Violeta De Outono/Violeta De Outono | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Violeta De Outono2012年からGongGuitaristとして活動しているFabio GolfettiDrummerCláudio Souzaを中心にBrasilはSão Paulo80年代半ばに結成されたバンド。Gongは昨年5月にSteve Hillage Bandと来日公演も果たし新作『Unending Ascending』をリリースしている。他にもFabioは精力的に活動しているようだ。Violeta De Outonoを結成する前、FabioとCláudioはZeroというPost-Punk系(後にNew Romantic系)のバンドに参加していた。85年にSingle“Heróis”の録音に参加後、2人は脱退してBassist Angelo PastorelloVioleta De Outonoを結成する。本作は87年にリリースされた彼らのDebut Albumである。Original曲にまじえてThe Beatlesの“Tomorrow Never Knows”のCoverが収録されていて、これが評判を呼んだが、翌88年にリリースされたEP『The Early Years』にはThe Beatlesの“Within You Without You”に加えてThe Rolling Stonesの“Citadel”、Pink Floydの“Interstellar Overdrive”、Gongの“Blues for Findlayが収録されており、彼らのRootsが垣間見られて興味深い。Fabioは幼少時からClassical Guitarを習うかたわら、The BeatlesやThe Rolling Stones、Pink Floyd、Led Zeppelin、Gongを聴いて育ち、ギタリストとしてDaevid AllenSyd BarrettTerje RypdalSteve HillageManuel Göttschingから大きな影響を受けたという。FabioはDaevid Allenが世界各国のMusicianと連携するInvisible Opera Company Of TibetTropical Version Brazilのメンバーとしても活動している。Violeta De Outonoもメンバー・チェンジを重ねながら活動は続いていると思われるがGongのメンバーとしてRecordingとTourもしているFabioのことを考えると新作のリリースが遅くなるのも無理はないだろう。強烈な個性や先進性こそないが、コレはコレで楽しめる音である。

 

 『Violeta De Outono』はVioleta De Outono87年にリリースしたアルバム。ギターとVocalのFabio GolfettiとDrummerのCláudio Souza。ベースのAngelo PastorelloというTrio編成

アルバム1曲目は“Outono”。ギターとベースは明らかにPost-Punk以降の音使いといった感じではあるが、Psychedelicな香り中期Beatlesを思わせる歌メロ疾走感のあるリズム隊をバックに心地良ささえ感じさせる。

Declínio De Maio”も同様にPsychedelicでPopな中にFabioの唸りを上げるギターがイイ感じ。FabioのVocalも決して上手いとは言えないが雰囲気を出していて味がある

Faces”は哀感漂うAcoustic Guitarの弾き語りで始まり徐々にPsychedelicな香りに包まれていくのが良い。

Luz”はRagaなRiffで始まり、やはりPsyhedelicな展開になるがMinimalなベースやギター暴れまくるギター・ソロがカッコイイ。

A面最後を飾る“Retorno”もPost-Punk以降のギターとベースで1分チョッとで終わってしまうインスト曲

Dia Eterno”もイントロから80年代New Wave疾走感に満ちたサウンドマッタリしたVocalが飛び出す。

Noturno Deserto”はPierre Moerlen's GongのようなMinimalなMarimbaの連打からギターがEmotionalに唸りを上げる80年代Post-Punkな展開になるのが面白い。

Sombras Flutuantes”はMinimalなベースをバック浮遊感に満ちたギターがSpacyに暴れまくるインスト曲

アルバム最後をシメ」るのは上述の“Tomorrow Never Knows”。Steve Hillageを思わせるBeatlesの激カッコイイCover

(Hit-C Fiore)