Black Uhuruも大好きな作品が多すぎて、どれか1枚選べと言われたら迷ってしまう。個人的にはやっぱりSandra "Puma" Jonesが加入していた時代が一番印象深く好きな作品が多い。つまり79年の『Showcase』から86年リリースの『Brutal』までの作品である。米国はSouth Carolina州のColumbiaに生まれたPuma、Columbia Universityで修士号を取得してSocial Workerとして働いていた彼女が、Jamaicaに移住してDerrick "Duckie" Simpsonに出会い、Michael Roseと3人でのBlack Uhuruが始まる。Black Uhuruは72年にKingstonのWaterhouse地区でGarth DennisとDon Carlos、Derrick "Duckie" Simpsonによって結成され、その後解散を経て77年にSimpsonがErrol Wilson、 Michael RoseとBlack Sounds Uhroとして再編し、Prince JammyのProduceでDebut Album『Love Crisis』をリリースしている。77年後半にErrol Wilsonは古巣のGroup The Jayesに戻ってしまい翌78年にPumaが加入している。そして彼らはBlack Uhuruを名乗るようになる。Pumaは当時、得てしてReggaeがMisogynyに陥りがちで女性蔑視と批判を受けていた時代において、Black Uhuruに社会的/宗教的歌詞を加えたと言われている。“Abortion”や“Zion（Leaving To Zion）”、Keith Richardsがギターを弾く“Shine Eye Gal”といったSingleを収録し79年にリリースされたアルバム『Showcase』は『Guess Who's Coming To Dinner』として83年に日本盤もリリースされている。80年にIsland Recordsからリリースされた『Sinsemilla』で彼らは一躍世界的に注目されるようになった。本作はそれに続くアルバムである。ベースにRobert "Robbie" BasspeareことRobert "Robbie" Basspeare、ドラムスにSly Dunbar、ギターにRanchie McLean、 Mikey Chung、Dougie Bryan、ピアノにKeith Sterling、Robert Lyn、PercussionにUziah "Sticky" Thompsonという演奏陣がガッツリ脇を固めている。
『Red』はBlack Uhuruが81年にIsland Recordsからリリースしたアルバム。Produceは勿論、Sly DunbarとRobert "Robbie" Basspeare。前作で印象的だったElectronic Drumsは目立たたなくなってよりHeavyになったリズム隊が気持ち良い。
アルバム1曲目は“Youth Of Eglington”。BPMを上げてPopな曲調ではあるがMichael RoseとPumaのChorusは何とも言えない魅力を放っている。
腰を落としたSly and Robbieのリズム隊がご機嫌な“Sponji Reggae”は硬派なMichael RoseのVocalが最高。ギターのRiffやVibraphoneのような音も効いている。
Sly Dunbarの激カッコイイFilで始まる“Sistren”。Slapも織り交ぜた遊び心のあるRobbieのベースもイイ感じ。VocalとChorusのみになるEndingも良き。
“Journey”もSly DunbarのFilから始まりタメのきいた粘り腰のリズム隊がたまらない。
“Utterance”もPumaの包み込むようなChorusが雰囲気を出している。ズッシリ重たいベースも最高。
雄たけびから始まる“Puff She Puff”。この曲もリズム隊は重たくHeavyであるが、Pumaのお茶目なChorusも聴けたりする。しかしベースとギター、ドラムスだけでこれだけ聴かせてくれるのは素晴らしい。
“Rockstone”はイントロの哀感を湛えたギターがイイ感じ。ここでもウネリまくるベースとSharpかつ懐の深いドラミングが最高に気持ち良い。PumaのChorusもイイ感じ。
アルイバム最後をシメるのは“Carbine”。この曲もントロが最高にカッコイイ。タメのきいたリズム隊にのってMichael RoseのVocalが吼える。Lead Guitarを弾いているのは元Blodwyn PigでMarianne Faithfullとの仕事で知られるBarry Reynolds。
◎Sponji Reggae/Black Uhuru
（Hit-C Fiore）