Revolver/The Beatles | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC


 自分にとって、間違いなくThe Beatlesの大好きなアルバムTop3に入る『Revolver』。とにかく自分の大好きな曲が一番数多く入っているThe Beatlesのアルバムだ。George作の“I Want To Tell You”やPaulの珠玉の名曲“Here, There And Everywhere”、“For No One”、そしてJohnの真骨頂が発揮されたOne ChordのExperimental Popな“Tomorrow Never Knows”。Georgeファンの自分にとっては、このアルバムの魅力は、A面の1曲目を飾る“Taxman”、この1曲にアルバムの魅力が集約されていると思っている。英国の重税を思いっきり皮肉った歌詞といい、Paulの弾くPsychedelicなリード・ギターといい歌詞もサウンドも、ありふれたPop Bandを軽く凌駕していて最高なわけであるが、何よりもPaulの7thのみならず6thの音を使った想像力豊かFunkyなベースラインが最高なのである。このアルバムからベースの低音がより響くようなサウンドになっていく。そして水を得た魚のごとくStudioの魔術に魅せられていく彼らが生み出した奇跡のような本作には、Creativityが一気に頂点へと向かっていくバンドの勢いが感じられる。いずれにしてもThe Beatlesが66年の8月にSan FranciscoのCandlestick Parkで行ったCocertを最後にLive Cocertを行わないStudio Recording Bandとしての道を歩んでいく中で、その直前にリリースされた魔法のようなアルバムだ。Liveでは再現できないStudio技術を駆使しながらも従来の発想を遥かに超えたThe Beatlesのぶっ飛んだ感性作曲能力が頂点に向かいつつあるMagicalな作品である。Double Trackが初めて用いられたアルバムということだが、自分もその魅力にハマった末に、デモテープで多用したものだ(その後、Double Track禁止令を自分に課している)。

 『Revolver』はThe Beatles66年にリリースした7thアルバムである。
アルバム1曲目は上述のGeorge作“Taxman”。Cynicalな歌詞をFunkyなPop Songにのせた名曲だ。
Modeな響きをGeorge Martinが重厚なDouble String Quartetでたまらなく英国的な香りで表現した“Eleanor Rigby”。
逆回転ギターが素晴らし過ぎる“I'm Only Sleeping”。気怠く歌うJohnのVocalとベース・ライン、Paulのハモりも最高。
SitarTablaを使ったGeorgeのRaga路線“Love You To”。
PaulらしいSentimentalな名曲Here, There And Everywhere”。
RingoのVocalがイイ味出してるほっこりしたYellow Submarine”。
Johnらしい6拍子を経由して4拍子3拍子が交錯するPsychedelicな“She Said She Said”。
Vaudevilleな“Good Day Sunshine”。エンディングが素晴らしい。George MartinHonky-Tonkなピアノ・ソロが絶品ですな。
イントロのギターRiffから痺れまくりの隠れた名曲And Your Bird Can Sing”。Aメロ~Bメロ~サビ、ギターのハモりChorus、とにかく最高。
French Hornの響きがPaulの珠玉の旋律をひきたてる“For No One”。PaulとRingoだけで録音されたものの、Experimentalな作品が並ぶ本作の中でも重要な位置を占める極めて英国的な小品である。
Drug SongDr. Robert”。はHarmoniumも使用されたMixolydian ModeにSolidに絡むギターの響きが素晴らしい。
Georgeらしい奇妙な味わいのPopsI Want To Tell You”。ギターのRiff、GeorgeのVocal、PaulのハモりII7 Chordの使い方、♭9を響かせるピアノ、Bメロの展開、どれをとっても自分の大好物。
高揚感に満ちたBrass RockGot To Get You Into My Life”。PaulのSoulfulなVocalも素晴らしい。
One ChordPsychedelicにTripする“Tomorrow Never Knows”。カモメの鳴き声のような逆回転ギターやRingoのドラミングLeslieを通したVocal、16種のTape LoopExperimentalなPop Musicの最高峰に到達した名曲でアルバムは幕を閉じる。
(Hit-C Fiore)