はっきりしない天気が続いていたが、やっぱり風薫る季節には外に出かけて、思いっきり太陽の眩しい光を浴びながら心地よい風に吹かれるのが好きだ。
この季節は雨の日も曇りの日も風情があるけれど、やっぱり晴れた日の爽やかな風は最高。
さて、ジャケットでGong(銅鑼:ドラ)をバックにして気持ちよさそうな顔というか、幾分ナル入った表情でMalletを握っているのはPierre Moerlenさん。
実際、非常に気持ちよい作品で実は以前、この季節にドライブする時にはこのアルバムを昼にかけ、夜にハイウェイを飛ばす時は次作『Time Is The Key』というのが定番だった。
追い風という意味のアルバム・タイトルは自信の表れなんだろうか?
GongはSoft Machineのオリジナル・メンバーだったDaevid Allenがパリで結成したグループ。
メンバーの出入りが激しく英仏のミュージシャンが入り乱れながら、ついにはDaevid Allen自身も脱退して、その後を他のメンバーが引き継ぐことになる。
そして途中加入のフランス人Drummer、PercussionistのPierre Moerlenがリーダーとして引き継ぐ形となって
テクニックを全面に押し出した路線に拍車がかかり、ついにはPierre Moerlen's Gongと名を改めた第一作目が、この作品である。
Gongには大好きなSteve Hillageも在籍していたので「Radio Gnome Invisible」三部作あたりも好きである。
また、Allen翁も好きなのでAcid感全開でお気楽モード爆発の『Camembert Electrique』や、Gongを離れた後の一連の作品も結構面白いのである。
つまりGong関連は、どの時期も、それぞれの魅力があって楽しめてしまう。
『Downwind』は79年発表の作品
個人的にSteve Winwoodが鍵盤で参加しているのが嬉しい。
Winwoodは元来セッション好きなのか、結構意外な作品に参加しているけれど、ここでも存在感のあるプレイは流石。
British陣営はさらにギターでMick TaylerやMike Oldfieldまで参加している。
2人とも個性を発揮した、実に人間っぽいギターを弾いてともすればミニマルな人間離れした作風に温かみを与えている。
対するおフランス勢も強力である。
Didier LockwoodのViolinはMagmaの時とは別人のように抑え目ながらゆっくりと天高く上昇していくようで素晴らしい。
こういう大人のプレイも、優雅にしてエロティックで好きである。
Hansford RoweのFretless Bassが、この時代っぽく、フレージングも良い。
特に“Crosscurrents”でのBassは気持ち良い。
フランス人ながらCanterburyなDidier Malherbeおじさんも花を添えている。
勿論VibraphoneやMarimba等の打楽器を駆使したMoerlen兄弟のリズムの切れ味と色彩感は抜群。
いずれにしても個性溢れる英仏混合軍が展開するサウンドは快感原則にのっとったものである事が何より素晴らしい。
“Aeroplane”でのWinwoodといい、“What You Know”のTaylerといい共にBluesyな持ち味を発揮しているのが面白い。
アルバム・タイトル曲でのOldfieldの絡みつくようなギターもらしくて良い。
“Jin-Go-Lo-Ba”はSantanaも1stでとりあげたナイジェリア人PercussionistであるBabatunde Olatunjiの作品。
Hit-C Fiore