将棋竜王戦挑戦者決定戦は佐々木勇気対広瀬
木曜日、金曜日に将棋竜王戦準決勝が行われ、表題の通りとなった。小学生名人を取った時からフォローしてきた佐々木勇気がついにタイトル戦に挑戦するかというところまで来た。これまで挑戦者決定戦にすら出ていないのが不思議である。 両対局の様子はこちらでご覧下さい。(今日は図面アップはしません) 佐々木対広瀬となると、前期NHK杯戦で藤井に勝利している経緯もあるし、まだタイトル戦に出ていないということもあり、佐々木応援派の方が多いだろうか。伊藤匠が一つ結果を出したこともあり、藤井に勝てないまでも善戦を期待する人は相当にいそうだ。【竜王戦棋譜速報】佐々木勇気八段が挑戦者決定三番勝負へ…136手で佐藤康光九段破る【読売新聞】 藤井聡太竜王への挑戦者を決める竜王戦決勝トーナメント(本戦)準決勝、佐藤康光九段(54)と佐々木勇気八段(29)の対局が25日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で行われた。 勝負は同日午後10時9分、佐藤九段が投了し、136www.yomiuri.co.jp【竜王戦棋譜速報】広瀬章人九段が勝ち、佐々木勇気八段と挑決三番勝負へ…115手で山崎隆之八段破る【読売新聞】 藤井聡太竜王への挑戦者を決める竜王戦決勝トーナメント(本戦)準決勝、山崎隆之八段(43)と広瀬章人九段(37)の対局が26日、大阪市の関西将棋会館で行われた。 勝負は同日午後9時13分、山崎八段が投了、115手で広瀬www.yomiuri.co.jp ただ、佐々木対佐藤戦は私は佐藤サイドで観戦していた。先手佐藤となり、矢倉でがっちり先手玉を固める序盤戦にまずは安堵した。消費時間も五分五分なのもよい。これはウルトラパワー炸裂か?と楽しみにしたのだが、夜戦になるとどうも形勢が悪くなっていく。 夕食前63手目の桂の跳ね違えは、『筋はいいけれど(後手の飛車のさばきが難しくなる)現実の桂得を見送るのもどうなんだろう?』と若干違和感があり、71手目の佐藤の長考時の評価値は後手に傾いていた。形が先手がよいのだが、持ち歩の数が少なくて中央に進出した桂馬を存分に使役しきれなさそう。金銀の進出も難しく攻撃形の構築に苦労しそうでもある。でも、佐藤なら何か活路を切りだしてくれるのではないかと盤面を眺めていたのだが、どうも後手の受けに余裕があった。 75手目に▲5六金という強烈な勝負手があったようなのだが(これを発見する控室の石井も凄い)、この手は指されない。以下は評価値の上下はあったかもしれないが、佐々木玉が不安な状況に陥ることもなくそのまま佐々木制勝。安定感が高かったですね。分かりやすい局面に持っていったということかもしれない。現在のレーティングを参照すると佐々木の方が広瀬に勝ち味があるようで、私もそのように予想している。 広瀬対山崎だが、山崎の序盤思想が相当に変で、これも「ちょい悪」とか「力戦志向」というのかもしれないが、一体飛車をどうしたかったのかという論点に絞ってみてもさっぱり訳が分からない。中盤で2、3筋で生じた金銀の密集も不可解で、それは左側を先手は攻撃するでしょう、と感じたところ案の定そうなって、形づくりすらできない将棋となった。アマは真似をしない方がよいでしょう。 挑戦者決定戦は7月29日から。この日は早めの帰宅をして観戦するつもりです。