうイントロからメロメロになってしまう“You And Me”。ここでもLevertが雰囲気タップリに歌い上げChorusが寄り添いジワジワと盛り上げていくのだが、ギリギリのところでベタにならないところがThe O'Jays、これが実に素晴らしい。

哀感漂うピアノから始まる“She's Only A Woman”。これまたStringsギリギリのところでベタにならずに盛り上げていく。かけ合うLevertのEmotionalなVocalが最高。

76年の春R&B Singles Chartで首位を獲得した“Livin' for the Weekend”。ゆったりと始まりDiscothequeな盛り上がりが楽しいOarty Tune後半のShuffleへの展開もご機嫌である。

必殺のBalladStairway To Heaven”は勿論Led Zeppelinのアレとは同名異曲で、お涙頂戴でもなく甘さに流されず、あくまでもSoulfulに盛り上げていくEmotionalな高まりグッとくるものがありますなあ。

最後をシメるのは大好きなI Love Music”。この高揚感と、SimpleでGreatなMessageを高らかに歌い上げるSoulfulなLevertのVocalとChorus最高としか言いようがない

I Love Music/The O'Jays

Stairway To Heaven/The O'Jays

(Hit-C Fiore)

 The Jookは本当に大好きな英国の4人組活動期間も短くアルバムすらも残していないけれど、地道にSingleを買い集めたり、未発表音源やらCompilation盤が出るたびに手を伸ばしてきたのだった。Modな外見もバッチリだけど、音の方はGlamでPopでチョイPunkという、そのギャップもまた魅力的で、これまた大好きなJetRadio Starsへと連なっていく彼らの音楽性は、この手が好きな方々にはたまらないだろう。彼らは70年代初頭に出会い、結成されLondonPunkが勢いを増していく頃にはとっくに解散してしまっていたバンドであるが、あのPunk Band Rudiが、そのバンド名を彼らの73年の名曲“Oo Oo Rudi”から拝借したことを考えれば、その影響は少なかったとはいえないであろう。その起源はMarc Bolanと知り合いだったギタリストTrevor WhiteJohn's Childrenの創設メンバーでDrummerだったChris TownsonらがBolan脱退後に加入を打診したことから始まる。残念ながらRehearseを開始する前にバンドは解散、WhiteはSinger/GuitaristのIan "Ralf" Kimmetと出会い、TownsonとベースのIan HamptonとThe Jookを結成する。John's ChildrenのベースだったJohn HewlettManagementを担当しRCAと契約を結びSingleをリリースするのであった。HewlettがSparksのManagerだった関係から74年にWhiteとHamptonはSparksに加入し同のアルバム『Propaganda』と75年の『Indiscreet』に参加している。その後、WhiteはChris TownsonがJohn's ChildrenのFrontman Andy EllisonとSparksのベーシストMartin Gordon、鍵盤奏者Peter Oxendaleと結成したJetDavid O'Listの後任として加入、バンドはRadio Starsに発展していく。Chiswick Records78年にリリースしたCompilation Album『Rock 'N' Roll Suburbano De Londres』にBilly GraggRiff Raffらと共に“¡Cuidado Con El Escalon!”、“Chica La La”、“Lugar De Vejacion = Aggravation Place”、“Todo Lo Que Hago”の4曲が収録されている。

 

 『Different Class』はThe Jook未発表に終わった幻のアルバムの音源などを収録したCompilation Album

アルバム1発目は “Different Class”。小気味よいギターのRiffが最高。

上述の“Aggravation Place”はPopだけど勢いのあるギターもChorusもカッコイイ

Bobby Parkerの“Watch Your Step”もギターのRiffとGlamなChorusが鳥肌モノ。

痺れるHard Boogie74年7", 45 RPM, SingleBish Bash Bosh”。

上述の“Oo-Oo-Rudi”はTempoを落としてGalamなノリ

73年の7", 45 RPM, SingleKing Kapp”はノリノリで、これまた唸りを上げるギターが最高。

72年リリースのDebut Single“Alright With Me”。イントロのギターのRiffから最高に盛り上がり。

Everything I Do”もご機嫌なPower Chordザックリ気持ち良すぎのギターとGlamなChorusが最高。

Rumble”は男気溢れるインスト曲

ModでGlamな“Cooch”や“La La Girl”。

Debut SingleのB面Do What You Can”もTempoを落としてグッとくるナンバー。

PsychedelicなギターのRiffが良い“That's Fine”。

Charlie Richの“Mohair Sam”のCoverも良き。

Movin' In The Right Direction”や名曲“Crazy Kids”のようなTrevor White色が強いナンバーも最高。 

アコギで歌われるBallad“Hey Doll”やGallagher & Lyleの“City And Suburban Blues”は英国の中の亜米利加的でこれまた良き。

