Out The Window/Jim Pulte | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Jim Pulteなる人物をほとんど知らないのにProduceを手掛けたのが大好きなJesse "Ed" Davisという理由だけで、この音盤を手にしてしまったのだった。なんとなくジャケットもイイ感じで、裏ジャケのCreditには、Ben SidranLeland SklarJim KeltnerDr. JohnLarry Knechtelといった大好きなMusicianの名前に混じって伝説のProducer/Sound Engineer Joe Zagarinoの名前があるではないか…、こ、これは、買いである。早速針を落としてみたら期待通りの、いやチョイLaid BackはいったSwampの香り漂うといった自分にツボな音が飛び出してきたのだった。Debut Albumにして実に落ち着きがありSwampの香り漂うサウンドも楽曲も完成度が高い。何者なんだ?Jim PulteはMoon MartinことJohn David Martinも在籍していたUniversity of Oklahomaの仲間たちが結成したThe DisciplesというRockabilly Comboのメンバーだった。彼らは後にSouthwindというPsychedelic Rock Bandとなりアルバムも3枚ほど残し、最終作ではSpecial ThanksにJesseのCreditもある。そこでJim Pulteはベースを弾き楽曲も提供しており、バンド解散後もThe Disciples時代の“Junior Saw It Happen”がSteve Miller Bandに、Southwind時代の“New Orleans (Mardi Gras)”がDel Shannonに取り上げられるなど、Songwriterとして、その才能は知る人ぞ知る存在だったかもしれない。本作でもJesse Davis作の“Reno Street Incident”以外は共作も含めて全ての楽曲を手掛けている。またMoon Martin(John Martin)がBacking Vocalで参加し、Fontaine BrownEric Daltonも楽曲を共作するなど、The Disciples~Southwind時代の盟友も参加していることが嬉しい。Jimは同年にDavid Lindleyも参加した2nd AlubumShimmy She Roll, Shimmy She Shake』をリリースしている。このアルバムも中々イイ感じ。ところが、その後、なぜかJim Pulteは長い沈黙に入ってしまうのであった。

 

 『Out The Window』はがJim PulteUnited Artists Recordsから72年にリリースしたアルバム。

アルバム1発目は“All Uphill From Here”。ユッタリマッタリ、イイ感じでLaid Backな心地良い雰囲気に浸るOpener力の抜けたJimのVocalも良き。

Pedal Steel  Guitarが心地良い“Anything”。Popで親しみやすい曲調で、ここでもJimのGentleな歌声がイイ感じ。

Leland Sklar低音でぶっとくウネるベースで始まる“My Heart's On Sweet Rollene”はBluesyなギタータメのきいたリズム隊Swampの香りを漂わせ激カッコイイが、やっぱりJimの脱力した普段着Vocalがイイなあ。そしてJesseの粘っこいギターが最高

Cry, Sing And Laugh”は名手Buddy EmmonsPedal Steelが雰囲気タップリの米国南部詩情漂うBallad

Bluesyに迫る“Point Me Home”もDr. John転がるピアノPedal SteelPercussionにのって気持ち良すぎ。

The Goose Flew Back”はCountryのTasteも感じさせるイナタくEarthyなノリの演奏にのて、Jimが心地良さげに歌っているのが良い。

上述のJesse Davis作の“Reno Street Incident”。70年リリースのJesseのDebut Album¡Jesse Davis!』収録。Dr. Johnのピアノや勿論Jesseのギターも最高。

Fontaine Brownとの共作“Big Times”。これまたStringsも加わった甘美南部の香りが濃厚なBallad

Fontaine BrownEric Daltonとの共作“Old Time Junkie”。タメのきいたリズム隊にのってJesseのTurtleneck Guitarが冴えわたるFunkyなナンバー

アルバム最後をシメるのはHorn隊も加わった泣きのBalladOut The Window”。

(Hit-C Fiore)