Michael HendersonといえばMiles Davisが『In a Silent Way』から始まり革新的なアルバム『Bitches Brew』を経てよりFunkな音楽性へと向かうElectric Milesの時期にアルバム『Jack Johnson』でベースに抜擢され『Live-Evil』や『On The Corner』というInnovativeなアルバムで演奏したMusicianとして知られている。またJazz FunkからR&B路線へ向かうNorman ConnorsのアルバムでBallad系の楽曲を提供しLead Vocalも担当、“You Are My Starship”は76年にUS R&B Single Chartで4位を記録している。Mississippi州はYazoo Cityに生まれ、60年代にDetroitに移ると、ベースを弾きはじめてSession Musicianとして注目を集めるようになる。Stevie Wonderの目に留まりTourのメンバーに抜擢されている。70年にリリースされたLive Album『 'Live' At The Talk Of The Town』ではブリブリ弾きまくるHendersonのベースを聴くことができる。Miles DavisはHendersonのベースに注目しStevieに"I'm taking your fucking bassist."と告げたという。HendersonはThe Dramaticsとも共演し71年にリリースされたアルバム『Whatcha See Is Whatcha Get』でその演奏を披露している。Milesが活動を休止した75年にConnersやGary Bartzの『The Shadow Do』、ProducerもつとめたDramaticsの『Drama V』などに参加、翌76年に1stソロ・アルバムとなる本作をリリースしている。HendersonはBassistとしてだけでなくSongwriter、Singerとして才能を如何なく発揮。鍵盤奏者にLester Williams、Rod Lumpkin、Rudy Robinson、Mark Johnson、ドラムスにJerry Jones、Leslie Daniels、ギターにはBruce Nazarian、Chorus隊はBrandy、Horn隊にはMarcus Belgrave、Eli Fontaine、Norma Bellといった上述のDramaticsの『Dram V』に参加したメンバーを中心にしたメンツ。Mahavishnu OrchestraやJean-Luc PontyのバンドのBassistして知られるRalph Armstrongがギターで参加しているのが興味深い。Hendersonはギターやドラムスも演奏し、Produceも担当して大活躍である。
『Solid』はMichael Hendersonが76年にBuddahからリリースしたアルバム。
アルバム1発目は“Make Me Feel Better”。タメのきいたリズム隊に女性ChoorusとHorb隊を従えて優男風に歌い上げるHendersonのVocalがイイ感じ。
SpacyでNastyなSynthesizerが飛び交うインスト曲“Time”。タメのきいたリズム隊にギターが唸りを上げる楽曲自体はありがちではあるがBottomを支える重たいベースが心地良い。
“Let Love Enter”は官能的な女性Chorusがご機嫌なJazzyでMellowなナンバー。夜の闇を駈けぬけていくTrumpetもイイ感じ。
HammondとScatによるイントロが絶品の“Treat Me Like A Man”。GentleにHendersonのVocalが結構イケる。
ぶっといSlap Bassが唸りを上げる重量級Funk“Solid”。こちらもFunkの繰り返しの美学が冴えわたるインスト曲。
優美なピアノで始まる“Be My Girl”はHendersonの雰囲気タップリのFalsettoが冴える必殺のBallad。こういう曲を歌わせたらHendersonの独壇場。
“You Haven't Made It To The Top”はFunkyなClavinetとエレピが心地良いFunk。Brandyによる女性Chorusもイイ感じ。Synthesizerとギターの掛け合いも良き。
Norman Connorsのアルバムに提供しJean CarnとDuetしたMellowなBallad“Valentine Love”のSelf Cover。
アルバム最後をシメるのはSpacyなSynthesizerが飛び交いHendersonのベースが歌う幻想的なBallad“Stay With Me This Summer”。
(Hit-C Fiore)