73年のSingleでJimmy Reedの“ Shame Shame Shame”もご機嫌す。

Jook's On You”は“Oo-Oo-Rudi”のB面曲だけど腰を落としたドッシリしたノリのHard Boogieがカッコイイ。

Crazy Kids/The Jook

Crazy Kids/Trevor White 

(Hit-C Fiore)

 Billy Butlerというギタリストは大好きなBoogaloo Joe JonesMelvin Sparksと並ぶPrestigeSoul Jazz路線には欠かせないMusicianである。Prestigeには69年リリースの『This Is Billy Butler!』から71年の『Night Life』まで全部で4枚のLeader Albumを残している。にもかかわらず、残念ながらJo JoenesやSparksに知名度という点では結構、水をあけられているような気がする。確かに派手さやコテコテに泥臭く弾き倒しというわけでもないけれど、Volume奏法Wah Guitarを使いながら時に甘美なSingle Toneで実に心地良くSoulfulに歌うギターはご機嫌である。Billy ButlerことWilliam Butler Jr.はPennsylvania州Philadelphia生まれで、Christmasの時に父親からViolinをプレゼントされて音楽にのめり込んでいく。12歳ギターを手にすると独学で腕を磨き16歳にして年齢をサバ読みして地元のClubで演奏を始めるようになったという。40年代後半にはRed GarlandのGroupに加わり、Vocal Group The Harmonairesのバック・バンドを経て、50年代にはOrgan奏者Doc BagbyのTrio、そしてOrgan奏者Bill DoggettのGroupに加わっている。Bill Doggettと共作した“Honky Tonk”は56年R&B Chartで首位を獲得する大ヒットを記録する。62年までDoggettのGroupに在籍した後、Studio MusicianとしてJames BrownBuddy HollyからKing CurtisEddie "Lockjaw" Davis,、Tommy FlanaganDizzy GillespieBenny GoodmanJohnny HodgesDavid "Fathead" NewmanHouston PersonDave PikeJimmy Smithらと共演、Richard "Groove" Holmesの68年作『That Healin' Feelin'』あたりからJazz Funkな奏法も加え、元々のSwing JazzR&Bの影響を受けた奏法に多様性が加わっていった。The ImpressionsJerry Butlerの弟Billy Butlerと同姓同名なので混同しないように。

 

 『Don't Be That Way』はBilly Butler76年Black And Blueからリリースしたアルバム。

アルバム1発目はBenny Goodmanの“Don't Be That Way”。軽やかに歌うギターが実に心地良い。

Billy Eckstineの名唱でも知られるEarl Hinesとの共作“Jelly Jelly”。冒頭からお得意のVolume奏法でイイ感じに迫ってくるButlerのギター、これまたシットリと歌うようで気持ち良し。バックのWild Bill Davisが奏でるHammondも最高だしEddie "Lockjaw" Davisの野太いTenor Saxも雰囲気出しまくり。

再びGoodman作の“Lullabies In Rhythm”はイントロから思わず腰が動き出すご機嫌なSwing Jazz。ここでもOliver Jacksonの叩き出すRhythmにのってギターと一緒にOrganもTenor Saxも少々Nostalgicな古き良きSwing Jazzの香りが実にイイ感じ。

軽快にSwingするNat King Coleの“Straighten Up And Fly Right”も実に洒落乙ですなあ。ここでもButlerのギターはもう最高にご機嫌で歌いまくり。

Standardの“You Go To My Head”はEddie "Lockjaw" Davisの雰囲気タップリのTenor Saxに導かれてButlerのギターは哀感を滲ませたプレイで聴かせてくれる。仄かに漂う昭和歌謡の香りも良き。

Indiana”はLouis Armstrongの演奏などで知られるJames F. Hanley作曲のTin Pan Alley Pop SongBack Home Again in Indiana”。Oliver Jacksonの心地良くSwingするBeatにのってButlerが小唄を歌うようにギターのフレーズを繰り出していく。Chordのカッティングもご機嫌だしEddie "Lockjaw" DavisのTenorも最高である。ThemeのUnisonもカッコイイ。

アルバム最後をシメるのはButler自作のBluesBlues For Marian”。Eddie "Lockjaw" DavisのTenorもButlerのBluesyに歌うギターも、あえてコテコテにならない味わいがたまらんばい。

(Hit-C Fiore)