Conjunto 3Dはたった1枚のアルバムしか残さなかった所謂Super Groupである。Brasilのジャンルを越えた有能な鍵盤奏者/Composerの一人Antonio Adolfo率いるJazz Samba TrioのTrio 3DにSambaの女王と謳われた女性Singer Beth Carvalhoと69年にEgberto GismontiがArrangementsを担当した『Minha Chegada』という素晴らしいソロ・アルバムを残しているDandyism漂う男性SingerのEduardo Conde、名ギタリストのHelinhoことHélio Delmiroが加わったのがConjunto 3Dである。名手たちによる演奏は勿論バッチリなのは言うまでもないが、当時20代前半で若さ弾けるCuteで爽やかなBethのVocalにEduardo Condeの淡々と抑え気味なCoolでDandyな歌声がバッチリ噛み合って、陽気で爽快なChorusと共にお届けするのは名曲の数々。10代のAdolfoがLe Trio CamaraのドラムスNelson Serra De Castro、ベース奏者Carlos Monjardimと結成したTrio 3Dは本格派ではあるが、チョイと捻りのきいた硬派なJazz Sambaを聴かせてくれていたのだが、一体何が起こったのか、Adolfoがここで、こう来るかの大幅なPops路線に変更したのは個人的には大成功だったのではないかと思われる。これが数年後のAntonio Adolfo & A BrazucaというMagicalなPopsで魅了するGroupに繋がっていくのである。本作ではAdolfoの自作曲は1曲のみなのは残念だが、Chico BuarqueやRoberto Menescal、Marcos Valle、Gilberto Gilらの名曲にまじえてFrancis LaiやCole Porter、Herbie Hancockまで登場する選曲センスの妙が素晴らしい。正にJazzやPopsのジャンル越境。そして多幸感に満ち溢れた作品同様に野郎どもに囲まれてCharmingな笑顔を見せているBethが印象的なジャケットも最高っすなあ。
『Muito Na Onda』はConjunto 3Dが67年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目は“When The Saints Go Marching In”を小粋なBossaに仕上げている。
出ましたFrancis Laiの“Un Homme Et Une Femme”。これこそダヴァダヴァダChorusかと思わせて、なぜかインストというのも良い。
Marcos Valleの65年作『O Compositor E O Cantor』収録の“E Preciso Cantar”。男女Duetで言わずもがなの極上の仕上がり。
Antonio Adolfo作の“Patruira Samba”。男女のScatが小粋にキマってますな。
Gilberto Gilの“Roda”はご機嫌なJazz Sambaに仕上がっている。演奏は勿論Vocalもキレキレ。
Cole Porterの“I'Ve Got You Under My Skin”~“Night And Day”のMedleyは夢見心地。
Sid WayneとSherman EdwardsがVocal Group The Temposに書いた切なくも美しい名曲“See You In September”はアルバムで一番のお気に入り。
Chico Buarqueの名曲“Noite Dos Mascarados”も男女のかけ合いが何ともたまらんすなあ。
Herbie Hancockの“Watermellon Man”もAdolfoのFunkyなピアノが冴える素晴らしい仕上がり。
英国のNovelty Group The New Vaudeville Bandの“Winchester Cathedral”もHelinhoの口笛とギターをFeatureした愛らしいBossaに仕上がっている。
Roberto Menescalの“Canto Ou Fuga”は艶っぽいVocalがたまらんす。
アルバム最後をシメるのはMarcos Valleの“Sonho De Lugar”を爽やかなJazz Sambaのインストで後味スッキリでアルバムの幕を閉じる。
(Hit-C Fiore)









